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審決分類 |
審判 補正却下不服 (159条1項、163条1項、174条1項で準用) H01L |
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管理番号 | 1062120 |
審判番号 | 補正2001-50042 |
総通号数 | 33 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1993-06-11 |
種別 | 補正却下不服の審決 |
審判請求日 | 2001-05-07 |
確定日 | 2002-07-17 |
事件の表示 | 平成 3年特許願第305808号「投影露光装置」において、平成11年6月30日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成3年11月21日の出願であって、同11年6月30日付けで手続補正がなされたところ、原審においてこの手続補正について平成13年2月26日に補正の却下の決定(以下、「原決定」という。)をしたものである。 2.原決定の理由 平成13年2月26日付けの補正却下の決定の要旨は、平成11年6月30日付けでした補正は出願当初明細書から自明のものと認められないから、上記補正は明細書の要旨を変更するというものである。 3.当審の判断 そこで、上記補正の却下の決定の当否について検討する。 審判請求人は請求理由書で、平成11年6月30日付けで付加した請求項10及び15は出願当初明細書から自明のものである根拠として、出願当初明細書の【0025】段落及び【0030】段落を指摘している。 平成11年6月30日付け手続補正書の請求項10及び15には、「光源と前記所定面との間に配置される光学素子とは異なる部分で吸収される光のエネルギーを算出する」との記載があるが、出願当初明細書の【0025】段落を参照しても、同段落には、「レチクル装着前の吸収エネルギー相当分Ia1と、レチクル装着後の吸収エネルギー相当分Ia2との差は、位相シフトレチクルR1のパターンの散乱、回折の有無により生じたものであり、従ってその差分は投影レンズPL内の光学素子以外の部分(鏡筒)押え管等)で吸収されたエネルギー相当分ΔIになる。」と記載されており、レチクル装着前と、位相シフトレチクル装着後の吸収エネルギー差を求めるに留まる。 従って、出願当初明細書の【0025】段落の記載では、位相シフトレチクル自体で吸収されるエネルギーと、「位相シフトレチクルR1のパターンの散乱、回折の有無により生じた」吸収エネルギーを区別しておらず、前記ΔIには、位相シフトレチクルR1で吸収されたエネルギーも含まれる。 しかるに、位相シフトレチクル(当該位相シフトレチクルは、光学素子に含まれる。)自体で吸収されるエネルギーは、前記「光源と前記所定面との間に配置される光学素子とは異なる部分で吸収される光のエネルギー」に該当しない。 そうすると、平成11年6月30日付け手続補正書の請求項10及び15記載の、「前記光源と前記所定面との間に配置される光学素子とは異なる部分で吸収される光のエネルギーを算出する」とは、レチクル装着前と、位相シフトレチクル装着後の吸収エネルギー差を単に求めるのではなく、レチクル装着前と、位相シフトレチクル装着後の、位相シフトレチクルR1で吸収されたエネルギーを除いた吸収エネルギー差を求めることになるが、当該「レチクル装着前と、位相シフトレチクル装着後の、位相シフトレチクルR1で吸収されたエネルギーを除いた吸収エネルギー差を求める」点について出願当初明細書には何ら記載及びその記載を示唆する記載がない。 このことは、出願当初明細書の【0025】段落の記載と、平成11年6月30日付け手続補正書の請求項10及び15記載の、「前記光源と前記所定面との間に配置される光学素子とは異なる部分で吸収される光のエネルギーを算出する」ことは意味が異なることになる。 また、出願当初明細書の【0030】段落を参照しても、平成11年6月30日付け手続補正書の請求項10及び15記載の、「前記光源と前記所定面との間に配置される光学素子とは異なる部分で吸収される光のエネルギーを算出する」ことを導くことができない。 平成11年6月30日付け手続補正書の請求項16には、「パターンからの回折光の分布に応じて、前記投影光学系の光学特性を補正する」と記載されているが、出願当初明細書の【0005】、【0027】及び【0028】段落を参照しても、上記構成を導くことができない。 以上のとおりであるから、平成11年6月30日付け手続補正は、出願当初明細書または図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであるとは認められず、明細書の要旨を変更するものである。 従って、平成11年6月30日付け手続補正は特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである、とした原決定は妥当なものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-04-17 |
結審通知日 | 2002-04-30 |
審決日 | 2002-05-24 |
出願番号 | 特願平3-305808 |
審決分類 |
P
1
7・
56-
Z
(H01L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 芝 哲央 |
特許庁審判長 |
高橋 美実 |
特許庁審判官 |
辻 徹二 北川 清伸 |
発明の名称 | 投影露光装置 |
代理人 | 渡辺 隆男 |