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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1063581
審判番号 不服2000-20711  
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-01-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-12-28 
確定日 2002-09-03 
事件の表示 平成 7年特許願第166231号「通信装置及び通信システム」拒絶査定に対する審判事件〔平成 9年 1月17日出願公開、特開平 9- 18852、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.本願発明
本願は、平成7年6月30日の出願であって、その請求項1乃至3に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成14年8月2日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載された次に掲げるものである。

「【請求項1】 画像の画素数、画像に含まれるそれぞれの画素の色度、彩度、明度、単位時間当たりのフレーム数を含む画像品位についての受信側からの指定に基づいて画像信号を処理して該受信側に送出する通信装置であって、
上記画像品位の指定を受信する受信手段と、
上記指定に基づいて画像信号に対して所定の処理を行うことによって該画像信号の画像品位を制御する画像品位制御手段と、
上記画像品位制御手段により画像品位が制御された画像信号を暗号化処理する暗号化手段と、
上記暗号化手段における処理時間を測定する測定手段と、
上記画像品位に応じて課金するために上記暗号化手段における処理時間に応じて課金する課金手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】 上記暗号化手段における処理時間の時間あたりの単位料金情報を記憶する課金データベース手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】 画像の画素数、画像に含まれるそれぞれの色度、彩度、明度、単位時間当たりのフレーム数を含む画像品位についての受信側からの指定に基づいて画像信号を処理して送出する送信端末を備えた通信システムであって、
上記受信端末は、上記画像品位を指定する指定手段を有し、
上記送信端末は、上記受信端末による指定に基づいて画像信号に対して所定の処理を行うことによって該画像信号の画像品位を制御する画像品位制御手段と、上記画像品位制御手段により画像品位が制御された画像信号を暗号化処理する暗号化手段と、上記暗号化手段における処理時間を測定する測定手段と、上記画像品位に応じて課金するために上記暗号化手段における処理時間に応じて課金する課金手段とを有することを特徴とする通信システム。」

2.引用例
原審で引用された刊行物である特開昭62-108686号公報(以下「引用例1」という。)、特開平6-54325号公報(以下「引用例2」という。)、特開平7-15715号公報(以下「引用例3」という。)、特開平7-115638号公報(以下「引用例4」という。)、特開平2-238789号公報(以下「引用例5」という。)、実願昭62-15191号(実開昭63-125483号)のマイクロフィルム(以下「引用例6」という。)には次に掲げることが記載されている。
引用例1には、受信側からの要求によって振幅解像度、空間解像度、時間解像度等の符号化パラメータを制御できるようにしたことが記載されている。
引用例2には、受信側の暗号解読能力に応じて画像の暗号化を行うことが記載されている。
引用例3には、受信側は課金ランクに応じた暗号解読能力を持ち、送信側は画像の解像度毎に異なる暗号化方式を適用した画像を受信側に送信することにより、受信画像の画質を制御することが記載されている。
引用例4には、受信側が正しい鍵を持つ場合には高解像度画像が再生され、鍵を持たない場合には低解像度画像が再生されること、及び解像度に応じて課金を区別することが記載されている。
引用例5には、画像にスクランブルをかけることが記載されている。
引用例6には、視聴制限する画像にスクランブルをかけることが記載されている。

3.本願発明と引用例との対比
本願発明と引用例1乃至6とを対比・検討すると、引用例1乃至6には、次に掲げる本願発明の主要な事項の記載も示唆もない。

「画像の画素数、画像に含まれるそれぞれの画素の色度、彩度、明度、単位時間当たりのフレーム数を含む画像品位が制御された画像信号を暗号化処理し、該処理時間に応じて課金を行う」点。

そしてそれにより、「利用者が望む画像品位、例えばどのような画素の数にするか、画素の色度とするか、彩度とするか、明度とするか、単位時間当たりのフレーム数を選択指定できるとともに、該利用者に提供される画像品位に応じて課金を行うので、適正で公正な課金方式を実現することができる」という顕著な効果を有している。

4.むすび
以上、本願発明は、引用例1乃至6に記載の発明に基いて当業者が容易に発明することができたものということはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-08-16 
出願番号 特願平7-166231
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山崎 達也  
特許庁審判長 原 光明
特許庁審判官 小林 秀美
酒井 朋広
発明の名称 通信装置及び通信システム  
代理人 國分 孝悦  

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