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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H01L
審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1064276
異議申立番号 異議2000-71639  
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-10-07 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-18 
確定日 2002-07-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2970525号「中空パッケージの製造方法および中空パッケージ用製造装置」の請求項1ないし9に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2970525号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 (I)手続きの経緯
本件特許第2970525号の請求項1〜9に係る発明は、平成8年3月28日に特許出願され、平成14年8月27日に設定登録され、請求項1〜9に係る発明の特許について、平成12年04月18日に大和田 百合子(以下、申立人という。)から特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年4月3日付けで訂正請求(後日取り下げ)がなされ、再度の取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年5月23日付けで訂正請求がなされたものである。
(II)訂正請求について
(II-1)訂正事項
(a)訂正前の請求項1を削除する。
(b)訂正前の請求項2の記載を、「【請求項1】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージの製造方法において、接着剤用受け部材として、接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成したものを用い、この接着剤用受け部材にスキージによって接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込ませ、しかる後、キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けて離間させることによりキャップの前記凹陥部端面に接着剤を付けるようにしたことを特徴とする中空パッケージの製造方法。」と訂正する。
(c)訂正前の請求項3の記載を、「【請求項2】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、 前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたことを特徴とする中空パッケージの製造方法。」と訂正する。
(d)訂正前の請求項4乃至5を削除する。
(e)訂正前の請求項6の記載を、「【請求項3】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージ用製造装置において、接着剤を塗布する接着剤用受け部材と、この接着剤用受け部材に接着剤を厚さが均一になるよう塗り広げる手段と、前記キャップを保持し、その凹陥部端面を接着剤用受け部材の接着剤に押付けるキャップ保持手段とを備えたものであって、接着剤用受け部材の接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成し、スキージによって前記接着剤用受け部材に接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込む手段と、キャップを保持し、前記キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けた後離間させる手段と、を更に備えたことを特徴とする中空パッケージ用製造装置。」と訂正する。
(f)訂正前の請求項7乃至8を削除する。
(g)訂正前の請求項9の記載を、「【請求項4】 凹陥部を有するキャップを保持するキャップ保持手段によって前記キャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージ用製造装置において、前記キャップ保持手段を構成する手段として、前記キャップを保持するための吸着手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを接着剤に押付けて離間する手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを前記ケースに接着する手段と、を備え、前記キャップ保持手段を構成する各手段の前記動作を、異なる各キャップに対して略同時に行うことを特徴とする中空パッケージ用製造装置。」と訂正する。
(h)特許明細書中の段落番号【0009】、【0010】、【0011】、【0013】、【0015】における「凹陥部側端面」を、「凹陥部端面」と訂正する。
(i)特許明細書中の段落番号【0020】、【0021】、【0023】、【0027】、【0028】、【0029】、【0032】および【0033】の記載を削除する。
(j)特許明細書中の段落番号【0022】の記載を、「【0020】【課題を解決するための手段】 第1の発明に係る中空パッケージの製造方法は、接着剤用受け部材として、接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成したものを用い、この接着剤用受け部材にスキージによって接着剤を塗り広げることにより凹溝内に接着剤を埋め込ませ、しかる後、キャップを凹溝内の接着剤に押し付けて離間させることによりキャップの凹陥部端面に接着剤を付けるようにしたものである。この方法によれば、簡単な装置で正確な厚みに接着剤を塗り広げることができる。」と訂正する。
(k)特許明細書中の段落番号【0024】の記載を、「【0021】 したがって、キャップに接着剤を付着させるときにキャップの凹陥部と対応する部位には接着剤が存在しないので、接着剤からなる膜がキャップに形成されることがない。」と訂正する。
(l)特許明細書中の段落番号【0025】の記載を、「【0022】 第2の発明に係る中空パッケージの製造方法は、凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたものである。この方法によれば、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。」と訂正する。
(m)特許明細書中の段落番号【0026】および【0030】の記載を、「【0023】 第3の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージ用製造装置において、接着剤を塗布する接着剤用受け部材と、この接着剤用受け部材に接着剤を厚さが均一になるよう塗り広げる手段と、前記キャップを保持し、その凹陥部端面を接着剤用受け部材の接着剤に押付けるキャップ保持手段とを備えたものであって、接着剤用受け部材の接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成し、スキージによって前記接着剤用受け部材に接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込む手段と、キャップを保持し、前記キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けた後離間させる手段と、を更に備えたものである。」と訂正する。
(n)特許明細書中の段落番号【0031】の記載を、「【0024】 したがって 、第1の発明に係る中空パッケージの製造方法を実施するに当たって自動化を図ることができる。また、この中空パッケージ用製造装置は、接着剤用受け部材を凹溝の溝幅、深さが異なるものに交換することによって、キャップに付着する接着剤の量を変えることができる。」と訂正する。
(o)特許明細書中の段落番号【0034】の記載を、「【0025】 第4の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、凹陥部を有するキャップを保持するキャップ保持手段によって前記キャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージ用製造装置において、前記キャップ保持手段を構成する手段として、前記キャップを保持するための吸着手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを接着剤に押付けて離間する手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを前記ケースに接着する手段と、を備え、前記キャップ保持手段を構成する各手段の前記動作を、異なる各キャップに対して略同時に行うものである。したがって、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。」と訂正する。
(p)特許明細書中の段落番号【0064】、【0070】、【0071】、【0078】、【0083】における「凹陥部側端面」を、「凹陥部端面」と訂正する。
(q)特許明細書中の段落番号【0086】、【0087】、【0088】、【0092】、【0093】、【0094】、【0095】、【0098】および【0099】を削除する。
(r)特許明細書中の段落番号【0089】の記載を、「【0086】【発明の効果】 第1の発明に係る中空パッケージの製造方法は、キャップに接着剤を付着させるときにキャップの凹陥部と対応する部位には接着剤が存在しないので、接着剤からなる膜がキャップの開口側に形成されることがない。」と訂正する。
(s)特許明細書中の段落番号【0090】の記載を、「【0087】したがって、接着剤からなる膜を除去する工程を省くことができるから、製造時間の短縮を図ることができる。また、前記膜が形成されないことから、キャップをケースに接着するときに接着剤の余剰分がパッケージ内に流れ込むことがなく、高品質な中空パッケージを製造できる。」と訂正する。
(t)特許明細書中の段落番号【0091】の記載を「【0088】 第2の発明に係る中空パッケージの製造方法は、凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたため、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。したがって、従来の方法を採る場合に比べて製造工程を大幅に短縮できる。」と訂正する。
(u)特許明細書中の段落番号【0096】の記載を、「【0089】 第3の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、この構成としたため、第1の発明に係る中空パッケージの製造方法を実施するに当たって自動化を図ることができるから、接着剤からなる膜がキャップに形成されるのを阻止して工程数削減を図ることができることと相俟って、高品質な中空パッケージを安価に製造できる。」と訂正する。
(v)特許明細書中の段落番号【0097】の記載を、「【0090】 また、この中空パッケージ用製造装置は、接着剤用受け部材を凹溝の溝幅、深さが異なるものに交換することによって、キャップに付着する接着剤の量をキャップの形状・寸法に応じて変えることができるから、製造するパッケージの形状・寸法を変えてもキャップをケースに強固にかつ気密性よく接着できるという効果もある。」と訂正する。
(w)特許明細書中の段落番号【0100】の記載を、「【0091】 第4の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、この構成としたため、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。したがって、従来に較べて製造装置を大幅に削減できる。すなわち、従来より小規模な装置で実現できる。」と訂正する。
(II-2)訂正の適否
訂正事項(a)、(d)、(f)は、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当するものである。
訂正事項(b)は、訂正前の請求項2における「凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージの製造方法において、」の記載に基づいて、訂正前の請求項2の「キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付け付けて離間させることにより接着剤を付ける」の記載を、「キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けて離間させることによりキャップの前記凹陥部端面に接着剤を付ける」と訂正したものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項(c)は、特許明細書の段落番号【0050】、【0051】、【0068】及び図1、図2に基づいて、訂正前の請求項3を、さらに限定するべく「前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行う」と減縮したものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項(e)は、訂正前の請求項6を独立形式の表現に訂正するとともに、「凹陥部側端部」という表現を「凹陥部端面」と訂正し、さらに、訂正前の請求項6の発明を、特許明細書の段落番号【0077】【0080】【0082】および図9に基づいて、「スキージによって前記接着剤用受け部材に接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込む手段と、キャップを保持し、前記キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けた後離間させる手段と」を備えるものに減縮したものであるから、この訂正は、特許請求の範囲の減縮および明りょうでない記載の釈明に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項(g)は、特許明細書の段落番号【0050】、【0051】、【0068】、【0070】及び図1、図2に基づいて、訂正前の請求項9の発明を、さらに限定するべく、「前記キャップ保持手段を構成する手段として、前記キャップを保持するための吸着手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを接着剤に押付けて離間する手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを前記ケースに接着する手段と、を備え、前記キャップ保持手段を構成する各手段の前記動作を、異なる各キャップに対して略同時に行う」と減縮するとともに、「凹陥部側端部」という表現を「凹陥部端面」と訂正するものであるから、この訂正は、特許請求の範囲の減縮および明りょうでない記載の釈明に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項(h)〜(w)は、訂正事項(a)〜(g)の訂正と整合させるべく、願書に添付された明細書を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、本件の訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する同法第126条第2項および第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
(III)特許異議申立について
(III-1)本件発明
本件の請求項1〜4に係る発明(以下、「本件発明1」〜「本件発明4」という。)は、訂正明細書の請求項1〜4に記載された次のとおりのものである。
【請求項1】凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージの製造方法において、接着剤用受け部材として、接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成したものを用い、この接着剤用受け部材にスキージによって接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込ませ、しかる後、キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けて離間させることによりキャップの前記凹陥部端面に接着剤を付けるようにしたことを特徴とする中空パッケージの製造方法。
【請求項2】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、 前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたことを特徴とする中空パッケージの製造方法。
【請求項3】凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージ用製造装置において、接着剤を塗布する接着剤用受け部材と、この接着剤用受け部材に接着剤を厚さが均一になるよう塗り広げる手段と、前記キャップを保持し、その凹陥部端面を接着剤用受け部材の接着剤に押付けるキャップ保持手段とを備えたものであって、接着剤用受け部材の接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成し、スキージによって前記接着剤用受け部材に接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込む手段と、キャップを保持し、前記キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けた後離間させる手段と、を更に備えたことを特徴とする中空パッケージ用製造装置。。
【請求項4】凹陥部を有するキャップを保持するキャップ保持手段によって前記キャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージ用製造装置において、前記キャップ保持手段を構成する手段として、前記キャップを保持するための吸着手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを接着剤に押付けて離間する手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを前記ケースに接着する手段と、を備え、前記キャップ保持手段を構成する各手段の前記動作を、異なる各キャップに対して略同時に行うことを特徴とする中空パッケージ用製造装置

(III-2)特許異議申立の理由
申立人は、甲第1号証(特開平5-261336号公報)、甲第2号証(特開平1-183827号公報)、甲第3号証(特開昭63-48378号公報)、甲第4号証(特開昭64-66998号公報)、甲第5号証(特開平2-239636号公報)、甲第6号証(特開平3-109795号公報)、甲第7号証(特開平3-129900号公報)、甲第8号証(実願平2-16165号のマイクロフィルム:実開平3-109335号)、甲第9号証(特開平2-69948号公報)、甲第10号証(特開平3-40435号公報)、甲第11号証(特開平8-19752号公報)、甲第12号証(実願昭58-124962号のマイクロフィルム:実開昭60-31376号)、甲第13号証(実願平1-35739号のマイクロフィルム:実開平2-126792号)、甲第14号証(実願昭62-187287号のマイクロフィルム:実開平1-92200号)、甲第15号証(特開平2-69952号公報)および甲第16号証(特開平4-37097号公報)を提示し、
(1)本件の訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当し、特許を受けることができないものである、
(2)本件の訂正前の請求項2に係る発明は、甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
(3)本件の訂正前の請求項3に係る発明は、甲第3〜8号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
(4)本件の訂正前の請求項4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当し、特許を受けることができないものである、
(5)本件の訂正前の請求項5に係る発明は、甲第1、9〜11号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
(6)本件の訂正前の請求項6に係る発明は、甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
(7)本件の訂正前の請求項7に係る発明は、甲第1、12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
(8)本件の訂正前の請求項8に係る発明は、甲第1、13〜16号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
(9)本件の訂正前の請求項9に係る発明は、甲第3〜8号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
との理由で、本件の訂正前の請求項1〜9に係る発明の特許は取り消されるべきである旨を主張する。

(III-3)甲各号証の記載
甲第1号証(特開平5-261336号公報):
1a.従来の技術として「図4において従来の樹脂塗布装置は、適量の流動性樹脂1を載せた回転円盤2が回転すると、回転円盤2の上面に対し適当な間隔で固定したスクレーパ3によって、回転円盤2の上面には一定厚さの樹脂層4が形成される。そこで、キャップ(所望部品)5を吸着し上下動可能なピックアッパー6を降下せしめ、キャップ5の下面(樹脂塗布面)を樹脂層4に浸漬し、次いで、ピックアッパー6を上昇させると、キャップ5の下面には樹脂層4の一部が塗布され樹脂層7(図5参照)が形成される。」(第1欄第28行〜第38行、【0003】、【0004】)
1b.課題として「樹脂層7の前記ばらつきに対し従来は、例えばキャップ5が電子素子を気密封止するパッケージに用いるものであり、樹脂1が接着剤であり樹脂層7の厚さを50μm程度としたいときには、キャップ5に塗布した樹脂膜7の厚さが50μm以上(例えば100μm程度)となるようにし、余分の樹脂を取り除くという工程上の無駄と煩わしさがあり、尚かつ、余分の樹脂を取り除いた後における樹脂量のばらつきが避けられないという問題点があった。」(第2欄第3行〜第11行、【0007】)
1c.課題を解決する手段として「所望部品(キャップ)5の所定面(下面)に塗布する樹脂量を安定化すると共に調整可能とすることを目的とした本発明方法は、その実施例を示す図1によれば、回転する回転円盤11の上面に凹所12を形成し、回転円盤11の上面に流動性樹脂1を載せ、回転円盤11の上面に当接するように固定したスクレーパ3によって凹所12に樹脂1の一部を充填し、キャップ5の下面を回転円盤11の上面に当接し、キャップ5の下面に凹所内充填樹脂1’の一部を被着させ、該下面に樹脂層13を塗布形成させるものである。」(第2欄第13行〜第22行、【0008】)
1d.作用として「上記手段によれば、回転円盤11の上面の凹所12に流動性樹脂1を充填し、回転円盤11の上面にキャップ5の下面を当接することによって、凹所内樹脂1’がキャップ5下面に転写され、該下面には流動性樹脂層13が形成される。従って、キャップ5下面の樹脂層13の樹脂量は定量化し、帯状凹所12のピッチまたは深さを変えることによって該樹脂量の調整が可能となり、余分の樹脂を取り除く従来工程が不要になる。」(第2欄第24行〜第32行、【0009】、【0010】)
1e.実施例として「図1(イ)において、本発明方法による樹脂塗布装置は、回転円盤11の上面に断面V字形の多数の凹所12を形成し、スクレーパ3は先端が回転円盤11の上面に当接した状態で固定する。上面に樹脂1を止め置く回転円盤11は、回転円盤11と共に回転する軸15が中心部に、側壁16が外周部より突出する。そこで、回転円盤11の上面に適量の流動性樹脂1をのせ、回転円盤11を回転させると、その回転方向にスクレーパ3より先方の各凹所12には、樹脂1の一部1’が充填され、ピックアッパー6に吸着したキャップ5の下面を回転円盤11の上面に当接させたのち、キャップ5を引き上げると図1(ロ)に示す如く、キャップ5の下面には、凹所12に充填された樹脂1’が転写され樹脂層13が被着生成される。このような樹脂層13は、その厚さ(量)が凹所12の形状とその形成密度によって一定化し、例えば50〜60μmの厚さとすることができた。」(第2欄第38行〜第3欄第4行、【0012】〜【0014】)。
甲第2号証(特開平1-183827号公報)
2a.「ダイボンダーにおけるペースト塗布方法及び塗布装置」(発明の名称)、
2b.ペーストをリードフレーム、基板等に塗布するダイボンダーにおけるペースト塗布方法の実施例として「回転テーブル1にはリング状に溝1aが形成され、この溝1aの底面には等間隔に複数個(実施例は8個)の凹部1bが形成されている。回転テーブル1の溝1a内には下面が回転テーブル1の凹部1bの上面に圧接するようにブレード2が配設されており、ブレード2はX、Y、Z及びθ方向に位置調整可能なブレードホルダー3に取付けられている。前記回転テーブル1はモータ4によって間欠的に回転駆動される。・・・中略・・・次に作用について説明する。ブレード2のX、Y、Z及びθ方向の位置調整を行い、ブレード2の下面を凹部1bの上面に圧接させておき、ブレード2の手前の溝1a部分にペースト7を供給する。そして、モータ4を駆動して回転テーブル1を間欠的に回転させると、ブレード2の下面を通過した凹部1bには、該凹部1bの深さに相当する厚みのペーストが充填される。ペースト7aが充填された凹部1bが転写パッド5の下方に位置して停止すると、転写パッド5が下降して凹部1b内のペースト7aに接触加圧し、ペースト7aは転写パッド5の下面に付く。その後、転写パッド5は上昇、水平移動、下降させられてリードフレーム6のボンディング部に接触加圧して、転写パッド5の下面のペースト7aをリードフレーム6のボンディング部に転写する。・・・中略・・・このように、ブレード2を回転テーブル1の凹部1bに圧接した状態で回転テーブル1を回転させると、凹部1bには常に一定厚さのペースト7aが充填される。このペースト7aを転写パッド5の下面に付けるので、転写パッド5の下面についたペースト7aの形状は転写パッド5の下面形状によって一定形状となる。この転写パッド5の下面についたペースト7aをリードフレーム6に転写するので、リードフレーム6には一定厚さ及び一定形状のペーストが塗布される。」(第2頁左下欄第16行〜第3頁右上欄第9行)。
甲第3号証(特開昭63-48378号公報)
3a.部品実装基板とキャップとを用いて樹脂封止する接着方法の従来例として「部品実装基板とキャップとを用いて樹脂封止する接着方法を図面を参考しながら説明する。・・・中略・・・第5図(a)において、部品シール用キャップ25はその開口端面26が基板との樹脂接着面とされる。セラミック等基板30には封止部品31が実装される。浸漬法によって前記開口端面26へ樹脂を塗着する方法を同図(b)により説明する。浸漬槽33内の樹脂溜31は、予め、適宜形状のスキージで樹脂溜表面32のレベル出しがされる。そして真空チャック27で吸着させたキャップ25を樹脂溜21の上方から矢印29にそって定位置まで降下させ、その開口端面26を樹脂溜31に浸漬する。浸漬法により樹脂が塗着されたキャップ25は、基板30と所定の位置決めをして圧接し熱による樹脂硬化をはかれば第6図の部品封じが完了する。」(第1頁右欄下から第7行〜第2頁左上欄第12行)
3b.接着組立方法の実施例として「回転円盤18の盤内にはドーナッツ状に前記縦横の細溝を刻入する格子40が形成される。図中、20は樹脂槽であり該槽底面とドーナッツ状の格子40との接触面は、透窓21(点線の窓)が設けられ、また槽底の一側面22は、その下縁が格子40と接触摺動するようにされ透窓21から垂下する樹脂を格子溝に刷り込むと同時に余分な樹脂をぬぐい取るスキージが形成される。かくして回転円盤を反時計回りに駆動すれば、第3図の拡大平面図に示す如き樹脂湿潤面12が形成される。そして前記湿潤面12に対して樹脂塗着を必要とする所定部材を圧接すれば、部材面に樹脂を展着することが出来る。この場合、予め樹脂湿潤板12に形成される溝幅l、溝間ピッチL、あるいは溝の高さ寸法に対する樹脂補給量と塗着樹脂量との相関係数を求めておけば、湿潤板12の湿潤量を容易に制御することが出来る。・・・中略・・・スクリーンメッシュ30の樹脂塗着は謄写印刷式のローラとかあるいは第2図で説明した樹脂槽20と併結するなりして樹脂を展着すればよい。前記所定部材面へ樹脂塗着をなす圧接転写の湿潤板形状は一例にすぎずここは各種の変形があり得る。」(第2頁左下欄第6行〜第3頁左上欄第6行)。
甲第4号証(特開昭64-66998号公報)
4a.LSIパッケージ表面に部品を搭載接着する装置及びその作動として「第1図において、ベースB上のガイド14,14’に沿ってモータ駆動によりX方向に移動可能な架台13上においてモータ駆動によりY方向に移動可能な架台5には、Z方向(上下方向)にモータ駆動により昇降可能な部品吸着ホルダ4が取り付けられている。従って、吸着ホルダ4はX、Y、Z方向にモータ駆動により移動可能である。11は部品供給部、12は回路基板設置部に置かれた回路基板であって、これらは吸着ホルダ4の移動範囲内にてベースB上に配置される。1はベースB上の台16に取り付けたモータ3によって回転される容器であって、その中に接着剤10が入っており、この接着剤10の上面を平滑にするためのスキージ2が台16に取り付けれれている(第2図参照)・・・中略・・・さて制御装置15が作動し、吸着ホルダ4は部品供給部11に移動し、ここで部品9を吸着した後、容器1の位置まで移動する。この動作中にモータ3が作動して容器1が回転し、スキージ2により接着剤10の上面を平滑にした後、モータ3が停止し、容器1の回転は止まる。第2図のように容器1の上に来た吸着ホルダ4は、第3図(A)に示すように下降して部品9が接着剤10中に約1mm入り込んだ高さで停止する。その後、再び吸着ホルダ4が上昇して停止する。上記動作により、部品9の下面に接着剤10が塗布される。スキージ2によって容器1内の接着剤10の上面は一定であるが、接着剤10の粘度のバラツキにより、接着剤の塗布状態10aは均一ではない。・・・中略・・・その後、吸着ホルダ4を基板12まで移動し、吸着ホルダ4を下降させて基板12上のLSIパッケージ表面に該部品9を搭載する。なお以上の説明は、回路基板12上に既に取り付けられているLSIパッケージの表面に放熱フィンを接着する例について述べたが、回路基板12上にLSIパッケージまたは他の所要部品を接着剤で着ける場合にも本発明は実施し得ることは云うまでもない。」(第2頁左下欄第7行〜第3頁右欄第2行)。
甲第5号証(特開平2-239636号公報)
5a.半導体素子であるダイをパッケージに接着実装する方法として「先ず、第1図(a)に示すように、ダイコレット1は下に下がり、ダイトレー4の上にダイ3を真空で吸着する。次に、第1図(b)に示すように、ダイコレット1は、ダイ3を吸着したまま、回転軸2を中心として、180度、上に回転し、スクリーン印刷機のスクリーンマスク5の面にダイ3を接触させる。続いて、スクリーンマスク5上の接着剤6をスキージ7で、ダイ3の背面に刷り込む。次に、第1図(c)に示すように、ダイコレット1は、回転軸2を中心として、180℃、下に回転して、ダイ3をパッケージ8のダイ接合面の上にセットする。続いて、第1図(d)に示すように、ダイコレット1を軽く荷重を懸けて、押し下げ、ダイ3をパッケージ8のダイ接着部に接着して、ダイボンディングする。」(第3頁左上欄第7行〜右上欄第3行)。
甲第6号証(特開平3-109795号公報)
6a.電子部品を回路基板に接着実装する方法として「第4図は、異方性導電接着剤23を各電子部品24の電極部に付着する工程を示している。まず、スタンプ台31に、異方性導電接着剤23を投入し、スキージ32より異方性導電接着剤23を均一にのばす(第4図(a)参照)。この時、異方性導電接着剤23は、厚さ方向にのみ導電性を有している。次に、電子部品24-1,24-2,24-3を吸着している熱圧着実装機26がこのスタンプ台31上に位置する(第4図(b)参照)。そして、熱圧着実装機26が下降して、電子部品24-1,24-2,24-3に異方性導電接着剤23を付着させる。第5図は、熱圧着工程を示している。基板21は、ヒータプレート34上に載置される。このヒータプレート34も、ヒータ35を内蔵している。前記熱圧着実装機26は、ヒータプレート34上に位置し、電子部品24-1,24-2,24-3の電極部が配線導体22に接するように、ヒータプレート34に押圧される。そして、ヒータ27,35により、異方性導電接着剤23が加熱されて硬化する。」(第3頁右上欄第17行〜左下欄第18行)。
甲第7号証(特開平3-129900号公報)
「本実施例の実装装置1においては、パッケージ供給機構2に搬送されたLSIパッケージ7が、パッケージ保持機構6の下端部に吸着保持された状態で半田ペースト定量供給機構3,次いでチップマウント機構4に順次搬送され、半田ペースト12の塗布および基板13へのマウントが一貫して行われる。」(3頁右上欄7〜13行)。
甲第8号証(実願平2-16165号のマイクロフィルム:実開平3-109335号)
「吸着コレット28に半導体チップ16を吸着保持したままで、・・・空気シリンダ34を下降作動させ、半導体チップ16を・・・接着剤22に接触させ、・・・旧宅コレット28が・・・基板26の上方の位置にくる。そこで空気シリンダ34を下降作動させ、・・・半導体チップ16を基板26に取りつける。」(9頁17行〜10頁16行参照)。
甲第9〜16号証は削除された請求項に係るものであるから、その内容の記載は省略する。

(III-4)比較・検討
(III-4-1)異議申立の理由について
本件の訂正前の請求項1,4,5,7,8は削除され、訂正前の請求項2,3,6,9に係る発明は、それぞれ、本件発明1、2、3、4に訂正されたので、異議申立の理由は次のとおりのものであると認める。
(あ)本件発明1は、甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
(い)本件発明2は、甲第3〜8号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
(う)本件発明3は、甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
(え)本件発明4は、甲第3〜8号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
との理由で、本件発明1〜4の特許は取り消されるべきである。
(III-4-2)異議申立の理由(あ)、(う)について
本件発明1および3は、「中空パッケージの製造方法において、接着剤用受け部材として、接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成したものを用い、前記凹溝内に接着剤を埋め込ませ、しかる後、キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けて離間させることによりキャップの前記凹陥部端面に接着剤を付けるようにしたこと」(以下、構成Aという)、および「中空パッケージ用製造装置において、接着剤用受け部材の接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成し、前記凹溝内に接着剤を埋め込む手段と、キャップを保持し、キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けた後離間させる手段とを備えたこと」(以下、構成Bという)を構成とするものであり、それにより、特許明細書の段落番号【0089】および【0090】に記載されたとおりの、キャップの凹陥部と対応する部分に接着剤からなる膜が形成されないようするという効果を奏したものである。
これに対して、甲第1号証には、前記したように、パッケージの気密封止に際して、回転円盤の上面(接着剤用受け部材の接着剤塗布面に相当)の全面に凹所を形成し、前記凹所内に接着剤を埋め込ませ、しかる後、キャップの下面(キャップの凹陥部端面に相当)を前記凹所の接着剤に当接させ、キャップを引き上げて、キャップの下面に接着剤を付けるようにし、一定量の接着剤が付着するようにすることが記載され、甲第2号証には、ダイボンダーにおけるペーストの塗布に際して、回転テーブルの上面(接着剤用受け部材の接着剤塗布面に相当)に複数の凹部が形成され、該凹部にペースト(接着剤に相当)を充填し、このペーストを転写パッドの下面につけ、この転写パッドの下面形状のペーストをリードフレームに転写し、リードフレームに一定厚さ、一定形状のペーストを塗布することが記載されている。
しかし、甲第1号証には、接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成することについて記載も示唆もなく、したがって、甲第1号証が、本件発明1、3の構成A、構成Bおよび、前記した効果を示唆しているとすることはできない。
また、甲第2号証の記載は、封止技術に関するものでなく、リードフレームにペーストを塗布するに際して転写パッドに接着剤を塗布するというにすぎず、甲第2号証に、転写パッドに凹陥部端面を形成することや当該端面と略同じ形状の凹溝を接着剤用受け部材の接着剤塗布面に形成することを示唆する記載があるわけでもなく、そのような構成の採用により凹陥部に接着剤からなる膜が形成されないことを示唆する記載があるわけでもないから、甲第2号証が、本件発明1,2の前記構成A、構成Bおよび効果を示しているとすることはできない。
してみると、甲第1,2号証を総合しても、本件発明1,3が当業者に容易に発明をすることができたものであるとすることはできず、理由(あ)、(う)の主張は採用することができない。。

(III-4-3)異議申立の理由(い)、(え)について
本件発明2,4は、「 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、 キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにした」(以下、構成Cという。)および「凹陥部を有するキャップを保持するキャップ保持手段によって前記キャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージ用製造装置において、前記キャップ保持手段を構成する手段として、前記キャップを保持するための吸着手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを接着剤に押付けて離間する手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを前記ケースに接着する手段と、を備え、前記キャップ保持手段を構成する各手段の前記動作を、異なる各キャップに対して略同時に行う」(以下、構成Dという。)を構成とするものであり、それにより、特許明細書の段落番号【0025】および【0034】に記載されたとおりの、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できるという効果を奏したものである。
これに対して、甲第3号証には、前記したように、真空チャックで吸着させたキャップを樹脂溜に浸漬し、樹脂が塗布されたキャップについて所定の位置決めをして部品封止を行うことが示され、甲第4〜8号証には、部品を保持して、この部品に接着剤を付け、かつこの接着剤を基板に接着することを同一の部品保持手段により行なうことが示されている。
しかし、甲第3〜8号証には、「キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うように」することや、「キャップ保持手段を構成する手段として、キャップを保持するための吸着手段と、吸着手段で保持したキャップを接着剤に押付けて離間する手段と、吸着手段で保持したキャップをケースに接着する手段とを備え、前記キャップ保持手段を構成する各手段の動作を、異なる各キャップに対して略同時に行う」ようにすることについて、示唆する記載はない。
してみると、甲第3〜8号証に記載された発明が、本件発明2,4の前記構成CおよびDを示唆しているとすることはできず、甲第3〜8号証をみても、本件発明2,4の構成に想到することが当業者に容易であったとすることはできない。
また、本件発明2,4は、前記構成を採用することにより、前記したとおりの効果を奏するものである。
したがって、本件発明2,4が、甲第3〜8号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるとすることはできず、理由(い)、(え)の主張は採用することができない。

(IV)むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由および証拠によっては、本件発明1〜4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1〜4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
中空パッケージの製造方法および中空パッケージ用製造装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージの製造方法において、
接着剤用受け部材として、接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成したものを用い、この接着剤用受け部材にスキージによって接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込ませ、
しかる後、キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けて離間させることによりキャップの前記凹陥部端面に接着剤を付けるようにしたことを特徴とする中空パッケージの製造方法。
【請求項2】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、
前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたことを特徴とする中空パッケージの製造方法。
【請求項3】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージ用製造装置において、
接着剤を塗布する接着剤用受け部材と、この接着剤用受け部材に接着剤を厚さが均一になるよう塗り広げる手段と、前記キャップを保持し、その凹陥部端面を接着剤用受け部材の接着剤に押付けるキャップ保持手段とを備えたものであって、
接着剤用受け部材の接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成し、
スキージによって前記接着剤用受け部材に接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込む手段と、
キャップを保持し、前記キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けた後離間させる手段と、
を更に備えたことを特徴とする中空パッケージ用製造装置。
【請求項4】 凹陥部を有するキャップを保持するキャップ保持手段によって前記キャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージ用製造装置において、
前記キャップ保持手段を構成する手段として、
前記キャップを保持するための吸着手段と、
前記吸着手段で保持した前記キャップを接着剤に押付けて離間する手段と、
前記吸着手段で保持した前記キャップを前記ケースに接着する手段と、を備え、
前記キャップ保持手段を構成する各手段の前記動作を、異なる各キャップに対して略同時に行うことを特徴とする中空パッケージ用製造装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空パッケージ用キャップをケースに接着するための接着剤をキャップに付着させる中空パッケージの製造方法および中空パッケージ用製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超高周波用デバイスには、トランジスタ、IC、光素子、表面弾性波素子、あるいは共振子などがある。従来、これらのデバイスは商用の通信機器や衛星などに使われていたので、多少高価であっても信頼性が高く、寿命が長いことが必要不可欠な条件であった。最近では、衛星放送の受信機や携帯電話などのように、一般家庭で使う民生機器にも超高周波用デバイスが数多く使われるようになった。民生機器に使うデバイスは商用通信機器ほど高信頼性や長寿命はいらないものの、いかに安く作るかが大きな課題である。その一つの動きとして、セラミック・パッケージで封止していた超高周波用チップを合成樹脂製の中空パッケージに組み込み、コストダウンを図っている。
【0003】この種の樹脂モールドパッケージは、半導体チップなどを実装したケースにキャップを接着することによって形成している。ケースにキャップを接着する接着剤は、シート状のものや液状のものを使用している。液状の接着剤を用いて中空パッケージを形成する従来の方法を図10によって説明する。
【0004】図10は従来の中空パッケージの製造方法を説明するための図で、同図(a)は接着剤塗布工程での平面図、同図(b)は(a)図におけるB-B線断面図、同図(c)は接着剤塗布後の状態を示す断面図、同図(d)はキャップをケースの上方に搬送した状態を示す断面図、同図(e)は接着工程での状態を示す断面図である。
【0005】図10(a),(b)中に符号1で示すものは接着剤塗布装置で、この接着剤塗布装置1は、粘性を有する液状の接着剤2をマスク3の上面にスキージ4によって塗り広げるように構成している。前記マスク3は、接着面に相当するマスク開口部3aを複数開口させ、後述する中空パッケージ用キャップ5の上方に位置づけられている。
【0006】中空パッケージ用キャップ5は、合成樹脂によって凹陥部5aを有する有底円筒形に形成し、凹陥部5aが開口する端面を上側にしてトレー6に保持させている。このトレー6は前記マスク3のマスク開口部3aと対応する位置にキャップ5を保持するような構造である。なお、前記マスク開口部3aは、穴径がキャップ5の外径と略同じ寸法になるように形成している。
【0007】図10(c)において符号7は加熱炉を示し、図10(d)において符号8はキャップ5を搬送するための真空式吸着ノズルを示す。また、同図中に符号9で示すものは中空パッケージ用ケースで、このケース9は、リードフレーム9aに合成樹脂をモールド成形することによって形成し、超高周波用半導体チップ9bを搭載しかつワイヤボンディングを実施してある。図10(c),(d)において符号10で示すものはヒータープレートである。
【0008】なお、前記キャップ5およびケース9を形成する合成樹脂はエポキシ樹脂を採用し、接着剤2はエポキシ樹脂を主成分とするものを使用している。
【0009】上述したケース9にキャップ5を接着するには、先ず、図10(a)〜(c)に示すようにキャップ5に接着剤2を付着させる。すなわち、キャップ5をトレー6に保持させて接着剤塗布装置1の下方に位置づけ、スキージ4で接着剤2をマスク3上に塗り広げる。
このよう接着剤2を塗り広げると、接着剤2はマスク3のマスク開口部3aに埋め込まれてキャップ5の凹陥部端面5bに接触する。
【0010】その後、トレー6を接着剤塗布装置1から下方に離間させる。このとき、キャップ5の凹陥部端面5bに接触している接着剤2は、マスク3側の接着剤2から分離してキャップ5に残る。ここで、凹陥部端面5bに塗布された接着剤2の厚さはマスク3の厚さに相当する。したがって、マスクの厚さを変えれば、所望の厚さの接着剤2を容易に塗布することができる。
【0011】次に、図10(c)に示すようにキャップ5をトレー6とともに加熱炉7内に供給し加熱することによって、接着剤2を半硬化状態にする。これは、キャップ5を後工程に移送するとき、キャップどうしが接着したり、キャップ5が図示してない移送容器に接着するのを防止するためである。加熱炉7からキャップ5を取り出した後、前記移送容器に入れ、図10(d)に示すキャップ接着装置へ移送する。そして、図示していないハンドリング装置によって前記移送容器から取り出し、キャップ5を整列させ、上下や左右を判別し、このキャップ5の底面(接着剤2が付着している凹陥部端面5bとは反対側の面)を吸着ノズル8に吸着させる。
【0012】しかる後、図10(d)に示すように、このキャップ5を吸着ノズル8によってケース9の上方に搬送し、図10(e)に示すように、ヒータープレート10上に載置して加熱されたケース9の上面に押し付ける。そして、ケース9の熱で接着剤2が加熱されて溶融した後に硬化することによって、ケース9にキャップ5が接着剤2を介して接着される。
【0013】なお、接着剤2としてシート状のものを使用する場合には、キャップ5の凹陥部端面5bと同じ形状(円環状)に切断した接着剤シートを前記凹陥部端面5bに貼着し、その後、このキャップ5をケース9に接着する手法を採っている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】接着剤塗布工程において、最も重要な要素は、接着剤の厚さをいかに所望の厚さに塗布するかである。例えば、キャップ5に付着する接着剤2が規定量より少ないと、キャップ5をケース9に強固に接着することができないばかりか、接着部での気密性が低下してしまう。逆に、規定量より多くなると、余分な接着剤2がパッケージの内外に流出して外観不良になったり、チップやワイヤに付着して電気的特性を劣化させたりする原因となる。したがって、従来は、マスクの厚さやシート状の接着膜の厚さで、接着剤2の厚さを20〜50μmの範囲内に収まるよう厳重に管理していた。
【0015】しかしながら、図10に示した方法を採るに当たっては、マスク開口部3aおよびキャップ5の凹陥部端面5bを高い精度をもって位置合わせしなければならない。従来のキャップ5は比較的サイズが大きいので位置合わせも容易であったが、超高周波用デバイスのパッケージは直径が2mm、凹陥部端面5bの幅が0.25mmしかないため、0.02mm以内の誤差で位置合わせする必要がある。もし、位置合わせがずれると、この隙間から液状の接着剤2がキャップ5の外周部へ漏れて出たり、接着剤2が塗布されない領域ができ、外観不良や信頼性の低下を招く。このため、位置合わせに多大の時間を要したり、高精度で高価な位置合わせ装置が不可欠となり、結果的にデバイスの製造コストを高くしてしまうことになっていた。
【0016】このように、マスクを用いた接着剤塗布装置1はその構成が複雑となるため、必然的にキャップ接着装置とは分離せざるを得なかった。このため、キャップ5を接着剤塗布装置1からキャップ接着装置に移し替えるとき、キャップどうしが接着したり、移送容器に接着しないようにする対策が必要であった。従来は接着剤塗布装置1で塗布した接着剤2を一旦加熱炉に入れ、半硬化状態にして、粘着性を低下させてから移送していた。
【0017】このため、半硬化状態にするための加熱装置や、工程間の移送容器、キャップ接着装置にキャップを渡すハンドリング装置などが必要であり、また、ハンドリング時にキャップを整列し直して上下方向や基準方向を判定することも必要になる。さらに、キャップ接着時に接着剤2を予熱し、半硬化状態から溶融状態に戻すという処理も必要になる。このように、マスクを使った方法では、接着剤の厚さは比較的容易に均一化できるものの、位置合わせやハンドリングに高価な装置と多大な工数が必要であった。
【0018】シート状の接着剤を使用する場合には、半硬化するための加熱炉は不要になるものの、位置合わせについては、マスクと同じように高精度が要求される。
さらに、シート状の接着剤は、取り扱いがし易いように片面に離型紙などを付着させなければならないので、それ自体が高価になってしまう。また、超高周波用デバイスの中空パッケージでは、シートの直径が2mm、幅が0.25mmと小径なため、金型で円形に切断してもシートをキャップに貼り付けるときに形が歪んで接着位置がずれてしまうことがあった。このため、接着強度が低下したり、気密性が低下することがあった。
【0019】本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、キャップに付着する接着剤の量を一定にすることを第1の目的とし、キャップに接着剤からなる膜が形成されないようにすることを第2の目的とし、上述した二つの目的を達成できるとともに小型の中空パッケージを安価に製造できる中空パッケージ用製造装置を得ることを第3の目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】 第1の発明に係る中空パッケージの製造方法は、接着剤用受け部材として、接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成したものを用い、この接着剤用受け部材にスキージによって接着剤を塗り広げることにより凹溝内に接着剤を埋め込ませ、しかる後、キャップを凹溝内の接着剤に押し付けて離間させることによりキャップの前記凹陥部端面に接着剤を付けるようにしたものである。
この方法によれば、簡単な装置で正確な厚みに接着剤を塗り広げることができる。
【0021】 したがって、キャップに接着剤を付着させるときにキャップの凹陥部と対応する部位には接着剤が存在しないので、接着剤からなる膜がキャップに形成されることがない。
【0022】 第2の発明に係る中空パッケージの製造方法は、凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたものである。この方法によれば、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。
【0023】 第3の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージ用製造装置において、
接着剤を塗布する接着剤用受け部材と、この接着剤用受け部材に接着剤を厚さが均一になるよう塗り広げる手段と、前記キャップを保持し、その凹陥部端面を接着剤用受け部材の接着剤に押付けるキャップ保持手段とを備えたものであって、
接着剤用受け部材の接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成し、
スキージによって前記接着剤用受け部材に接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込む手段と、
キャップを保持し、前記キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けた後離間させる手段と、
を更に備えたものである。
【0024】 したがって、第1の発明に係る中空パッケージの製造方法を実施するに当たって自動化を図ることができる。また、この中空パッケージ用製造装置は、接着剤用受け部材を凹溝の溝幅、深さが異なるものに交換することによって、キャップに付着する接着剤の量を変えることができる。
【0025】 第4の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、凹陥部を有するキャップを保持するキャップ保持手段によって前記キャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージ用製造装置において、
前記キャップ保持手段を構成する手段として、
前記キャップを保持するための吸着手段と、
前記吸着手段で保持した前記キャップを接着剤に押付けて離間する手段と、
前記吸着手段で保持した前記キャップを前記ケースに接着する手段と、を備え、
前記キャップ保持手段を構成する各手段の前記動作を、異なる各キャップに対して略同時に行うものである。
したがって、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
以下、本発明の一実施の形態を図1ないし図7によって詳細に説明する。ここでは、第1ないし第3の発明および第5の発明に係る中空パッケージの製造方法と、第6、第7、第10および第11の発明に係る中空パッケージ用製造装置について説明する。
【0036】図1は本発明に係る中空パッケージの製造方法を実施するに当たり使用する中空パッケージ用製造装置の概略構成を示す平面図、図2は中空パッケージ用製造装置の要部の構成を示す斜視図、図3はスキージを示す図で、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
【0037】図4はキャップ移載装置のキャップ吸着部を示す側面図で、同図はキャップを搬送している状態で描いてある。図5はキャップをケースに押し付けている状態でのキャップ移載装置のキャップ吸着部の側面図である。図6は中空パッケージ用製造装置の要部の構成を示す側面図、図7は本発明に係る中空パッケージの製造方法を説明するための図で、同図(a)はキャップを接着剤に押し付けている状態を示す断面図、同図(b)はキャップを搬送している状態を示す断面図、同図(c)はキャップをケースに接着している状態を示す断面図である。これらの図において前記図10で説明したものと同一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0038】図1において、符号11はこの実施の形態による中空パッケージ用製造装置を示す。この中空パッケージ用製造装置11は、本発明に係る中空パッケージの製造方法を実施するためのもので、図1において一側方に配設したキャップ供給装置12と、他側方に配設したケース搬送装置13と、これら両装置の間に配設した接着剤塗布装置14およびキャップ移載装置15などから構成している。
【0039】前記キャップ供給装置12は、キャップ5を多数モールド成形した金属製薄板からなるキャップ用フレーム16を、搬送レール17によって図1において右方へ間欠的に送るように構成している。前記フレーム16は、丸穴16aを多数穿設し、この丸穴16a内に一部を臨ませるようにしてキャップ5をモールド成形している。なお、フレーム16は、キャップ5の底面{凹陥部5a(図10参照)が開口する面とは反対側の面}が上側になるように搬送レール17に供給する。
【0040】前記搬送レール17の上流側端部(図1において左側の端部)の近傍に設けた符号18で示すものは、前記フレーム16を図示してないストッカから搬送レール17に移載するためのローダであり、搬送レール17の下流側端部に設けた符号19で示すものはアンローダである。また、搬送レール17の中央部に配設した符号20で示すものは、フレーム16からキャップ5を打ち抜くための打ち抜き装置である。
【0041】この打ち抜き装置20は、キャップ5をフレーム16の下方へ打ち抜き、フレーム16の下方に位置づけたキャップ受け渡し装置21のアーム21aに載置させるように構成している。このキャップ受け渡し装置21は、フレーム16から打ち抜かれたキャップ5を後述するキャップ移載装置15の吸着位置へ送るためのもので、前記アーム21aを4本備えてこれらのアーム21aを鉛直方向の軸線回りに回転させるように構成している。前記吸着位置は、アーム21aを図1において下側に移動させた位置である。この吸着位置を図1中に符号Aで示す。
【0042】前記ケース搬送装置13は、ケース9をモールド成形したリードフレーム9aを搬送レール22によって図1において右方へ間欠的に送るように構成している。なお、リードフレーム9aは、ケース9におけるキャップ接着面が上側になるように搬送レール22に供給する。この中空パッケージ用製造装置11は、リードフレーム9aをこのように搬送する途中でキャップ5を後述するキャップ移載装置15によってケース9に接着する。接着位置を図1中に符号Bで示す。なお、このリードフレーム9aは、前記図10(d)で示したように、半導体チップ9bを実装してワイヤボンディングを行った状態のものである。
【0043】前記搬送レール22の上流側端部にはリードフレーム9aを搬送レール22に供給するためのローダ22aを連結している。また、搬送レール22の下流側端部の近傍にはキュア装置22bと、リードフレーム用ストッカ23とをこの順に並べて配設している。リードフレーム9aをキュア装置22bやストッカ23に移載するに当たっては、図示してない爪送り式あるいは吸着式の移載装置を用いている。また、前記搬送レール22の中途部であって前記接着位置Bとなる部位にヒータープレート10を配設している。
【0044】前記接着剤塗布装置14は、図2に示すように、円形テーブル24上に粘性を有する液状の接着剤2をスキージ25によって塗り広げる構造を採っている。前記円形テーブル24が本発明に係る接着剤用受け部材を構成している。なお、接着剤2は、熱硬化型エポキシ樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、フェノール系樹脂またはシーラ材などが使用でき、図示してない接着剤供給装置によって円形テーブル24上に供給する。前記円形テーブル24は、円盤状に形成してこれを回転させる駆動モータ24aに支持させている。
【0045】この駆動モータ24aは、この実施の形態ではステッピング・モータを使用し、接着剤2を塗り広げるときには円形テーブル24を図2中に矢印で示す方向に回転させ、接着剤2に後述するキャップ移載装置15によってキャップ5を押し付けるときには円形テーブル24を停止させるように構成している。なお、この実施の形態では、キャップ5を接着剤2に押し付けた後に円形テーブル24を予め定めた角度だけ回転させ、円形テーブル24が1回転した後に接着剤2の塗り広げ動作を行うように構成している。キャップ5を押付ける動作を連続的に行う場合には、スキージ25から常に一定厚の接着剤2が供給されているので、テーブル24を改めて1回転させなくてもよい。すなわち、接着剤の塗り広げとキャップを接着剤に付ける動作が連続的に処理できる。
【0046】前記スキージ25は、この中空パッケージ用製造装置11の基台11a(図1参照)に固定したホルダー26に、図3(b)に示すようにスライドガイド27を介して上下方向に移動自在に支持させ、両側の下端部に回転自在に取付けたローラ28を前記円形テーブル24に支承させている。また、このスキージ25と前記ホルダー26との間には、スキージ25の全体を円形テーブル24側へ付勢するための引張りコイルばね29を弾装している。キャップ5を接着剤2に押付ける力は200g、押付けている時間は0.5秒とした。
【0047】さらに、このスキージ25は、円形テーブル24上に塗り広げられる接着剤2の厚みを調整するための接着剤厚み調整機構が設けてある。この接着剤厚み調整機構は、接着剤2に触れるへら30を有するスライダ31と、マイクロメータ32とから構成している。前記スライダ31は、前記ローラ28を支持するスキージ本体33に図3(b)に示すようにスライドガイド34を介して上下方向に移動自在に連結している。また、このスライダ31とスキージ本体33の上部のマイクロメータ支持プレート35との間には、図3(a)に示すように、このスライダ31を上方へ付勢して後述するマイクロメータ32に押し付けるための引張りコイルばね36を弾装している。
【0048】前記スライダ31のへら30は、正面から見て長方形の金属板からなり、位置決めピン30aおよび偏心ピン30bによってスライダ31に固定している。すなわち、偏心ピン3bを回転させることによって、へら30が位置決めピン30aを中心として回り、下端縁を前記円形テーブル24の接着剤塗布面と平行にすることができる。前記偏心ピン3bは、へら30に設けた長穴30cに嵌合させている。なお、図3(a)において円形テーブル24上のへら30の両側に設けた符号24bで示すものは、円形テーブル24上で接着剤2が前記ローラ28側へ流れるのを阻止する凸壁である。
この凸壁24bは、円形テーブル24の周方向に全周にわたって途切れることなく一連に設けている。
【0049】前記マイクロメータ32は、マイクロメータ支持プレート35にスピンドル32aを貫通させた状態で支持させてあり、スピンドル32aの下端を前記スライダ31の上面に対接させている。すなわち、このスピンドル32aの下端にはスライダ31が前記引張りコイルばね36の弾発力によって押し付けられるので、このマイクロメータ32を操作してスピンドル32aの突出量を増減させることによって、へら30の下端縁と円形テーブル24の上面との隙間tを調整することができる。このスキージ25によって塗り広げられた接着剤2は、前記隙間tに相当する厚みになる。なお、この実施の形態では、スキージ25で円形テーブル24上に塗り広げられる接着剤2の厚さが20〜50μmになるように設定している。
【0050】前記キャップ移載装置15は、その概略構成を図2に示すように、モータ37が駆動して間欠的に回転するアーム付きインデックステーブル38と、このインデックステーブル38のアーム38aの先端に上下方向へ移動自在に連結した吸着ヘッド39と、この吸着ヘッド39を駆動するプッシャ40とから構成している。なお、このキャップ移載装置15が本発明に係るキャップ保持手段を構成している。前記インデックステーブル38のアーム38aは、図1に示すように、インデックステーブル38の径方向に放射状に複数設けている。このアーム38aは、この実施の形態ではインデックステーブル38の回転方向に同じ間隔を隔てて8本設けている。
【0051】前記吸着ヘッド39は、図4および図5に示すように、キャップ5を真空吸着により吸着して保持する吸着ノズル41を備え、前記アーム38aの先端に設けたスライドガイド38bに上下方向へ移動自在に連結している。なお、前記吸着ノズル41が第6の発明に係るキャップ吸着部を構成している。また、吸着ヘッド39とスライドガイド38bとの間には、吸着ヘッド39を上方へ付勢して図4に示す初期位置に止めておくための復帰ばね(図示せず)を弾装している。
【0052】前記吸着ノズル41は、吸着ヘッド39に上下方向へ移動自在に貫通支持させた円筒からなるノズル本体41aと、このノズル本体41aの上端に設けたガイドロッド41bとから構成している。前記ノズル本体41aは、中空部を吸着ヘッド39の真空室39aに連通させ、この真空室39aにホース42を介して接続した真空ポンプ(図示せず)が空気を吸引することによって、下端にキャップ5を真空吸着する構造を採っている。なお、この吸引系は、途中に開閉弁(図示せず)が介装してあり、選択的にキャップ5を吸着できるように構成している。
【0053】この吸着ノズル41の前記ガイドロッド41bは、ノズル本体41aとの接続部に吸着ヘッド39の上面と対接する鍔41cが設けてあり、上部を吸着ヘッド39のスプリングストッパ39bに上下方向へ移動自在に貫通させている。また、このスプリングストッパ39bと前記鍔41cとの間に、吸着ノズル41を下方へ付勢する圧縮コイルばね43を弾装している。
【0054】そして、この中空パッケージ用製造装置11は、図1に示すように、インデックステーブル38が回転することによって、吸着ヘッド39の吸着ノズル41が、前記キャップ受け渡し装置21における吸着位置Aに移動したアーム21aの上方と、前記接着剤塗布装置14の円形テーブル24の上方と、前記搬送レール22上で接着位置Bに位置づけられたキャップ9の上方を通るように構成している。また、吸着ヘッド39を円形テーブル24の上方に位置づけたとき(このときの吸着ヘッド39の位置を以下において接着剤付着位置Cという)には、前記吸着位置Aに位置づけられたアーム21aの上方と、接着位置Bに位置づけられたケース9の上方とに別の吸着ヘッド39がそれぞれ位置づけられるような構造を採っている。
【0055】なお、吸着ヘッド39がアーム38aに対して上下方向へ移動できる距離は、吸着ノズル41に吸着させたキャップ5と、前記吸着位置Aに位置づけられたキャップ受け渡し装置21のアーム21a、円形テーブル24および接着位置Bに位置づけられたケース9との間隔より大きくなるように設定している。
【0056】前記プッシャ40は、図2に示すように、プッシュロッド40aをサーボモータ40bによって上下方向に移動させる構造を採り、フレーム40cを図示してないブラケットを介して前記インデックステーブル38のアーム38aに取付けている。そして、このプッシャ40は、プッシュロッド40aを下方へ移動させることによって、このプッシュロッド40aが前記吸着ヘッド39を図示してない復帰ばねおよび吸着ノズル41側の圧縮コイルばね43の弾発力に抗して下方へ押し下げるように構成している。
【0057】すなわち、吸着ヘッド39は、プッシュロッド40aが押さない状態では、図4に示すように、前記復帰ばねによって上方へ付勢されて初期位置に位置づけられ、プッシュロッド40aが下方へ移動することによって、前記復帰ばねの弾発力に抗して図5に示すように下方へ移動する。このとき、吸着ノズル41の下方への移動が規制されると、吸着ノズル41はこれを下方へ付勢する圧縮コイルばね43の弾発力に抗して吸着ヘッド39に対して上側へ移動する。
【0058】なお、このプッシャ40は、この実施の形態では8本のアーム38aの全てに設けているが、この中空パッケージ用製造装置11の基台11aに固定してもよい。この構成を採る場合には、プッシャ40を前記吸着位置A、接着位置Bおよび接着剤付着位置Cのそれぞれに配設する。
【0059】次に、第1の発明に係る中空パッケージの製造方法を上述した中空パッケージ用製造装置11の動作説明と合わせて詳細に説明する。先ず、図1に示すキャップ供給装置12の搬送レール17にフレーム16を供給し、キャップ5を打ち抜き装置20の下方へ搬送する。次に、キャップ5をこのフレーム16から打ち抜き装置20によって打ち抜き、フレーム16の下方に位置づけたキャップ受け渡し装置21のアーム21aに載置させる。このとき、キャップ5は、底面(凹陥部5aが開口する面とは反対側の面)が上方を指向するようにアーム21aに載置する。
【0060】しかる後、このアーム21aを前記吸着位置Aに移動させ、ここでキャップ移載装置15にキャップ5を吸着させる。なお、キャップ移載装置15の吸着ノズル41に接続した真空ポンプは、この中空パッケージ用製造装置が稼働しているときには常に運転状態にしておき、吸着ノズル41からキャップ5を外すときのみに吸気系の開閉弁を閉動作させる。
【0061】キャップ移載装置15にキャップ5を吸着させるには、吸着ヘッド39を吸着位置Aに位置決めし、プッシャ40で下方へ移動させて吸着ノズル41のノズル本体41aをキャップ5の底面(上面)に上方から押し付けることによって行う。ノズル本体41aがキャップ5に当たると、吸着ノズル41は、吸着ヘッド39が継続して下方へ移動しても圧縮コイルばね43が圧縮されることによってその位置に止まる。すなわち、吸着ノズル41は、圧縮コイルばね43の弾発力に相当する押圧力をもってキャップ5に押し付けられる。
【0062】このように吸着ノズル41にキャップ5を吸着させた後、プッシャ40のプッシュロッド40aを上昇させる。このようにすると、吸着ヘッド39が復帰ばねの弾発力によって初期位置に復帰する。次いで、インデックステーブル38を図1において反時計方向へ回転させ、図2および図6に示すように、接着剤塗布装置14の円形テーブル24の上方(接着剤付着位置C)に前記吸着ヘッド39を位置決めする。
【0063】接着剤塗布装置14は、接着剤2を供給した円形テーブル24を回転させることによって、予め接着剤2を円形テーブル24上に塗り広げておく。接着剤2を塗り広げるときには、前記マイクロメータ32によって前記隙間tを予め定めた値に調整した状態で行う。
このようにすることによって、円形テーブル24上に接着剤2が前記隙間tに相当する均一な厚みに塗り広げられる。
【0064】吸着ヘッド39を前記接着剤付着位置Cに位置決めした後、プッシャ40によって吸着ヘッド39を下方へ押し下げ、キャップ5の凹陥部端面5bを接着剤2に押し付ける。このとき、キャップ5が接着剤2に押し付けられて吸着ノズル41の下方への移動が規制されると圧縮コイルばね43が圧縮されるので、キャップ5は、圧縮コイルばね43の弾発力に相当する押圧力をもって接着剤2に押し付けられる。キャップ5を接着剤2に押し付けている状態を図7(a)に示す。なお、図7は、各工程での状態を理解し易いように、インデックステーブル38の構成を簡素化して描いてある。
【0065】キャップ5を接着剤2に一定時間押し付けた後、プッシャ40のプッシュロッド40aを上昇させて図4および図7(b)に示すように吸着ヘッド39を初期位置に復帰させる。このとき、吸着ヘッド39とともにキャップ5も上昇し、これに接触していた接着剤2が円形テーブル24側の接着剤2から分離してキャップ5に付着する。
【0066】次に、インデックステーブル38を回転させて前記吸着ヘッド39を前記接着位置Bに位置決めする。なお、ここまでの工程が終了する以前に、ケース搬送装置13によってケース9を前記接着位置Bに搬送しておく。そして、ヒータープレート10によりケース9を加熱しておき、プッシャ40により吸着ヘッド39を押し下げることによって、図5および図7(c)に示すように、キャップ5が接着剤2を介してケース9に接着する。このときにも、キャップ5は圧縮コイルばね43の弾発力に相当する押圧力をもってキャップ9に押し付けられる。この実施の形態では、押圧力は200g、押圧時間は0.6秒、加熱温度は250℃で行ったが、接着剤2の種類でこれらの条件は異なってくる。ヒータープレート10でケース9を加熱することにより、接着剤2を硬化させる。
【0067】このようにキャップ5をケース9に接着した後、吸着ノズル41での吸引を停止させ、プッシャ40のプッシュロッド40aを上昇させて吸着ヘッド39を初期位置に復帰させる。このとき、キャップ5は吸着ノズル41から離れてケース9に接着した状態に保たれる。
【0068】上述した一連のキャップ接着工程は、インデックステーブル38の全ての吸着ヘッド39で同様に行う。このとき、接着剤塗布装置14は、キャップ5を接着剤2に押し付ける工程が終了した後に円形テーブル24を予め定めた角度だけ回転させ、円形テーブル24が1回転した後に接着剤2の塗り広げ動作を行う。また、吸着位置Aでキャップ5を吸着する動作、接着位置Bでキャップ5をケース9に接着する動作および接着剤付着位置Cでキャップ5に接着剤を付着させる動作は、図1に示すように、それぞれの位置に位置づけられた吸着ヘッド39で略同時に行われる。
【0069】そして、接着位置Bにおいてリードフレーム9aの全てのケース9にキャップ5を接着した後、このリードフレーム9aを図示してない爪送り式あるいは吸着式の移載装置によってキュア装置22bに移載し、ケース9をヒータープレート10よりも低い温度、例えば165℃で加熱することによってキュアし、エポキシ樹脂を完全に硬化させる。このように接着剤2を硬化させた後、このリードフレーム9aをストッカ23に移載する。このようにリードフレーム9aをストッカ23に移載することによって、この中空パッケージ用製造装置11での全工程が終了する。
【0070】したがって、この中空パッケージ用製造装置11を使用した中空パッケージの製造方法は、円形テーブル24に接着剤2をスキージ25によって厚みが均一になるように塗り広げ、次に、前記接着剤2にキャップ5の凹陥部端面5bを押付け、このキャップ5を円形テーブル24から離間させた後にケース9に接着するから、接着剤2は円形テーブル24に塗り広げられた部分の厚みをもってキャップ5に付着する。
【0071】また、この中空パッケージ用製造装置11は、接着剤2を塗布する円形テーブル24と、この円形テーブル24に接着剤2を厚みが均一になるように塗り広げるスキージ25と、キャップ5を吸着保持し、その凹陥部端面5bを円形テーブル24上の接着剤2に押し付けた後にケース9へ搬送するキャップ移載装置15とを備えたため、接着剤2をキャップ5に付着させてからこのキャップ5をケース9に接着するまでの全工程を、従来より小規模な装置で、短時間に、かつ少ない工程数で実現できる。また、この中空パッケージ用製造装置11は、キャップ5に接着剤2を付着させるに当たってキャップ5の形状・寸法に依存する部材を使用しなくてよい。
【0072】さらに、この中空パッケージ用製造装置11は、円形テーブル24をスキージ25に対して回転する構成とするとともに、前記スキージ25に円形テーブル24の接着剤塗布面との距離を変える接着剤厚み調整機構を設けたため、接着剤2を塗り広げるための駆動系と、接着剤2の厚みを調整するための接着剤厚み調整機構とを分けて構成することができる。このため、円形テーブル24を回転させる駆動モータ24およびスキージ25は、それぞれ単純な構成でよい。
【0073】さらにまた、キャップ移載装置15の吸着ノズル41を、圧縮コイルばね43によってキャップ押付け側へ付勢する構成を採っているから、キャップ5は、圧縮コイルばね43の弾発力に相当する押圧力をもって接着剤2に押し付けられる。このため、簡単な構成であっても接着剤付着時の荷重を最適な値に設定できる。しかも、この構成を採ると、吸着ノズル41にキャップ5を吸着させるときや、キャップ5をケース9に接着させるときに、圧縮コイルばね43が緩衝体になって過大な荷重が加えられることがない。
【0074】第2の実施の形態
スキージは図8に示すように構成することもできる。図8はスキージの他の実施の形態を示す図で、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。図8において前記図1ないし図7で説明したものと同一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
なお、図8に示すスキージが第9の発明に係る中空パッケージ用製造装置のスキージを構成している。
【0075】図8中に符号51で示すスキージは、金属製ブロックによって形成し、下端に幅W、深さtの凹溝51aを形成している。凹溝51aの代わりに、高さtの凸部を下端に少なくとも2箇所設けてもよい。前記深さt、あるいは高さtは20μm〜50μmとした。また、このスキージ51は、図1〜図7で示した中空パッケージ用製造装置のスキージ25と同様に基台(図示せず)に固定している。
【0076】このスキージ51を円形テーブル24の接着剤塗布面に接触させた状態で接着剤2を円形テーブル24上に供給し、この円形テーブル24を回転させることによって、凹溝51aの深さtに相当する厚みをもって接着剤2が円形テーブル24上に塗り広げられる。このスキージ51を図1〜図7で示す中空パッケージ用製造装置に採用すると、前記実施の形態より簡単な機構で同等の効果が得られる。
【0077】第3の実施の形態
第4の発明に係る中空パッケージの製造方法および第8の発明に係る中空パッケージ用製造装置の一実施の形態を図9によって詳細に説明する。図9は凹溝に埋め込んだ接着剤をキャップに付着させる製造方法を説明するための図で、同図(a)は凹溝を形成した回転テーブルに接着剤をスキージによって塗り広げている状態を示す平面図、同図(b)は(a)図におけるB-B線断面図、同図(c)はキャップを凹溝内の接着剤に接触させた状態を示す断面図、同図(d)はキャップを凹溝内の接着剤に押し付けた状態を示す断面図である。図9において前記図1ないし図7で説明したものと同一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0078】図9に示す円形テーブル24は、接着剤2が塗布される上面の3箇所に環状の凹溝52を形成している。この凹溝52は、キャップ5の凹陥部端面5bと略同じ形状に形成し、円形テーブル24を周方向に3等分する位置に形成している。このように円形テーブル24に形成した凹溝52を接着剤付着位置Cに正確に位置決めするために、この実施の形態では、円形テーブル24の外周部の基準位置に設けた遮光板53を受・発光素子式位置センサ54によって検出する構成を採るとともに、この円形テーブル24をステッピング・モータ55によって前記基準位置から1/3回転ずつ回転させる構成を採っている。
【0079】図9中に符号56で示すスキージは、下端を平坦に形成し、円形テーブル24の接着剤塗布面に下端の全域を接触させている。なお、このスキージ56も、図1〜図7で示した中空パッケージ用製造装置のスキージ25と同様に基台(図示せず)に固定している。
【0080】次に、上述したように凹溝52を形成した円形テーブル24を使用してキャップに接着剤2を付着させる手順を説明する。先ず、円形テーブル24に接着剤2を図示してない接着剤供給装置によって供給し、図9(a),(b)に示すように、この円形テーブル24をステッピング・モータ55によって時計方向へ回転させる。このようにすると、スキージ56の下方を凹溝52が通るときに接着剤2が凹溝52内に埋め込まれる。
【0081】全ての凹溝52に接着剤2が埋め込まれた後、凹溝52を接着剤付着位置Cに位置決めし、次いで、キャップ5を図9(c)に示すように上方から凹溝52内の接着剤2に当て、図9(d)に示すように、この接着剤2に押し付ける。このとき、キャップ5には前記図4に示した圧縮コイルばね43の弾発力からなる押圧力が加えられる。これにより、凹部の深さtに相当する厚さの接着剤2がキャップ5に付着する。また、凹部の深さtを所望の接着剤2の厚さより深くしておき、キャップ5の沈み込み量を制御することにより、接着剤2への付着厚さを調整することもできる。
【0082】このようにキャップ5を接着剤2に押し付けた後、円形テーブル24から上方へ離間させ、第1の実施の形態を採るときと同じ手順によってケース9に接着する。なお、接着剤塗り広げ動作の初期は、接着剤2を充填して円形テーブル24を1回転ないしそれ以上回転させ、凹溝52内に接着剤2を均一に埋め込む。前記キャップ5の押し付け工程が終了した後、接着剤2を埋め込みながら円形テーブル24を1/3回転だけ回転させて隣の凹溝52を接着剤付着位置Cに位置決めし、この凹溝52内の接着剤2に次のキャップ5を押し付ける。以降、この動作を連続的に繰り返す。また、全ての凹溝52に対してキャップ5を押し付け終わるたびに、接着剤2を充填して円形テーブル24を1回転ないしそれ以上に回転させ、再び凹溝内に接着剤2を埋め込むようにしてもよい。
【0083】第1、第2の実施の形態では、キャップ5の外形が小さくなると、接着剤2の表面張力で凹陥部端面5bに膜ができることがある。上述の実施の形態では、凹溝に埋め込ませた接着剤2にキャップ5を押し付けたり、あるいは沈み込ませる方法を採っているので、上述したように凹溝52に埋め込ませた接着剤2にキャップ5を押し付ける手法を採っているので、キャップ5に接着剤2を付着させるときにキャップ5の凹陥部5aと対応する部位には接着剤2が存在しないから、接着剤2からなる膜がキャップ5の開口を塞ぐように形成されることがない。
【0084】また、キャップ5に付着する接着剤2は凹溝52の形状と対応する形状になるから、回転テーブル24を凹溝52の溝幅、深さが異なるものに交換することによって、キャップ5に付着する接着剤2の量を変えることができる。また、キャップ5の沈み込み量を制御することによって、接着剤2の量を変えることもできる。
【0085】なお、上述した各実施形態では、円形テーブル24に接着剤2を塗り広げるに当たって円形テーブル24を回転させる構成を採っているが、円形テーブル24を固定としてスキージ24,51,56を回転させる構成を採ることもできる。この構成を採る場合には、接着剤を塗り広げるテーブルを直線状に形成し、スキージをこのテーブル上で往復移動させてもよい。さらに、上述した各実施形態では、合成樹脂製のキャップを例に説明したが、セラミック製キャップ、メタル製キャップあるいはガラス製透明キャップなどにも幅広く応用できる。
【0086】
【発明の効果】第1の発明に係る中空パッケージの製造方法は、キャップに接着剤を付着させるときにキャップの凹陥部と対応する部位には接着剤が存在しないので、接着剤からなる膜がキャップの開口側に形成されることがない。
【0087】したがって、接着剤からなる膜を除去する工程を省くことができるから、製造時間の短縮を図ることができる。また、前記膜が形成されないことから、キャップをケースに接着するときに接着剤の余剰分がパッケージ内に流れ込むことがなく、高品質な中空パッケージを製造できる。
【0088】 第2の発明に係る中空パッケージの製造方法は、凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたため、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。したがって、従来の方法を採る場合に比べて製造工程を大幅に短縮できる。
【0089】 第3の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、この構成としたため、第1の発明に係る中空パッケージの製造方法を実施するに当たって自動化を図ることができるから、接着剤からなる膜がキャップに形成されるのを阻止して工程数削減を図ることができることと相俟って、高品質な中空パッケージを安価に製造できる。
【0090】 また、この中空パッケージ用製造装置は、接着剤用受け部材を凹溝の溝幅、深さが異なるものに交換することによって、キャップに付着する接着剤の量をキャップの形状・寸法に応じて変えることができるから、製造するパッケージの形状・寸法を変えてもキャップをケースに強固にかつ気密性よく接着できるという効果もある。
【0091】 第4の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、この構成としたため、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。したがって、従来に較べて製造装置を大幅に削減できる。すなわち、従来より小規模な装置で実現できる。
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る中空パッケージの製造方法を実施するに当たり使用する中空パッケージ用製造装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】 中空パッケージ用製造装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図3】 スキージを示す図である。
【図4】 キャップ移載装置のキャップ吸着部を示す側面図である。
【図5】 キャップをケースに押し付けている状態でのキャップ移載装置のキャップ吸着部の側面図である。
【図6】 中空パッケージ用製造装置の要部の構成を示す側面図である。
【図7】 本発明に係る中空パッケージの製造方法を説明するための図である。
【図8】 スキージの他の実施の形態を示す図である。
【図9】 凹溝に埋め込んだ接着剤をキャップに付着させる製造方法を説明するための図である。
【図10】 従来の中空パッケージの製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
2…接着剤、5…キャップ、5a…凹陥部、9…ケース、11…中空パッケージ用製造装置、14…接着剤塗布装置、15…キャップ移載装置、24…円形テーブル、25…スキージ、41…吸着ノズル、51,56…スキージ、52…凹溝。
 
訂正の要旨 訂正事項
(a)訂正前の請求項1を削除する。
(b)訂正前の請求項2の記載を、「【請求項1】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージの製造方法において、接着剤用受け部材として、接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成したものを用い、この接着剤用受け部材にスキージによって接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込ませ、しかる後、キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けて離間させることによりキャップの前記凹陥部端面に接着剤を付けるようにしたことを特徴とする中空パッケージの製造方法。」と訂正する。
(c)訂正前の請求項3の記載を、「【請求項2】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、 前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたことを特徴とする中空パッケージの製造方法。」と訂正する。
(d)訂正前の請求項4乃至5を削除する。
(e)訂正前の請求項6の記載を、「【請求項3】 凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージ用製造装置において、接着剤を塗布する接着剤用受け部材と、この接着剤用受け部材に接着剤を厚さが均一になるよう塗り広げる手段と、前記キャップを保持し、その凹陥部端面を接着剤用受け部材の接着剤に押付けるキャップ保持手段とを備えたものであって、接着剤用受け部材の接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成し、スキージによって前記接着剤用受け部材に接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込む手段と、キャップを保持し、前記キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けた後離間させる手段と、を更に備えたことを特徴とする中空パッケージ用製造装置。」と訂正する。
(f)訂正前の請求項7乃至8を削除する。
(g)訂正前の請求項9の記載を、「【請求項4】 凹陥部を有するキャップを保持するキャップ保持手段によって前記キャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージ用製造装置において、前記キャップ保持手段を構成する手段として、前記キャップを保持するための吸着手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを接着剤に押付けて離間する手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを前記ケースに接着する手段と、を備え、前記キャップ保持手段を構成する各手段の前記動作を、異なる各キャップに対して略同時に行うことを特徴とする中空パッケージ用製造装置。」と訂正する。
(h)特許明細書中の段落番号【0009】、【0010】、【0011】、【0013】、【0015】における「凹陥部側端面」を、「凹陥部端面」と訂正する。
(i)特許明細書中の段落番号【0020】、【0021】、【0023】、【0027】、【0028】、【0029】、【0032】および【0033】の記載を削除する。
(j)特許明細書中の段落番号【0022】の記載を、「【0020】【課題を解決するための手段】 第1の発明に係る中空パッケージの製造方法は、接着剤用受け部材として、接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成したものを用い、この接着剤用受け部材にスキージによって接着剤を塗り広げることにより凹溝内に接着剤を埋め込ませ、しかる後、キャップを凹溝内の接着剤に押し付けて離間させることによりキャップの凹陥部端面に接着剤を付けるようにしたものである。この方法によれば、簡単な装置で正確な厚みに接着剤を塗り広げることができる。」と訂正する。
(k)特許明細書中の段落番号【0024】の記載を、「【0021】 したがって、キャップに接着剤を付着させるときにキャップの凹陥部と対応する部位には接着剤が存在しないので、接着剤からなる膜がキャップに形成されることがない。」と訂正する。
(l)特許明細書中の段落番号【0025】の記載を、「【0022】 第2の発明に係る中空パッケージの製造方法は、凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたものである。この方法によれば、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。」と訂正する。
(m)特許明細書中の段落番号【0026】および【0030】の記載を、「【0023】 第3の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、凹陥部を有するキャップの凹陥部端面に接着剤を付ける中空パッケージ用製造装置において、接着剤を塗布する接着剤用受け部材と、この接着剤用受け部材に接着剤を厚さが均一になるよう塗り広げる手段と、前記キャップを保持し、その凹陥部端面を接着剤用受け部材の接着剤に押付けるキャップ保持手段とを備えたものであって、接着剤用受け部材の接着剤塗布面にキャップの凹陥部端面と略同じ形状の凹溝を形成し、スキージによって前記接着剤用受け部材に接着剤を塗り広げることにより前記凹溝内に接着剤を埋め込む手段と、キャップを保持し、前記キャップを前記凹溝内の接着剤に押し付けた後離間させる手段と、を更に備えたものである。」と訂正する。
(n)特許明細書中の段落番号【0031】の記載を、「【0024】 したがって、第1の発明に係る中空パッケージの製造方法を実施するに当たって自動化を図ることができる。また、この中空パッケージ用製造装置は、接着剤用受け部材を凹溝の溝幅、深さが異なるものに交換することによって、キャップに付着する接着剤の量を変えることができる。」と訂正する。
(o)特許明細書中の段落番号【0034】の記載を、「【0025】 第4の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、凹陥部を有するキャップを保持するキャップ保持手段によって前記キャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージ用製造装置において、前記キャップ保持手段を構成する手段として、前記キャップを保持するための吸着手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを接着剤に押付けて離間する手段と、前記吸着手段で保持した前記キャップを前記ケースに接着する手段と、を備え、前記キャップ保持手段を構成する各手段の前記動作を、異なる各キャップに対して略同時に行うものである。したがって、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。」と訂正する。
(p)特許明細書中の段落番号【0064】、【0070】、【0071】、【0078】、【0083】における「凹陥部側端面」を、「凹陥部端面」と訂正する。
(q)特許明細書中の段落番号【0086】、【0087】、【0088】、【0092】、【0093】、【0094】、【0095】、【0098】および【0099】を削除する。
(r)特許明細書中の段落番号【0089】の記載を、「【0086】【発明の効果】 第1の発明に係る中空パッケージの製造方法は、キャップに接着剤を付着させるときにキャップの凹陥部と対応する部位には接着剤が存在しないので、接着剤からなる膜がキャップの開口側に形成されることがない。」と訂正する。
(s)特許明細書中の段落番号【0090】の記載を、「【0087】したがって、接着剤からなる膜を除去する工程を省くことができるから、製造時間の短縮を図ることができる。また、前記膜が形成されないことから、キャップをケースに接着するときに接着剤の余剰分がパッケージ内に流れ込むことがなく、高品質な中空パッケージを製造できる。」と訂正する。
(t)特許明細書中の段落番号【0091】の記載を「【0088】 第2の発明に係る中空パッケージの製造方法は、凹陥部を有するキャップの凹陥部端面をケースに接着する中空パッケージの製造方法において、前記キャップを保持する工程と、前記キャップを接着剤に付ける工程と、前記キャップを前記ケースに接着する工程とを同一のキャップ保持手段で行うものであって、それぞれの工程位置に位置付けられた各々の前記キャップに対して、前記各工程を略同時に行うようにしたため、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。したがって、従来の方法を採る場合に比べて製造工程を大幅に短縮できる。」と訂正する。
(u)特許明細書中の段落番号【0096】の記載を、「【0089】 第3の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、この構成としたため、第1の発明に係る中空パッケージの製造方法を実施するに当たって自動化を図ることができるから、接着剤からなる膜がキャップに形成されるのを阻止して工程数削減を図ることができることと相侯って、高品質な中空パッケージを安価に製造できる。」と訂正する。
(v)特許明細書中の段落番号【0097】の記載を、「【0090】 また、この中空パッケージ用製造装置は、接着剤用受け部材を凹溝の溝幅、深さが異なるものに交換することによって、キャップに付着する接着剤の量をキャップの形状・寸法に応じて変えることができるから、製造するパッケージの形状・寸法を変えてもキャップをケースに強固にかつ気密性よく接着できるという効果もある。」と訂正する。
(w)特許明細書中の段落番号【0100】の記載を、「【0091】 第4の発明に係る中空パッケージ用製造装置は、この構成としたため、同一ハンドリング装置でキャップに接着剤を付けてケースに接着できる。したがって、従来に較べて製造装置を大幅に削減できる。すなわち、従来より小規模な装置で実現できる。」と訂正する。
異議決定日 2002-06-07 
出願番号 特願平8-73930
審決分類 P 1 651・ 113- YA (H01L)
P 1 651・ 121- YA (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浅野 清  
特許庁審判長 関根 恒也
特許庁審判官 中西 一友
雨宮 弘治
登録日 1999-08-27 
登録番号 特許第2970525号(P2970525)
権利者 エヌイーシー化合物デバイス株式会社
発明の名称 中空パッケージの製造方法および中空パッケージ用製造装置  
代理人 京本 直樹  
代理人 福田 修一  
代理人 京本 直樹  
代理人 河合 信明  
代理人 河合 信明  
代理人 福田 修一  

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