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審決分類 審判 全部無効 1項3号刊行物記載 訂正を認める。無効としない A23L
審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない A23L
管理番号 1067336
審判番号 審判1997-12662  
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1982-02-12 
種別 無効の審決 
審判請求日 1997-07-25 
確定日 2000-01-26 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第1193451号発明「海苔乾燥装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 I.手続の経緯
(1)本件特許第1193451号は、昭和55年7月23日に特許出願され、昭和59年3月12日に特許の設定登録がなされた。
(2)請求人 西部産業株式会社は、平成9年7月25日に無効審判を請求した。そして、当該無効審判において、甲第1号証〜甲第3号証を提出し、本件特許発明は、甲第1号証に記載された発明と同一、または、甲第1号証〜甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、または同条第2項の規定により特許を受けることができないと主張した。
(3)被請求人 山田庄一及び竹下産業株式会社は、平成10年1月5日付けで訂正請求書を提出して訂正を請求した。
(4)上記請求人は、平成10年6月26日付け弁駁書において、上記訂正請求は認められないと主張し、前記主張事実を立証するために新たに甲第4号証〜甲第6号証を提出した。
(5)当審の合議体は、平成10年8月17日に訂正拒絶理由を通知した。
(6)上記被請求人は、平成10年11月9日付け手続補正書を提出して、上記訂正請求書に添付の明細書及び図面の補正を行った。
(7)上記請求人は、平成11年3月15日付け第2弁駁書を提出して、補正後の発明は、本件特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたもので、本件特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、上記手続補正書により補正された訂正請求は認められないと主張し、前記主張事実を立証するために新たに甲第7号証を提出した。
II.訂正の適否についての判断
1.訂正請求に対する補正の適否について
訂正請求の趣旨は、特許第1193451号の明細書を、訂正請求書に添付の明細書のとおりに訂正する、との決定を求めるにあり、その訂正の要旨については、平成10年11月9日付け手続補正書が提出されているので、まず訂正請求の補正の適否について検討する。
上記補正の内容は、以下のとおりである。
(a)訂正請求書に添付の訂正明細書の特許請求の範囲に記載中の「……………海苔簀枠下降誘導装置14を設けてなりかつ上記複数段の無端チェン5,5′……………」とあるのを「……………海苔簀枠下降誘導装置14を設けてなり、海苔簀枠支持爪13は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に配設した縦向無端間歇回動チェン11に設け、かつ上記複数段の無端チェン5,5′……………」に訂正する。
(b)訂正請求書に添付の訂正明細書(第1頁第16行)の「かつ上記複数段……」の前に「、海苔簀枠支持爪は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い、下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤと別体に配設した縦向無端間歇回動チェンに設け、」を加入する。
(c)訂正請求書に添付の訂正明細書(第2頁第8行)の「行われる。」を「行われるものであり、縦向無端間歇回動チェン11は、この海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に設けられている。」に訂正する。
上記補正(a)は、訂正明細書に記載された事項の範囲内において、訂正明細書に記載の特許請求の範囲を減縮するものであり、また上記補正(b)及び(c)は、訂正明細書に記載された事項の範囲内において、上記特許請求の範囲の補正に伴う明りょうでない記載の釈明と認められ、また、これらの補正により、訂正明細書に記載の特許請求の範囲を実質的に拡張又は変更するものとは認められない。
したがって、当該訂正請求に対する上記補正(a)〜(c)は、訂正請求書の要旨を変更するものではない。
2.訂正の内容
訂正の要旨は、平成10年11月9日付け手続補正書により補正されたとおりのものと認められ、その訂正の内容は、以下のとおりである。
▲1▼特許請求の範囲に記載中の「海苔簀枠下降誘導装置14」を「海苔簀枠支持爪13により海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置14」に訂正する。
▲2▼特許請求の範囲に記載中の「……………海苔簀枠下降誘導装置14を設けてなりかつ上記複数段の無端チェン5,5′……………」を「……………海苔簀枠下降誘導装置14を設けてなり、海苔簀枠支持爪13は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に配設した縦向無端間歇回動チェン11に設け、かつ上記複数段の無端チェン5,5′……………」に訂正する。
▲3▼明細書第2頁第1行(特許公報第1欄第35行)の「海苔簀枠下降誘導装置」を「海苔簀枠支持爪により海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置」に訂正する。
▲4▼明細書第2頁第2行(特許公報第1欄第36行)の「かつ上記複数段……」の前に「、海苔簀枠支持爪は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤと別体に配設した縦向無端間歇回動チェンに設け、」を加入する。
▲5▼明細書第3頁第8行(特許公報第2欄第28行)の「行われる。」を「行われるものであり、縦向無端間歇回動チェン11は、この海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に設けられている。」に訂正する。
▲6▼明細書第3頁第4行〜同第6行(特許公報第2欄第24行〜第26行)の「形成するものであるが、この装置14は、下降案内ガイド15のみであっても差し支えない。」を「形成するものである。」に訂正する。
3.訂正の目的の適否、拡張・変更の存否、及び新規事項の追加の有無
上記▲1▼の訂正は、「海苔簀枠下降誘導装置14」が海苔簀枠支持爪13を具備することを構成要件として加えると同時に、海苔簀枠支持爪13の機能、作用を特定したものであるから、「特許請求の範囲の減縮」に該当する。
また、上記▲2▼の訂正は、海苔簀枠支持爪13の取付け箇所を特定すると共に、縦向無端間歇回動チエン11と海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16との関係を明確にしたものであるから、「特許請求の範囲の減縮」に該当する。
さらに、上記▲3▼〜▲6▼の訂正は、明細書の発明の詳細な説明の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載と整合するようにしたものであるから、「明りょうでない記載の釈明」に該当する。
そして、上記▲1▼及び▲2▼の訂正事項に関しては、願書に添付した明細書に「………上段落下防止装置9の終端部に縦向無端間歇回動チエン11の上端スプロケツト12を軸支し、同チエン11に設けた海苔簀枠支持爪13を上段落下防止装置9の終端部に対向させて海苔簀枠下降誘導装置14を形成するものである」(明細書2頁20行〜3頁4行)と記載され、また願書に添付した図面の第1図には、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と縦向無端間歇回動チェン11とが別体で配設されていることが示されていることから、上記▲1▼〜▲6▼の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
さらに、上記▲1▼〜▲6▼の訂正により、訂正前の本件発明が有していた目的、即ち、海苔簀枠を上段無端回動チエンから下段無端回動チエンに受渡し海苔簀枠に支持した複数枚の抄着海苔の乾燥効率を向上し、抄着海苔の損傷及び乾燥むらを防止するという目的が変更されるとはいえず、これらの訂正は、特許請求の範囲を実質上拡張し、又は変更するものではない。
この点について、請求人は、平成10年6月26日付け弁駁書において、
(i)上記▲1▼の訂正は、「海苔簀枠下降誘導装置14」の意味を、発明の詳細な説明に記載の「互いに対向する終端開口部10から始端開口部10′に海苔簀枠を縦向無端間歇回動チエン11の海苔簀枠支持爪13で誘導してその始端開口部10′に下降すること」とは意味を異にする「海苔簀枠支持爪13により海苔簀枠を下方に導くこと」に訂正するものであるから、特許請求の範囲を変更するものである、
(ii)上記▲1▼の訂正は、海苔簀枠を誘導して開口部に下降するものでない構成、例えば斜め下方に取出した海苔簀枠を開口部に横方向から差し込む構成も含むように拡張するものであるから、特許請求の範囲を拡張するものである、
(iii)上記▲6▼の訂正は、特許請求の範囲に記載されている「海苔簀枠下降誘導装置14」の意味を不明瞭にし、「海苔簀枠下降誘導装置14」が「互いに対向する終端開口部10から終端開口部10′に海苔簀枠を誘導してその始端開口部10′に下降するもの」で無くても良いように訂正するもので、実質上特許請求の範囲を変更し、又は拡張するものである、
旨主張している。
上記(i)〜(iii)について検討すると、訂正後の特許請求の範囲には、海苔簀枠下降誘導装置14を、上段側チェン5の下側移行部終端開口部10から下段側チェン5′の上側移行部始端開口部10′との間に設けること、及び海苔簀枠支持爪13により海苔簀枠を下方に誘導することが記載され、かかる記載に基づけば、上記訂正後の発明の「海苔簀枠下降誘導装置14」は、「互いに対向する終端開口部10から始端開口部10′に海苔簀枠を縦向無端間歇回動チエン11の海苔簀枠支持爪13で誘導してその始端開口部10′に下降させる装置」を意味していることは明らかであり、請求人が主張するような意味に解釈する余地はない。
したがって、請求人の上記(i)〜(iii)の主張は採用しない。
4.独立特許要件について
平成10年11月9日付け手続補正書により補正された訂正請求書に添付された訂正明細書の特許請求の範囲に記載された発明は、次のとおりのものである。
「乾燥室1の正面開口部2から奥部に亘って間歇回動無端チェン5,5′を複数段に設け、同チェン5,5′にそれぞれ海苔簀枠支持杆6を設け、上記チェン5,5′の下側移行部に沿ってそれぞれ海苔簀枠落下防止装置9、9′を設け、かつ上段側上記チェン5の下側移行部終端開口部10から下段側上記チェン5′の上側移行部始端開口部10′との間に海苔簀枠支持爪13により海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置14を設けてなり、海苔簀枠支持爪13は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に配設した縦向無端間歇回動チェン11に設け、かつ上記複数段の無端チェン5,5′の回動方向がそれぞれ同一方向である海苔乾燥装置。」(以下、本件訂正発明という。)
請求人は、平成10年6月26日付け弁駁書及び平成11年3月15日付け第2弁駁書において、(i)本件訂正発明は、甲第1、7号証に記載された発明及び甲第2、3、6号証等によって周知である事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許出願の際独立して特許を受けることができないものである、又は(ii)本件訂正発明は、甲第1号証に記載された発明に甲第4、5、7号証記載のものを単に寄せ集めたものに過ぎず、甲第1、4、5、7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許出願の際独立して特許を受けることができないものである、旨主張している。
そこで、上記主張について検討する。
請求人が提出した甲第1号証〜甲第7号証には、次に示すことが記載されている。
甲第1号証〔実願昭53ー61814号(実開昭54ー163196号公報)のマイクロフィルム〕には、乾燥室2の正面開口部から奥部に亘って間歇回動する無端のコンベヤー4、5を上下2段に設け、上記コンベヤー4、5には海苔簀ホルダー3の一辺両側に設けられ且つコンベヤー4、5に載置される係合杆に係合して海苔簀ホルダーを搬送するための突起7、8を所要間隔毎に設け、上記コンベヤー4、5の下側移行部に沿ってそれぞれ海苔簀ガイド9、10を設け、かつ上段側コンベヤー4の下側移行部終端開口部から下段側コンベヤー5の上側移行部始端開口部との間に海苔簀ホルダーを下方に案内する略V字形状のガイドを設け、かつ上記2段の無端コンベヤー4、5の回動方向がそれぞれ同一方向である海苔乾燥装置が記載されているものと認める。
甲第2号証(特開昭55ー39760号公報)には、乾のり製造装置に関し「62は多数ののり簀Mを支持して乾燥ユニット6内を循環する乾燥コンベヤーで、多数の支持腕63をそなえ、簀コンベヤー2の上方水平部25の端部で簀枠3が、上部ガイドレール17により支持腕63の間へ誘導され、簀枠3が乾燥コンベヤー62に移載されるようにしてあり、簀コンベヤー2の速度に応じた一定の比率をもった速度で駆動される。」(3頁左上欄7行〜15行)と記載されている。
甲第3号証(特開昭50ー49472号公報)には、自動海苔抄造装置に関し「乾燥装置2は、詳細な図示を省略した乾燥炉23と、該乾燥炉23内を巡回する無端状の乾燥用チエーン5(以下第2チエーンと称する)とより構成されている。……………第2チエーン5には、等間隔に多数の簀支持腕25が取付けられ、」(3頁右上欄12行〜同左下欄4行)及び「従って海苔簀13は簀支持腕25の係止溝26、26a間に所定の張度で伸長保持され、続く第2チエーン5の節動により順次乾燥装置23の中へ送り込まれ乾燥が行われる。」(5頁右下欄8行〜11行)と記載されている。
甲第4号証(特公昭50ー32314号公報)には、開放された乾燥室の前面にその始端と終端を配して、この乾燥室内に、室内を一巡する簀を取りつけた枠の乾燥室内移送装置を配設すると共に、この乾燥室の前方に、前記乾燥室内移送装置の終端に接続される始端と、前記移送装置の始端に接続される終端と、水平方向に案内された部分とを備えた簀枠の乾燥室外移送装置を配設してなる乾燥海苔の製造装置が記載され、さらにそこには乾燥室内移送装置を第1段〜第4段の水平方向移送装置により構成すること、及び上側移行部で海苔すき、脱水を行い、下側移行部で簀からの海苔剥ぎを行う乾燥室外移送装置を構成する一対の無端チエーンの適所にフックを突設し、該フックにより、第2段の水平方向移送装置の終端から下方の第3段の水平方向移送装置の始端へ海苔簀枠の降下受け渡しを行うことが記載されているものと認める。
甲第7号証〔甲第5号証(実開昭55ー65994号公報)のマイクロフイルム(全文明細書及び図面)〕には、全自動海苔製造装置に関し「24、25、26は乾燥室c′において略水平でかつ上下に平行するよう設けられたチエーンコンベヤで、それぞれスプロケット27と28、29と30および31と32とに支持され、最上位のチエーンコンベヤ24の始端のスプロケット27は乾燥装置cの簀供給口c1に臨ませてあり、長下位のチエーンコンベヤ26の終端のスプロケット32は乾燥装置cの簀取出口c2の臨ませてある。……………各チエーンコンベヤ24、25、26には、各チエーンピースf毎に海苔簀ホルダー2の端部を係止する係止突起fが形成されており、コンベヤ24と26は第1図時計方向に、コンベヤ25は第1図反時計方向に、それぞれ係止突起f′とf′の間隔宛前記チエーンコンベヤ1の運行と交互に間欠運行される。」(明細書11頁9行〜12頁5行)、「42、42は海苔簀ホルダー2をチエーンコンベヤ24から25へ、またチエーンコンベヤ25から26へそれぞれ反転させながら移す反転用チェーンである。第16図および第17図によりその一方の反転用チエーンコンベヤ42の構成を説明すると、反転用チエーンコンベヤ42は各スプロケット43、44、45、46で支持され、コンベヤ25の反転部分と相対し、かつコンベヤ25の反転部分と略同一円心をなす円弧状のガイドレール47の外周面に沿って、コンベヤ25の反転部分と略同一の角速度でしかもコンベヤ24、25、26の間欠運行と交互に間欠運行される。コンベヤ42には、コンベヤ25の反転部分の係止突起f′相互がなす角度と略等角度の間隔で、海苔簀ホルダー2を係止する係止突起gがコンベヤ25の反転部の係止突起f′と相対向するように形成されている。」(明細書14頁3行〜末行)、及び「しかしてチエーンコンベヤ24の終端に達した海苔簀ホルダー2は、ガイドレール33の先下り状の端部33′に沿って自重で落下しつつその上端はチエーンコンベヤ42の係止突起gに係止され、その下端はガイド48で案内されてコンベヤ25の係止突起f′に係止され、これら両突起gとf′とに支持された状態でコンベヤ25およびコンベヤ42の間欠運行によつて1ピッチ宛反転し、反転し終つたならばコンベヤ25の下向の係止突起f′に係止され、コンベヤ25の下方のガイドレール33に沿って第16図右方向へ間欠移送される。」(明細書15頁3行〜13行)と記載されている。
甲第6号証には、乾燥室の正面開口部から奥部に亘って間歇回動する無端チェンを設け、前記無端チェンの各ピースにみす枠支持用突起(支持杆に相当)を設けてなる自動海苔製造機が記載されている。
(対比・判断)
本件訂正発明と甲第1号証に記載の発明を対比すると、後者における「海苔簀ホルダー」、「間歇回動する無端のコンベヤー4、5」、及び「海苔簀ガイド9、10」は、それぞれ前者の「海苔簀枠」、「間歇回動無端チェン5、5′」、及び「海苔簀枠落下防止装置9、9′」に相当することから、両者は、乾燥室の正面開口部から奥部に亘って間歇回動無端チェンを上下2段に設け、上記チェンの下側移行部に沿ってそれぞれ海苔簀枠落下防止装置を設け、かつ上段側上記チェンの下側移行部終端開口部から下段側上記チェンの上側移行部始端開口部との間に海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置を設けてなり、かつ上記2段の無端チェンの回動方向がそれぞれ同一方向である海苔乾燥装置である点で、一致するものと認められる。
しかしながら、甲第1号証に記載のものは、乾燥室内の間歇回動無端チェンに供給された海苔簀枠を、該無端チェンに設けられた突起により支持すると共に、海苔簀下方案内ガイドにより海苔簀枠を下方に誘導するように構成されているものである。
甲第1号証には、本件訂正発明の構成要件である「間歇回動無端チェンに海苔簀枠支持杆を設ける」及び「海苔簀枠支持爪13により海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置14を設けてなり、海苔簀枠支持爪13は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に配設した縦向無端間歇回動チェン11に設けられる」ことについては何も記載されていない。
以下、この点について検討する。
乾燥室内に配設された間歇回動無端チェンに海苔簀枠支持杆を所定間隔で設け、該海苔簀枠支持杆により海苔簀枠を支持するように構成した海苔乾燥装置が甲第2、3、及び6号証に記載されていることからみて、請求人の主張するように、乾燥室内に設けた間歇回動無端チェンに海苔簀枠支持杆を設けることは、当業者において周知のことと認められる。
したがって、甲第1号証に記載の海苔簀枠支持突起を海苔簀枠支持杆に置き換えることは当業者において容易に想到し得ることということができる。
しかしながら、本件訂正発明において、海苔簀枠下降誘導装置を上記の如く構成することは、以下その理由を具体的に示すが、甲第4号証及び甲第7号証に基づいて当業者が容易になし得ることではない。
甲第4号証には、乾燥室内に海苔簀枠を水平方向に移送する装置を4段に設けると共に、乾燥室の前方に上側移行部で海苔すき、脱水を行い、下側移行部で簀からの海苔剥ぎを行う乾燥室外移送装置を設け、該乾燥室外移送装置を構成する一対の無端チェンの適所にフックを突設し、該フックにより、第2段の水平方向移送装置の終端部から下方の第3段の水平方向移送装置の始端部へ海苔簀枠の降下受け渡しを行うようにした乾燥のり製造装置が記載されている。
そして、前記装置において、上記「第2段の水平方向移送装置の終端部」及び「第3段の水平方向移送装置の始端部」は、本件訂正発明の「上段側チェンの下側移行部終端開口部」及び「下段側チェンの上側移行部始端開口部」に相当し、また上記「フック」は、海苔簀枠の端部を係止する部材である点で、本件訂正発明の「海苔簀枠支持爪」に相当するということができる。
しかしながら、甲第4号証に記載の装置においては、前記「フック」は、第2段の水平方向移送装置の終端部から下方の第3段の水平方向移送装置の始端部へ海苔簀枠の降下受け渡しを行うだけでなく、海苔すき及び脱水の工程を終えた海苔簀枠の乾燥室内移送装置への供給受け渡し、及び乾燥工程を終えた海苔簀枠の乾燥室外移送装置への受け渡しをも同時に行うものである。
したがって、このような装置において、海苔すき及び脱水の工程を終えた海苔簀枠の乾燥室内移送装置への供給受け渡し手段、及び乾燥工程を終えた海苔簀枠の乾燥室外移送装置への受け渡し手段を変更することなく、乾燥室外移送装置と別体にフックを有する縦向無端回動チェンを配設し、該フックにより、第2段の水平方向移送装置の終端部から下方の第3段の水平方向移送装置の始端部へ海苔簀枠の降下受け渡しを行うように構成することは、装置全体の構成をより複雑にし、かつ効率的でないことは明らかであり、当業者なら前記構成を着想しないと考えるのが自然である。
また、甲第7号証には、乾燥室内に略水平でかつ上下に平行に間歇回動無端チェンコンベヤを複数段に設け、上段無端チェンコンベヤの終端と下段無端チェンコンベヤの始端との間に、海苔すき、脱水、海苔剥ぎを行う海苔簀枠移送用間歇コンベヤと別体に係止突起を有する反転用チェーンコンベヤを設けてなる全自動海苔製造装置が記載されている。
そして、前記装置において、「係止突起を有する反転用チェーンコンベヤ」が、上記海苔簀枠移送用間歇コンベヤと別体に設けられ、かつ乾燥室内の上段無端チェンコンベヤから下段無端チェーンコンベヤへの海苔簀枠の受け渡しを行うものである点では、本件訂正発明の「海苔簀枠支持爪13を有する縦向無端間歇回動チェン11」と共通するものと認められる。
しかしながら、甲第7号証に記載の装置においては、海苔簀枠は、スプロケット間に支持された無端チェーンコンベヤにより一方向にのみ移送されるように構成されており、したがって、上段無端チェーンコンベヤから下段無端チェーンコンベヤへの海苔簀枠の受け渡し時に、海苔簀枠を反転させる必要が生じ、海苔簀枠の該反転受け渡しを「係止突起を有する反転用チェーンコンベヤ」により行うようにしたものである。
一方、本件訂正発明においては、乾燥室内のスプロケット間に支持される無端間歇回動チエンの上側と下側にそれぞれ反対方向の海苔簀枠移送路を形成し、前記上側と下側の移送路間で海苔簀枠を反転させるように構成されているため、下段の無端間歇回動チエンに海苔簀枠を受け渡す際に、海苔簀枠を反転させる必要はなく、海苔簀枠をそのまま下段の無端間歇回動チエンに下降誘導するようにしたものである。
このように、本件訂正発明と甲第7号証に記載の発明との間において、上段無端チェーンコンベヤから下段無端チェーンコンベヤに海苔簀枠を受け渡す機構が相違し、また前記受け渡し機構は、乾燥室内のスプロケット間に支持された無端間歇回動チエンにおける海苔簀枠の上記移送方式と密接に関連している。そして、甲第7号証において、前記受け渡し機構のみを本件訂正発明のように変更することは、海苔の乾燥むらを防ぐ観点からみて好ましくないことを考えると、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に、海苔簀枠支持爪13を備えた縦向無端間歇回動チェン11を配設し、前記海苔簀枠支持爪により海苔簀枠を下方に誘導するように構成した海苔簀枠下降誘導装置14を設けることは、甲第7号証の記載に基づいて当業者が容易に想到し得ることではない。
そして、本件訂正発明は、「海苔簀枠支持爪13により海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置14を設けてなり、海苔簀枠支持爪13は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に配設した縦向無端間歇回動チェン11に設けられる」という構成を採用することにより、明細書に記載されたとおりの効果を奏するものである。
してみると、本件訂正発明は、甲第1、7号証に記載された発明及び甲第2、3、6号証等によって周知である事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできず、また、甲第1号証に記載された発明に甲第4、5、7号証記載のものを単に寄せ集めたものに過ぎず、甲第1、4、5、7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということもできない。
以上のことから、請求人の主張する上記理由及び証拠方法によっては、本件訂正発明が本件出願の際に独立して特許を受けることができないということはできない。
他に、本件訂正発明が、本件出願の際に独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、本件訂正発明は、独立特許要件を満たすものである。
5.むすび
以上のとおり、本件訂正請求によって、上記のように訂正することは、特許法第134条第2項の規定並びに同条第5項の規定により準用され、平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定によりなお従前の例とされることにより適用される平成5年改正特許法第126条第1項但し書き、及び同条第2項ー第4項の規定に適合し、認められるものである。
III.本件特許の無効について
1.本件特許に係る発明
前述のように上記訂正が認められることから、本件特許に係る発明は、その訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載されたとおりのもの、即ち上記「訂正の適否」の項で本件訂正発明としたものである。
2.請求人の請求の理由
請求人は、下記の甲第1号証〜甲第3号証を提出して、
(イ)訂正前の本件特許発明は、甲第1号証に記載された発明と実質的に同一であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないものである(第1無効理由)、
(ロ)訂正前の本件特許発明は、甲第1号証に記載された発明と、同じく甲第2号証又は甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである(第2無効理由)、
と主張している。

甲第1号証 実願昭53ー61814号(実開昭54ー163196号公報)のマイクロフィルム
甲第2号証 特開昭55ー39760号公報
甲第3号証 特開昭50ー49472号公報
3.当審の認定、判断
甲第1、2,3号証は、上記「II.訂正の適否についての判断」の「4.独立特許要件について」の項に記載された甲第1、2,3号証と同じものである。
そして、上記「4.独立特許要件について」の項で述べたとおり、甲第1号証には、本件訂正発明の構成要件である「間歇回動無端チェンに海苔簀枠支持杆を設ける」及び「海苔簀枠支持爪13により海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置14を設けてなり、海苔簀枠支持爪13は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に配設した縦向無端間歇回動チェン11に設けられる」ことについては何も記載されていないので、本件訂正発明は、甲第1号証に記載された発明であるということはできない。
また、上記「4.独立特許要件について」の項に記載した理由により、本件訂正発明は、甲第1、2、3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
IV.むすび
したがって、本件特許は、請求人の主張する理由及び提出した証拠方法によっては、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
海苔乾燥装置
(57)【特許請求の範囲】
1 乾燥室1の正面開口部2から奥部に亘って間歇回動無端チェン5,5′を複数段に設け、同チェン5,5′にそれぞれ海苔簀枠支持杆6を設け、上記チェン5,5′の下側移行部に沿ってそれぞれ海苔簀枠落下防止装置9,9′を設け、かつ上段側上記チェン5の下側移行部終端開口部10から下段側上記チェン5′の上側移行部始端開口部10′との間に海苔簀枠支持爪13により海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置14を設けてなり、海苔簀枠支持爪13は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に配設した縦向無端間歇回動チェン11に設け、かつ上記複数段の無端チェン5,5′の回動方向がそれぞれ同一方向である海苔乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
本発明は乾燥室の正面開口部から奥部に亘って間歇回動無端チェンを複数段に設け、同チェンにそれぞれ海苔簀枠支持杆を設け、上記チェンの下側移行部に沿ってそれぞれ海苔簀枠落下防止装置を設け、かつ上段側上記チェンの下側移行部終端開口部から下段側上記チェンの上側移行部始端開口部との間に海苔簀枠支持爪により海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置を設けてなり、海苔簀枠支持爪は上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い、下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤと別体に配設した縦向無端間歇回動チェンに設け、かつ上記複数段の無端チェンの回動方向がそれぞれ同一方向である海苔乾燥装置に関するものであって海苔簀枠を上段無端回動チェンから下段無端回動チェンに受渡し海苔簀枠に支持した複数枚の抄着海苔の乾燥効率を向上し、抄着海苔の損傷および乾燥むらを防止することを目的とするものである。
本発明を図面に示す実施例について説明すると、乾燥室1の正面開口部2に上下段間歇駆動スプロケット3,3′および奥部に上下段従動スプロケット4,4′を設け、上段スプロケット3,4および下段スプロケット3′,4′にそれぞれ間歇回動無端チェン5,5′を掛渡し同チェン5,5′の各リンクプレートにそれぞれ海苔簀枠支持杆6を設け、かつ同チェン5,5′の下側移行部に沿ってそれぞれ海苔簀枠落下防止用間歇回動チェン7,7′を水平案内ガイド8,8′に支持し海苔簀枠落下防止装置9,9′を形成するが同装置9,9′は水平案内ガイド8,8′のみでも差支えない。上段側上記チェン5の下側移行部終端開口部10と、下段側上記チェン5′の上側移行部始端開口部10′とを互に対向させ上段落下防止装置9の終端部に縦向無端間歇回動チェン11の上端スプロケット12を軸支し、同チェン11に設けた海苔簀枠支持爪13を上段落下防止装置9の終端部に対向させて海苔簀枠下降誘導装置14を形成するものである。
尚、図中16で示すものは海苔簀枠移送用間歇コンベヤであって上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われるものであり、縦向無端間歇回動チェン11は、この海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に設けられている。
又17は海苔抄着脱水海苔簀枠供給チェンコンベヤ、18は供給海苔簀枠逆止杆で機枠19に枢支20し、枢支部20に設けた下向腕21を調節ネジ22で支持する。23は供給海苔簀枠24の弧状案内ガイド、25は上段チェン5の下側移行部終端における海苔簀枠下降案内ガイド、26は下段チェン5′の下側移行部終端における海苔簀枠取卸案内ガイド、27は海苔簀枠取卸チェンコンベヤ、28は上記間歇コンベヤ16の下側移行海苔簀枠水平案内ガイド、29,29′は奥部における海苔簀枠弧状回動案内ガイド、第3図中30は海苔簀枠24における簀支持爪、31は海苔簀、32は抄着海苔である。
従って、上段の無端チェン5の支持杆6,6間に海苔簀枠24を供給し逆止杆18および弧状案内ガイド23に沿って同枠24を上側移行部に回動させて直立状態に起立させる。そしてチェン5の間歇移動により同枠24を矢印a方向に奥部に向って移動し、奥部では弧状案内ガイド29に沿って下向となり下側移行部を落下防止装置9に支持されて矢印b方向に移動する。その間熱風炉33から上昇する熱風によって枠24に支持されている簀31の抄着海苔32は乾燥する。
さらに、上記下側移行部の終端開口部10では下降誘導装置14に誘導されて下段の無端チェン5′の上側移行部の始端開口部10′に下降し支持杆6,6に挾持されて上側移行部を矢印a′方向に移動し奥部で上述同様に上下反転して下向となり、下側移行部を矢印b′方向に移動しその終端開口部34から下方に取卸される。その間同枠24の上記抄着海苔32は上昇熱風によってさらに乾燥するものである。
従来乾燥室の正面開口部から奥部に亘って回動する無端チェンに海苔簀枠支持杆を設け、同チェンの下側移行部に海苔簀枠を供給し下側移行部を奥部に移行した後奥部で上側移行部に反転起立し上側移行部を正面開口部に向って移行する間に下方から上方に上昇する熱風で簀抄着海苔を乾燥したので、下側移行部にある湿潤抄着海苔の蒸発湿潤熱風を上側移行部の乾燥抄着海苔が吸着し上側移行部から取卸される抄着海苔を充分乾燥させ難く海苔の品質を向上させ難い欠陥があった。
又無端チェンの下側移行部に海苔簀枠を供給すると上記無端チェンは1段のみであって複数段に利用し難く乾燥効率を向上し難いばかりか、特公昭50-32314号公報に示されるレール式移送装置では海苔簀枠の移行に際し同枠が移送方向に前後に揺動し前後の簀が衝接して抄着海苔が損傷し易くかつ乾燥室内を一巡する簀は上下反転することなく一巡するため抄着海苔の上下方向に乾燥むらを生じる欠陥があった。
本発明は、上述のように構成したので海苔簀枠24に張着した複数枚の海苔抄着簀31を同枠24と共に乾燥室1の正面開口部2から奥部に向って無端チェン5の上側移行部を移行しさらに下側移行部に反転して正面開口部2に移行する間に上側移行部の湿潤抄着海苔32の蒸発湿気は直ちに乾燥室1の天井から外部に排出され下側移行部の海苔32の乾燥を妨害するおそれがなくかつ上段側の上記チェン5の下側移行部からさらに下段側の上記チェン5′の上側移行部に容易に移行し得て下方の熱風炉33に近づくに従って増々乾燥効率を向上し得るばかりでなく、海苔簀枠はその移行中支持杆6に保持されて前後に揺動するおそれがなく前後の簀が衝接することなく抄着海苔と簀との接触による損傷のおそれがない。
そして、海苔抄着簀31は乾燥室1内を上下反転するため抄着海苔32の上下方向の乾燥むらを解消し得て品質良好な乾燥海苔を得ることができる。又従来無端チェンを複数段に設けた海苔乾燥機があるが、上下段の無端チェンが互に反対方向に回動するものであるため各段の無端チェンはそれぞれ下側移行部のみしか利用し得ず、上側および下側移行部を双方共利用し難く海苔簀枠移送段が3段以上になると、海苔簀枠下降誘導装置を乾燥室の正面開口部と奥部とに2個以上設けなければならなかった。
本発明は上記欠陥を解消し得たものであって複数段の無端チェン5,5′の回動方向が同一方向であるため同チェン5,5′のそれぞれの上側および下側移行部を双方共利用し得て海苔簀枠移送段数を無端チェンの段数の倍となし、同チェン5,5′の段数が少いにも拘わらず乾燥室1内の海苔簀枠保有数を増加し得るし、同室1の奥部に海苔簀枠下降誘導装置14を設ける必要がなく正面開口部2に上記移送段の4段に対し1個のみ設ければ足り得て装置を簡略化し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の海苔乾燥装置を示す側面図、第2図は上段側正面開口部の拡大側面図、第3図は海苔簀枠の斜視図、第4図は下段側正面開口部の拡大側面図である。
1…乾燥室
2…正面開口部
5,5′…間歇回動無端チェン
6…海苔簀枠支持杆
9…海苔簀枠落下防止装置
10…下側移行部終端開口部
10′…上側移行部始端開口部
14…海苔簀枠下降誘導装置
 
訂正の要旨 訂正事項(訂正の要旨)
▲1▼ 訂正事項A
明細書の特許請求の範囲中において、「海苔簀枠下降誘導装置14」を、特許請求の範囲の減縮を目的として「海苔簀枠支持爪13により海苔簀枠24を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置14」に訂正する。
▲2▼ 訂正事項B
特許請求の範囲の記載に発明の詳細な説明の記載を合致させるべく、明瞭でない記載の釈明を目的として明細書第2頁第1行(特許公報第1欄第35行目)の「海苔簀枠下降誘導装置」を「海苔簀枠支持爪により海苔簀枠を下方に誘導する海苔簀枠下降誘導装置」に訂正する。
また明細書第2頁第2行(特許公報第1欄第36行目)の「かつ上記複数段……」の前に「、海苔簀枠支持爪13は、上側移行部で海苔自動抄製脱水を行い下側移行部で自動海苔剥ぎが行われる海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に配設した縦向無端間歇回動チェン11に設け、」を加入する。
また、明細書第3頁第8行目(特許公報第2欄第28行目)の「行われる。」を「行われるものであり、縦向無端間歇回動チェン11は、この海苔簀枠移送用間歇コンベヤ16と別体に設けられている。」に訂正する。
▲3▼ 訂正事項C
同じく特許請求の範囲の訂正にともない発明の詳細な説明の記載を合致させるべく、明瞭でない記載の釈明を目的として明細書第3頁第4行〜同第6行(特許公報第2欄第24行〜第26行)の「形成するものであるが、この装置14は、下降案内ガイド15のみであっても差支えない。」を「形成するものである。」に訂正する。
審理終結日 1999-05-24 
結審通知日 1999-06-15 
審決日 1999-12-15 
出願番号 特願昭55-102203
審決分類 P 1 112・ 121- YA (A23L)
P 1 112・ 113- YA (A23L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 横尾 俊一  
特許庁審判長 徳廣 正道
特許庁審判官 田中 久直
木原 裕
登録日 1984-03-12 
登録番号 特許第1193451号(P1193451)
発明の名称 海苔乾燥装置  
代理人 松尾 憲一郎  
代理人 松尾 憲一郎  
代理人 永井 浩之  
代理人 前島 旭  
代理人 神谷 巖  
代理人 佐藤 一雄  

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