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審決分類 |
審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:11 A63F |
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管理番号 | 1062234 |
審判番号 | 補正2001-50086 |
総通号数 | 33 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1999-01-26 |
種別 | 補正却下不服の審決 |
審判請求日 | 2001-08-09 |
確定日 | 2002-08-07 |
事件の表示 | 平成10年特許願第 17774号「パチンコ機」において、平成13年4月4日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原決定を取り消す。 |
理由 |
この出願は、平成2年8月16日に出願された特許出願(特願平2-216536号)の一部が特許法第44条の規定により新たな特許出願とされたものであって、その明細書は、平成13年4月4日付けの手続補正によって補正されたが、この手続補正は、平成13年6月13日付けで決定をもって却下された。 原決定の理由は、 「上記手続補正書による補正は、請求項1として「遊技装置と始動入賞口との間の遊技領域に他の入賞口や遊技装置を配置しない」事項を追加するとともに、詳細な説明及び図面をそれに対応して補正するものである。 そこで、上記補正について検討するに、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「当初明細書」という。)には、直接的に記載されていない。さらに検討すると、他の技術事項を説明する目的で記載された第1図において、たしかに、遊技装置と始動入賞口との間の遊技領域に他の入賞口や遊技装置を配置されていないようにも見られる。しかしながら、この第1図に関して、入賞口や遊技装置について存在しうる全てについて記載した旨の記載はなく、省略された入賞口や遊技装置が存在しないことを前提とした上記補正は、当初明細書に記載された事項の範囲内でないものというべきである。 すなわち、当初明細書には、「遊技装置と始動入賞口との間の遊技領域に他の入賞口や遊技装置を配置しない」事項は記載されておらず、それらを示唆する記載もない。また、これらの点は当初明細書の記載からみて自明であるとも認められない。 よって、この補正によって請求項1に記載された補正事項は出願当初の明細書に記載された事項の範囲内でないものとなる。 したがって、この補正は明細書の要旨を変更するものと認められ、特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。」 というものである。 そこで、願書に最初に添付した明細書又は図面を検討すると、 願書に最初に添付した明細書には、「遊技装置と始動入賞口との間の遊技領域に他の入賞口や遊技装置を配置しない」という記載は認められない。しかし、願書に最初に添付した図面【図1】には、変動入賞装置20の直下と始動入賞口9a〜9cの直上との間の遊技領域7に「他の入賞口や遊技装置を配置しない」記載が認められる。 そこで、願書に最初に添付した図面【図1】について更に検討すると、願書に最初に添付した図面【図1】には、遊技領域7に通常あるべき釘や風車が認められないから、願書に最初に添付した図面【図1】は、遊技領域7にあるべきもの全てを記載したものではないものと認められる。したがって、願書に最初に添付した図面【図1】は、変動入賞装置20の直下と始動入賞口9a〜9cの直上との間の遊技領域7に「他の入賞口や遊技装置を配置」することを省略していると見ても格別差し支えないものと認められる。勿論、願書に最初に添付した図面【図1】のとおり、変動入賞装置20の直下と始動入賞口9a〜9cの直上との間の遊技領域7に「他の入賞口や遊技装置を配置し」ていないと見ても一向に差し支えないものと認められる。 要するに、願書に最初に添付した明細書又は図面には、変動入賞装置20の直下と始動入賞口9a〜9cの直上との間の遊技領域7に「他の入賞口や遊技装置を配置し」てもしなくても差し支えない、という程度のことは当業者であれば読みとることができるものと認められる。 そうすると、上記手続補正で補正された「遊技装置と始動入賞口との間の遊技領域に他の入賞口や遊技装置を配置しない」という事項は、変動入賞装置20の直下と始動入賞口9a〜9cの直上との間の遊技領域7に「他の入賞口や遊技装置を配置しない」ことを限定、乃至は明確にしたにすぎないものである。 (なお、「遊技装置と始動入賞口との間の遊技領域」は不明瞭な記載であるものと認められる。何故なら、その定義によっては「遊技装置と始動入賞口との間の遊技領域」には、他の入賞口に相当する入賞口11a,11bが配置されているものとみることもできることになる。) したがって、上記の手続補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内の補正と認めらるから、原決定は妥当なものとはいえない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2002-07-04 |
出願番号 | 特願平10-17774 |
審決分類 |
P
1
7・
11-
W
(A63F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 土屋 保光 |
特許庁審判長 |
村山 隆 |
特許庁審判官 |
鈴木 寛治 久保 竜一 |
発明の名称 | パチンコ機 |
代理人 | 川口 光男 |