ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04J |
---|---|
管理番号 | 1063788 |
審判番号 | 不服2000-17132 |
総通号数 | 34 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2000-03-14 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-10-26 |
確定日 | 2002-09-10 |
事件の表示 | 平成10年特許願第247672号「時分割多重伝送システム及びそれに用いるチャネル識別方式」拒絶査定に対する審判事件〔平成12年 3月14日出願公開、特開2000- 78094、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1 手続きの経緯・本願発明 本願は、平成10年9月2日の出願であって、その請求項1乃至6に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1乃至6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、「本願発明1乃至6」という) 「【請求項1】 複数のチャネルを時分割多重して伝送しかつ前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つが非同期転送モードのセルベースフローを収容する時分割多重伝送システムであって、 前記非同期転送モードのセルベースフローを収容したチャネルのセルヘッダに予め設定されかつ伝送データの誤り検出訂正のための情報を示すHECバイトを固有の形に変形して基準チャネル信号に変換するチャネル識別子付加手段と、前記基準チャネル信号と前記複数のチャネルのチャネル信号各々とを時分割多重して時分割多重伝送信号を生成して出力する多重化手段とを送信装置に有し、 前記送信装置から送信されてくる前記時分割多重伝送信号を時分割分離する分離手段と、前記分離手段で時分割分離されて生成される複数のチャネル信号から前記固有の形に変形されたHECバイトを持つ基準チャネル信号を検出する基準チャネル検出手段とを受信装置に有することを特徴とする時分割多重伝送システム。 【請求項2】 前記チャネル識別子付加手段は、前記HECバイトを基に前記チャネルの同期をとる同期手段と、前記HECバイトに固有のビットパターンをモジュロ2加算するモジュロ2加算手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の時分割多重伝送システム。 【請求項3】 前記基準チャネル検出手段は、前記HECバイトの位置に前記固有のビットパターンをモジュロ2加算して巡回冗長検査演算を行うモジュロ2加算CRC演算手段を含むことを特徴とする請求項2記載の時分割多重伝送システム。 【請求項4】 複数のチャネルを時分割多重して伝送しかつ前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つが非同期転送モードのセルベースフローを収容する時分割多重伝送システムのチャネル識別方式であって、 前記非同期転送モードのセルベースフローを収容したチャネルのセルヘッダに予め設定されかつ伝送データの誤り検出訂正のための情報を示すHECバイトを送信側で固有の形に変形して基準チャネルを設定し、受信側で前記固有の形に変形されたHECバイトを持つ前記基準チャネルを検出するようにしたことを特徴とするチャネル識別方式。 【請求項5】 前記送信側で前記HECバイトに対して固有のビットパターンをモジュロ2加算するようにしたことを特徴とする請求項4記載のチャネル識別方式。 【請求項6】 前記受信側でセル同期の際に前記固有のビットパターンをモジュロ2加算されたHECバイトに対してセル同期をとることで前記基準チャネルを識別するようにしたことを特徴とする請求項5記載のチャネル識別方式。」 2 引用刊行物 引用刊行物1:電子情報通信学会通信ソサイエティー大会講演論文集,B-8-30(1997-8-13)石川肇他,GTTHにおけるチャネル識別方法の検討,p.255 引用刊行物2:B-ISDN絵解き読本,オーム社(1993-1-30),p.89-94 3 対比・判断 本願発明1乃至3と引用刊行物1乃至2に記載された発明と対比すると、引用刊行物1乃至2に記載された発明には、本願発明1乃至3を特定するために必要と認める事項である「伝送データの誤り検出訂正のための情報を示すHECバイトを固有の形に変形して基準チャネル信号に変換するチャネル識別子付加手段と、・・・を送信装置に有し、・・・複数のチャネル信号から前記固有の形に変形されたHECバイトを持つ基準チャネル信号を検出する基準チャネル検出手段とを受信装置に有する」を備えておらず、その事項により「新たな冗長領域を付加することなくかつチャネルに収容されるATMセルベースフローの仕様に重大な変更をもたらすことのないチャネル識別機能を実現することができる」という顕著な効果を奏するものである。 本願発明4乃至6と引用刊行物1乃至2に記載された発明と対比すると、引用刊行物1乃至2に記載された発明には、本願発明4乃至6を特定するために必要と認める事項である「伝送データの誤り検出訂正のための情報を示すHECバイトを送信側で固有の形に変形して基準チャネルを設定し、受信側で前記固有の形に変形されたHECバイトを持つ前記基準チャネルを検出する」を備えておらず、その事項により「新たな冗長領域を付加することなくかつチャネルに収容されるATMセルベースフローの仕様に重大な変更をもたらすことのないチャネル識別機能を実現することができる」という顕著な効果を奏するものである。 4 むすび したがって、本願発明1乃至6が、引用刊行物1乃至2に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、「本願発明1乃至6は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない」という理由で本願を拒絶すべきものとした原査定は妥当でない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2002-08-23 |
出願番号 | 特願平10-247672 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04J)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 伏本 正典 |
特許庁審判長 |
鈴木 康仁 |
特許庁審判官 |
矢頭 尚之 山本 春樹 |
発明の名称 | 時分割多重伝送システム及びそれに用いるチャネル識別方式 |
代理人 | 福田 修一 |
代理人 | 京本 直樹 |
代理人 | 河合 信明 |