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審決分類 審判 一部申し立て その他  C09D
管理番号 1061099
異議申立番号 異議2001-71214  
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-01-09 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-04-23 
確定日 2002-05-13 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3102269号「インクジェット記録方法」の請求項1ないし3、5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯

特許第3102269号の請求項1〜6に係る発明についての出願は、平成6年6月23日に特許出願され、平成12年8月25日にその特許権の設定登録がなされ、その後東芝テック株式会社より請求項1〜3,5に係る発明に対して特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成14年3月6日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断

(1)訂正の内容

特許権者が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。

訂正事項I
特許請求の範囲の、
「【請求項1】 着色剤としての顔料と、インク溶媒として非水系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、
前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5 かつ 10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項2】 前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
【請求項3】 前記非水系溶剤は、表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下の低揮発性有機溶剤であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
【請求項4】 前記低揮発性有機溶剤であるインク溶媒は、プロレングリコール系溶剤であることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録方法。
【請求項5】 前記低揮発性有機溶剤であるインク溶媒は、脂肪族炭化水素であることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録方法。
【請求項6】 前記低揮発性有機溶剤であるインク溶媒は、二塩基酸エステルであることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録方法。」を
「【請求項1】 着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、
前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、
0.05≦X≦0.5 かつ 10≦Y≦100X+50
を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項2】 着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下の二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、
前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、
0.05≦X≦0.5 かつ 10≦Y≦100X+50
を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項3】 前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録方法。」
に訂正する。

訂正事項II
特許明細書の段落【0008】の
「【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の請求項1では、着色剤としての顔料と、インク溶媒として非水系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とする。」を
「【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の請求項1では、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とする。」
に訂正する。

訂正事項III
特許明細書の段落【0009】の
「請求項2では、前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする。」を
「請求項2では、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下の二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5 かつ 10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とする。」
に訂正する。

訂正事項IV
特許明細書の段落【0010】の
「請求項3では、前記非水系溶剤は、表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下の低揮発性有機溶剤であることを特徴とする。」を
「請求項3では、前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする。」
に訂正する。

訂正事項V
特許明細書の段落【0011】の記載を削除する。

訂正事項VI
特許明細書の段落【0012】の記載を削除する。

訂正事項VII
特許明細書の段落【0013】の記載を削除する。

訂正事項VIII
特許明細書の段落【0014】の
「【作用】上記の構成を有する本発明の記録用インクでは、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することによって、良好に噴射が行われる。」を
「【作用】上記の構成を有する本発明の記録用インクでは、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤または二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することによって、良好に噴射が行われる。」
に訂正する。

訂正事項IX
特許明細書の段落【0047】の
「【発明の効果】上記の構成を有する本発明によれば、顔料粒子の平均径Xμmと液滴量Yplとの関係が0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50の条件を満たしているので、インク噴射が良好であり、印字品質が良好であり、インクの保存安定性も良好である。」を
「【発明の効果】上記の構成を有する本発明によれば、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤または二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、顔料粒子の平均径Xμmと液滴量Yplとの関係が0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50の条件を満たしているので、インク噴射が良好であり、印字品質が良好であり、インクの保存安定性も良好である。」
に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否

訂正事項Iについて検討する。
訂正後の請求項1及び2は、引用形式で記載されていた訂正前の請求項4及び6を、それぞれ独立形式の記載に訂正したものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。また、訂正前の請求項2で規定する単位インク滴量Yに関する条件は、明細書全体からみて、本件の訂正前の請求項3〜6に係る発明においても当然備えているものであり、訂正後の請求項3は、訂正前の請求項4及び6についてこの条件を加入したものと認められるから、特許請求の範囲の減縮ないしは明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
なお、訂正後の請求項1〜3は、上記したように訂正前の請求項4及び6について訂正されたものであるから、それ以外の訂正前の請求項、即ち、訂正前の請求項1〜3及び5については削除されたものとみなされる。
以上のとおりであるから、訂正事項Iは、特許請求の範囲の減縮ないしは明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する。

訂正事項II〜IXは、いずれも、特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合性を図るために、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。

そして、上記各訂正事項は、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)むすび

以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断

本件の請求項1〜3,5に係る発明は、訂正の結果削除され、特許異議の申立ての対象が存在しないので、この特許異議の申立ては、不適法な申立てであって、その補正をすることができないものである。
したがって、本件特許異議の申立ては、特許法第120条の6第1項で準用する第135条の規定によって却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
インクジェット記録方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、
前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、
0.05≦X≦0.5 かつ 10≦Y≦100X+50
を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項2】 着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmH以下の二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、
前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、
0.05≦X≦0.5 かつ 10≦Y≦100X+50
を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項3】 前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、着色剤としての顔料と、インク溶媒として非水系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録用インクとしては、着色剤として染料を水に溶解させた水性染料インク組成物が主流を占めている。そのような水性染料インク組成物は、各種の水溶性染料を水または水溶性有機溶剤の混合溶剤に溶解しており、必要に応じて各種添加物が添加されたものが現在主として用いられている。しかしそのような水性染料インク組成物は耐水性、耐光性等の面で十分とは言えず、様々な改良が検討されているが、未だ十分ではない。
【0003】
この欠点を解消するため、近年では着色剤として染料よりも耐水性、耐光性が優れている顔料を用いたインク組成物の開発が進められており、そのインク組成物は大別して水系顔料インクと非水系顔料インクに分けられる。
【0004】
水系顔料インクは粘度がかなり低いため、インク噴射装置に用いるとインクを噴射する際にミスト化したり、小液滴が生成することがあり、印字品質が悪くなることがある。また組成の大部分を占める水の蒸気圧がかなり高いため、乾燥し易く、ヘッドの先端部での目詰まりが発生することがある。これらの問題を解決するためによくエチレングリコール系の溶剤が添加されるが、そうすると一般的には増粘し、粘度の温度依存性が高くなり、液滴生成のために比較的大きなエネルギーが必要となる。また泡立ち易くなり、一旦インクジェットヘッドの小さなオリフィス内で気泡ができてしまうと脱気が困難であり、印字品質に大きな影響を及ぼすことになる。
【0005】
次に、非水系顔料インクとしては、特開平3-64377号公報、特開平3-115372号公報に開示されているものがある。非水系顔料インクは、インク溶媒として使用する有機溶剤の種類によってかなり性能が変わってくる。例えばプロピレングリコール系溶剤では、粘度の温度依存性が低く、常温でも30cps以下であるため、液滴生成のためには小さなエネルギーしか必要としない。また水よりは粘度が高いため、インクの噴射の際にミスト化したりすることもない。蒸気圧も水に比べてかなり低いため、乾燥しにくく、ヘッドの先端部で目詰まりする確率がかなり低くなる。しかし乾燥しにくくても表面張力が低いため、紙面上ではすばやく紙の繊維に吸収され、印字した面がべとつくことはない。また非常に泡立ちにくく、空気の溶解度も低いため、気泡を生じることはほとんどない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような非水系顔料インクでは表面張力が低いため、インク中に分散された顔料粒子の大きさが小さいと、溶剤と共に紙の繊維に顔料粒子が広がり滲みの原因となる。逆に顔料粒子が大きいとインクとしての保存安定性が悪くなる。またインク噴射時の液滴量が少ないと滲みは少ないが、着色力が小さくなる。逆に液滴量が多いと表面張力が低いため滲みがひどくなる。
【0007】
そこで本発明は以上のような問題を解決し、保存安定性に優れ、印字品質が良いインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の請求項1では、着色剤としての顔料と、インク溶媒として着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とする。
【0009】
請求項2では、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下の二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とする。
【0010】
請求項3では、前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】
上記の構成を有する本発明の記録用インクでは、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤または二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することによって、良好に噴射が行われる。
【0015】
【実施例】
本発明の一実施例の記録用インクは非水系の溶媒と顔料とからなり、必要に応じて分散剤や樹脂等が添加される。顔料はインクの着色成分である。また、分散剤は顔料を溶媒中で分散させるものであり、樹脂は顔料粒子の凝集を防ぎ、かつ印字後の耐水性を向上させるものである。
【0016】
顔料は無機顔料・有機顔料のいずれもが使用出来る。例えば白黒用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類、または酸化チタン等の金属酸化物、あるいはオルトニトロアニリンブラック等の有機顔料が使用できる。更にカラー用としては、トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファーストイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサンバイオレット、ピクトリアピュアブルー、アルカリブルートナー、ファーストイエロー10G、ジスアゾイエローAAOT、ジスアゾイエローAAMX、ジスアゾイエローHR、ジスアゾイエローAAOA、黄色酸化鉄、オルトニトロアニリンオレンジ、ジニトロアニリンオレンジ、バルカンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラレッド、ブリリアントファーストカーレット、ナフトールレッド23、ピラゾロンレッド、バリウムレッド2B、カルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2B、マンガンレッド2B、バリウムリソームレッド、ピグメントスカーレッド3Bレーキ、レーキボルドー10B、アンソシン3Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ローダミン6Gレーキ、エオシンレーキ、ベンガラ、ファフトールレッドFGR、ローダミンBレーキ、メチルバイオレッドレーキ、ジオキサジンバイオレッド、ベーシックブルー5Bレーキ、ベーシックブルー6Gレーキ、ファーストスカイブルー、アルカリブルーRトナー、ピーコックブルーレーキ、紺青、群青、レフレックスブルー2G、レフレックスブルーR、ブリリアントグリーンレーキ、ダイアモンドグリーンチオフラビンレーキ、フタロシアニングリーンG、グリーンゴールド、フタロシアニングリーンY、酸化鉄、さびこ、亜鉛華、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、アルミナホワイト、アルミニウム、ブロンズ、昼光蛍光顔料、パール顔料、ナフトールカーミンFB、ナフトールレッドM、パーマネントカーミンFB、ファーストイエローG、ジスアゾイエローAAA、アルカリブルーGトナー等、その他顔料表面を樹脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料等が使用できる。
【0017】
次に、分散剤としては、イオン性(アニオン及びカチオン性)、両性、ノニオン性界面活性剤、高分子系界面活性剤、高分子化合物等が使用できる。
【0018】
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、高級アルキルエーテル硫酸塩等が使用でき、具体的にはラウリル硫酸アンモニウムやポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等である。
【0019】
カチオン性界面活性剤としては、脂肪族アンモニウム塩、アミン塩等が使用でき、具体的にはアルキルトリメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルアミン等である。
【0020】
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン等のベタイン型、アルキルジメチルアミンオキシドのオキシド型等が使用できる。
【0021】
ノニオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルコールエステル、多価アルコール脂肪酸エステル等が使用できる。
【0022】
高分子系界面活性剤あるいは高分子化合物としては、高分子量ポリウレタン、ポリエステル、顔料に強い親和性のある官能基(例えばカルボニル基、アミノ基等)を含む高分子共重合物等が使用できる。
【0023】
樹脂は、一旦溶媒に溶けてしまえばインクジェットプリンター操作温度もしくは室温で析出したりゲル化したりしないものが選ばれる。例えばアルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステル等である。
【0024】
溶媒としての低揮発性有機溶剤としては、顔料を除く上記インク組成物の構成成分をいずれも良く溶解させ、インクジェットヘッドの先端部での目詰まりを防ぐために湿潤剤としても働き、紙への浸透乾燥を速くする(表面張力が37dyn/cm以下)の溶剤が選ばれる。また、引火点が高く、臭気が少なく、蒸気圧が10mmHg(20℃)以下の溶剤、例えばプロピレングリコール系溶剤、脂肪族炭化水素、二塩基酸エステル等が望ましい。具体的にはプロピレングリコール系溶剤としてはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ポリプロピレングリコール、脂肪族炭化水素としては出光石油化学社のIPソルベント、日本石油化学社のアイソゾール、エクソン社のアイソパール、シェル石油化学社のシェルゾール、二塩基酸エステルとしてはデュポン社のDBE、ゼネカ社のイムゾールR等である。
【0025】
以下、本発明の実施例1〜5及び比較例1〜9を説明する。なお噴射特性や印字品質を比較し易くするため、実施例1〜5及び比較例1〜7に於いては着色剤(ここではカーボンブラック)以外は同じ材料を使用し、同じ添加量で行った。もちろんこれらの着色剤及びその他の添加物は、これらに限定されるものではなく、添加量もこれらに限定されるものではない。比較例8,9のインクについては、溶媒の表面張力または蒸気圧を変えて作製した。
【0026】
実施例1
溶媒(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、表面張力30.7dyn/cm(25℃)、蒸気圧0.02mmHg(20℃)、78重量部)に樹脂(マレイン酸レジン、マルキードNo.1、荒川化学工業社製、3重量部)及び分散剤(顔料に強い親和性のある官能基を含む高分子共重合物、Disperbyk-163、BYK-Chemie社製、8重量部)を溶解し、カーボンブラック(#2650、三菱化成社製、11重量部)を添加してプレミックスする。その後ビーズミル(1mmビーズ、回転数4000rpm)にて30分間分散し、顔料平均径0.48μmのインクを得た。このインクを、特開平2-150355号公報に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに用いて25pl、50pl、80plで噴射したところ、いずれも噴射は良好であり、印字品質も良好であり、紙面上での乾燥も速かった。また作製したインクを70℃で6ヶ月間、50℃で1年間保存したところ、顔料粒子の沈澱は見られなかった。
【0027】
尚、本実施例では、インク滴を噴射させる圧力を発生させるための電圧値を変えてインク滴量を変化させた。その他、インクジェットヘッドのノズルの大きさ、圧力を発生させるインク室の大きさ等を変化させたヘッドを用いたり、圧力を発生させるための電圧幅等を変化させたりして、インク滴量を変化させることができる。
【0028】
実施例2
実施例1と同様の組成で分散時間を45分間とし、顔料平均径0.4μmのインクを得た。このインクを前記インクジェットヘッドに用いて12pl、40pl、85plで噴射したところ、いずれも噴射は良好であり、印字品質も良好であり、紙面上での乾燥も速かった。また作製したインクを70℃で6ヶ月間、50℃で1年間保存したところ、顔料粒子の沈澱は見られなかった。
【0029】
実施例3
実施例1と同様の組成で分散時間を4時間とし、顔料平均径0.25μmのインクを得た。このインクを前記インクジェットヘッドに用いて12pl、35pl、70plで噴射したところ、いずれも噴射は良好であり、印字品質も良好であり、紙面上での乾燥も速かった。また作製したインクを70℃で6ヶ月間、50℃で1年間保存したところ、顔料粒子の沈澱は見られなかった。
【0030】
実施例4
溶媒(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、78重量部)に樹脂(マレイン酸レジン、マルキードNo.1、荒川化学工業社製、3重量部)及び分散剤(顔料に強い親和性のある官能基を含む高分子共重合物、Disperbyk-163、BYK-Chemie社製、8重量部)を溶解し、カーボンブラック(Printex150T、デグサ社製、11重量部)を添加してプレミックスする。その後ビーズミル(1mmビーズ、回転数4000rpm)にて4時間分散し、顔料平均径0.15μmのインクを得た。このインクを前記インクジェットヘッドに用いて12pl、30pl、60plで噴射したところ、いずれも噴射は良好であり、印字品質も良好であり、紙面上での乾燥も速かった。また作製したインクを70℃で6ヶ月間、50℃で1年間保存したところ、顔料粒子の沈澱は見られなかった。
【0031】
実施例5
溶媒(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、78重量部)に樹脂(マレイン酸レジン、マルキードNo.1、荒川化学工業社製、3重量部)及び分散剤(顔料に強い親和性のある官能基を含む高分子共重合物、Disperbyk-163、BYK-Chemie社製、8重量部)を溶解し、カーボンブラック(#850、三菱化成社製、11重量部)を添加してプレミックスする。その後ビーズミル(0.5mmビーズ、回転数4000rpm)にて6時間分散し、顔料平均径0.07μmのインクを得た。このインクを前記インクジェットヘッドに用いて12pl、30pl、55plで噴射したところ、いずれも噴射は良好であり、印字品質も良好であり、紙面上での乾燥も速かった。また作製したインクを70℃で6ヶ月間、50℃で1年間保存したところ、顔料粒子の沈澱は見られなかった。
【0032】
比較例1
溶媒(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、78重量部)に樹脂(マレイン酸レジン、マルキードNo.1、荒川化学工業社製、3重量部)及び分散剤(顔料に強い親和性のある官能基を含む高分子共重合物、Disperbyk-163、BYK-Chemie社製、8重量部)を溶解し、カーボンブラック(#2650、三菱化成社製、11重量部)を添加してプレミックスする。その後ビーズミル(1mmビーズ、回転数4000rpm)にて15分間分散し、顔料平均径0.6μmのインクを得た。このインクを前記インクジェットヘッドに用いて5pl、30pl、60pl、100pl、120plで噴射したところ、いずれも噴射が不安定であり、120plでは印字した際の滲みがひどかった。また作製したインクを70℃で6ヶ月間、50℃で1年間保存したところ、顔料粒子の沈澱が見られた。
【0033】
比較例2
実施例1で得られたインク(顔料平均径0.48μm)を前記インクジェットヘッドに用いて10pl、100plで噴射したところ、10plでは噴射が不安定であり、100plでは印字した際の滲みがひどかった。
【0034】
比較例3
実施例2で得られたインク(顔料平均径0.4μm)を前記インクジェットヘッドに用いて5pl、100plで噴射したところ、5plでは噴射が不安定であり、100plでは印字した際の滲みがひどかった。
【0035】
比較例4
実施例3で得られたインク(顔料平均径0.25μm)を前記インクジェットヘッドに用いて5pl、80plで噴射したところ、5plでは印字後の濃度が低く(OD値で1以下)、80plでは印字した際の滲みがひどかった。尚、一般的にOD値が1.2以上で有れば、印字濃度は良好である。
【0036】
比較例5
実施例4で得られたインク(顔料平均径0.15μm)を前記インクジェットヘッドに用いて5pl、70plで噴射したところ、5plでは印字後の濃度が低く(OD値で1以下)、70plでは印字した際の滲みがひどかった。
【0037】
比較例6
実施例5で得られたインク(顔料平均径0.07μm)を前記インクジェットヘッドに用いて5pl、60plで噴射したところ、5plでは印字後の濃度が低く(OD値で1以下)、60plでは印字した際の滲みがひどかった。
【0038】
比較例7
溶媒(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、78重量部)に樹脂(マレイン酸レジン、マルキードNo.1、荒川化学工業社製、3重量部)及び分散剤(顔料に強い親和性のある官能基を含む高分子共重合物、Disperbyk-163、BYK-Chemie社製、8重量部)を溶解し、カーボンブラック(#960、三菱化成社製、11重量部)を添加してプレミックスする。その後ビーズミル(0.5mmビーズ、回転数4000rpm)にて10時間分散し、顔料平均径0.045μmのインクを得た。このインクを前記インクジェットヘッドに用いて5pl、12pl、30pl、50pl、60plで噴射したところ、60plでは印字した際の滲みがひどく、それ以外は印字後の濃度が低くかった(OD値で1以下)。なお作製したインクを70℃で6ヶ月間、50℃で1年間保存したところ、顔料粒子の沈澱は見られなかった。
【0039】
比較例8
溶媒(プロピレングリコールフェニルエーテル、表面張力39.8dyn/cm(25℃)、蒸気圧0.01mmHg未満(20℃)、78重量部)に樹脂(マレイン酸レジン、マルキードNo.1、荒川化学工業社製、3重量部)及び分散剤(顔料に強い親和性のある官能基を含む高分子共重合物、Disperbyk-163、BYK-Chemie社製、8重量部)を溶解し、カーボンブラック(Printex150T、デグサ社製、11重量部)を添加してプレミックスする。その後ビーズミル(0.5mmビーズ、回転数4000rpm)にて4時間分散し、顔料平均径0.12μmのインクを得た。このインクを前記インクジェットヘッドに用いて12pl、30pl、50plで噴射したところ、いずれも紙面上での乾燥が遅く、印字直後に印字面に触れるとインクが手に付着した。なお作製したインクを70℃で6ヶ月間、50℃で1年間保存したところ、顔料粒子の沈澱は見られなかった。
【0040】
比較例9
溶媒(メチルエチルケトン、表面張力24.6dyn/cm(20℃)、蒸気圧71.2mmHg未満(20℃)、78重量部)に樹脂(マレイン酸レジン、マルキードNo.1、荒川化学工業社製、3重量部)及び分散剤(顔料に強い親和性のある官能基を含む高分子共重合物、Disperbyk-163、BYK-Chemie社製、8重量部)を溶解し、カーボンブラック(Printex150T、デグサ社製、11重量部)を添加してプレミックスする。その後ビーズミル(0.5mmビーズ、回転数4000rpm)にて4時間分散し、顔料平均径0.13μmのインクを得た。このインクを前記インクジェットヘッドを用いて噴射しようとしたところ、すぐにヘッドの先端部で乾燥し、噴射不可能となってしまった。なお作製したインクを70℃で6ヶ月間、50℃で1年間保存したところ、顔料粒子の沈澱は見られなかった。
【0041】
以上説明したように、比較例1〜7の記録用インクでは、印字した際に滲みがひどくなったり、印字後の濃度(OD値)が低くなったり、噴射が不安定となったり、あるいは顔料粒子の沈澱が見られたりした。表面張力39.8dyn/cmである比較例8では紙面上での乾燥が遅く、蒸気圧71.2mmHg未満である比較例9ではヘッドの先端部でインクが乾燥し、噴射不能となってしまった。これに対し、実施例1〜5の記録用インクでは、紙面上での乾燥が速く、インクジェットヘッドの先端部で乾燥しにくく、目詰まりしにくく、噴射が良好であり、印字品質が良好であり、インクの保存安定性も良好であった。そして、実施例1〜5で使用した溶媒以外の溶媒として、上述した表面張力が37dyn/cm以下であり、蒸気圧が10mmHg(20℃)以下である低揮発性有機溶剤を用いてインクを作製したところ、実施例1〜5と同様に、良好な結果が得られた。従って、比較例8,9については、表面張力が37dyn/cmより大きいまたは蒸気圧が10mmHg(20℃)より大きい溶媒を使用しているために、紙面上での乾燥が遅かったり、ヘッドの先端部でインクが乾燥して噴射不能となったりした。
【0042】
そこで、実施例1〜5及び比較例1〜7の顔料粒子径と液滴量の結果を図1に示す。前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、実施例1〜5は、線10,20,30,40,50に囲まれた範囲内に存在する。線10はX=0.5であり、線20はY=100X+50であり、線30はX=0.05であり、線40はY=10であり、線50はY=100X-30であるので、実施例1〜5の記録用インクは、0.05≦X≦0.5かつ10≦Yかつ100X-30≦Y≦100X+50の条件を満足している。そして、比較例1〜7の記録用インクは前記条件を満足していない。
【0043】
上述したように、本実施例の記録用インクでは、0.05≦X≦0.5かつ10≦Yかつ100X-30≦Y≦100X+50の条件を満足しているので、この記録用インクを用いたインクジェットヘッドでは、噴射は良好であり、印字品質も良好であり、紙面上での乾燥も速く、インクの保存安定性も良好である。
【0044】
また、インク溶媒の表面張力が37dyn/cm以下であるため、紙面上での乾燥が速く、また蒸気圧が10mmHg以下(20℃)であるため、インクジェットヘッドの先端部で乾燥しにくく、目詰まりしにくい。
【0045】
尚、いずれの実施例、比較例に於いても、ビーズミルを用いて顔料を分散していたが、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、パールミル等を用いて顔料を分散してもよい。
【0046】
また、いずれの実施例、比較例に於いても、特開平2-150355号公報に開示されているせん断モード型のインクジェットヘッドに用いていたが、特公昭53-12138号公報に開示されているカイザー型や特公昭61-59914号公報に開示されているサーマルジェット型のインクジェットヘッドに上記の条件の記録用インクを用いて印字を行った結果、同様の効果が得られた。
【0047】
【発明の効果】
上記の構成を有する本発明によれば、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤または二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、顔料粒子の平均径Xμmと液滴量Yplとの関係が0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50の条件を満たしているので、インク噴射が良好であり、印字品質が良好であり、インクの保存安定性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例と比較例との顔料粒子径と液滴量の関係を示す説明図である。
 
訂正の要旨 訂正事項I
特許請求の範囲の、
「【請求項1】着色剤としての顔料と、インク溶媒として非水系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、
前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項2】前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
【請求項3】前記非水系溶剤は、表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下の低揮発性有機溶剤であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
【請求項4】前記低揮発性有機溶剤であるインク溶媒は、プロレングリコール系溶剤であることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録方法。
【請求項5】前記低揮発性有機溶剤であるインク溶媒は、脂肪族炭化水素であることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録方法。
【請求項6】前記低揮発性有機溶剤であるインク溶媒は、二塩基酸エステルであることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録方法。」を
「【請求項1】着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、
前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、
0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50
を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項2】着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下の二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、
前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、
0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50
を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項3】前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録方法。」
に訂正する。
訂正事項II
特許明細書の段落【0008】の
「【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の請求項1では、着色剤としての顔料と、インク溶媒として非水系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とする。」を
「【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の請求項1では、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤とを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とする。」
に訂正する。
訂正事項III
特許明細書の段落【0009】の
「請求項2では、前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする。」を
「請求項2では、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下の二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することを特徴とする。」
に訂正する。
訂正事項IV
特許明細書の段落【0010】の
「請求項3では、前記非水系溶剤は、表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下の低揮発性有機溶剤であることを特徴とする。」を
「請求項3では、前記単位インク滴量Yは、100X-30≦Yを満足することを特徴とする。」
に訂正する。
訂正事項V
特許明細書の段落【0011】の記載を削除する。
訂正事項VI
特許明細書の段落【0012】の記載を削除する。
訂正事項VII
特許明細書の段落【0013】の記載を削除する。
訂正事項VIII
特許明細書の段落【0014】の
「【作用】上記の構成を有する本発明の記録用インクでは、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することによって、良好に噴射が行われる。」を
「【作用】上記の構成を有する本発明の記録用インクでは、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤または二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、前記顔料粒子の平均径をXμm、インク噴射装置が噴射する単位インク滴量をYplとしたとき、0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50を満足することによって、良好に噴射が行われる。」
に訂正する。
訂正事項IX
特許明細書の段落【0047】の
「【発明の効果】上記の構成を有する本発明によれば、顔料粒子の平均径Xμmと液滴量Yplとの関係が0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50の条件を満たしているので、インク噴射が良好であり、印字品質が良好であり、インクの保存安定性も良好である。」を
「【発明の効果】上記の構成を有する本発明によれば、着色剤としての顔料と、インク溶媒として表面張力が37dyn/cm以下、20℃における蒸気圧が10mmHg以下のプロピレングリコール系溶剤または二塩基酸エステルとを含むインクを用い、該インクを噴射口から噴射して被記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法おいて、顔料粒子の平均径Xμmと液滴量Yplとの関係が0.05≦X≦0.5かつ10≦Y≦100X+50の条件を満たしているので、インク噴射が良好であり、印字品質が良好であり、インクの保存安定性も良好である。」
に訂正する。
異議決定日 2002-04-18 
出願番号 特願平6-141561
審決分類 P 1 652・ 09- XA (C09D)
最終処分 決定却下  
前審関与審査官 井上 千弥子  
特許庁審判長 花田 吉秋
特許庁審判官 鈴木 紀子
西川 和子
登録日 2000-08-25 
登録番号 特許第3102269号(P3102269)
権利者 ブラザー工業株式会社
発明の名称 インクジェット記録方法  
代理人 橋本 良郎  
代理人 坪井 淳  
代理人 武藤 勝典  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 武藤 勝典  
代理人 村松 貞男  

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