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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 A47B
管理番号 1065357
審判番号 不服2000-6743  
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-03-21 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-05-08 
確定日 2002-09-26 
事件の表示 平成10年特許願第252644号「クリーンロッカー」拒絶査定に対する審判事件[平成12年3月21日出願公開、特開2000-79026]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯
平成10年 9月 7日:出願・審査請求
平成11年 5月11日:拒絶理由通知
平成11年 7月14日:手続補正書(第1回)
平成11年 9月30日:拒絶理由通知(最後)
平成11年12月 7日:手続補正書(第2回)
平成12年 3月21日:拒絶査定・補正(第2回)の却下の決定
平成12年 5月 8日:審判請求
平成12年 6月 7日:手続補正書(第3回)
平成14年 8月12日:補正(第3回)の却下の決定

【2】本願明細書
(1)本願は、上記のとおり、第2回の手続補正が原審において、また、第3回の手続補正が当審において、それぞれ却下されたので、第1回の手続補正書により補正された明細書について検討する。
上記明細書の特許請求の範囲の請求項1には、以下のとおり記載されている。
「ロッカー内収容部下方に設けられ、前記ロッカーのエアーを隔離してリターンエアを導くエア排出口と、
前記ロッカー内収容部の背面に仕切板により隔離し、前記リターンエアを上向き通路で循環させる循環エア通路と、
前記ロッカー内収容部上方に設けられ、前記リターンエアの取入口を有する天井板により隔離され、前記リターンエアを送る送風ファンおよび高性能フィルターを内蔵する機械部と、
を有し、ロッカー内収容部に収容された着衣類からの脱臭操作が行われるクリーンロッカーにおいて、
前記着衣類から離脱した成分を吸着するためのケミカルフィルター及び前記リターンエア中のアンモニア濃度を探知するためのアンモニアセンサーが、前記エア排出口から前記リターンエアの取入口までの経路である循環系中に内蔵され、
前記アンモニアセンサーに基づき濃度の値を決めて電気出力できるアンモニア測定器と、
該濃度の値が所定値以下となったとき前記電気出力により濃度管理ランプを点灯または点滅させる機能、もしくは、該濃度の値が所定値以上となったとき前記電気出力により、前記濃度管理ランプとは異なる色を点灯または点滅、または前記ケミカルフィルターの駆動モータを所定時間だけ駆動させる機能を有する制御部と、
を有するクリーンロッカー。」

(2)原査定の理由は、第2回の手続補正書による補正が却下されたので、第1回の手続補正書による補正について判断し、その補正が、出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないというものである。

【3】当審の判断
(1)上記請求項1の「ケミカルフィルター及び前記リターンエア中のアンモニア濃度を探知するためのアンモニアセンサーが、前記エア排出口から前記リターンエアの取入口までの経路である循環系中に内蔵され」という記載について
当該記載によれば、「ケミカルフィルター」は「循環系」のどの部分に内蔵されていてもよいことになるが、出願当初の明細書では、ロッカー内収容部の下方の「床下空間」又は同上方の「機械部」に内蔵することだけが記載されている。したがって、例えば、ロッカー内収容部の裏側の「循環エア通路」に内蔵することも含む上記記載は、出願当初の明細書に記載された事項から直接的、かつ、一義的に導き出せたものでないことが明らかである。

(2)「濃度の値が所定値以下となったとき前記電気出力により濃度管理ランプを点灯または点滅させる機能、もしくは、該濃度の値が所定値以上となったとき前記電気出力により、前記濃度管理ランプとは異なる色を点灯または点滅、または前記ケミカルフィルターの駆動モータを所定時間だけ駆動させる機能を有する制御部」という記載について
出願当初の明細書には、「濃度の値が所定値以上となったとき、(電気出力により)ロッカー頂部前面の濃度管理ランプを点灯または点滅させる制御部」と、「濃度の値が所定値以上となったとき、(電気出力により)前記ケミカルフィルターの駆動モータを所定時間だけ駆動させる制御部」だけが記載されている。これらの記載から「濃度の値が所定値以下となったとき……濃度管理ランプを点灯または点滅させる機能」や「濃度の値が所定値以上となったとき……前記濃度管理ランプとは異なる色を点灯または点滅」させる機能を有する「制御部」が、出願当初の明細書に記載された事項から直接的、かつ、一義的に導き出せたものでないことは明らかである。

【4】むすび
以上のように、平成11年7月14日付け手続補正書(第1回)による補正は、出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-07-30 
結審通知日 2002-07-30 
審決日 2002-08-12 
出願番号 特願平10-252644
審決分類 P 1 8・ 561- Z (A47B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 向後 晋一江塚 政弘  
特許庁審判長 山田 忠夫
特許庁審判官 鈴木 憲子
長島 和子
発明の名称 クリーンロッカー  
代理人 京本 直樹  
代理人 河合 信明  
代理人 福田 修一  

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