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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C04B
審判 全部申し立て 発明同一  C04B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C04B
管理番号 1062731
異議申立番号 異議2001-70958  
総通号数 33 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-08-10 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-03-26 
確定日 2002-05-27 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3092167号「窒化ケイ素焼結体」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3092167号の訂正後の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3092167号の請求項1、2に係る発明についての出願は、平成2年12月19日に特許出願したものであって、平成12年7月28日にその発明について特許の設定登録がなされたものである。
これに対して、関口和江(以下、「申立人」という)から特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内の平成13年8月6日付けで訂正請求がなされ、その後申立人に審尋がなされ、その指定期間内の平成13年12月25日付けで回答書(以下、「回答書1」という)が提出され、その後特許権者に審尋がなされ、その指定期間内に平成14年3月26日付けで回答書(以下、「回答書2」という)が提出されたものである。
2.訂正の適否
2-1.訂正の内容
本件訂正の内容は、本件特許明細書を訂正請求書に添付された訂正明細書のとおり、すなわち次のとおり訂正するものである。
(1)訂正事項a
請求項1に請求項2の要件を追加して請求項1を下記のとおり訂正するとともに、請求項2を削除する。
「【請求項1】90重量%以上のSi3N4と、3.5重量%以下のAl原子と、3.5重量%以下のO原子と、0.01〜10重量%のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種の金属元素とを含み、密度が3.15g/cm3以上、熱伝導率が40W/m・K以上であって、波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であることを特徴とする窒化ケイ素焼結体。」
(2)訂正事項b
明細書段落【0008】の「金属元素とを含み、密度が3.15g/cm3以上、熱伝導率が40W/mK以上であって、遮光性を有することを特徴とする。」(本件特許掲載公報第2頁第3欄第31〜33行)を、「金属元素とを含み、密度が3.15g/cm3以上、熱伝導率が40W/m・K以上であって、波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であることを特徴とする。」と訂正する。
(3)訂正事項c
明細書段落【0013】の「酸化物、有機金属化合物等の化合物として添加するこが好ましい。」を、「酸化物、有機金属化合物等の化合物として添加することが好ましい。」と訂正する。
2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張変更の存否
上記訂正事項aは、請求項2を削除し、「遮光性」をさらに「波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上である」と限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
また上記限定事項は訂正前の請求項2に記載されていることであるから、上記訂正事項aは願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
次に訂正事項bは、特許請求の範囲の減縮を目的とする上記訂正事項aの訂正に伴うものであり、減縮された特許請求の範囲の記載と明細書の記載を整合させるために明りょうでない記載の釈明を行うことを目的とする訂正に該当するものであり、しかも願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
次に訂正事項cは「こが」を「ことが」と訂正する、誤記の訂正を目的とする訂正に該当するものであり、しかも願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
なお、訂正事項a〜c以外にも、明細書段落【0008】の「本発明が提供する」(本件特許掲載公報第2頁第3欄第26行)を、「本発明の」と訂正したり、段落【0017】の「その他の陽イオン」(本件特許掲載公報第3頁第6欄第3行)を「その他陽イオン」と訂正しているが、これら訂正事項は、明りょうでない記載の釈明を行うことを目的とする訂正に該当するものであり、しかも願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
2-3.まとめ
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項の規定に適合するので、上記訂正を認める。
3.本件訂正発明
特許権者が請求した上記訂正は、上述したとおり、認容することができるから、訂正後の本件請求項1に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された上記2-1.(1)のとおりのものである(以下、「本件訂正発明」という)。
4.特許異議申立てについて
4-1.特許異議申立ての理由の概要
申立人は、証拠方法として甲第1〜5号証を提出して、(i)請求項1、2に係る発明は、甲第1〜3号証に記載された発明と同一であるから、請求項1、2に係る発明の特許は特許法第29条の2の規定に違反したものであり取り消されるべきものである旨、(ii)請求項1、2に係る発明は、甲第4号証に記載された発明であるか又は甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、2に係る発明の特許は特許法第29条第1項第3号、第2項の規定に違反したものであり取り消されるべきものである旨主張している。
4-2.甲号各証の記載内容
(1)甲第1号証:特願平2-11780号(特開平3-218975号公報)の願書に最初に添付した明細書
(a)「窒化珪素体中のAl量がAl2O3に換算して0.3重量%以下である・・・窒化珪素体 」(請求項2)
(b)「熱伝導率が0.15cal/cm・sec.℃以上である・・・窒化珪素体」(請求項4)
(c)「不純物Al量が0.01重量%以下の窒化珪素原料粉末に、同じく不純物Al量が0.01重量%以下のY2O3、Yb2O3、SiC、MgO、ZrO2原料粉末を助剤として第1表に示す割合で添加調合し、・・・成形体を作製し、第1表に示す温度、時間、圧力で窒素雰囲気中で焼成し、実施例No.1〜11、比較例No.12〜14の焼結体を得た。得られた各焼結体に対し、・・・熱伝導率・・・を測定した。結果をあわせて第1表に示す。 」(第2頁左下欄第8行〜右下欄第4行)
(d)第3頁の第1表の実施例9には、助剤としてY2O3 5wt%、MgO 3wt%、ZrO2 0.3wt%を添加したものを1800℃で、5気圧の圧力下3時間で焼成して製造された焼結体の熱伝導率が0.16cal/cm・sec.℃であることが示されている。
(e)「さらに好ましくは窒化珪素体中のAl量をAl2O3に換算して0.3重量%以下とすることにより、例えば0.15cal/cm・sec.℃以上の高熱伝導率を有する窒化珪素体を得ることができる。 」(第5頁右上欄第18行〜左下欄第1行)
(2)甲第2号証:特願平2-246023号(特開平4-125952号公報)の願書に最初に添付した明細書及び図面
(a)「前記窒化珪素からなる放熱基板が、アルミナ換算でアルミニウムを0.3重量%以下含む・・・ セラミックパッケージ」(請求項3)
(b)「パッケージ用セラミックに特有の添加物としてモリブデンやタングステン金属、もしくはこれらの酸化物や化合物が着色用に添加される場合もある。 」(第3頁右上欄第14〜17行)
(c)「本発明に使用する窒化珪素焼結体は、熱伝導率が40W/mk以上、代表的には100W/mkと・・・充分に大きいので熱放散性の良いパッケージが得られる。アルミナ換算でアルミニウムを0.3重量%を越える窒化珪素焼結体を使用するとセラミックの熱伝導率が劣化し・・・ 」(第3頁左下欄第3〜8行)
(d)「Al2O3含有量の異なる窒化珪素粉末に焼結助剤として表1に示す希士類酸化物を添加し、水を加えて窒化珪素玉石と樹脂製ポットを用いて湿式混合した。・・・成形体を9.5気圧の窒素雰囲気下で表1に示すように、1750〜1950℃、1〜10時間焼成した。・・・得られた焼結体について、熱伝導率をレーザーフラッシュ法により測定した 。」(第3頁右下欄第14行〜第4頁左上欄第3行)
(e)第4頁の表1のNo.4には、4.8mol%のY2O3を添加したものを1900℃で2時間焼成して製造された焼結体の熱伝導率が69W/mKであることが示されている。
(3)甲第3号証:特願平2-330599号(特開平3-290369号公報)の願書に最初に添付した明細書及び図面
(a)「Si3N4を主成分とし、残部が希土類元素化合物とSiCとW化合物および/またはMo化合物から実質的になる焼結体であって・・・」(請求項1)
(b)「W化合物やMo化合物の添加は、Si3N4焼結体にありがちな希土類元素特有の着色を低減する効果がある。さらに、希土類元素による着色は酸素を含む雰囲気にさらされると色が変化する場合があり好ましくないが、前述の効果によりSi3N4焼結体は異色化していることから色の変化が無視できる効果がある。」(第2頁左下欄第19行〜右下欄第5行)
(c)「純度97重量%、不純物陽イオン元素Al,Fe,Mg,Ca,Na,Kの合計が0.1重量%以下、酸素含有量2.2重量%、・・・の窒化珪素原料粉末と、純度99重量%、・・・の第1表記載の希土類酸化物と、・・・SiCと、・・・W化合物または・・・Mo2Cを第1表記載の割合で調合、粉砕した。・・・成形体を作製し、第1表記載の焼成条件で焼成し、本発明の窒化珪素焼結体No.1〜20を得た。」(第3頁左下欄第8行〜右下欄第2行)
(d)第4頁下欄の第1表の比較例No.29には、希土類酸化物(wt%)がY2O3:Er2O3=2:3でモル量6.6(mol%)であり、WSi2 1(wt%、外配)であり、残部がSi3N4粉末からなるものを1950℃、50気圧の圧力下、2時間焼成で製造された相対密度99%の窒化珪素焼結体が示されている。
(4)甲第4号証:特開昭61-266359号公報
(a)「焼結助剤と、粒界相の結晶化制御剤としてCr,Mn,Co,Ni,NbおよびMoの化合物の中の一種または二種以上とを含み、粒界相が実質的に結晶化していることを特徴とする窒化珪素焼結体。」(特許請求の範囲第1項)
(b)「純度97.1%・・・の窒化珪素原料粉末と純度98-99%・・・のY2O3、MgOおよびCeO2の各原料粉末と純度98-99.9%・・・のCr2O3、MnO、CoO、NiO,Nb2O3あるいはMoO3とを第2表記載の割合で調合し、実施例1と同じ方法で粉砕混合し成形用粉末とした。・・・成形体を作製し、第1表記載の焼成温度で各30分間窒素雰囲気下で無加圧焼結し・・・本発明の窒化珪素焼結体No.9〜24を得た。」(第7頁右下欄第15行〜第8頁左上欄第8行)
(c)第8頁下欄の第2表のNo.9には、「Si3N4 93.9wt%、Y2O3 2wt%、MgO 3wt%、CeO2 1wt%、Nb2O3 0.1wt%から調合された原料粉末を1800℃焼成で製造された、嵩密度3.2g/cm3の窒化珪素焼結体」が示されている。
甲第5号証:「セラミックデータブック’90」工業製品技術協会 第352頁 (平成2年8月20日)
(a)表には、窒化けい素微粉末のグレードSN-9FWのものは化学成分(%)で、Si 59.7、N 38.8、Fe 0.04、Al 0.2、Ca 0.1、Mg 0.005、O 0.9であることが示されている。
5.当審の判断
5-1.上記4-1.(i)の主張について
(1)甲第1号証に記載された発明との対比・判断
甲第1号証には、上記(1)(a)、(c)、(d)から「助剤としてY2O3粉末が5wt%、MgO粉末が3wt%、ZrO2粉末が0.3wt%であり、残部の窒化珪素原料粉末が91.7wt%の原料粉末から得られた熱伝導率が0.16cal/cm・sec.℃である窒化珪素焼結体。」が記載されていると云える。
この場合、熱伝導率は換算すると67W/m・Kである。また上記窒化珪素焼結体は、上記(1)(a)から、Al量はAl2O3に換算して0.3重量%以下である。
これら事項を本件訂正発明の記載に則って整理すると、甲第1号証には
「窒化珪素原料粉末91.7重量%、Y2O3粉末5重量%、MgO粉末3重量%、ZrO2粉末0.3重量%から製造された窒化珪素焼結体であって、Al量がAl2O3に換算して0.3重量%以下であり、熱伝導率が67W/m・Kである窒化珪素焼結体。」という発明(以下、「先願明細書1発明」という)が記載されていると云える。
次に本件訂正発明と先願明細書1発明とを対比すると、本件特許明細書においても焼結助剤としてY2O3が用いられている(本件特許掲載公報第2頁第4欄第34〜35行)から、焼結体中のY成分は本件訂正発明と先願明細書1発明との間の相違点とはならない。
したがって、両者は「Si3N4とAl原子とO原子とZr元素とを含む窒化ケイ素焼結体。」で一致し、かつ両者の窒化ケイ素焼結体のAl原子の含有量と熱伝導率の数値範囲が重複するから、両者は次の点で相違している。
相違点(イ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体が、90重量%以上のSi3N4と、3.5重量%以下のO原子と、0.01〜10重量%のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種の金属元素とを含んでいるのに対して、先願明細書1発明では、窒化ケイ素焼結体が窒化珪素原料粉末91.7重量%、Y2O3粉末5重量%、MgO粉末3重量%、ZrO2粉末0.3重量%から製造されたものである点
相違点(ロ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体の密度が3.15g/cm3以上であるのに対して、先願明細書1発明では、その点が不明である点
相違点(ハ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体が波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であるのに対して、先願明細書1発明では、その点が不明である点
そこで、先ず相違点(イ)について検討する。
一般に、焼結体を製造する技術において、原料粉末の純度、混合粉砕、焼結条件による酸素の増量、原料の蒸発等を勘案すると、原料粉末の組成比率が、そのまま焼結体の組成比率になるわけではない。
したがって、先願明細書1発明に、焼結体の組成比率が記載されていない以上、先願明細書1発明の窒化ケイ素焼結体には本件訂正発明のそれと同じ元素が含まれているということは云えても、組成比率が同一であるとまで云うことはできない。
なお、申立人は、窒化ケイ素粉末としてグレードが甲第5号証記載のSN-9FWを使用し、かつ回答書1添付参考文献1(「J.Am.Ceram.Soc.」72(12)2359〜60(1989))の記述に基づいて混合粉砕による酸素増量率、焼成による酸素減量率を求め、この係数を勘案することにより先願明細書1発明における窒化ケイ素焼結体のSi3N4が90重量%以上であることを主張しているが、先ず先願明細書1発明において、窒化ケイ素粉末としてSN-9FWを採用するということが記載されているわけではない。さらに、上記(1)(d)から先願明細書1発明の焼結体が1800℃、5気圧の圧力下で3時間焼成しているのに対して、上記参考文献1では1900℃、10MPa(約100気圧)の圧力下で4時間焼結しているというように両者の焼結条件は相違しているので、上記係数をそのまま先願明細書1発明に適用できるとは云えない。加えて、特許権者の提出した回答書2添付参考文献2(「秩父小野田研究報告」第47巻 第1冊 第130号 第74〜81頁(1996))には、Alの少ないものを原料とした場合は焼成によって酸素がそれほど減量しないことが記載されているところからみて、どのような焼成条件においても一般的に上記係数が採用できるとは云えないことが裏付けられる。
してみると、先願明細書1発明の窒化ケイ素焼結体のSi3N4が90重量%以上であるとの申立人の主張は採用することができない。
したがって、上記相違点(ロ)、(ハ)を検討するまでもなく、本件訂正発明は先願明細書1発明と同一であるとすることはできない。
(2)甲第2号証に記載された発明との対比
甲第2号証には、上記(2)(e)から「Y2O3 4.8mol%、残部がSi3N4の原料粉末から製造された熱伝導率が69W/m・Kである窒化珪素焼結体」が記載されていると云える。
ここでmol%を重量%に換算すると、Si3N4 93.8wt%、Y2O3 7.2wt%である。また、上記(2)(a)、(c)から窒化珪素焼結体はアルミナ換算でアルミニウムを0.3重量%以下含む。また、上記(2)(b)には「添加物としてモリブデンやタングステン金属、もしくはこれらの酸化物や化合物が着色用に添加される場合もある。」と記載されている。
これら事項を本件訂正発明の記載に則って整理すると、甲第2号証には
「Si3N4粉末93.8重量%、Y2O3粉末7.2重量%及びモリブデンやタングステン金属、もしくはこれらの酸化物や化合物が着色用に添加され、製造された窒化珪素焼結体であって、アルミナ換算でアルミニウムを0.3重量%以下含む、熱伝導率が69W/m・Kである窒化珪素焼結体。」という発明(以下、「先願明細書2発明」という)が記載されていると云える。
ここでY2O3は本件訂正発明と先願明細書2発明とでは共通に用いられている。
したがって、両者は「Si3O4とAl原子とO原子とMo、W元素とを含む窒化ケイ素焼結体。」で一致し、かつ両者の窒化ケイ素焼結体のAl原子の含有量と熱伝導率の数値範囲が重複するから、両者は次の点で相違している。
相違点(イ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体が、90重量%以上のSi3N4と、3.5重量%以下のO原子と、0.01〜10重量%のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種の金属元素とを含んでいるのに対して、先願明細書2発明では、Si3N4粉末93.8重量%、Y2O3粉末7.2重量%、モリブデンやタングステン金属、もしくはこれらの酸化物や化合物が添加された原料粉末から製造された窒化ケイ素焼結体である点
相違点(ロ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体の密度が3.15g/cm3以上であるのに対して、先願明細書2発明では、その点が不明である点
相違点(ハ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体が波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であるのに対して、先願明細書2発明では、着色されている点
そこで、先ず相違点(イ)について検討する。
上記(1)で述べたとおり、原料粉末の組成比率がそのまま焼結体の組成比率となるわけでないから、先願明細書2発明の原料粉末の組成比率が本件訂正発明の焼結体の組成比率と同一であるとまで云うことはできない。
なお、申立人は、上記(1)で述べたと同じように、甲第5号証、参考文献1により先願明細書2発明における窒化ケイ素焼結体のSi3N4が90重量%以上であることを主張しているが、先願明細書2発明においても、窒化ケイ素粉末として甲第5号証のSN-9FWを採用するということが記載されているわけではない。さらに、先願明細書2発明の焼結体の焼成条件は上記(2)(d)、(e)から1900℃、9気圧、2時間であり、上記参考文献1のそれと相違しているから上記(1)で述べたとおり、上記参考文献1の上記係数は採用することはできず、申立人の主張は採用することができない。
したがって、上記相違点(ロ)、(ハ)を検討するまでもなく、本件訂正発明は先願明細書2発明と同一であるとすることはできない。
(3)甲第3号証に記載された発明との対比・判断
甲第3号証には、上記(3)(c)、(d)から「純度97wt%であり不純物Al、Fe、Mg、Ca、Na、Kの合計が0.1wt%以下の窒化珪素原料粉末93.4mol%、Y2O3とEr2O3がwt%比で2:3で6.6mol%、外配でWSi2が1wt%から製造された相対密度99%の窒化珪素焼結体」が記載されていると云える。
ここで、mol%をwt%に換算し、外配を勘案すると、原料粉末の組成比率は窒化珪素原料粉末86.4wt%、Y2O3 5.0wt%、Er2O3 7.5wt%、WSi2 1wt%となる。
これら事項を本件訂正発明の記載に則って整理すると、甲第3号証には「純度97wt%であり、不純物Al、Fe、Mg、Ca、Na、Kの合計が0.1wt%以下の窒化珪素原料粉末86.4wt%、Y2O3 5.0wt%、Er2O3 7.5wt%、WSi2 1wt%から製造された相対密度99%の窒化珪素焼結体。」という発明(以下、「先願明細書3発明」という)が記載されていると云える。
ここでY2O3は本件訂正発明と先願明細書3発明とで共通に用いられている。
したがって、両者は「Si3N4とAl原子とO原子とFe元素とを含む窒化ケイ素焼結体。」で一致し、次の点で相違している。
相違点(イ):本件訂正発明1では、窒化ケイ素焼結体が、90重量%以上のSi3N4と、3.5重量%以下のAl原子と、3.5重量%以下のO原子と、0.01〜10重量%のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種の金属元素とを含んでいるのに対して、先願明細書3発明では、純度97wt%であり不純物Fe、Mg、Ca、Na、Kの合計が0.1wt%以下の窒化珪素原料粉末86.4wt%、Y2O3 5.0wt%、Er2O3 7.5wt%、WSi2 1wt%の原料粉末から製造された窒化ケイ素焼結体である点
相違点(ロ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体の密度が3.15g/cm3以上であるのに対して、先願明細書3発明では、相対密度99%である点
相違点(ハ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体の熱伝導率が40W/m・K以上であるのに対して、先願明細書3発明ではその点が不明である点
相違点(ニ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体が波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であるのに対して、先願明細書3発明では、その点が不明である点
そこで、先ず相違点(イ)について検討する。
上記(1)で述べたとおり、原料粉末の組成比率がそのまま焼結体の組成比率となるわけでないから、先願明細書3発明の焼結体の組成比率が本件訂正発明のそれの組成比率と同一であるとまで云うことはできない。
なお、申立人は、上記(1)で述べたと同じに、参考文献1により先願明細書3発明における窒化ケイ素焼結体のSi3N4が90重量%以上であることを主張しているが、先願明細書3発明において、原料粉末中のSi3N4粉末の含有量でさえ90wt%以下であるし、加えて先願明細書3発明の焼結体の焼成条件は上記(3)(d)から1950℃、50気圧の圧力下で2時間であり、上記参考文献1のそれと相違しているから、上記(1)で述べたとおり、上記参考文献1の上記係数をそのまま採用することはできず、申立人の主張は採用することができない。
したがって、上記相違点(ロ)、(ハ)、(ニ)を検討するまでもなく、本件訂正発明は先願明細書3発明と同一であるとすることはできない。
5-2.上記4-1.(ii)の主張について
甲第4号証には、上記(4)(b)、(c)から「純度97.1%のSi3N4 93.9wt%、純度98〜99%のY2O3 2wt%、純度98〜99%のMgO 3wt%、純度98〜99%のCeO2 1wt%、純度98〜99.9%のNb2O3 0.1wt%の原料粉末から得られた 嵩密度3.2g/cm3である窒化珪素焼結体。」という発明(以下、「甲4発明」という)が記載されていると云える。
ここでY2O3は本件訂正発明と甲4発明とは共通の成分である。
したがって、両者は「Si3N4とO原子とNb元素とを含む窒化ケイ素焼結体。」で一致し、甲4発明の「嵩密度」は粉末でなく窒化ケイ素焼結体の「嵩密度」であるから本件訂正発明の「密度」と同じ概念であり、かつ甲4発明の嵩密度の数値は本件訂正発明の密度の数値範囲と重複するから、両者に密度の点で相違はない。したがって、両者は次の点で相違している。
相違点(イ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体が、90重量%以上のSi3N4と、3.5重量%以下のAl原子と、3.5重量%以下のO原子と、0.01〜10重量%のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種の金属元素とを含んでいるのに対して、甲4発明では、純度97.1%のSi3N4 93.9wt%、純度98〜99%のMgO 3wt%、純度98〜99%のCeO2 1wt%、純度98〜99.9%のNb2O3 0.1wt%の原料粉末から製造された窒化ケイ素焼結体である点
相違点(ロ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体の熱伝導率が67W/m・K以上であるのに対して、甲4発明ではその点が不明である点
相違点(ハ):本件訂正発明では、窒化ケイ素焼結体が波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であるのに対して、甲4発明では、その点が不明である点
そこで、先ず相違点(イ)について検討する。
上記(1)で述べたとおり、原料粉末の組成比率がそのまま焼結体の組成比率となるわけではないから、甲4発明の窒化ケイ素焼結体組成比率が本件訂正発明の焼結体の組成比率と同一であるとまで云うことはできない。
また甲第4号証では上記相違点(ロ)、(ハ)について何も示唆されていない。
なお、申立人は、上記(1)で述べたと同じに、甲第5号証、参考文献1により甲4発明における窒化ケイ素焼結体のSi3N4が90重量%以上であることを主張しているが、甲4発明の焼結体の焼成条件は上記(4)(b)、(c)から1800℃、無加圧下で30分間であり、上記参考文献1のそれと相違しているから上記(1)で述べたとおり、上記参考文献1の上記係数をそのまま採用することはできず申立人の主張は採用することができない。
そして本件訂正発明の窒化ケイ素焼結体は「従来に比較して著しく高い熱伝導率と適度な遮光性を有する」という効果を奏する(本件特許掲載公報第3頁第6欄第8〜9行)。
したがって、本件訂正発明は、甲第4号証に記載された発明であるとも、甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとも云えない。
6.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の本件請求項1に係る発明の特許を取り消すことはことはできない。
また、他に訂正後の本件請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、訂正後の本件請求項1に係る発明の特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
窒化ケイ素焼結体
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 90重量%以上のSi3N4と、3.5重量%以下のAl原子と、3.5重量%以下のO原子と、0.01〜10重量%のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種の金属元素とを含み、密度が3.15g/cm3以上、熱伝導率が40W/m・K以上であって、波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であることを特徴とする窒化ケイ素焼結体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子回路用基板材料などとして好適な高熱伝導率の窒化ケイ素焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化ケイ素(Si3N4)焼結体は、耐食性及び耐熱性に優れ、且つ高い強度を有するので各種高温材料として使用され、又高い絶縁性と化学的安定性を利用してIC等の電子回路用絶縁基板材料等としても使用されている。
【0003】
特に最近では、半導体の高集積化や大容量化に伴い高熱伝導率の絶縁基板材料を得る試みが盛んに行われ、BeO焼結体に続いて、AlN焼結体やSiC焼結体についても高熱伝導率のものが開発されている。
【0004】
しかし、AlN焼結体は高温蒸気中で水酸化物が形成され、絶縁性が低下する欠点がある。又、SiC焼結体には誘電率が高いという本質的な問題がある。これらの欠点のため、AlN及びSiCいずれの焼結体も限られた用途にしか使用されていない現状である。
【0005】
一方、Si3N4焼結体は高強度ではあるが、熱伝導率の高いものを得ることが難しかった。即ち、一般にSi3N4は緻密化が難しく、又高温の焼結ではSi3N4の分解昇華の問題もあるため、従来から焼結助剤を添加した液相焼結が行われてきた。液相焼結においても、高温での強度や耐酸化性を重視する立場から、焼結助剤としてAl2O3系を使用してサイアロン化合物とすることが行われており、研究の主流は高純度化を目指す方向にはなかった。又、高純度なSi3N4原料粉末の合成も困難であった。従って、従来のSi3N4焼結体では、焼結助剤や原料粉末に含まれるAlやO等の異種原子が混入し、粒界層として残ったり又はSi3N4格子に固溶するためSi3N4本来の特性を十分に発揮した物性が得られず、報告されている熱伝導率も高々15W/m・K程度のものが通常であった。
【0006】
そのため、Si3N4焼結体を電子回路用基板に用いることは特開昭62-30663号公報により提案されているが、実用化には至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来の事情に鑑み、特にICパッケージ用などの電子回路用基板材料として有用な、高熱伝導率のSi3N4焼結体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の窒化ケイ素焼結体は、90重量%以上のSi3N4と、3.5重量%以下のAl原子と、3.5重量%以下のO原子と、0.01〜10重量%のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種の金属元素とを含み、密度が3.15g/cm3以上、熱伝導率が40W/m・K以上であって、波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明者等は、従来のSi3N4焼結体の熱伝導率が低い理由は、焼結体の緻密度が低いため内部に存在するポアによりフォノン散乱が起こったり、固溶し又は粒界に残った異種イオン特に酸素やアルミニウムによりフォノン散乱が起こるためと考え、高純度化並びに緻密化を図り、特に酸素とアルミニウムの固溶量を低減させることにより、高熱伝導率のSi3N4焼結体を得るに至ったものである。
【0010】
即ち、Si3N4が90重量%以上であって、含有される異種原子のうちAl原子とO原子が共に3.5重量%以下であり、且つ密度が3.15g/cm3以上の条件を同時に満たすことによって、Si3N4焼結体の熱伝導率が40W/m・K以上という高い値になることが判った。
【0011】
この様に高純度化及び高密度化したSi3N4焼結体は、上記のごとく高熱伝導率であると同時に、透光性を示すことが判った。しかし、光の透過をきらうICパッケージ等の用途においては、透光性は好ましくない性質である。
【0012】
そこで本発明のSi3N4焼結体においては、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種の金属元素を添加することにより、熱伝導率を低下させずに光の透過を防ぎ、波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上というICパッケージ等の用途に対して十分な遮光性を与えている。これらの金属元素は、焼結体中で窒化物あるいは格子欠陥を含む化合物等の形となって光を吸収又は散乱すると考えられ、その含有量が0.01重量%未満では光の吸収散乱による遮光が不十分であり、逆に10重量%を超えると焼結体の熱伝導率が低下する。又、上記以外の金属元素では焼結体の熱伝導率が低下し、或いは光の吸収散乱が不十分で好ましい遮光性が得られない。
【0013】
本発明のSi3N4焼結体の製造においては、原料とするSi3N4粉末の粒径や純度を厳しく管理する必要がある。具体的には、Si3N4粉末の平均粒径を2μm以下、好ましくは0.1〜1.0μmの範囲とする。又、Si3N4粉末中の酸素含有量は1.5重量%以下、及び固溶しているAl、O、C等の陽イオンや陰イオンの不純物の量を合計で1.0重量%以下とすべきである。かかる高純度で微細なSi3N4粉末は、SiO2粉末の還元窒化法、金属Siの窒化法、有機Si化合物の窒化法、あるいは気相合成法などを利用して合成でき、特にSiのイミド化合物若しくはシラン化合物の窒化法により合成することが好ましい。又、遮光のために添加するTi等の上記金属元素は、酸化物、有機金属化合物等の化合物として添加することが好ましい。
【0014】
上記Si3N4粉末を遮光のための金属化合物の粉末と混合した後焼結するが、焼結方法は3.15g/cm3以上の焼結体密度が得られれば特に限定されず、焼結助剤を用いても用いなくても良いし、常圧焼結でも加圧焼結でも良い。但し、焼結助剤を用いる場合には、AlやOを固溶させるAl2O3などは避け、Y2O3等を用いる。又、焼結温度は1500〜2200℃が必要であり、Si3N4の分解を抑制するためN2を含む非酸化性ガス雰囲気中で焼結する。
【0015】
【実施例】
SiO2粉末の還元窒化法を利用し、不純物の混入を厳重に制御することにより、酸素含有量が1.2重量%及び固溶不純物量が100ppm以下であり、比表面積(BET値)5.0m2/g(平均粒径約0.3μm)のβ型Si3N4粉末を合成した。このSi3N4粉末にTiO2、ZrO2、HfO2、V2O5、NbO、TaO、Cr2O3、Mo、W、MnO、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種を金属元素換算で0.5重量%、焼結助剤としてY2O3を0.5重量%、及びフェノール樹脂2.0重量%を添加混合した。次に、各混合粉末をBN粉末を塗布したカーボン型に充填し、N2ガスを流しながら高周波誘導炉で200kg/cm2の加圧下に2000℃の温度で20時間焼結し、直径15mmx厚さ5mmのSi3N4焼結体をそれぞれ製造した。
【0016】
得られた各Si3N4焼結体は密度3.15g/cm3以上であり、外観は黒色を呈していた。これらのSi3N4焼結体を厚さ0.3mmに研削した後、表裏面をラップ加工し、更に微粒ダイヤモンド砥粒でポリッシングして厚さ0.2mmの試料とした。各試料は半透明であって波長4μmの光に対する吸収係数は100cm-1以上(直線透過率で12%以下)であった。
【0017】
又、上記各Si3N4焼結体を分析したところ、いずれの焼結体も酸素が0.1重量%以下及びAlが10ppm以下、その他陽イオン及び陰イオン不純物はすべて10ppm未満であった。更に、各焼結体を厚さ3mmのペレットとし熱伝導率を測定したところ、いずれも50W/m・K以上であった。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、従来に比較して著しく高い熱伝導率と適度な遮光性を有し、特に光の透過をきらうICパッケージ等の電子回路用基板材料用として好適なSi3N4焼結体を提供することができる。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許第3092167号発明の明細書を、本件訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりに、
(1)訂正事項a
請求項1に請求項2の要件を追加し、請求項2を削除する。
「【請求項1】90重量%以上のSi3N4と、3.5重量%以下のAl原子と、3.5重量%以下のO原子と、0.01〜10重量%のTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれた少なくとも1種の金属元素とを含み、密度が3.15g/cm3以上、熱伝導率が40W/m・K以上であって、波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であることを特徴とする窒化ケイ素焼結体。」
(2)訂正事項b
明細書段落【0008】の「金属元素とを含み、密度が3.15g/cm3以上、熱伝導率が40W/mK以上であって、遮光性を有することを特徴とする。」(本件特許掲載公報第2頁第3欄第31〜33行)を、「金属元素とを含み、密度が3.15g/cm3以上、熱伝導率が40W/m・K以上であって、波長4μmの光に対する吸収係数が60cm-1以上であることを特徴とする。」と訂正する。
(3)訂正事項c
明細書段落【0013】の「酸化物、有機金属化合物等の化合物として添加するこが好ましい。」を、「酸化物、有機金属化合物等の化合物として添加することか好ましい。」と訂正する。
異議決定日 2002-05-02 
出願番号 特願平2-412203
審決分類 P 1 651・ 113- YA (C04B)
P 1 651・ 121- YA (C04B)
P 1 651・ 161- YA (C04B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 三崎 仁  
特許庁審判長 石井 良夫
特許庁審判官 野田 直人
唐戸 光雄
登録日 2000-07-28 
登録番号 特許第3092167号(P3092167)
権利者 住友電気工業株式会社
発明の名称 窒化ケイ素焼結体  
代理人 中野 稔  
代理人 服部 保次  
代理人 上代 哲司  
代理人 中野 稔  
代理人 上代 哲司  
代理人 二島 英明  
代理人 服部 保次  
代理人 山口 幹雄  
代理人 山口 幹雄  
代理人 二島 英明  

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