• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03F
管理番号 1066915
審判番号 不服2001-6748  
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-02-10 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-04-26 
確定日 2002-10-24 
事件の表示 平成 4年特許願第192139号「ポジ型レジスト組成物及びそれを用いるカラーフィルターの製造方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 2月10日出願公開、特開平 6- 35182]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯及び本願発明
本願は、平成4年7月20日の出願であって、特許請求の範囲の請求項1ないし4に係る発明は、平成11年6月11日付け及び平成13年1月15日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その請求項1ないし4に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「熱硬化性樹脂、キノンアジド化合物、架橋剤および有機溶剤に可溶の染料が、これらの各成分を溶解しうる有機溶剤に溶解されてなり、全固形分のうち染料が5重量%以上を占めているカラーフィルター用ポジ型レジスト組成物。」
2.引用例
これに対して、原査定の拒絶理由に引用された特開昭60-263143号公報(以下、「引用例」という。)、及び原査定の備考欄に引用された特開平2-127602号公報(以下、「周知例」という。)にはそれぞれ、次の発明が記載されている。
引用例;
(1)請求項1には、「適当な溶媒中に溶解された酸硬化型樹脂系及び光感応型酸生成剤とから成る水性現像可能な、二重作用性、熱安定性、感光性塗工用組成物から形成される表面上の像で、該像は架橋されており、200℃を越える温度に対して熱安定性であることを特徴とする像。」が記載される。
(2)請求項4には、「請求項1の酸硬化型樹脂系が、アミノプラスト樹脂と反応性水素含有化合物との混合物から成る。」ことが記載される。
(3)請求項7には、「請求項4の反応性水素含有化合物が、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、・・、ポリビニルフェノール・・・から成るアルカリ可溶性樹脂の群から選ばれる。」ことが記載される。
(4)請求項14には、「請求項1の光感応型酸生成剤が、ナフトキノンジアジドスルホン酸、ナフトキノンジアジドカルボン酸、ナフトキノンジアジドスルホン酸から誘導された重合体類、ナフトキノンジアジドカルボン酸から誘導された重合体類、・・から成る群から選ばれて成る。」ことが記載される。
(5)11頁左上欄末行〜同右上欄11行には、「さらに、本発明の塗工剤は熱安定性であり、ミクロンからサブミクロン単位の像の解像力があるので、熱安定性の多重像を他の像の上に重ねることにより形成し、その結果三次元グリッドマトリックスを形成できる。従って、各組が前の組に対して直角からほぼ平行に変化する角度で前の組の線と交差し、後の組は所望ならばそれらが少なくとも一組の前の組と交差している限り他の組に平行であってもよい複数の平行線の組からなるマトリックスを形成可能である。このようにして、熱安定性のスクリーン又はフィルターを形成できる。」と記載される。
(6)11頁右下欄1行〜同8行には、「熱安定性のポジ像を所望するならば、インデンカルボン酸潜像部分を含む露光された感光性皮膜を適切な水性塩基現像液を使用して現像する。次に、前に未露光の皮膜の部分を化学線で全面露光して前に未露光の部分に第二のインデンカルボン酸潜像を形成する。次に、この酸含有潜像を加熱によって架橋して、架橋された、熱安定性の、高品質ポジ像を形成できる。」と記載される。
周知例;
ノボラック樹脂、ナフトキノンジアジド化合物及び染料を含有するカラーフィルター用ポジ型ホトレジスト組成物において、この染料は該ホトレジスト組成物の溶剤中で可溶性であって、乾燥重量にもとづいて、該組成物の10%より過剰で約50%までを構成することが、記載される。

3.対比
本願発明と引用例に記載された発明とを対比する。
引用例の「フェノールノボラック、クレゾールノボラック、・・、ポリビニルフェノール・・・から成るアルカリ可溶性樹脂の群から選ばれる反応性水素含有化合物」は、本願発明の「熱硬化性樹脂」に相当する。引用例の「ナフトキノンジアジドスルホン酸、ナフトキノンジアジドカルボン酸、ナフトキノンジアジドスルホン酸から誘導された重合体類、ナフトキノンジアジドカルボン酸から誘導された重合体類、・・から成る群から選ばれて成る光感応型酸生成剤」は、本願発明の「キノンジアジド化合物」に相当する。引用例の「アミノプラスト樹脂」は、本願発明の「架橋剤」に相当する。
引用例の「水性現像可能な、二重作用性、熱安定性、感光性塗工用組成物」は、ポジ像を形成できるものであるから、本願発明の「ポジ型レジスト組成物」に相当する。また、引用例の「二重作用性、熱安定性、感光性塗工用組成物」は熱安定性のフィルターを形成できることが、引用例に記載される。
したがって、本願発明と引用例に記載された発明とでは、「熱硬化性樹脂、キノンアジド化合物、架橋剤が、これらの各成分を溶解しうる有機溶剤に溶解されてなる、フィルター用ポジ型レジスト組成物。」である点で両者は一致し、本願発明のレジスト組成物はカラーフィルター用であり、かつ有機溶剤に可溶の染料が全固形分のうち5重量%以上を占めるのに対して、引用例にはフィルター用である旨の記載はあるが、カラーフィルター用である記載はなく、かつ有機溶剤に可溶の染料が全固形分のうち5重量%以上を占める記載がない点で両者は相違する。

4.当審の判断
上記相違点について検討する。
引用例のフィルターは、熱安定性の多重像を他の像の上に重ねることにより形成されるものであるから、当然にカラーフィルターである場合を包含する。しかも、フィルターをカラーフィルターとする場合にはカラー表示をするのであるから、ある程度の量の有機溶媒に可溶な染料を添加することは当然に必要なことである。実際、上記周知例に示されるように、ノボラック樹脂、ナフトキノンジアジド化合物及び染料を含有するカラーフィルター用ポジ型ホトレジスト組成物において、該染料を該ホトレジスト組成物の溶剤中で可溶性であって、乾燥重量にもとづいて、該組成物の10%より過剰で約50%までを構成することが知られている。同様な技術は、本願明細書の「従来の技術」の項に記載される特開平4-175753号公報にも記載される。
そして、カラーフィルターとして適する「染料の使用割合」の下限範囲を定めることは当業者が容易になし得る技術的事項である。

5.むすび
以上のとおり、上記相違点の構成を有する本願発明は、引用例に記載された発明と、上記周知例及び特開平4-175753号公報に記載される周知技術とに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-08-26 
結審通知日 2002-08-27 
審決日 2002-09-09 
出願番号 特願平4-192139
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G03F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山鹿 勇次郎  
特許庁審判長 末政 清滋
特許庁審判官 北川 清伸
柏崎 正男
発明の名称 ポジ型レジスト組成物及びそれを用いるカラーフィルターの製造方法  
代理人 神野 直美  
代理人 中山 亨  
代理人 久保山 隆  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ