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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G03G
審判 全部申し立て 2項進歩性  G03G
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  G03G
管理番号 1064400
異議申立番号 異議1999-74188  
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-03-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-11-17 
確定日 2002-09-09 
異議申立件数
事件の表示 特許第2890727号「現像方法」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2890727号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2890727号に係る出願は、平成2年7月26日に出願され(特願平2-196215号)、平成11年2月26日に特許の設定登録がなされ、その後、特許異議申立人コニカ株式会社より請求項1ないし2に対して特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内の平成12年4月25日に訂正請求がなされ、平成13年9月20日に、請求項1ないし2に係る特許を取り消す、とする決定がなされたところ、東京高等裁判所に訴えが提起され、さらに訂正審判が請求され、平成14年4月2日に、訂正審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認めるとの審決がなされ、それを受けて東京高等裁判所において決定取消の判決(平成13年(行ケ)第492号、平成14年5月21日判決言渡)があった。その後、平成12年4月25日付の訂正請求は取り下げられた。そこで、本件についてさらに審理する。

2.本件発明
本件請求項に係る発明は、前記訂正審判により、請求項1を削除し、請求項2を請求項1に繰り上げ、前記審判請求書に添付された訂正明細書に記載されたとおりに訂正することが認められたので、前記訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 感光体と対向して配置された磁気ロール上に、トナーと樹脂被覆されたキャリアとよりなる現像剤を担持し、該磁気ロールに現像バイアス電位を印加しながら感光体の移動方向と同一方向に移動させて現像剤を搬送し、感光体上に形成された静電潜像を反転現像する現像方法において、該樹脂被覆されたキャリアとして、103V/cmにおける比抵抗が109Ω・cm以上であり、かつ、絶縁破壊電圧が、下記式で示される条件を満たすものを用いることを特徴とする現像方法。
6000≧EB≧|VI-VB|/2D
〔式中、EBはキャリアの絶縁破壊電圧(ボルト/cm)、VIは現像部位における感光体の画像部最大電位(ボルト)、VBは現像バイアス電位(ボルト)、Dは感光体と磁気ロールとの空隙(cm)を意味する。〕」

3.特許異議の申立についての判断
3.1 申立の理由の概要
特許異議申立人は、証拠として、甲第1号証:特開昭61-126567号公報、甲第2号証:特開昭61-126570号公報、甲第3号証:特開昭61-118767号公報、甲第4号証:特開昭63-169658号公報、甲第5号証:特開昭63-174060号公報、甲第6号証:第19回電子写真学会講習会「イメージング技術の基礎講座」(昭和60年6月13日、14日)、および甲第7号証:実験成績証明書、を提示して、概略次のとおり取消理由を主張している。
理由1: 本件請求項1ないし2に係る発明は、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された各発明と同一であるか、そうでなくても、甲第1号証ないし甲第6号証に記載されたものから当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件請求項1ないし2に係る特許は、特許法第29条第1項第3号又は同条第2項の規定に違反してなされたものである。
理由2: 本件請求項2に係る特許は、本件特許明細書の記載が不備のため、特許法第36条第4項及び第5項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

3.2 甲号各証の記載事項
(1) 甲第1号証の記載内容
電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像を二成分現像剤により現像する工程を含む画像形成方法に関するものである。
甲第1号証には、感光体と対向して配置された磁気ロール上に、トナーと樹脂被覆されたキャリアとよりなる現像剤を担持し、該磁気ロールに現像バイアスを印加しながら感光体の移動方向と同一方向に移動させて現像剤を搬送し、感光体上に形成された静電潜像を現像する現像方法が記載されており、該樹脂被覆されたキャリアは通常1013Ω・cm以上の電気固有抵抗値を有する絶縁性のものであることが記載されている。
ただし、甲第1号証において、現像部位の最大現像電界、103V/cmにおける比抵抗が1013Ω・cm以上であること、および絶縁破壊電圧については記載されていない。
また、現像方法は、帯電電位と現像バイアス電位との関係から見て正規現像法によるものと考えられる。

(2) 甲第2号証の記載内容
有機光導電性感光体を用いて電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像を二成分現像剤により現像する工程を含む画像形成方法に関するものである。
甲第2号証には、感光体と対向して配置された磁気ロール上に、トナーと樹脂被覆されたキャリアとよりなる現像剤を担持し、該磁気ロールに現像バイアスを印加しながら感光体の移動方向と同一方向に移動させて現像剤を搬送し、感光体上に形成された静電潜像を現像する現像方法が記載されており、甲第1号証と同様の発明が記載されている。

(3) 甲第3号証の記載内容
有機光導電性感光体を用いて電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像を二成分現像剤により現像する工程を含む画像形成方法に関するものである。
甲第3号証には、感光体と対向して配置された磁気ロール上に、トナーと樹脂被覆されたキャリアとよりなる現像剤を担持し、該磁気ロールに現像バイアスを印加しながら感光体の移動方向と同一方向に移動させて現像剤を搬送し、感光体上に形成された静電潜像を現像する現像方法が記載されており、該樹脂被覆されたキャリアは通常1013Ω・cm以上の電気固有抵抗値を有する絶縁性のものであることが記載されている。
ただし、甲第3号証において、現像部位の最大現像電界、103V/cmにおける比抵抗が1013Ω・cm以上であること、および絶縁破壊電圧については記載されていない。
また、現像方法は、帯電電位と現像バイアス電位との関係から見て正規現像法によるものと考えられる。

(4) 甲第4号証の記載内容
電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像を現像するために用いられる静電像現像剤、およびこの静電像現像剤を用いて有機光導電性半導体よりなる感光体の表面に形成された静電潜像を現像するための静電像現像方法に関するものである、特に有機光導電性半導体よりなる感光体の表面に形成された負の静電潜像を現像する場合に好適な静電像現像剤および静電像現像方法に関するものである。
第17頁及び第1図には、感光体と対向して配置された現像剤搬送担体(磁気ロール)に樹脂の被覆層を有するキャリアとトナーとからなる現像剤を担持して現像を行うこと、現像剤搬送担体に直流の現像バイアス電位を印加すること、さらに、現像剤搬送担体は感光体の移動方向と同一方向に移動させて現像剤を搬送して現像することが記載されている。
また、現像方法は、帯電電位と現像バイアス電位との関係および第2図に示された画像形成装置の説明図から見て正規現像法によるものと考えられる。

(5) 甲第5号証の記載内容
電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像を現像するために用いられる静電像現像剤、およびこの静電像現像剤を用いて有機光導電性半導体よりなる感光体の表面に形成された静電潜像を現像するための静電像現像方法に関するものである、特に有機光導電性半導体よりなる感光体の表面に形成された負の静電潜像を現像する場合に好適な静電像現像剤および静電像現像方法に関するものである。
第18頁〜第19頁及び第1図には、感光体と対向して配置された現像剤搬送担体(磁気ロール)に樹脂の被覆層を有するキャリアとトナーとからなる現像剤を担持して現像を行うこと、現像剤搬送担体に直流の現像バイアス電位を印加すること、さらに、現像剤搬送担体は感光体の移動方向と同一方向に移動させて現像剤を搬送して現像することが記載されている。
また、現像方法は、帯電電位と現像バイアス電位との関係および第2図に示された画像形成装置の説明図から見て正規現像法によるものと考えられる。

(6) 甲第6号証の記載内容
電子写真乾式現像と転写に係る技術を説明するものに関するものである。
第30頁〜第32頁には、キャリア付着とキャリア特性の依存性について記載がある。
第30頁には、キャリア付着には、キャリア特性として粒径、電気抵抗、磁気特性等が関係すると記載されている。
第31頁には、キャリアの電気抵抗が1010Ω・cmを越えれば、急激にキャリア付着が減少することが記載されている。
そして、Fig.15からは、1011Ω・cmの抵抗値のキャリアは粒径によらずキャリア付着が発生しないことが把握できる。

(7) 甲第7号証(特許異議申立人の提示した実験成績証明書(1999年11月4日付))の記載内容
目的: 特開昭61-126567公報(甲第1号証)、特開昭61-126570号公報(甲第2号証)に記載されているキャリアA、及び、特開昭63-169658号公報(甲第4号証)、特開昭63-174060号公報(甲第5号証)に記載されているキャリアC4を忠実に追試し、その抵抗値が本件(特許第2890727号)の請求項1記載の最大現像電界下での比抵抗が109Ωcm以上であること、本件請求項2記載の103V/cmの比抵抗が109Ωcm以上であり、かつ、絶縁破壊電圧が関係式 EB≧|VI-VB|/2D を満足することを証明する。
実験結果:
測定電位をあげていった場合の抵抗値の推移を図1及び2(図は省略)に示す。
キャリアA 現像部最大電界での比抵抗
刊行物1の場合 :1.21×1014Ωcm
刊行物2の場合 :1.30×1014Ωcm
1000V/cmの比抵抗:1.38×1014Ωcm
キャリアC4 現像部最大電界での比抵抗:1.23×1014Ωcm
1000V/cmの比抵抗:1.39×1014Ωcm
電界強度約29000V/cmまでの範囲ではキャリアA及びキャリアC4の絶縁破壊電圧は観察されなかった。

(8)特許異議申立人の提示した実験成績証明書(2000年7月14日付)
目的: 特開昭63-174060号公報(甲第5号証)に記載されているキャリアC1、C3を忠実に追試し、その抵抗値が本件の請求項1記載の最大現像電界下での抵抗値が109〜5×1010Ωcmであること、本件請求項2記載の103V/cmの比抵抗が109Ωcm以上であり、かつ、絶縁破壊電圧が関係式 EB≧|VI-VB|/2D を満足することを証明する。
結果: 甲第5号証の実施例の|VI-VB|/2Dは、6111V/cmである。
キャリアC1 現像部最大電界での比抵抗:3.7×1010Ωcm
1000V/cmの比抵抗:1.3×1014Ωcm
絶縁破壊電圧 :600V
絶縁破壊電界 :7792V/cm
キャリアC3 現像部最大電界での比抵抗:1.0×1010Ωcm
1000V/cmの比抵抗:1012Ωcm
絶縁破壊電圧 :100V以下
絶縁破壊電界 :1282V/cm以下

(9)特許権者の提示した実験成績証明書(前記訂正審判請求書に添付)
目的: 特開昭63-126567号公報(甲第1号証)実施例1の記載に準じたキャリアA、及び特開昭63-169658号公報(甲第4号証)の実施例の記載に準じたキャリアCを追試作成し、本件訂正明細書のキャリア(No.3)との差を明確にするために絶縁破壊電圧と画質評価の値を測定した。
結果:
キャリアAおよびC共に
1000V/cmでの比抵抗:1.4×1014Ωcm
電界強度2000/0.12=16667V/cmまでの範囲で絶縁破壊電圧は観察されなかった。
キャリアNo.3
1000V/cmでの比抵抗:4×1014Ωcm
絶縁破壊電圧 :6000V/cm
画質評価
キャリアAおよびC:
初期画質:
(総合評価)は△、画像濃度はキャリアAは1.40、キャリアCは1.45、濃度ムラはやや発生、エッジ効果は顕著、キャリア付着はキャリアAは発生なし、キャリアCはやや発生
1万枚後の画質:
(総合評価)は×、画像濃度はキャリアAは1.30、キャリアCは1.35、濃度ムラは著しく発生、エッジ効果は顕著、キャリア付着はキャリアAは発生なし、キャリアCはやや発生、
キャリアNo.3:
初期画質:
(総合評価)は○、画像濃度は1.50、濃度ムラは発生なし、エッジ効果はなし、キャリア付着は発生なし
1万枚後の画質:
(総合評価)は○、画像濃度は1.50、濃度ムラは発生なし、エッジ効果はなし、キャリア付着は発生なし

3.3 対比・判断
本件請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)と、前記甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明とを対比する。
本件発明は、前記訂正審判によって、反転現像法におけるものに限定され、さらに、キャリアの絶縁破壊電圧EBの上限が6000v/cmであることが加えられた。
そこで、まず初めに、反転現像法に限定されたことの技術的意味について検討すると、通常一般的に行われている正規現像法と反転現像法とでは、帯電電位、露光電位、及び現像バイアス電位等の関係が異なるから、用いられているトナー及びキャリアを構成する材料もそれぞれの現像法に対応したものが用いられる。それ故、正規現像法で有効なトナー及びキャリアがそのまま反転現像法においても有効であるということはできない。また、逆の場合も同様である。
そして、本件発明は、反転現像法において用いることを前提としてキャリアの特性を特定したものであるから、本件発明に用いられているキャリアが、樹脂被覆されたキャリアであって、103V/cmにおける比抵抗が109Ω・cm以上であり、かつ、絶縁破壊電圧が、6000≧EB≧|VI-VB|/2D を満たすものであるという条件は、反転現像法に用いられるキャリアであるという前提に立つものとして把握しなければならない。

次に、キャリアの絶縁破壊電圧EBの上限が6000v/cmであることについて検討すると、本件特許明細書の発明の詳細な説明に「本発明者等は、1000V/cmで109Ω・cm以上の抵抗を有し、画像部最大電位と現像バイアス電位及び感光体と磁気ロールの間隙で規定される現像電界の1/2以上で6000V/cm以下の絶縁破壊電圧を示すキャリアを用いれば、キャリア付着の発生がないことを実験的に確認し、本発明を完成したのである。」(訂正明細書第3頁第14〜18行)と記載されるように、本件発明は、絶縁破壊電圧とキャリア付着との関係、ひいては、キャリア付着の発生しない絶縁破壊電圧の範囲を見出したことに基づくものであって、キャリアの絶縁破壊電圧の上限が6000V/cmであるということは、使用されるキャリアが現像電界領域において絶縁破壊を生じるものであることを意味しているものとして把握される。

以上のことに基づいて、本件発明と甲第1号証ないし甲第5号証に記載の発明とを対比すると、甲第1号証ないし甲第5号証には、本件発明の構成要件のうち、「感光体と対向して配置された磁気ロール上に、トナーと樹脂被覆されたキャリアとよりなる現像剤を担持し、該磁気ロールに現像バイアスを印加しながら感光体の移動方向と同一方向に移動させて現像剤を搬送し、感光体上に形成された静電潜像を現像する現像方法」の構成に関しては開示されているものと認められる。
ところが、現像方法の方式に関しては明記されていないものの、甲第1号証ないし甲第5号証に記載の印加される帯電電位、露光電位、および現像バイアス電位の関係をみる限り、いずれも正規現像法によるものと考えられ、反転現像法が採用されていることを示唆する記載はない。
また、甲第1号証ないし甲第5号証にはキャリアの絶縁破壊電圧と現像電界との関係については記載も示唆もされていない。
よって、本件発明と甲第1号証ないし甲第5号証に記載の発明とは以下の点で相違するものと認められる。
相違点a: 本件発明に用いられるキャリアが、反転現像法に用いられる樹脂被覆されたキャリアであって、103V/cmにおける比抵抗が109Ω・cm以上であり、かつ、絶縁破壊電圧が、請求項1(「2.本件発明」参照)に記載の条件を満たすものであるのに対し、甲第1号証ないし甲第5号証にはこの点が明記されていない点。

前記相違点aについて検討する。
甲第1号証または甲第3号証には、樹脂被覆されたキャリアであって、比抵抗が109Ωcm以上であるものが記載されており、甲第2号証、甲第4号証または甲第5号証には、樹脂被覆されたキャリアが記載されている。
ここで、特許異議申立人の提示した実験成績証明書(1999年11月4日付)を検討する。
当該実験成績証明書は、前記「3.2(7)」に摘示したように、甲第1号証及び甲第2号証の実施例に使用されているキャリア、及び甲第4号証及び甲第5号証に使用されているキャリアを忠実に追試し、その比抵抗を測定した結果、103V/cmにおける比抵抗が109Ω・cm以上の値を示すことが確認されると共に、その測定範囲では絶縁破壊が発生しなかったことが確認された、とするものである。この追試の結果に対しては、特許異議意見書において、特許権者は当面これを争うことはしないとしている。
さらに、特許異議申立人は、上申書と共に実験成績証明書(2000年7月14日付)を提出しており、これには、前記「3.2(8)」に摘示した内容が記載されている。
また、特許権者は、これらとは別に、実験成績証明書(前記訂正審判請求書に添付)を提出しており、これには前記「3.2(9)」に摘示した内容が記載されている。
前記3つの実験成績証明書によると、甲第1号証ないし甲第5号証に記載されたキャリアは、いずれも103V/cmにおける比抵抗が109Ω・cm以上であることが示されているが、絶縁破壊電圧に関しては、いずれにも本件明細書の請求項1に記載の条件を満たすものは示されていない。
したがって、甲第1号証ないし甲第5号証のものは、いずれも現像方法自体も本件発明とは異なり、キャリアの特性も本件特許明細書の請求項1に記載の条件を満たしていない。
甲第6号証についても、キャリア付着とキャリアの比抵抗との関係が示されているだけであって、キャリアの絶縁破壊電圧については記載も示唆もされていない。
よって、相違点aが甲第1号証ないし甲第6号証に記載のものから容易に想到できたものと認めることはできない。

そして、本件発明は、請求項1に記載の比抵抗および絶縁破壊電圧の条件を満たす樹脂被覆されたキャリアを用いて反転現像することによって、他の構成と相俟って、明細書記載の、キャリア付着等によるキャリア汚染が生じ難く、背景部汚れ及び画像荒れのない高品質の画像を得ることができ、また、長期間使用した場合、キャリア消費の少ない安定した維持性を実現することができる、という効果を奏するものと認められる。

したがって、本件発明が、前記甲第1号証ないし甲第6号証のいずれかに記載された発明であるとも、それらに記載のものから容易に発明をすることができたものともすることはできない。

なお、申立人は、本件請求項の記載において、絶縁破壊電圧EBを規定する不等式の左辺と右辺とで単位の次元が相違することを取り上げて、記載が不明瞭である旨主張しているが、この点に関しては、前記訂正審判において「EBはキャリアの絶縁破壊電圧(ボルト)」の記載を「EBはキャリアの絶縁破壊電圧(ボルト/cm)」と訂正することが認められたことによって解消された。

3.4 むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申し立ての理由及び証拠によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2001-09-20 
出願番号 特願平2-196215
審決分類 P 1 651・ 113- Y (G03G)
P 1 651・ 121- Y (G03G)
P 1 651・ 534- Y (G03G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 一宮 誠  
特許庁審判長 石川 昇治
特許庁審判官 伏見 隆夫
六車 江一
小林 紀史
水垣 親房
登録日 1999-02-26 
登録番号 特許第2890727号(P2890727)
権利者 富士ゼロックス株式会社
発明の名称 現像方法  
代理人 安西 篤夫  
代理人 萩原 亮一  
代理人 内田 明  
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