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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  G08G
管理番号 1061278
異議申立番号 異議2001-73070  
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-03-11 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-11-14 
確定日 2002-06-12 
異議申立件数
事件の表示 特許第3164902号「車両用ナビゲーション装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3164902号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.本件発明
特許第3164902号(平成4年8月19日出願、平成13年3月2日設定登録)の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの、
「予め設定された経路に従がって道案内を運転者の操作及び自動的に行う車両用ナビゲーション装置において、
経路案内の音声案内データと、音声案内を出力することを予告するための注意音データとを独立して記憶する記憶手段と、
予め設定された経路の経路情報を記憶する経路情報記憶手段と、
音声案内出力を要求する運転者の操作によって第1の信号を発する手段と、
自動音声案内出力のタイミングによって第2の信号を発する手段と、
前記第1及び第2の信号により、前記運転者の操作により出力される音声案内と自動的に出力される音声案内のいずれかが選択されたかを判断する手段と、
前記判断により、車両の現在位置に対応した前記経路情報を前記経路情報記憶手段から読み出し、案内情報を出力することを指令する経路案内手段と、
該経路案内手段による指令に基づいて案内情報を音声出力する音声出力手段と、を備え、
前記自動音声案内の案内情報は、前記経路案内の音声案内データと前記注意音データからなり、該注意音が前記経路案内の音声案内に先駆けて出力されると共に、
前記運転者の操作による案内情報は、前記経路案内の音声案内データからなり、前記経路案内の音声案内のみが出力されることを特徴とする車両用ナビゲーション装置。」
にある。
2.申立ての理由の概要
申立人廣田修一は、本件発明は甲第1号証(特開昭59-17108号公報)、甲第2号証(特開平2-171900号公報)、甲第3号証(特開昭62-267900号公報)、甲第4号証(特開平4-44087号公報)、甲第5号証(特公昭62-37793号公報)の記載にもとづいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許法第113条第1項第2号の規定に基づいて取り消されるべきものであると主張している。
3.申立人が提出した甲各号証記載の発明
(1)甲第1号証記載の発明
甲第1号証には「コース誘導装置」において、「走行予定コース上の予め定められた地点における走行方向指示を含むコース誘導情報を音声によって通報する音声情報発生部をそなえている」(特許請求の範囲)ことが記載されている。
(2)甲第2号証記載の発明
甲第2号証には「道路案内の起点及び目的地並びに途中の出力情報条件(経路案内条件)を制御装置に入力し、その制御装置では前記経路案内条件をもとにし地図情報データベースから該当する出力情報を選択してメモリに記憶し、コントロールパッドの操作により、前記メモリを読み出して音声情報出力部から音声出力する音声案内ナビゲーションシステム」(特許請求の範囲)が記載されている。
(3)甲第3号証記載の発明
甲第3号証には「走行経路演算部から出力される自動車の現在位置情報と目的地までの走行経路に係る道路地図情報とによって少なくとも走行方向を音声を介して指示するための音声発生指示演算部と、走行方向に係る音声パターンを記憶する音声パターン記憶部と、前記音声発生指示演算部からの出力を受けてその走行方向に係る音声パターンを音声パターン記憶部から選択する音声パターン選択部と、前記選択された音声パターンに係る信号を音声に変換して運転者に出力する音声信号発生手段」(特許請求の範囲)が記載されている。
(4)甲第4号証記載の発明
甲第4号証には「地図上に地図上に設定された危険個所に、自車位置読取手段によって読出された自車位置が近付いたことを判別する判別手段と、この判別手段の出力信号に応じて警報を発する警報部」(特許請求の範囲)が記載され、第4図には、警報を表示部に表示するとともに音声で「ピンポーン その先危険よ 気を付けて!」と報知することも記載されている。
(5)甲第5号証記載の発明
甲第5号証には「車両に対して行われる運行操作、及び運転操作に応じて複数の信号を発生する信号発生部と、・・・前記信号発生部よりの信号にそれぞれ対応して前記車両で放送する停留所案内放送及び注意放送、危険物放送のメッセージを符号情報として記憶しているメッセージ記憶部と、・・・読み出される符号情報から対応する放送メッセージを合成する音声合成手段と、その音声合成手段により合成された音声信号が供給され、・・・放送を行うスピーカ・・・を具備する車内放送装置。」(特許請求の範囲)が記載されている。
4.対比・判断
(1)本件発明について
本件発明と申立人が提出した甲各号証記載の発明とを対比すると、当該刊行物のいずれにも、本件発明の特徴とする「自動音声案内の案内情報は、前記経路案内の音声案内データと前記注意音データからなり、該注意音が前記経路案内の音声案内に先駆けて出力されると共に、運転者の操作による案内情報は、前記経路案内の音声案内データからなり、前記経路案内の音声案内のみが出力される」点は記載されていない。したがって、本件発明は上記甲各号証に記載の発明から当業者が容易に推考しうるものではない。
(2)申立人の主張について
申立人は、上記の本件発明の特徴とする点は同人が提出した甲第1,2,4,5号証に記載されていると主張しているが、甲各号証に記載のものは、いずれも、自動音声案内の案内情報と、運転者の操作による案内情報とで、その内容を異ならせるものではないから、この点が記載されているとは認められない。また、各号証記載のものをいかに組み合わせても導きだされるものではない。
5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
 
異議決定日 2002-05-27 
出願番号 特願平4-220109
審決分類 P 1 652・ 121- Y (G08G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 太田 恒明秋田 将行  
特許庁審判長 大森 蔵人
特許庁審判官 紀本 孝
菅澤 洋二
登録日 2001-03-02 
登録番号 特許第3164902号(P3164902)
権利者 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
発明の名称 車両用ナビゲーション装置  

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