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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 E04G
管理番号 1064151
審判番号 不服2002-1105  
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-05-02 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-01-21 
確定日 2002-09-25 
事件の表示 平成 5年特許願第298962号「作業用足場」拒絶査定に対する審判事件〔平成 7年 5月 2日出願公開、特開平 7-113318、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成5年11月4日(優先権主張平成5年8月24日)の出願であって、その請求項1に係る発明(以下、本願発明という。)は、平成14年2月19日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項よりなる次のとおりのものである。
「端部を開口した角パイプからなる外枠を有する二分された足場板の中央端がピンで連結されてその外側端が下方にのみ折畳み自在に構成され、前記連結部に垂下させたガイドパイプに下端からスライド杆が挿入され、該スライド杆の下端と両側の足場板間にそれぞれ斜め支持杆が両端をピンで止着して設けられ、前記スライド杆が前記足場板の水平使用時及び折畳み時に前記ガイドパイプに対して固定自在に構成され、前記それぞれの足場板の外側隅部下方には下端に自在走行輪を有する伸縮脚が折畳み自在に設けられ、両側の伸縮脚と前記ガイドパイプ下端間にはストッパ-杆が両端をピンで止着して設けられ、両端の伸縮脚間には適数の横桟が設けられ、前記足場板の外枠端部の開口に、手摺の下端に設けられた挿入部を挿入及びピンに固定され、さらに両足場板の中央連結部の下方に両足場板に跨って張設されて該足場板の水平使用時に伸張するスプリングが、一方の足場板に設けられた固定ステ-と他方の足場板に設けられ両足場板の水平使用時のみ機能し該足場板の折畳み時にはフリ-の状態で格納される可動ステ-間に張設されてなることを特徴とする作業用足場。」

2.対比・判断
本願発明と、原審の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された実願平2-115503号(実開平4-72133号)のマイクロフィルム(以下、刊行物1という。)記載の発明とを対比すると、刊行物1記載の「スライド脚3」は本願発明の「ガイドパイプ」と「ガイド部材」である点で一致し、刊行物1記載の「スライド体7」は本願発明の「スライド杆」と「スライド部材」である点で一致するから、両者は、次の一致点及び相違点を有する。
(一致点)
「外枠を有する二分された足場板の中央端がピンで連結されてその外側端が下方にのみ折畳み自在に構成され、前記連結部に垂下させたガイド部材にスライド部材が摺動自在に設けられ、該スライド部材と両側の足場板間にそれぞれ斜め支持杆が両端をピンで止着して設けられ、前記ガイド部材が前記足場板の水平使用時及び折畳み時に前記スライド部材に対して固定自在に構成され、前記それぞれの足場板の外側隅部下方には下端に自在走行輪を有する伸縮脚が折畳み自在に設けられ、両側の伸縮脚と前記ガイド部材下端間にはストッパ-杆が両端をピンで止着して設けられ、両端の伸縮脚間には適数の横桟が設けられた作業用足場。」
(相違点1)
本願発明が、「端部を開口した角パイプからなる外枠を有する・・・足場板」からなり、「前記足場板の外枠端部の開口に、手摺の下端に設けられた挿入部を挿入及びピンに固定され」たものであるのに対し、刊行物1記載の発明は、このような構成を有しない点。
(相違点2)
本願発明が、連結部に垂下させたガイドパイプに下端からスライド杆が挿入され、スライド杆の下端に斜め支持杆が止着されたのに対し、刊行物1記載の発明は、連結部に垂下させたスライド脚3にスライド体7が外嵌された点。
(相違点3)
本願発明が、「両足場板の中央連結部の下方に両足場板に跨って張設されて該足場板の水平使用時に伸張するスプリングが、一方の足場板に設けられた固定ステ-と他方の足場板に設けられ両足場板の水平使用時のみ機能し該足場板の折畳み時にはフリ-の状態で格納される可動ステ-間に張設されてなる」のに対し、刊行物1記載の発明は、このような構成を有しない点。

上記相違点を検討する。
原審の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された特公昭49-42382号公報(以下、刊行物2という。)には、連結部に垂下させたガイド部材(上部連結棒9)にスライド部材(下部連結棒10)を外嵌したことが記載され、同実願昭58-149010号(実開昭60-56335号)のマイクロフィルム(以下、刊行物3という。)には、両足場板の中央連結部の下方に両足場板に跨って張設されて該足場板の水平使用時に伸張するスプリングを、両足場板に設けられた固定ステ-間に張設したことが記載され、同実願昭58-92078号(実開昭59-196631号)のマイクロフィルム(以下、刊行物4という。)には、フレームの開口に手摺の下端に設けられた挿入部を挿入したことが記載されているが、いずれにも、上記相違点の本願発明に係る構成は記載されておらず、これらの構成が単なる設計変更ということもできない。
したがって、本願発明は、刊行物1ないし4記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
なお、特開平3-115655号公報には、支柱の上端開口に手摺の下端に設けられた挿入部を挿入及びピンに固定したことが記載され、特開昭62-189012号公報には、寝椅子及び安楽椅子用の折畳金具において、スプリングを可動ステー間に張設したことが記載されているが前記と同様に、いずれにも、上記相違点の本願発明に係る構成は記載されておらず、これらの構成が単なる設計変更ということもできないから、これらの刊行物を勘案しても、本願発明は、刊行物記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、原査定の理由によっては拒絶の査定をすることができない。
また、他に本願発明を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
審決日 2002-09-13 
出願番号 特願平5-298962
審決分類 P 1 8・ 121- WY (E04G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山田 忠夫古屋野 浩志  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 蔵野 いづみ
鈴木 公子
発明の名称 作業用足場  
代理人 山本 彰司  

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