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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1064188
審判番号 審判1995-20064  
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1990-12-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1995-09-18 
確定日 2000-09-19 
事件の表示 平成2年特許願第32317号「半導体加工のための耐圧熱反応装置システム」拒絶査定に対する審判事件(平成2年12月11日出願公開、特開平2-299225)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯及び本願発明
本願は平成2年2月13日(パリ条約による優先権主張1989年4月18日、米国)の出願であって、平成6年8月19日付け及び平成7年9月18日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その請求項1〜32に係る発明は、各々特許請求の範囲の請求項1〜32に記載されているものと認められるところ、請求項1に係る発明は以下のとおりである。
「放射熱供給源としてのランプと共に用いられる高温、低圧の反応容器であって、内表面と外表面を持つ壁を有し、該容器内のより低い圧力との圧力差に対して使用される反応室を画定し、長手方向の軸を更に画定し、当該長手方向の軸に対して垂直をなす横断面が非円形である細長い石英チューブと、前記圧力差により前記壁に加えられた圧力に対して耐えるべく該壁の前記外表面に取付けられた少なくとも一つの外部補強材とを備えている反応容器。」
2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由において引用した特開昭63-200526号公報(以下「引用例1」という。)には、「反応管」に関する発明が記載されており、具体的内容として、第2頁左上欄第12行〜第18行には、「一方、前記半導体熱処理装置においては、前記ウエハの均一加熱の容易化等を図る為に、反応管内を0.1〜10Torr前後に減圧した状態で加熱処理を行う減圧処理装置が近年種々提案されているが、かかる減圧処理装置に前記偏平筒状反応管を用いると、反応管内の負圧により容易に押潰されてしまうという問題が生じる。」と、第3頁右上欄第11行〜左下欄第16行には、「1は透明石英で断面楕円形の偏平筒体状に形成した反応管で、軸方向一端側の開口部11周囲に方形のフランジ12を設け、後記する蓋体9を密着封止可能に構成するとともに、軸方向他端側中央部を縮径して尾管4を設ける。又反応管1の開口部11近傍の周面下側には、ガス導入管5が設けられており、ポンプ9により反応管1内を減圧可能に構成する。尚前記尾管4周囲の鏡板部14は若干丸味を付け強度性を向上させている。そして、該反応管1は偏平状に形成されている為に前記ガス導入管5よりの吸引により内部をほぼ真空状態に減圧して加熱させた場合には、該反応管1の幅広周面上に最も押圧力が印加され、該幅広方向に沿って拡径しながら押潰するものである為に、第1図に示すように反応管1内の断面幅広方向における中央線を挟んでその両側に、透明石英材で形成された一対の仕切板2,3を平行に設け、前記変形を阻止させている。即ち前記仕切板2,3の詳細構成を説明するに、仕切板2,3は、該両仕切板2,3に挟まれる区域1A内に、サセプタ10に載設された半導体ウエハ7を搬出入可能な程度の幅間隔をもって配設するとともに、該仕切板2,3の周縁側を反応管1の内周面と鏡板部14の内周壁に沿って固着させ前記変形を阻止する補強板として機能させる。」と記載されている。さらに、第2頁左下欄第17行〜第19行には、「又前記反応管1は、加熱手段に赤外線ランプ6を用いた場合に、好ましい効果を上げる事が出来るが、・・・・」と記載されている。
したがって、これらの記載を総合すると、引用例1には、減圧した状態で赤外線ランプにより加熱処理を行う、断面が楕円形の偏平筒体状に形成された石英反応管において、反応管の内周面と鏡板部の内周壁に沿って固着させた補強板を設け、もって反応管内の負圧により反応管が押潰されることを防止するようにした発明が記載されているものと認められる。
次に、原査定の拒絶の理由において引用した実願昭61-75991号(実開昭62-186424号)のマイクロフィルム(以下「引用例2」という。)には、「炉芯管」に関する発明が記載されており、具体的内容として、明細書第3頁第1行〜第9行には、「本考案は炉芯管の外周壁に長手方向の石英ガラス棒を溶接して炉芯管を補強し、耐熱性を増して寿命を延ばし、更に内管と外管との接触を少なくすることによって、両管の融着を防ごうとするものであって、これは半導体ウエーハを加熱処理する際に使用される石英ガラス製炉芯管において、中央部の被加熱部分の外周壁に長手方向に石英ガラス棒を間隔的に複数本溶接してなることを特徴とする炉芯管を要旨とするものである。」と記載されている。
したがって、これらの記載より、引用例2には、半導体ウエーハを加熱処理する際に使用される石英ガラス製炉芯管において、補強を目的としてその壁の外表面に補強材を取り付ける発明が記載されているものと認められる。
3.対比
そこで、本願の請求項1に係る発明と引用例1に記載された発明とを以下に比較する。
まず、引用例1に記載された発明における「赤外線ランプ」、「反応管」が、各々請求項1に係る発明における「放射熱供給源としてのランプ」、「反応容器」に相当することは明らかである。
次に、引用例1の「ガス導入管5よりの吸引により内部をほぼ真空状態に減圧して加熱させた場合は・・・・」(第3頁左下欄第2行〜第3行)等の記載から、引用例1における反応管が低圧で用いられることが明らかである。また、引用例1には反応管が「高温」であるという記載はないものの、加熱処理のための赤外線ランプが設けられていることに加えて、一般にこの種の反応管が半導体装置の製造において高温で用いられることは当業者の常識であるので、引用例1における反応管も高温、低圧で使用されるものである。
また、引用例1の上記2で述べた部分の記載及び図面から、引用例1における反応管も、内表面と外表面を持つ壁を有し、反応管内のより低い圧力との圧力差に対して使用される反応室を画定していることが明らかである。
さらに、引用例1の「1は透明石英で断面楕円形の偏平筒体状に形成した反応管で・・・」(第3頁右上欄第11行〜第12行)の記載より、引用例1における反応管は、長手方向の軸を画定し、当該長手方向の軸に対して垂直をなす横断面が楕円形すなわち非円形である細長い石英チューブを備えているものである。
そして、引用例1の「ガス導入管5よりの吸引により内部をほぼ真空状態に減圧して加熱させた場合は、該反応管1の幅広周面上に最も押圧力が印加され、該幅広方向に沿って拡径しながら押潰するものである為に、第1図に示すように反応管1内の断面幅広方向における中央線を挟んでその両側に、透明石英材で形成された一対の仕切板2,3を平行に設け、前記変形を阻止させている。」(第3頁左下欄第2行〜第9行)の記載より、引用例1の反応管においても、圧力差により壁に加えられた圧力に対して耐えるべく反応管内に取り付けられた補強材を備えていることが明らかである。
以上の点を踏まえて請求項1に係る発明と引用例1に記載された発明とを比較すると、両者は、「放射熱供給源としてのランプと共に用いられる高温、低圧の反応容器であって、内表面と外表面を持つ壁を有し、該容器内のより低い圧力との圧力差に対して使用される反応室を画定し、長手方向の軸を更に画定し、当該長手方向の軸に対して垂直をなす横断面が非円形である細長い石英チューブと、前記圧力差により前記壁に加えられた圧力に対して耐えるべく取り付けられた少なくとも一つの補強材とを備えている反応容器。」である点で一致するが、引用例1に記載された発明では補強材が反応管すなわち反応容器の内側に取り付けられているのに対して、請求項1に係る発明では、補強材が反応容器の壁の外表面に取り付けられている点で相違している。
4.判断
そこで、当該相違点について検討すると、上記2で述べたように、引用例2には、半導体ウエーハを加熱処理する際に使用される石英ガラス製炉芯管において、補強を目的としてその壁の外表面に補強材を取り付ける発明が記載されているが、ここにおける「石英ガラス製炉芯管」は引用例1における「反応管」に相当するものであるから、当該引用例2に記載された発明に基づけば、引用例1に記載された発明において、反応管すなわち反応容器を補強するための補強材を、反応容器の内側に代えて壁の外表面に取り付けるようにすることは、当業者が容易に想到することができたものである。
さらに、本願の明細書及び図面を精査しても、補強材を反応容器の壁の外表面に取り付けることによる格別な効果を見出すことができない。
なお、これに関連して、請求人は請求の理由において、補強材である石英繋板により効果的な冷却が行える旨の主張をしているが、請求項1に係る発明のように形状も材質も特定されていない「外部補強材」を反応容器の壁の外表面に取り付けただけで、請求人が主張するような積極的な冷却効果を奏するとは到底考えられない。
5.むすび
以上述べたとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用例1及び引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1998-03-05 
結審通知日 1998-03-24 
審決日 1998-04-06 
出願番号 特願平2-32317
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮澤 尚之  
特許庁審判長 小林 武
特許庁審判官 北島 健次
橋本 武
発明の名称 半導体加工のための耐圧熱反応装置システム  
代理人 竹内 英人  
代理人 大塚 文昭  
代理人 中村 稔  
代理人 宍戸 嘉一  
代理人 村社 厚夫  
代理人 今城 俊夫  
代理人 小川 信夫  
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