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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A23N
管理番号 1067288
審判番号 不服2001-18181  
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-09-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-10-11 
確定日 2002-12-02 
事件の表示 特願2000- 59551「ねぎ類の皮むき装置」拒絶査定に対する審判事件〔平成13年 9月11日出願公開、特開2001-245646、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯・本願発明

本願は、平成12年3月3日の出願であって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成13年10月11日付手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「水平に設置されてねぎ類の葉部を保持しながら搬送する葉部搬送無端ベルトと、この葉部搬送無端ベルトの一側縁に配置されてねぎ類の根部を押さえながら搬送する上下一対の根部搬送無端ベルトと、これら上下一対の根部搬送無端ベルトの葉部側の空所部分に配置され下流側上方に向けて斜め上向きに配置された二列の丸ベルトと、これら二列の丸ベルトに向けて前記下側の根部搬送無端ベルトの流れ方向のほぼ中間位置に設けられた不要葉吹き飛ばし用エアー吹き出し口と、この不用葉吹き飛ばし用エアー吹き出し口の前側に配置されてねぎ類の葉部を載せるとともにエアーを葉部に向けて案内するガイド板と、前記葉部搬送無端ベルトの茎部側の空所部分の上下に配置され、上下からねぎ類の根部に向けて圧力液を噴射する複数の皮むきノズルとを備えてなり、この皮むきノズルは、ノズル口から前方に向けて放射角が鋭角の扇形状に均等圧力液が集中して且つ薄い幅で噴射されるようになっているとともに、ねぎ類の茎部側から次第に根部に向けて圧力水が噴射されるように、ねぎ類の搬送方向の下流側に向けて複数個ずつ、根部搬送無端ベルトに次第に近づく位置に配置されていることを特徴とするねぎ類の皮むき装置。」

2.引用文献

これに対して、原査定の拒絶の理由に引用した実願昭51-58875号(実開昭52-151197号)のマイクロフィルム(昭和52年11月16日公開、以下「引用文献1」という。)には、ねぎ洗浄機に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
[記載1-1]
「本考案はねぎ洗浄機に関するもので、さらに詳しくは、洗浄部の一側にストッパーを設け、ねぎの皮剥ぎおよび搬送を円滑に行なうようにしたねぎ洗浄機に関するものである。」(明細書第1頁19行-第2頁2行)
[記載1-2]
「第1図は本考案のねぎ洗浄機の全体を示す側面図であり、第2〜5図はその要部を示す図である。
ねぎ洗浄機で処理されるねぎAはまず供給テーブル1から搬送方向に対してほぼ直角方向に送り込まれ、その先端側の葉部を挟持.搬送ベルト2の間に挟持され、根元側を搬送ブーリ3に掛け渡した搬送ベルト4で支持されて搬送方向Bに沿つて搬送され、洗浄部5において上下のホッパ-6と7に設けられてノズルカバー8aから突出するノズル8により搬送方向に対しほぼ直角方向に噴出される洗浄水の噴射圧により、ねぎAに付着した土砂等の異物の洗浄と不要な外皮の剥離が行なわれる。この洗浄と不要外皮の剥離を終えたねぎAはさらに挟持・搬送ベルト2に挟持されたまま搬送ベルト9と10の上に支持されて搬送されるが、このとき搬送路の根元側に設けた皮取り用のゴムロ-ル11により根元側に残つた外皮を剥ぎ取られ、その後、葉切り部(図示せず)を経て矢印Cで示すように機外に搬出される。」(明細書第4頁10行-第5頁8行)

同じく、上記拒絶理由に引用した特開平9-206049号公報(平成9年8月12日公開、以下「引用文献2」という。)には、小ねぎ選別機に関して、概略、下記の事項が図面とともに記載されている。
[記載2-1]
「上下一対の第一挟持ベルトに小ねぎの中間部を挟持させ、横方向に移動させながら、小ねぎの根部に向かって流体を噴出し、小ねぎの根部の皮むき、根洗い及び泥落しをする第一機構部と、該第一機構部を通過したのち、上下一対の第二挟持ベルトに小ねぎの根部を挟持させ、少し横方向に移動したところで、小ねぎの中間部を、前記第一挟持ベルトから解放し、根部のみを挟持し、移動させながら、小ねぎの葉部に向かって圧縮空気を噴出させ、不要の葉を除去する第二機構部と、から成ることを特徴とする小ねぎ選別機」(【特許請求の範囲】の【請求項1】)

同じく、上記拒絶理由に引用した特開平10-295349号公報(平成10年11月10日公開、以下「引用文献3」という。)には、ねぎ類の外皮、不要葉自動除去装置に関して、概略、下記の事項が図面とともに記載されている。
[記載3-1]
「 ねぎ類の汚泥外皮および不要葉等を自動的に剥離除去する除去装置であって、ほぼ水平に搬入された前記ねぎ類の葉部を挟持して次工程側に搬送する葉部挟持搬送コンベアと、搬送中の前記ねぎ類の白根部に圧力媒体を噴出して白根部の汚泥外皮を剥離させる第1の圧力媒体噴出部と、前記葉部挟持搬送コンベアに連設され前記白根部の基端部を挟持して次工程側に搬送する白根部挟持搬送コンベアと、該白根部挟持搬送コンベアに挟持されたねぎ類の前記葉部に圧力媒体を噴出して不要葉や付着物を除去する第2の圧力媒体噴出部とを設けることを特徴とするねぎ類の外皮,不要葉自動除去装置。」(【特許請求の範囲】の【請求項1】)

3.対比

記載1-1、記載1-2、及び、引用文献1の第1図〜第5図からみて、引用文献1には、ねぎ洗浄機で処理されるねぎAを供給テーブル1から搬送方向に対してほぼ直角方向に送り込み、その先端側の葉部を挟持.搬送ベルト2の間に挟持し、根元側を搬送ブーリ3に掛け渡した搬送ベルト4で支持して搬送方向Bに沿つて搬送し、洗浄部5において上下のホッパ-6と7に設けられてノズルカバー8aから突出するノズル8により搬送方向に対しほぼ直角方向に噴出される洗浄水の噴射圧により、ねぎAに付着した土砂等の異物の洗浄と不要な外皮の剥離を行ない、この洗浄と不要外皮の剥離を終えたねぎAをさらに挟持・搬送ベルト2に挟持したまま搬送ベルト9と10の上に支持して搬送し、このとき搬送路の根元側に設けた皮取り用のゴムロ-ル11により根元側に残つた外皮を剥ぎ取り、その後、葉切り部を経て機外に搬出するねぎ洗浄機が、図面とともに示されている。
そこで、本願発明と引用文献1に記載された発明とを対比すると、引用文献1に記載された発明の「挟持・搬送ベルト2」及び「ノズル8」は、各々本願発明の「葉部搬送無端ベルト」及び「皮むきノズル」に相当し、また、引用文献1に記載された発明の「搬送ベルト9と10」と本願発明の「二列の丸ベルト」は共に「二列の搬送ベルト」である点で共通し、引用文献1に記載された発明の「皮取り用のゴムロ-ル11」と本願発明の「不要葉吹き飛ばし用エアー吹き出し口」は共に「不要葉除去手段」と呼ぶことができるから、本願発明の用語を使用して本願発明と引用文献1に記載されたものとを対比すると、両者は、
「水平に設置されてねぎ類の葉部を保持しながら搬送する葉部搬送無端ベルトと、二列の搬送ベルトと、不要葉除去手段と、前記葉部搬送無端ベルトの茎部側の空所部分の上下に配置され、上下からねぎ類の根部に向けて圧力液を噴射する複数の皮むきノズルとを備えてなるねぎ類の皮むき装置。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本願発明では、葉部搬送無端ベルトの一側縁に配置されてねぎ類の根部を押さえながら搬送する上下一対の根部搬送無端ベルトを備えているのに対して、引用文献1に記載のものでは、根部搬送無端ベルトについて記載がない点、

[相違点2]
本願発明では、二列の搬送ベルトが、丸ベルトであり、上下一対の根部搬送無端ベルトの葉部側の空所部分に配置され下流側上方に向けて斜め上向きに配置されるのに対して、引用文献1に記載のものでは、そのような限定がない点、

[相違点3]
本願発明では、二列の丸ベルトに向けて下側の根部搬送無端ベルトの流れ方向のほぼ中間位置に設けられた不要葉吹き飛ばし用エアー吹き出し口と、この不用葉吹き飛ばし用エアー吹き出し口の前側に配置されてねぎ類の葉部を載せるとともにエアーを葉部に向けて案内するガイド板を備えているのに対して、引用文献1に記載のものでは、不要葉除去手段を備えることが記載されているものの、不要葉吹き飛ばし用エアー吹き出し口とガイド板については、何ら記載されていない点、

[相違点4]
本願発明では、皮むきノズルは、ノズル口から前方に向けて放射角が鋭角の扇形状に均等圧力液が集中して且つ薄い幅で噴射されるようになっているとともに、ねぎ類の茎部側から次第に根部に向けて圧力水が噴射されるように、ねぎ類の搬送方向の下流側に向けて複数個ずつ、根部搬送無端ベルトに次第に近づく位置に配置されているのに対して、引用文献1に記載のものでは、そのような限定がない点

4.判断

上記相違点3について検討すると、引用文献2、及び、引用文献3には、ねぎ類の葉部を載せるとともにエアーを葉部に向けて案内するガイド板については、何ら記載されていない。
加えて、仮に、ねぎ類の葉部を載せる板体を用いることが、周知慣用の技術であったとしても、この板体によってエアーを葉部に向けて案内することまでもが、周知ないし慣用であるものとはいえない。

これに対して、本願発明では、上記相違点3を含む構成を採用することによって、
「皮むきノズルで外皮を剥離されたねぎ類を、ガイド板で保持しながら、不要葉吹き飛ばし用エアーをねぎ類に向けて噴出することができるので、ねぎ類の葉部を安定して保持することができてねぎ類の葉部の折れ曲がりを防ぐことができるとともに、葉部の全体に充分に不要葉吹き飛ばし用エアーを噴出することができて不要葉を確実に除去することができる。」(明細書の段落【0018】)
という優れた効果を奏するものと認められる。

したがって、この点について、本願発明は、引用文献1〜引用文献3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることができない。

5.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用文献1〜3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-11-20 
出願番号 特願2000-59551(P2000-59551)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A23N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 水野 治彦  
特許庁審判長 鈴木 美知子
特許庁審判官 渡邊 真
市野 要助
発明の名称 ねぎ類の皮むき装置  
代理人 清原 義博  
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