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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1064415
異議申立番号 異議2001-72495  
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-03-20 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-09-12 
確定日 2002-08-28 
異議申立件数
事件の表示 特許第3144733号「基板処理装置」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3144733号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 (I)本件発明
本件特許第3144733号の請求項1〜4に係る発明は、平成5年6月30日に特許出願され、平成13年1月5日に設定登録され、その後、永田大樹(以下、申立人という。)から、当該請求項1〜4に係る発明の特許について特許異議の申立がなされたものであり、その内容は、その特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された次のとおりのものである。
請求項1に係る発明:複数種類の処理液で基板を処理し、処理に使用した処理液を排液として排出する複数の処理部と、前記複数の処理部のそれぞれに対して複数種類の処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理部から排出される排液の種類に対応して設けられ、排液を装置外部に排出する複数の排出路と、前記複数の処理部のそれぞれに対応して設けられ、前記処理部から排出された排液を排液の種類に応じて前記排出路に流す排液切り換え手段と、を有し、前記排液切り換え手段は、前記処理部から排出される排液を受け入れる排液受け入れ口と、各前記排出路に接続された複数の排出口と、前記排液受け入れ口から流入する排液を排液の種類に応じて所定の前記排出ロに流すバルブとを備えている、基板処理装置。
請求項2に係る発明:請求項1に記載の基板処理装置において、前記処理液供給手段は、前記処理部に対して、酸性薬液、アルカリ性薬液、純水の何れかを供給するものであって、前記排出路は、酸性薬液を装置外部に排出する酸排出路と、アルカリ性薬液を装置外部に排出するアル力り排出路と、純水を装置外部に排出する純水排出路とから成り、前記排液切り換え手段は、前記酸排出路に接続され酸性薬液を排出する酸排出口と、前記アル力り排出路に接続されアルカリ性薬液を排出するアルカリ排出口と、前記純水排出路に接続され純水を排出する純水排出□とを備えている、基板処理装置。
請求項3に係る発明:請求項1または2に記載の基板処理装置において、前記処理部は、処理液を貯留する処理槽であって、前記排液切り換え手段の排液受け入れ口は、前記処理槽に直接接続されている、基板処理装置。
請求項4に係る発明:請求項1または2に記載の基板処理装置において、前記複数の処理部は、所定の方向に並んで設けられているもので、処理液を貯留して基板を収容する内槽と前記内槽から溢れ出た処理液を受ける外槽とから成る処理槽を有しており、前記複数の排出路は、前記各処理槽に下方において、前記複数の処理部の並び方向に沿って延設されており、前記排液切り換え手段は、それぞれ、各前記処理槽と前記複数の排出路との間の空間に設けられている、基板処理装置。
(請求項1〜4に係る発明を、以下、本件発明1〜4という。)

(II)特許異議申立の理由の概要
申立人は、証拠方法として、甲第1〜3号証を提出し、本件発明1〜4は、甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、それら発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反し、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものであると主張している。

(III)甲各号証の記載
甲第1号証(実開昭61-117248号のマイクロフィルム):
半導体ウェハのエッチング、レジスト除去、洗浄等を行う半導体ウェハのウェット処理装置が記載され(明細書2頁3〜5行参照)、その従来装置が第2図に記載され、当該従来装置が、底面にそれぞれ弁14、16を有する廃水管15、17を設け、廃液管20に連結されたサイホン方式の耐熱管18,19を配管した二つの薬液処理槽9、10を設置した槽1-1と、底面に弁21、23を介した廃水口22、24を設けた洗浄槽11を設置した槽1-2とを有する装置であることが記載され(明細書2頁7行〜3頁9行参照)、前記薬液処理槽9、10のうち一方の槽9には、例えば100℃以上の高温の薬液(硫酸H2SO4、リン酸H3 PO4等)25が貯えられ、他方の槽10は補助用として用いられ、洗浄槽11には、純水等の洗浄水が入れられることが記載され(明細書3頁16〜20行参照)、さらに、明細書の5頁10行〜6頁11行には、「各槽9〜11の廃液、廃水処理は、次のように行なわれる。まず、薬液処理槽9内の高温薬液25が劣化して新しいものと交換する場合には、補助の薬液処理槽10へ新しい薬液を建浴してウェット処理を続行可能な状態にする。次いで、薬液処理槽9内の旧い薬液25は、廃液管20の熱変形、継手部分の脱離、廃水処理システムA1での処理の複雑化等を防止するために、80℃等の所定温度以下に下げてから、耐熱管18→廃液管20→廃水処理システムA1へと排出した後、薬液処理槽9内を水等で洗浄し、この洗浄水を廃水口15→廃水管4→廃水処理システムA2へと排出する。また、洗浄槽11において、半導体ウェハを3回程度洗浄するには、最初に供給した洗浄水26をバブリング(気泡)等で攪拌しつつ半導体ウェハの1回目の洗浄を行ない、その汚れたCONC系洗浄水を、廃水口22→廃水管5→廃水処理システムA3へと排出する。次いで、新たな洗浄水を洗浄槽11内に満たして2回目の洗浄を行なった後、その汚れたDILUTE系洗浄水を、廃水口23→廃水管6→廃水処理システムA4へと排出し、2回目と同様な3回目の線上を行なう。」と記載されている。

甲第2号証(特開平5-57271号公報):
クリーンルーム等の半導体製造設備で使用される廃液の分別回収方法及びその装置について記載され(段落番号【0001】参照)、「本発明では、作業タンク16、18からの使用済溶剤は第1検知手段66により溶剤の種類が特定され、溶剤の種類により第1切換弁30が作動し、廃液は対応する中間タンク、すなわち廃液に対応した種類毎の中間廃液タンク20、22に一時的に貯留され、洗浄液は中間混合液タンク24に貯留される。また、中間タンクが廃液で満たされると、廃液は中間タンクから最終タンクに向けて送られる。」と記載され(1頁左下欄の【要約】参照)、「本発明は、・・・洗浄液又は、廃液容器から流下する最初の廃液により管内の残存液を洗浄すると共に、この洗浄した液を混合液タンクに回収し、廃液容器からの廃液を廃液の種類ごとに回収タンクに回収することを特徴とする。」と記載され(段落番号【0005】参照)、「清浄エリア10には複数の作業タンク16、16…、作業タンク18、18…が設置される。作業タンク16には溶剤A(例えばシンナー)が入っており、作業タンク18には溶剤B(例えばイソプロピルアルコール)が入っており、これらの溶剤A、Bは半導体ウエハ、マスクパターンの洗浄に用いられる。」(段落番号【0009】参照)と記載され、本発明の実施例を示すとされる図1が記載されている(4頁参照)。

甲第3号証(特開平4-95700号公報):
一つの薬液タンクより二つ以上の調液タンクへ薬液タンクに近い調液タンクから遠い調液タンクにかけて共通の供給配管から薬液を分配する薬液分配方法及びその装置においてサニタリー弁が用いられることが記載されている(特許請求の範囲、3頁左上欄14行〜同頁右上欄17行および5頁の第1〜3図参照)。

(IV)特許異議申立の理由の検討
本件発明1〜4は、前記したとおりであるから、いずれの発明も、本件発明1の構成である次の構成(以下、構成Aという。)を有するものである。
「複数種類の処理液で基板を処理し、処理に使用した処理液を排液として排出する複数の処理部と、前記複数の処理部のそれぞれに対して複数種類の処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理部から排出される排液の種類に対応して設けられ、排液を装置外部に排出する複数の排出路と、前記複数の処理部のそれぞれに対応して設けられ、前記処理部から排出された排液を排液の種類に応じて前記排出路に流す排液切り換え手段と、を有し、前記排液切り換え手段は、前記処理部から排出される排液を受け入れる排液受け入れ口と、各前記排出路に接続された複数の排出口と、前記排液受け入れ口から流入する排液を排液の種類に応じて所定の前記排出ロに流すバルブとを備えている、基板処理装置」。
そこで、本件発明1〜4に共通する前記構成Aについて検討する。
甲第1号証には、前記した記載内容からみて、薬液で基板を処理して処理済みの薬液を排液として排出する処理部(槽1-1)と、洗浄水で基板を処理して処理済みの洗浄水を排液として排出する処理部(槽1-2)と、前記処理部から排出される排液の種類に対応して設けられ、排液を装置外部に排出する複数の排出路(廃液管20,廃水管5,6)と、前記複数の処理部のそれぞれに対応して設けられ、前記処理部から排出される排液をその種類に応じた前記排出路に流す手段とを有する基板処理装置が記載され、当該装置に薬液や洗浄水を供給する処理液供給手段が設けられていることは明らかであるから、甲第1号証には、「複数種類の処理液で基板を処理し、処理に使用した処理液を排液として排出する複数の処理部と、前記複数の処理部に複数種類の処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理部から排出される排液の種類に対応して設けられ、排液を装置外部に排出する複数の排出路と、前記複数の処理部のそれぞれに対応して設けられ、前記処理部から排出された排液を排液の種類に応じた前記排出路に流す手段」とを有する装置が記載されていると認められるものの、前記複数の処理部における各処理部には単一の処理液が供給され、各処理部では当該単一の処理液で基板が処理されるにすぎず、処理部から排出された排液を排出路に流す手段も、当該排液を特定の排出路にのみ流すものである。
してみると、甲第1号証には、前記構成Aにおける「複数の処理部のそれぞれに対して複数種類の処理液を供給する処理液供給手段」および「前記複数の処理部のそれぞれに対応して設けられ、前記処理部から排出される排液を受け入れる排液受け入れ口と、各前記排出路に接続された複数の排出口と、前記排液受け入れ口から流入する排液を排液の種類に応じて所定の前記排出ロに流すバルブとを備えている排液切り換え手段」が記載されていない点で本件発明1〜4と相違する。
そして、甲第1号証に記載された前記装置において、仮に、各処理部に複数の処理液を供給するとしても、排出される排液をその種類に応じて排出路に流すことは不可能であるから、甲第1号証が前記相違点の構成を示唆しているとすることはできない。
他方、甲第2号証に記載された装置は、各処理部に単一の処理液を供給し、排液切り換え手段を各処理部に対応させることなく、一つの切換弁により複数の処理液に応じて複数のタンクに排出するものであり、甲第3号証に記載された装置は、一つの薬液タンクより二つ以上の調液タンクへ共通の供給配管を用いて薬液を分配するというものであって、複数の処理部を有するということさえも示唆するものでないから、ともに、前記相違点の構成を示すものでない。
したがって、甲第1〜3号証の記載をみても、本件発明1〜4における前記相違点の構成が当業者に容易に想到することができたものであったとすることはできない。
また、本件発明1〜4は、前記相違点の構成の採用により、設置スペースを抑えつつ排液を分別排出するという明細書に記載されたとおりの効果を奏するものである。
してみると、本件発明1〜4は、甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

(V)むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては、本件発明1〜4に係る特許が拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものとすることはできない。
また、他に本件発明1〜4に係る特許が拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものとする理由を発見しない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2002-08-07 
出願番号 特願平5-161399
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 酒井 英夫  
特許庁審判長 関根 恒也
特許庁審判官 大橋 賢一
雨宮 弘治
登録日 2001-01-05 
登録番号 特許第3144733号(P3144733)
権利者 大日本スクリーン製造株式会社
発明の名称 基板処理装置  
代理人 加藤 秀忠  
代理人 宮川 良夫  
代理人 小野 由己男  

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