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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H04R
管理番号 1061111
異議申立番号 異議2000-74235  
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-10-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-11-22 
確定日 2002-04-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3045032号「ヘッドホン」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3045032号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3045032号の請求項1ないし2に係る発明についての出願は、平成7年2月21日に出願したものであって、平成12年3月17日にその発明について特許の設定登録がされ、その後、その特許について、異議申立人日本電信電話株式会社により特許異議の申立がなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年6月4日に訂正請求がなされ(後日取り下げ)、再度の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年12月27日に訂正請求がなされたものである。

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲に記載の「【請求項1】電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材と、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分を取り出すためのフィル夕とを備え、前記振動部材は、一定の質量を付加してその合計質量と弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数を、前記フィル夕を介して取り出された前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分によって振動するように設定しており、前記振動部材の振動を、前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相関を持つ一次振動として当該一次振動が筺体に伝達されることにより筺体に二次振動を発生させるように構成したことを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】筺体に発生させる二次振動は、その筺体に触れている皮膚を介して当該人体に感じるに充分足りる振動であることを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。
【請求項3】振動部材を支持する弾性支持部材が、複数であることを特徴とする請求項1または2記載のヘッドホン。」を、
「【請求項1】電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筺体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィル夕及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筺体に伝達されることにより、当該筺体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したことを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】振動部材を支持する弾性支持部材が、複数で、前記質量とにより決まる共振周波数を設定するものであることを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。」と訂正する。

(2)訂正事項2
明細書の段落番号【0008】を、
「【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明のヘッドホンは、電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筺体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィル夕及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筺体に伝達されることにより、当該筺体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したものである。」と訂正する。

(3)訂正事項3
明細書の段落番号【0009】を、
「【作用】本発明は前記した構成によって、前記振動部材は、コイルを固定側として当該コイルに電気音響変換装置から生じる音響信号に基づく電流を流すことにより、電気音響変換装置から生じる音響信号の低周波成分の信号のレベルの大小と相関を持ち、かつ当該音響信号の低周波成分の信号よりゲインアップされた電気信号に基づく振幅の一次振動として発生し、これに同期した振動を二次振動として筺体に伝達することにより、この振動を筺体に直に触れている耳介等の皮膚に伝えることができ、その音響信号を音として鼓膜に伝えると同時に、振動部材の振動を低音成分の信号と相関を持つ振動により皮膚に伝えることで低音を体感することを可能とし、電気音響変換装置の限界を超えた迫力のある低音の再生を実現することとなる。」と訂正する。

(4)訂正事項4
明細書の段落番号【0021】を、
「【発明の効果】以上のように本発明は、電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筺体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィル夕及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筺体に伝達されることにより、当該筺体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したものであり、前記振動部材は、コイルを固定側として当該コイルに電気音響変換装置から生じる音響信号に基づく電流を流すことにより、電気音響変換装置から生じる音響信号の低周波成分の信号のレベルの大小と相関を持ち、かつ当該音響信号の低周波成分の信号よりゲインアップされた電気信号に基づく振幅の一次振動として発生し、これに同期した振動を弾性支持部材との共振によって二次振動として筺体に伝達し、筺体に発生した二次振動を当該筺体を通じ耳介に伝えることができ、その音響信号を音として鼓膜に伝えると同時に、振動部材の振動を低音成分の信号と相関を持つ振動により皮膚に伝えることで低音を体感することを可能とし、電気音響変換装置の限界を超えた迫力のある低音の再生を実現することとなる。」と訂正する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
上記訂正事項1については、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1において、「振動部材」の具体的な構成について「筺体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加」することと、また「電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィル夕及びその低周波成分のアンプを介して供給され」ること、また「コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され」ること、また「共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定」すること、また「振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記篤体に伝達されることにより、当該僅体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させる」ことを限定しようとするものであり、また、特許請求の範囲の請求項2を削除し、特許請求の範囲の請求項3を新たな請求項2とすると共に、「前記質量とによって決まる共振周波数を設定する」と限定しようとするものである。
上記「筺体側に固定されたコイル」の部分は、願書に最初に添付した特許明細書の段落番号【0012】の「9は振動基台2fに接着され直径50ミクロンの絶縁被覆付銅線を2重に巻いて円筒形に成したコイルであり、」に記載されているものであり、また、「コイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化する」の部分は、同じく段落番号【0014】の「コイル9に電流が流れると電気音響変換装置1と全く同じ原理でコイル9とヨーク4aとの間に力を生じ、この力によって弾性支持部材3を変形させることによってコイル9とヨーク4aとの相対距離が変化する。」に記載されているものであり、また、「少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成する」の部分は、同じく段落番号【0011】の「4aは軟鉄をプレスによって絞り込み磁気回路の磁路を担うと共に振動部材を構成する上でのベースになるヨーク、4bはヨーク4aに固定されネオジウム鉄またはサマリウムコバルトでできたマグネット、・・・4dは前記ヨーク4a,マグネット4b,プレート4cを保持すると共に弾性支持部材3に振動部材4を固定するための力シメピンである。」に記載されているものであり、また、「所定の振幅をもって振動するように設定し」の部分は、同じく段落番号【0014】の「コイル9に供給される電気信号は前記のとおり低音城を中心にした交流信号であるため、この信号に応じてコイル9とヨーク4aの相対距離は変化つまり振動する。また振動の振幅はコイル9に供給される電気信号のレベルの大小に正の相関を持つ。」に記載されているものであり、また、「前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィル夕及びその低周波成分のアンプを介して供給され、」の部分は、同じく段落番号【0013】の「15は左右のパワーアンプ14に入力された電気信号が2次のローパスフイル夕を介して入力されるセンターパワーアンプ」及び同段落番号【0014】の「図4の(a)及び(b)の周波数特性からわかるとおり、約150Hzでパワー・アンプ14とセンターパワーアンプ15の出力レベルが同等となり、且つ位相が反転しているため、150Hzの時の電気音響変換装置1の両端に印可される電気信号はBTL駆動となり、lkHz以上の周波数と比較すると約6dBのゲインアップになると同時に約4倍の電力が供給されることとなる。150Hz以下の周波数では、電気音響変換装置1の両端に供給される電気信号はさらにゲインアップ量を増していくため、結果電気音響変換装置1へ供給される電気信号は低音城でプーストされることとなる。」に記載されているものであり、また、「前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、」の部分は、同じく段落番号【0013】の「振動ドライバ17の出力特性は、位相反転バッファを介しているため、センターパワーアンプ15の出力特性に対し、位相が反転し、且つ一定のゲインを持ち、更に周波数特性が相似の特性となっている。すなわち、図3の特性観測ポイントA,B,Cにおける特性は図4のそれぞれ(a),(b),(c)に示すとおりとなっている。」、同段落番号【0014】の「一方、コイル9の両端に供給される電気信号は図4の(b)と(c)の周波数特性の差分の特性となる。ただし、図4(b)に対して(c)は約15dBのゲイン差を持って相似の特性であるため、概して(c)の特性がコイル9の両端に供給される電気信号の周波数特性となる。」に記載されているものであり、また、「前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、」、「前記質量とによって決まる共振周波数を設定する」の部分は、同じく段落番号【0015】の「振動部材4の振動の共振周波数は振動部材全体の質量と弾性支持部材3の弾性係数によって決定づけられる。本実施例においては、一例として、比較試聴を繰り返して最も自然な効果が得られるよう40Hzに設定した。」に記載されているものであり、ここで、「40Hz」は図4(c)に示す周波数特性の範囲に含まれている。また、「前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、」の部分は、同じく段落番号【0014】の「コイル9に供給される電気信号は前記のとおり低音域を中心にした交流信号であるため、この信号に応じてコイル9とヨーク4aの相対距離は変化つまり振動する。また振動の振幅はコイル9に供給される電気信号のレベルの大小に正の相関を持つ。」、同段落番号【0013】の「振動ドライバ17の出力特性は、位相反転バッファを介しているため、センターパワーアンプ15の出力特性に対し、位相が反転し、且つ一定のゲインを持ち、更に周波数特性が相似の特性となっている。すなわち、図3の特性観測ポイントA,B,Cにおける特性は図4のそれぞれ(a),(b),(c)に示すとおりとなっている。」に記載されているものであり、また、「当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筺体に伝達されることにより、当該筺体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させる」は、同じく段落番号【0015】の「以上のようにして得られた低音域における振動は、振動基台2fを介して筺体2全体に伝わり、」に記載されているものである。
したがって、この訂正事項1は、特許請求の範囲の滅縮を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでない。

(2)上記訂正事項2について
上記訂正事項2は、上記訂正事項1の特許請求の範囲の訂正に対応して、これと整合するように発明の詳細な説明の欄の段落番号【0008】【課題を解決するための手段】を訂正するものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでない。

(3)上記訂正事項3について
上記訂正事項3は、上記訂正事項1の特許請求の範囲の訂正に対応して、これと整合するように発明の詳細な説明の欄の段落番号【0009】【作用】を訂正するものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでない。

(4)上記訂正事項4について
上記訂正事項4は、上記訂正事項1の特許請求の範囲の訂正に対応して、これと整合するように発明の詳細な説明の欄の段落番号【00021】【発明の効果】を訂正するものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでない。

3 むすび
したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3 特許異議申立について
1 申立理由の概要
異議申立人日本電信電話株式会社は、本件請求項1ないし3に係る特許発明は、本件特許出願優先日前に公開された甲第1号証(特開昭51-94220号公報)、甲第2号証(特開平1-101794号公報)、および甲第3号証(特開昭63-74398号公報)に記載された発明に基づいて、当業者が容易になし得た発明であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、特許法第113条第2項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。

2 本件発明
上記第2の記載とおりに上記訂正が認められるから、本件の請求項1ないし2に係る発明(以下、「本件発明1ないし2」という。)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筺体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィル夕及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筺体に伝達されることにより、当該筺体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したことを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】振動部材を支持する弾性支持部材が、複数で、前記質量とにより決まる共振周波数を設定するものであることを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。」

3 刊行物に記載された発明
(1)刊行物1:特開昭51-94220号公報(甲第1号証)
刊行物1には、「音声信号が加えられることにより動作して振動板を振動させる振動板駆動装置と、上記音声信号の低域信号が加えられることにより動作して上記振動板駆動装置全体を低域振動させる駆動手段とを設けたことを特徴とする電気信号-振動変換装置。」(第1頁左下欄特許請求の範囲)、「次に第2図に於いて、(13)はリング状磁石で、円板状部(6a)の他側の周縁部に固定されいる。(14)はリング状ヨークで、・・・このフランジ部(14a)が磁石(13)に固定されている。(15)はダンパーで、フランジ部(14a)に固定されている。(16)は低周波数振動体で、円板形状を成し、ダンパー(15)に固定されている。(16)は低周波数振動体で・・・この振動体(16)は、鉄等の磁性体で且つ質量の大きい材料が用いられる。」(第2頁左上欄第14行ないし右上欄第2行)、「上記振動装置(4)は、第1図のヘッドホンのケース(1a)、(1b)内に収納されるもので、第2図に於いては、破線で示すケース(la)内に収納した場合が示されている。第2図に於いて、ヘッドホンを聴取者の頭に付けた状態で、ボイスコイル(10)に、図示せずも音源からの音声信号を増巾器を介して加えると、前述したように振動板(5)が振動して音声を聞きことができる。これと共にコイル(18)に上記音声信号から低域ろ波器を介して、例えば数10Hzの超低城信号を加えると、振動体(16)が振動されて上記周波数で超低域振動する。この振動により振動装置(4)全体が振動し、さらにこの振動はイヤーパッド(2a)、(2b)を介して頭蓋骨に伝達される。従って聴取者は音声を耳で聞きながら音声信号中の超低域の振動を身体で感じ取ることができるので、充分な低音感、臨場感を得ることができる。」(第2頁右上欄第11行ないし左下欄第7行)、「・・・上記駆動装置全体を低域振動させる駆動手段を設けたものであるから、特に大きなスピーカやスピーカボックスを用いることなく、充分な低音感、臨場感を得ることができる」(第2頁左下欄第16行ないし第19行)と記載され、第2図に実施例を示す断面正面図が記載されている。

(2)刊行物2:特開昭63-35097号公報
刊行物2には、「加振器を備え、この加振器の低域共振周波数をヘッドホン支持系の低域共振周波数と近接した値とすることを特徴とするヘッドホン。」(第1頁左下欄特許請求の範囲)、「加振器(4)は、例えば第2図に示すように構成される。・・・また、ケース(14)の一方及び他方の解放面にはダンパー(16)、(17)が固定される。このダンパー(16)、(17)は、例えば第3図に示すようにバネ部材を用いて形成される。第3図に示すダンパー(16)、(17)は、いわゆる蝶ダンパーと称されるものである。」(第2頁右上欄第1行ないし第14行)、「加振器(14)の低域共振周波数fo’は、マグレット(11)、ヨーク(12)、ヨークプレート(13)等の磁気回路系の重量、ダンパー(16)、(17)のコンプライアンスで決まる。」(第2頁左下欄第13行ないし第16行)、図面1,2,3,4が記載されている。

(3)刊行物3:特開昭60-84095号公報
刊行物3には、「フレーム2の閉塞端部にはケース10が固定されている。ケース10内には、低音域電気信号に応じて機械振動を発して主として振動を聴取者に伝える低音振動体が設けられている。・・・第3図に示されているように該低音振動体は、ケース10に固定されたボイスコイル11と、マグネット12,ヨーク13及びヨークプレート14から成るドライバユニットたる磁気回路部と、該磁気回路部をケース10に対して移動自在に支持するダンパ15とによって構成されており、・・・」(第2頁右上欄第17行ないし右下欄第7行)が記載されている。

(4)刊行物4:特開平1-101794号公報(甲第2号証)
刊行物4には、「同図において、2は筒状のケースを示し・・・ここにドライバーユニット3が収納される。ドライバーユニット3は・・・その内部に・・・ボイスコイル8が装着された振動板7が取り付けられる。」(第1頁右下欄第9行ないし第17行、及び第3図)、「低音限界は、振動板7の共振周波数fo・・・によって決まってくる。従って、低音特性を改善すべく低音限界周波数を下げるには、振動板7の共振周波数foを下げればよい。これには、振動板7の等価質量moを大きくするか、等価スティフネスsoを小さくすればよい。moを大きくする方法は振動板7を重くすればよい。それには、重いボイスコイル8を使うとか、鉛板を付加すればよい。」(第2頁右上欄第10行ないし左下欄第2行)が記載されている。

(5)刊行物5:特開昭63-74398号公報(甲第3号証)
刊行物5には、「再生信号の低域周波数成分を加振器に供給し、ヘッドホン自体を振動させ、この振動を体感できるようにしたヘッドホン」(第1頁右下欄第9行ないし第11行)、「これらの第1図Aおよび第1図Bにおいて、信号源からの再生信号が供給されるスピーカユニット1は、バッフル2に取り付けられており・・・ハウジング5は上記バッフル2に固定されており、該ハウジング内に上記スピーカユニット1と上記加振器が収納される。」(第2頁右上欄第17行ないし左下欄第5行、及び第1図A)、「上記ケース14の一方の開放面にはダンパー16が、他方の開放面にはダンパー17がそれぞれ設けられている。上記ダンパー16,17には例えば第3図に示すような形状のパネ部材が用いられる。」(第2頁右下欄第2行ないし第6行及び第2図)、「上記ダンパーとダンパー17の夫々の中心部は支持体20を介して複数固定されている。」(第2頁右下欄第14行ないし第15行、及び第2図)が記載されている。

4 対比・判断
(1)本件発明1
本件発明1と刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1に記載された発明の「振動板駆動装置」、「磁石」、「ダンパー」、「低周波数振動体」、「超低周波信号用コイル」、「ケース」、「低域ろ波器」はそれぞれ本件発明1の「電気音響変換装置」、「マグネット」、「弾性支持部材」、「振動部材」、「コイル」、「筺体」、「フイルタ」に相当し、両者は「電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備えたヘッドフォン」である点で一致し、少なくとも、本件発明1の主要な構成である「電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィル夕及びその低周波成分のアンプを介して供給され、コイルに供給される電気信号は、電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され(ること)」が刊行物1に記載された発明には記載されていない点で相違するものと認められる。
しかしながら、この相違点に係る構成は、刊行物2ないし5の何れにも記載されていないし、示唆もされていなし、また、刊行物2ないし5に記載された事項を組み合わせても推考することができたとはいえない。そして、上記相違点に係る構成により、本願発明1は、明細書記載の「以上のように本発明は、電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筺体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィル夕及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筺体に伝達されることにより、当該筺体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したものであり、前記振動部材は、コイルを固定側として当該コイルに電気音響変換装置から生じる音響信号に基づく電流を流すことにより、電気音響変換装置から生じる音響信号の低周波成分の信号のレベルの大小と相関を持ち、かつ当該音響信号の低周波成分の信号よりゲインアップされた電気信号に基づく振幅の一次振動として発生し、これに同期した振動を弾性支持部材との共振によって二次振動として筺体に伝達し、筺体に発生した二次振動を当該筺体を通じ耳介に伝えることができ、その音響信号を音として鼓膜に伝えると同時に、振動部材の振動を低音成分の信号と相関を持つ振動により皮膚に伝えることで低音を体感することを可能とし、電気音響変換装置の限界を超えた迫力のある低音の再生を実現することとなる。」という格別な作用効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は、上記刊行物1ないし5に記載された発明に基いて、当業者が容易になし得たものとすることはできない。

(2)本件発明2
本件発明2は、本件発明1を引用して更に限定を加えたものであるから、上記(1)本件発明1と同じ理由により、上記刊行物1ないし5に記載された発明に基いて、当業者が容易になし得たものとすることはできない。

5 むすび
したがって、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件の請求項1ないし2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1ないし2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ヘッドホン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筐体と、一端が前記筐体もしくは当該筐体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、
前記振動部材は、前記筐体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、
前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィルタ及びその低周波成分のアンプを介して供給され、
前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、
前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、
前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筐体に伝達されることにより、当該筐体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したことを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】 振動部材を支持する弾性支持部材が、複数で、前記質量とにより決まる共振周波数を設定するものであることを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポータブル音響機器を中心として、音楽を個人で楽しむため耳に装着して使用されるヘッドホンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヘッドホンは頭蓋に係止し耳介及びその周辺に圧接するヘッドバンドタイプと耳介の中に挿入して係止するインナーイヤータイプに大別されるが、近年、いずれのタイプも重低音の再現のため様々な工夫が成されるようになった。
【0003】
以下図面を参照しながら、従来のヘッドホンについてインナーイヤータイプの一例を用いて説明する。
【0004】
図8は従来のヘッドホンの略断面を示すものである。図8において、61は電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置であり、61aは軟鉄でできており磁気回路の磁路を担うと共に電気音響変換装置を構成する上でのベースになるヨーク、61bはヨーク61aに固定されネオジウム鉄またはサマリウムコバルトでできたマグネット、61cはマグネット61bに固定されヨーク61aと共に磁気ギャップを構成するため軟鉄でできたプレート、61dは直径50ミクロンの銅鍍金アルミ線を2重に巻いて円筒形に成したボイスコイル、61eは6ミクロンのポリエステルフィルムを加熱整形してできたダイヤフラムでありボイスコイル61dが接着されている。61fは0.5mm厚の真鍮の板をプレスしドーナツ形状に成したリングであり、ダイヤフラム61e及びヨーク61aに固定されている。62は筐体であり、62aはハウジング、62bはユニットキャップ、62cはダクトキャップ、62dはゴムブッシュである。電気音響変換装置61は、ハウジング62aとユニットキャップ62bとで挟み込むことによって固定されている。また、63はステンレスネット、64は2本のリッツ線に塩化ビニールの外皮を施したコード、65は制動布、66は低音用音口である。
【0005】
コード64を介して電気音響変換装置61へ送り込まれた電気信号は、ボイスコイル61dを流れて力を受け結果ダイヤフラム61eが動き音を生じるのであるが、前面に生じる音はユニットキャップ62bに設けられた孔を通じステンレスネット63を通過して耳道へ導かれる。一方、背面に生じる音は、音響周波数特性を制御するために利用されている。つまり、一定の音響インピーダンスを通じて筐体62の外へ放出されている。ハウジング62aに張りつけられた制動布65は高音域に対して中低域を減衰させる方向でバランスを取るために設けられた音響抵抗成分である。特に、低音域についてはハウジング62aとダクトキャップ62c及び低音用音口66によって構成されたU字型のダクトによって設けられた音響L成分によって低音域における音響インピーダンスを下げることでレベルアップを図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記のような従来のヘッドホンは、アンプ側で電気音響変換装置の耐入力限界付近まで重低音域をブーストしても一定の迫力の重低音までしか再生できないことと、仮に耐入力を上げられたとしてもその重低音はあくまでも鼓膜で感じるだけの音に留まり、重低音再生装置を接続したステレオセットの音を聴取する時のような体に伝わる迫力の重低音を体験することができないという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑み、電気音響変換装置の限界を超えた迫力のある重低音を手軽に体験することのできるヘッドホンを提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明のヘッドホンは、電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筐体と、一端が前記筐体もしくは当該筐体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筐体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィルタ及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筐体に伝達されることにより、当該筐体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したものである。
【0009】
【作用】
本発明は前記した構成によって、前記振動部材は、コイルを固定側として当該コイルに電気音響変換装置から生じる音響信号に基づく電流を流すことにより、電気音響変換装置から生じる音響信号の低周波成分の信号のレベルの大小と相関を持ち、かつ当該音響信号の低周波成分の信号よりゲインアップされた電気信号に基づく振幅の一次振動として発生し、これに同期した振動を二次振動として筐体に伝達することにより、この振動を筐体に直に触れている耳介等の皮膚に伝えることができ、その音響信号を音として鼓膜に伝えると同時に、振動部材の振動を低音成分の信号と相関を持つ振動により皮膚に伝えることで低音を体感することを可能とし、電気音響変換装置の限界を超えた迫力のある低音の再生を実現することとなる。
【0010】
【実施例】
以下本発明ヘッドホンの実施例について、図1〜図7を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の第1の実施例におけるヘッドホンの略断面図を、図2は本発明の第1の実施例におけるヘッドホンに内蔵された振動発生部分を抜き出したもので(a)は上面図を、(b)は正面図を、(c)は側面図をそれぞれ示すものである。図1及び図2において、1は電気音響変換装置、2は筐体、2a〜2gは筐体2を構成する部品であり、2aは第1のハウジング、2bは第1のハウジング2aと共に電気音響変換装置1を挟み込み固定するためのユニットキャップ、2cはダクトキャップ、2dはゴムブッシュ、2eは第2のハウジング、2fは第1のハウジング2aに固定され振動発生部分を構成するためのベースとなる振動基台、2gはエラストマで成形されユニットキャップ2bの外周に弾性圧着されたゴムリングである。3は振動基台2fに1端を固定された弾性支持部材、4は弾性支持部材3の他端に固定された振動部材、4a〜4dは後述するコイル9と供に振動部材4を構成する部品である。4aは軟鉄をプレスによって絞り込み磁気回路の磁路を担うと共に振動部材を構成する上でのベースになるヨーク、4bはヨーク4aに固定されネオジウム鉄またはサマリウムコバルトでできたマグネット、4cはマグネット4bに固定されヨーク4aと共に磁気ギャップを構成するため軟鉄をプレスしドーナツ形状に成したプレート、4dは前記ヨーク4a,マグネット4b,プレート4cを保持すると共に弾性支持部材3に振動部材4を固定するためのカシメピンである。
【0012】
5はステンレスネット、6は3本のリッツ線を内蔵し塩化ビニールの被覆を施したコード、7は電気音響変換装置1の背面に生ずる音に対して一定の音響抵抗を付加するための制動布、8は第2のハウジング2eに設けられた低音用音口である。9は振動基台2fに接着され直径50ミクロンの絶縁被覆付銅線を2重に巻いて円筒形に成したコイルであり、10は弾性支持部材3の1端と振動基台2fを固定するためのビス、11は第1のハウジング2aと第2のハウジング2e及びダクトキャップ2cとを固定するためのビス、12は振動基台2fに固定されたプリント基板、13はコイル9の引き出し線である。プリント基板12は、前記コイル9よりの2本の引き出し線13の端子12a及び12bを有し、一方の端子12aを電気音響変換装置1及びコード6への引き出し線13a,13b、他方の端子12bをコード6側へ接続する引き出し線13cのための端子板として機能させている。
【0013】
図3は本発明の第1の実施例におけるヘッドホンを駆動するための回路構成を示した概略ブロック図である。図3において、1は音響出力を得る電気音響変換装置、9は振動出力を得る振動部材4を構成する前記コイルである。L,Rはステレオ入力された左右チャンネルの電気信号入力端子、14は左右に独立したパワーアンプ、15は左右のパワーアンプ14に入力された電気信号が2次のローパスフィルタを介して入力されるセンターパワーアンプ、16はセンターパワーアンプ15の出力を入力とした位相反転バッファ、17は位相反転バッファの出力を入力とした振動ドライバーアンプである。左右独立のパワーアンンプ14の出力はそれぞれ左右の電気音響変換装置1を介してセンターパワーアンプ15の出力に接続されている。振動ドライバアンプ17の出力は左右のコイル9を介して共通となり同じくセンターパワーアンプ15の出力に接続されている。前記2次のローパスフィルタは図3のとおり独立の1次ローパスフィルタが直列に接続されており、それぞれの1次ローパスフィルタのカットオフ周波数は数Hz以下に設定されているため、パワーアンプ14の入力に対してセンターパワーアンプ15の入力においては10Hz以上の周波数で位相が反転し且つ12dB/Oct.の傾斜を持つ特性を持っている。振動ドライバ17の出力特性は、位相反転バッファを介しているため、センターパワーアンプ15の出力特性に対し、位相が反転し、且つ一定のゲインを持ち、更に周波数特性が相似の特性となっている。すなわち、図3の特性観測ポイントA,B,Cにおける特性は図4のそれぞれ(a),(b),(c)に示すとおりとなっている。
【0014】
以上のように構成されたヘッドホンについて、以下その動作について説明する。まず、図4の(a)及び(b)の周波数特性からわかるとおり、約150Hzでパワーアンプ14とセンターパワーアンプ15の出力レベルが同等となり、且つ位相が反転しているため、150Hzの時の電気音響変換装置1の両端に印可される電気信号はBTL駆動となり、1kHz以上の周波数と比較すると約6dBのゲインアップになると同時に約4倍の電力が供給されることとなる。150Hz以下の周波数では、電気音響変換装置1の両端に供給される電気信号はさらにゲインアップ量を増していくため、結果電気音響変換装置1へ供給される電気信号は低音域でブーストされることとなる。一方、コイル9の両端に供給される電気信号は図4の(b)と(c)の周波数特性の差分の特性となる。ただし、図4(b)に対して(c)は約15dBのゲイン差を持って相似の特性であるため、概して(c)の特性がコイル9の両端に供給される電気信号の周波数特性となる。コイル9に電流が流れると電気音響変換装置1と全く同じ原理でコイル9とヨーク4aとの間に力を生じ、この力によって弾性支持部材3を変形させることによってコイル9とヨーク4aとの相対距離が変化する。コイル9に供給される電気信号は前記のとおり低音域を中心にした交流信号であるため、この信号に応じてコイル9とヨーク4aの相対距離は変化つまり振動する。また振動の振幅はコイル9に供給される電気信号のレベルの大小に正の相関を持つ。
【0015】
ここで振動の共振周波数について触れることにする。コイル9が接着された振動基台2fを固定部側として考えると、振動部材4の振動の共振周波数は振動部材全体の質量と弾性支持部材3の弾性係数によって決定づけられる。本実施例においては、一例として、比較試聴を繰り返して最も自然な効果が得られるよう40Hzに設定した。そのため、弾性支持部材3は、例えば厚さ100ミクロンのステンレスの板に選定すると共に、図2(a)の如く板の幅を非均一な形状にすると共に、その表面にシリコンゴムを薄くコーティング(図示せず)することで共振のQダンプを行った。以上のようにして得られた低音域における振動は、振動基台2fを介して筐体2全体に伝わり、その結果、当該振動が、ヘッドホンを装着した耳介の皮膚に伝わることとなる。
【0016】
以上のように本実施例によれば、耳介に挿入して装着し使用されるインナーイヤータイプのヘッドホンにおいて、電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置を格納する筐体内に、当該筐体に一端を固定された弾性支持部材と、当該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを有し、前記電気信号からローパスフィルタを介して得られた電気信号によって当該振動部材が振動するよう構成され、結果その振動が前記弾性支持部材を通じて筐体に伝達されるように構成したことによって低音域の電気信号に応じた振動を耳介付近の皮膚で感じることが可能となり、電気音響変換装置の限界を超えた迫力のある重低音を体感することができる。
【0017】
図5は本発明の第2の実施例におけるバンドタイプのヘッドホンの一例を示した略断面図である。図5において、1は電気音響変換装置、2は筐体、3は弾性支持部材、4は振動部材である。本実施例の駆動回路及び動作は第1の実施例と同等のため省略する。
【0018】
第6図は本発明の第3の実施例におけるヘッドホンの振動部材の平面図を示しているものであり、同図(a)(b)において、振動部材4を支持する弾性支持部材3を複数の支持部としたものであり、振動基台2fが環状に形成され、その中央部に振動部材4が位置されるようになっている。
【0019】
また、第7図は本発明の第4の実施例におけるヘッドホンの振動部材の略断面図を示しているものであり、同図において、振動基台2f上にスペーサ2hとカバー2iによって挟持した上下一対の弾性支持部材3a,3bにより、振動部材4をその上下で支持するものであり、図示例では振動部材4を構成するリング状のヨーク4a,マグネット4b及びプレート4cを、2カ所以上で支持するように構成している。このように、複数の弾性支持部材とすることにより、振動部材4の振動をより安定に行うことができるものである。
【0020】
また、更に他の実施例によれば、電気信号を振動に変換する方式として、圧電素子やマグネティックスピーカの原理を応用したものでもよい。また、電気音響変換装置のヨークに直接弾性支持部材を取りつけて一体化したユニットとしてもよい。また、振動部材の質量をかなり大きくし同時に弾性支持部材の弾性係数を大きくし共振周波数をキープすれば、振動ドライバアンプを廃止し電気音響変換装置に供給される電気信号と同じ電気信号を振動の発生信号としてそのまま使用してほぼ同等の効果を得ることも可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明は、電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筐体と、一端が前記筐体もしくは当該筐体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筐体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィルタ及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筐体に伝達されることにより、当該筐体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したものであり、前記振動部材は、コイルを固定側として当該コイルに電気音響変換装置から生じる音響信号に基づく電流を流すことにより、電気音響変換装置から生じる音響信号の低周波成分の信号のレベルの大小と相関を持ち、かつ当該音響信号の低周波成分の信号よりゲインアップされた電気信号に基づく振幅の一次振動として発生し、これに同期した振動を弾性支持部材との共振によって二次振動として筐体に伝達し、筐体に発生した二次振動を当該筐体を通じ耳介に伝えることができ、その音響信号を音として鼓膜に伝えると同時に、振動部材の振動を低音成分の信号と相関を持つ振動により皮膚に伝えることで低音を体感することを可能とし、電気音響変換装置の限界を超えた迫力のある低音の再生を実現することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施例におけるヘッドホンの略断面図。
【図2】
本発明の第1の実施例におけるヘッドホンに内蔵された振動発生部分を抜き出した上面図、正面図、側面図。
【図3】
本発明の第1の実施例におけるヘッドホンを駆動するための回路構成を示した略ブロック図。
【図4】
本発明の第1の実施例におけるヘッドホンの駆動回路の周波数特性。
【図5】
本発明の第2の実施例におけるヘッドホンの略断面図。
【図6】
本発明の第3の実施例におけるヘッドホンの振動部材の支持状態を示す平面図。
【図7】
本発明の第4の実施例におけるヘッドホンの振動部材の支持状態を示す断面図。
【図8】
従来のヘッドホンの略断面図。
【符号の説明】
1 電気音響変換装置
2 筐体
3 弾性支持部材
4 振動部材
 
訂正の要旨 (1)訂正事項1
特許請求の範囲に記載の「【請求項1】電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材と、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分を取り出すためのフィルタとを備え、前記振動部材は、一定の質量を付加してその合計質量と弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数を、前記フィルタを介して取り出された前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分によって振動するように設定しており、前記振動部材の振動を、前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相関を持つ一次振動として当該一次振動が筺体に伝達されることにより筺体に二次振動を発生させるように構成したことを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】筺体に発生させる二次振動は、その筺体に触れている皮膚を介して当該人体に感じるに充分足りる振動であることを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。
【請求項3】振動部材を支持する弾性支持部材が、複数であることを特徴とする請求項1または2記載のヘッドホン。」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筺体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィルタ及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筺体に伝達されることにより、当該筺体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したことを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】振動部材を支持する弾性支持部材が、複数で、前記質量とにより決まる共振周波数を設定するものであることを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。」と訂正する。
(2)訂正事項2
,明細書の段落番号【0008】を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明のヘッドホンは、電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筺体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィルタ及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筺体に伝達されることにより、当該筺体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したものである。」と訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の段落番号【0009】を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【作用】本発明は前記した構成によって、前記振動部材は、コイルを固定側として当該コイルに電気音響変換装置から生じる音響信号に基づく電流を流すことにより、電気音響変換装置から生じる音響信号の低周波成分の信号のレベルの大小と相関を持ち、かつ当該音響信号の低周波成分の信号よりゲインアップされた電気信号に基づく振幅の一次振動として発生し、これに同期した振動を二次振動として筺体に伝達することにより、この振動を筺体に直に触れている耳介等の皮膚に伝えることができ、その音響信号を音として鼓膜に伝えると同時に、振動部材の振動を低音成分の信号と相関を持つ振動により皮膚に伝えることで低音を体感することを可能とし、電気音響変換装置の限界を超えた迫力のある低音の再生を実現することとなる。」と訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の段落番号【0021】を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【発明の効果】以上のように本発明は、電気信号を音響信号に変換する電気音響変換装置と、当該電気音響変換装置を格納する筺体と、一端が前記筺体もしくは当該筺体と一体の基台に固定された弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端に設けられた振動部材とを備え、前記振動部材は、前記筺体側に固定されたコイルに電流が流れることにより当該コイルに対して相対的に変化するように、少なくともヨークおよびマグネットを一体的に構成することにより一定の質量を付加し、その合計質量と前記弾性支持部材の弾性係数とで決定される振動の共振周波数で所定の振幅をもって振動するように設定し、前記電気音響変換装置に供給される電気信号の低周波成分は、低周波成分を取り出すためのフィルタ及びその低周波成分のアンプを介して供給され、前記コイルに供給される電気信号は、前記電気音響変換装置に供給される低周波成分の電気信号が振動ドライバを介して更にゲインアップされ、周波数特性が前記電気音響変換装置に供給される電気信号と相似の特性を有する電気信号として供給され、前記共振周波数が、前記低周波成分の周波数範囲に含まれるように、前記質量と弾性係数を設定し、前記振動部材の振動は、前記コイルに供給される電気信号により、前記電気音響変換装置に供給される電気信号のレベルの大小と相関を持つゲインアップされた振幅の一次振動として発生し、当該一次振動が前記弾性支持部材を介して前記筺体に伝達されることにより、当該筺体に、当該一次振動の振幅に対応して二次振動を発生させるように構成したものであり、前記振動部材は、コイルを固定側として当該コイルに電気音響変換装置から生じる音響信号に基づく電流を流すことにより、電気音響変換装置から生じる音響信号の低周波成分の信号のレベルの大小と相関を持ち、かつ当該音響信号の低周波成分の信号よりゲインアップされた電気信号に基づく振幅の一次振動として発生し、これに同期した振動を弾性支持部材との共振によって二次振動として筺体に伝達し、筺体に発生した二次振動を当該筺体を通じ耳介に伝えることができ、その音響信号を音として鼓膜に伝えると同時に、振動部材の振動を低音成分の信号と相関を持つ振動により皮膚に伝えることで低音を体感することを可能とし、電気音響変換装置の限界を超えた迫力のある低音の再生を実現することとなる。」と訂正する。
異議決定日 2002-03-28 
出願番号 特願平7-32129
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H04R)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大野 弘  
特許庁審判長 田口 英雄
特許庁審判官 橋本 恵一
山本 章裕
登録日 2000-03-17 
登録番号 特許第3045032号(P3045032)
権利者 松下電器産業株式会社
発明の名称 ヘッドホン  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 坂口 智康  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 澤井 敬史  
代理人 坂口 智康  
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