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審決分類 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  C01G
審判 一部申し立て 2項進歩性  C01G
管理番号 1067409
異議申立番号 異議2001-72769  
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-03-08 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-10-09 
確定日 2002-09-09 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3154513号「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末およびその製造方法」の請求項1〜4、及び6〜8に係る発明の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3154513号「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法」の請求項2〜4に係る発明の特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第3154513号は、平成3年5月28日に出願され、平成13年2月2日に特許の設定登録がなされたものであり、その後、本件請求項1〜4及び6〜8に係る発明の特許について、金田三郎より、特許異議の申立がなされ、これに基づき、取消理由通知がされ、特許権者より、その指定期間内である平成14年5月13日付けで、明細書の訂正請求がなされたものである。

II.訂正の適否
II-1.訂正事項
本件明細書につき、平成14年5月13日付け訂正請求書に添付された訂正明細書に記載される次の(a)〜(y)のとおりの訂正を求めるものである。
(a)特許請求の範囲における請求項1〜4、9〜10を削除する。
(b)特許請求の範囲の請求項5における、
「【請求項5】チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、過酸化水素、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、
「【請求項1】チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、過酸化水素、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させ、
3価または5価の半導化元素をチタンに対して0.05〜2原子%含有し、その基材部分がATiO3(Aは、Ba≧50原子%、0原子%≦Sr、Ca、Pb≦50原子%。ただし、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない)で表される粒子径0.3〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造することを特徴とする球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(c)特許請求の範囲の請求項6における、
「【請求項6】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンで、バリウム化合物が水酸化バリウムであり、チタン化合物とバリウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項4または5記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、
「【請求項2】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンで、バリウム化合物が水酸化バリウムであり、チタン化合物とバリウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(d)特許請求の範囲第7項における、
「【請求項7】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンであり、バリウム化合物が水酸化バリウムで、ストロンチウム化合物が水酸化ストロンチウムであり、チタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項4または5記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、
「【請求項3】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンであり、バリウム化合物が水酸化バリウムで、ストロンチウム化合物が水酸化ストロンチウムであり、チタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(e)特許請求の範囲第8項における、
「【請求項8】チタン化合物とバリウム化合物との熟成反応、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との熟成反応を、40〜100℃で少なくとも30分間以上行うことを特徴とする請求項4または5記載のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、
「【請求項4】チタン化合物とバリウム化合物との熟成反応、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との熟成反応を、40〜100℃で少なくとも30分間以上行うことを特徴とする請求項1記載のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(f)特許請求の範囲第11項における、
「【請求項11】チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させ、反応後、気流乾燥することを特徴とする粒子径5〜50μmの請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、
「【請求項5】チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させ、反応後、気流乾燥して粒子径5〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造することを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(g)明細書における発明の名称の項における、
「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末およびその製造方法」を、
「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法」と訂正する。
(h)明細書の段落0001における、
「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末およびその製造方法」を、
「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法」と訂正する。
(i)明細書の段落0013における、
「湿式反応時に過酸化水素を」を、
「湿式反応時に、過酸化水素、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を」と訂正する。
(j)明細書の段落0014における、
「Sr、Ca、Pb≦50原子%」を
「Sr、Ca、Pb≦50原子%、ただし、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない」と訂正する。
(k)明細書の段落0015における、
「上記式中のAを文章で表すと、・・・Sr,CaおよびPbが0〜50原子%である。そして、Baはバリウムで、Srはストロンチウム」を、
「上記式中のA中のBaはバリウムで、Srはストロンチウム」と訂正する。
(l)明細書の段落0016における、
「ATiO3で表される基材部分について具体的に名称で表現すると、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム」を、
「ATiO3で表される基材部分について具体的に名称で表現すると、チタン酸バリウムストロンチウム」と訂正する。
(m)明細書の段落0018における、
「上記ATiO3で表されるもののうち、チタン酸バリウム」を、
「上記チタン酸バリウム」と訂正する。
(n)明細書の段落0033における、
「Sr、Ca、Pb≦50原子%である。」を、
「Sr、Ca、Pb≦50原子%であるが、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない。」と訂正する。
(o)明細書の段落0071における、
「あるいは微粒子を用いてストロンチウムを含有する球状チタン酸バリウム」を、
「あるいはチタン酸ストロンチウムの微粒子を用いてストロンチウムを含有する球状チタン酸バリウム」と訂正する。
(p)明細書の段落0095における、
「実施例1」を、「参考例1」と訂正する。
(q)明細書の段落0099における、
「図1は、この実施例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。この図1に示すように、実施例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末は、1.5万倍に拡大した場合でも粒子形状が球状を保っており、また、その粒子径もほぼ均一であって、粒度分布の狭いことがわかる。」を、
「図1は、この参考例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。」と訂正する。
(r)明細書の段落0100における、
「実施例2」を、「参考例2」と訂正する。
(s)明細書の段落0105及び0119(2箇所)における、
「実施例3」を、「実施例1」と訂正する。
(t)明細書の段落0105、0114(3箇所)、0116、0120、0126、0130、0132、及び0141における、
「実施例1」を、「参考例1」と訂正する。
(u)明細書の段落0120及び0125(2箇所)における、
「実施例4」を、「実施例2」と訂正する。
(v)明細書の段落0126における、
「実施例5」を、「参考例3」と訂正する。
(w)明細書の段落0130における、
「実施例6」を、「参考例4」と訂正する。
(x)明細書の段落0133〜0135、0146〜0150の記載、及び、図7の記載を削除する。
(y)明細書の【図面の簡単な説明】の項における、
「【図1】
実施例1により製造された・・・。
【図2】
実施例3により製造された・・・。
【図3】
実施例4により製造された・・・。
【図4】
実施例5により製造された・・・。
【図5】
比較例1の固相法により・・・。
【図6】
比較例2の湿式法により・・・電子顕微鏡写真である。
【図7】
実施例6により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末で作製された半導体磁器の比抵抗-温度特性および比較例2の湿式法により製造されたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末で作製された半導体磁器の比抵抗-温度特性を示す図である。」を、
「【図1】
参考例1により製造された・・・。
【図2】
実施例1により製造された・・・。
【図3】
実施例2により製造された・・・。
【図4】
参考例3により製造された・・・。
【図5】
比較例1の固相法により・・・。
【図6】
比較例2の湿式法により・・・電子顕微鏡写真である。」と訂正する。

II-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、拡張・変更の存否
II-2-1.上記(a)の訂正について
上記(a)の訂正は、請求項1〜4、9及び10の記載を削除するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、当該訂正は、請求項を削除するだけのものであるから、願書に添付された明細書に記載される事項の範囲内でなされるものであり、また、当該訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないことは明らかなことである。
II-2-2.上記(b)の訂正について
上記(b)の訂正は、具体的には、(1)請求項1を引用する形式で記載されていた発明を独立形式で表現し、また、請求項番号を5から1へと4つ繰り上げ、そして、(2)基材部分のATiO3につき、「ただし、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない」ことを付加するものである。
当該訂正(1)は、表現方法を独立形式に改め、また、請求項番号を揃えるものであって、いずれも、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、また、当該訂正(2)は、旧請求項5において、「湿式反応時に、・・・粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させる」とするので、ATiO3ではSr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはなかったものであるところ、これを明示するものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、これら訂正は、請求項の記載をこのように明りょうにするだけのものであるから、願書に添付された明細書に記載される事項の範囲内でなされるものであることは明らかなことであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
II-2-3.上記(c)〜(e)の訂正について
上記(c)〜(e)の訂正は、具体的には、いずれも、(1)当該請求項の記載が、引用される旧請求項5と、当該旧請求項5により更に引用される旧請求項1とにより表現されていたものを、旧請求項1と旧請求項5の記載内容から構成された新請求項1のみを引用する方法で表現することとし、また、請求項番号を4つ繰り上げ、そして、(2)旧請求項4を引用する場合を取り止めるものである。
当該(1)の訂正は、上記のように表現方法を改め、また、請求項番号を揃えるものであって、いずれも、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
当該(2)の訂正は、他の選択肢を取り止めるものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、これら訂正は、請求項の記載をこのように明りょうにする、ないしは、他の選択肢を取り止めるだけのものであるから、願書に添付された明細書に記載される事項の範囲内でなされるものであることは明らかなことであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
II-2-4.上記(f)の訂正について
上記(f)の訂正は、具体的には、(1)請求項番号を11から5へと繰り上げ、そして、(2)旧請求項1の引用を新請求項1の引用に置き換えることにより、湿式反応時に、「過酸化水素を共存させ」ことを付加するものである。
当該(1)の訂正は、請求項番号を揃えるものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、そして、上記(2)の訂正は、反応時の添加成分を更に限定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、当該(1)訂正は請求項番号を揃えるだけのものであり、また、当該(2)の訂正は、明細書の旧請求項4、段落0013、段落0049等の記載から一義的に導き出されるものであって、いずれのものも、願書に添付された明細書に記載される事項の範囲内でなされるものであることは明らかなことである。
また、これら訂正は、発明の目的の範囲内でなされるものでもあり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
II-2-5.上記(g)〜(y)の訂正について
上記(g)〜(y)の訂正は、上記(a)〜(f)の請求項の訂正に伴い、発明の詳細な説明の記載をこれに整合させるために行われるのであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、当該(g)〜(y)の訂正は、いずれも、願書に添付された明細書に記載した事項の範囲内でなされるものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しないことは明らかなことである。

II-3.独立特許要件
上記(f)の訂正は、特許異議の申し立てがされていない旧請求項11(訂正後の請求項5)についての訂正であり、そして、当該訂正は、上記するとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含む。
そこで、規定により、訂正後の請求項5に係る発明の独立特許要件を検討することとする。
訂正後の本件請求項5に係る発明は、上記II-1.の(f)に記載したとおりである。
(特許法第29条第1項第3号、及び、第29条第2項の要件について)
取消理由通知で示した引用例である特開昭62-283816号公報には後述するように「球状粒子の形態のチタン酸塩およびその製法」に関する事項が記載されおり、同特開昭50-122493号公報には、後述するとおり「チタン酸塩の製造方法」に関する事項が記載され、また、同特開昭50-136300号公報には後述するとおり「磁器粉末の製造方法」に関する事項が記載され、そして、同特開昭60-90825号公報には、後述するように「チタン酸バリウムまたはチタン酸ストロンチウムの製造方法」に関する事項が記載されている。
しかし、これら引用例には、そのいずれにおいても、訂正後の請求項1を引用する訂正後の本件請求項5に係る発明の構成である、「チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させる」ということが記載されていない。
そして、本件明細書の記載によれば、当該構成を採択することにより、均一で球状のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造することができたものである。
そうすると、訂正後の本件請求項5に係る発明は、上記引用例のいずれかに記載された発明であるとはいえず、また、上記各引用例に記載される発明又は各引用例に記載された発明を組み合わせたものから当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできない。
したがって、訂正後の本件請求項5に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえないばかりでなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないともいえない。
以上のとおり、訂正後の本件請求項5に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないとはいえない。

II-4.訂正の適否の結論
よって、上記訂正請求は特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

III.本件発明
本件特許第3154513号の訂正後の本件請求項1〜4に係る発明は、訂正された明細書の特許請求の範囲に記載される次のとおりのものである。
(以下、訂正後の請求項1〜4に係る発明を、それぞれ、必要に応じて、「本件発明1〜4」という)
【請求項1】チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、過酸化水素、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させ、
3価または5価の半導化元素をチタンに対して0.05〜2原子%含有し、その基材部分がATiO3(Aは、Ba≧50原子%、0原子%≦Sr、Ca、Pb≦50原子%。ただし、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない)で表される粒子径0.3〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造することを特徴とする球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。
【請求項2】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンで、バリウム化合物が水酸化バリウムであり、チタン化合物とバリウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。
【請求項3】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンであり、バリウム化合物が水酸化バリウムで、ストロンチウム化合物が水酸化ストロンチウムであり、チタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。
【請求項4】チタン化合物とバリウム化合物との熟成反応、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との熟成反応を、40〜100℃で少なくとも30分間以上行うことを特徴とする請求項1記載のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。

IV.特許異議申立の概要
特許異議申立人は、証拠として
甲第1号証:特開昭62-283816号公報
甲第2号証:特開昭50-122493号公報
甲第3号証:特開昭50-136300号公報
甲第4号証:特開昭60-90825号公報、を引用し、
(1)本件請求項1、2及び3(いずれも訂正により削除)に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、本件請求項4(訂正により削除)に係る発明は、甲第2号証に記載された発明であり、本件請求項6及び7(訂正後の請求項2及び3)に係る発明は甲第3号証に記載された発明であり、当該請求項1〜4、6及び7に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当するものであり《理由1》、
(2)本件請求項8(訂正後の本件請求項4)に係る発明は、甲第2〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり《理由2》、
したがって、これら特許は取り消されるべきものである旨、主張する。

V.証拠の記載内容
甲第1号証には、球状粒子の形態のチタン酸塩およびその製法に関し、次のことが記載されている。
(A-1)「直径0.05〜1μmを有し、多分散指数dw/dnが1.20以下(式中、dwは重量平均直径であり、そしてdnは数平均直径である)によって表現される非常に狭い粒径分布を有する固体の完全に球状の非凝集粒子から本質上なり、前記球状粒子は全平均軸率D=a/b=0.930以上(式中、bは各粒子の最大直径であり、そしてaは対応の直交直径である)を有することを特徴とする、バリウム、ストロンチウム、または混合バリウム/ストロンチウムのチタン酸塩。」(特許請求の範囲第1項)
(A-2)「0.01重量%以下の濃度のn型またp型のドーピング剤を含有する、特許請求の範囲第1項に記載のチタン酸塩。」(特許請求の範囲第7項)

甲第2号証には、チタン酸塩の製造方法に関し、次のことが記載されている。
(B-1)「TiイオンとMeイオン(Me:Ca、Sr、Ba、Pb、Zn、Cdのうちのいずれか1種または2種以上)を含み、かつXイオン(X:Al、Sn、Y、Zr、Sb、Nb、Ta、Mn、Feおよび原子番号57〜71の希土類元素から選ばれる少なくとも1種の金属)を含む水溶液を、過酸化水素(H2O2)を含む水溶液(反応母液)中に滴下するとともに、この反応母液をP.H7以上(たゞしMeがPbである場合にはP.H3以上)に保持させておいて複合過酸化物を沈澱させ、この複合過酸化物を100℃以上の温度で加熱分解させて添加物を含有するチタン酸塩を生成させることを特徴とするチタン酸塩の製造方法。」(特許請求の範囲第2項)
(B-2)Tiイオンの原料として、TiCl4、Ti(NO3)4、Meイオンの原料として、BaCl2、Ba(NO3)2、Xイオンの原料として、YCl3、DyCl3、NbCl5、TaCl5、Sb(NO3)3等を用いて、Tiの化合物、Meの化合物及びXの化合物を水に溶解させ混合水溶液を作成し、複合酸化物を沈澱させたこと。(第3頁右下欄第15行〜第4頁右上欄末行)
(B-3)「本発明製造方法の中間生成物である複合過酸化物を100℃で加熱分解させた場合には、不純物を含まない無定型のチタン酸塩が得られる」(第4頁右下欄第8〜11行)

甲第3号証には、磁器粉末の製造方法に関し、次のことが記載されている。
(C-1)「Ca、Sr、Ba、Zn、Pb、Cdの群から選ばれる少なくとも1種のMeイオンと、Nb、Taのいずれか1種またはNb、Ta、Tiの群から選ばれる少なくとも2種のMe´イオンとを過酸化水素を含むP.H7以上の水溶液で反応させて、過酸化水素を媒介とする複合過酸化物を沈澱させ、この複合過酸化物を100℃以上の温度で加熱分解させて一般式nMeO・Me´2O5(n>1)で表わされる化合物を生成させることを特徴とする磁器粉末の製造方法。」(特許請求の範囲第1項)
(C-2)「〔実施例2〕
NbCl2とTiCl2を塩酸に溶解させて純粋で希釈させるとともに過酸化水素H2O2を加えてNbイオンを1l中に0.18モル、Tiイオンを0.02モル含有する混合水溶液(A´液)を作成した。そして一方でSrCl2とBaCl2を純粋に溶解させ、Srイオンを0.1モル、Baイオンを0.1モル含有する1lの混合水溶液(B´液)を作成した。そして・・・H2O2を含有する反応母液とP.H調整液を作成した。そしてA´液100mlとB´液100mlが混合された混合液を反応母液に中に注入し、・・・複合過酸化物を沈澱させた。・・・加水分解させて目的とする(Ba0.5Sr0.5)2(Ti0.01Nb0.09)2O7を得た。」(第2頁右上欄第13行〜左下欄第13行)
(C-3)「またMeイオンおよびMe´イオンの原料として上記実施例ではいずれの場合も塩化物を使用したが、その他の化合物であってもそれが水もしくは酸に溶解するものであればいかなる化合物を用いても本発明を実施することができる。」(第3頁左上欄第12〜16行)

甲第4号証には、チタン酸バリウムまたはチタン酸ストロンチウムの製造方法に関し、次のことが記載されている。
(D-1)「含水酸化チタンと水酸化バリウムまたは水酸化ストロンチウムを、チタン換算で120〜10,000倍モルの水の存在下で、60℃以上110℃未満の温度範囲で反応させることを特徴とするチタン酸バリウムままたはチタン酸ストロンチウムの製造方法。」(特許請求の範囲第1項)
(D-2)「本発明で比較的大量の水を存在させる効果は、・・・、粒子形状が球形で、粒径分布が均一な粉末が得られることである。」(第3頁右上欄第16行〜左下欄第3行)
(D-3)具体例では、100℃で4時間加熱して反応を行ったこと(実施例1及び2)、100℃に加熱し10時間反応を行ったこと(実施例3)。(明細書第4頁左下欄第2行〜第5頁右上欄末行)

VI.特許異議申立に対する当審の判断
前記したとおり、訂正前の請求項1〜4に係る発明は、訂正により削除され存在しないものとなった。
したがって、訂正前の請求項1〜4に係る発明に対する特許異議の申立の理由についてはここでは触れないこととする。
ただし、訂正前の請求項6〜8に係る発明は、前記したとおり、訂正により、それぞれ、本件発明2〜4となったものであり、これら発明について、以下に検討する。

VI-1.特許異議申立の前記《理由1》及び《理由2》について
VI-1-1.本件発明2
本件明細書の段落0039、0071等の記載によれば、本件発明2は請求項1を引用するものであって、その発明の構成として、
「チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させる」ことを具備することにより、その余の構成と相俟って、均一で球状のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造することができたというものである。
これに対して、甲第2号証には、前記(B-1)及び(B-2)により、「チタン化合物と、バリウム化合物と、Y、Sb、Nb等から選ばれる化合物とを含み、場合によってはストロンチウム化合物を含む水溶液を、過酸化水素中に滴下してチタン酸塩を製造すること」等が記載されているといえるものであり、
甲第3号証には、前記(C-2)により、「TiCl4とBaCl2との反応前に、TiCl4の水溶液に過酸化水素を加えること、及び、前記(C-3)により、原料として用いられる化合物としては水もしくは酸に溶解する化合物を用いても実施できること」等が記載されているといえるものであり、
甲第4号証には、前記(D-1)〜(D-3)により、「含水酸化チタンと、水酸化バリウムまたは水酸化ストロンチウムとを、水の存在下、60℃以上110℃未満の温度範囲で4又は10時間加熱して反応させ、球状で粒度分布が均一なチタン酸バリウムまたはチタン酸ストロンチウムるを製造すること」等が記載されているといえる。
しかし、これら、甲第2〜4号証の何れにも、本件発明2の構成である、
「チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させる」とすることが記載されず、また、粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム等のこれら微粒子と、製造されたチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の均一性及び形状との関係につき教示されるものはない。
なお、甲第1号証では、半導化元素を含有する直径0.05〜1μmの混合バリウム/ストロンチウムのチタン酸塩とその製法につき記載されるが、上記構成につき示唆するものはない。
してみれば、本件発明2は、上記構成を具備する点で、甲第2〜4号証に記載された発明であるとはいえず、また、甲第2〜4号証に記載される発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできない。
VI-1-2.本件発明3及び4
本件発明3及び4は、本件発明2と同じく訂正後の請求項1を引用し、これにより、「チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させる」という構成を具備するものである。
したがって、VI-1-1.で説示した理由と同じ理由により、本件発明3及び4は、甲第2〜4号証に記載された発明であるとはいえず、また、甲第2〜4号証に記載される発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできない。

VII. まとめ
特許異議申立の理由及び証拠によっては、訂正後の本件請求項2〜4に係る発明の特許を取り消すことができない。
また、他に訂正後の本件請求項2〜4に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、過酸化水素、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させ、
3価または5価の半導化元素をチタンに対して0.05〜2原子%含有し、その基材部分がATiO3(Aは、Ba≧50原子%、0原子%≦Sr、Ca、Pb≦50原子%。ただし、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない)で表される粒子径0.3〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造することを特徴とする球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。
【請求項2】 チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンで、バリウム化合物が水酸化バリウムであり、チタン化合物とバリウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。
【請求項3】 チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンであり、バリウム化合物が水酸化バリウムで、ストロンチウム化合物が水酸化ストロンチウムであり、チタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。
【請求項4】 チタン化合物とバリウム化合物との熟成反応、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との熟成反応を、40〜100℃で少なくとも30分間以上行うことを特徴とする請求項1記載のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。
【請求項5】 チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させ、反応後、気流乾燥して粒子径5〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造することを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、PTCサーミスタ、半導体コンデンサなどの半導体磁器に使用される球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PTCサーミスタでは、常温比抵抗が低く、抵抗変化率が大きく、機械的強度の大きいものとするために、グレインサイズを揃え、グレインバウンダリー(粒界相)の厚みを一定にすることが要望されている。
【0003】
また、半導体コンデンサでは、大きな誘電率を持ち、誘電損失が小さく、耐電圧特性が良好で、機械的強度の大きいものとするために、グレインサイズを揃え、グレインバウンダリーの厚みを一定にすることが要望されている。
【0004】
通常、これらPTCサーミスタ、半導体コンデンサなどの半導体磁器のグレインサイズはサブミクロンから50μmに制御される。そのため、それに使用する材料粉末は粒子径が0.3〜50μm以下、好ましくは0.5〜50μmで、粒度分布の狭い、分散性の良好なものが要求される。
【0005】
しかしながら、これまでの方法で製造されてきたチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末では、上記の要求に対して充分に応えることができなかった。
【0006】
すなわち、従来のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、酸化チタン、炭酸バリウムおよび半導化元素などを混合して固相反応を起こさせる方法によって製造されてきた。
【0007】
しかしながら、固相反応による場合、高温で反応を行う関係上、得られるチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、粒子径が大きいため、機械的粉砕して所望の粒子径にしようとしているが、粒子径のバラツキが大きく、また形状も一定していないため、分散性が悪く、これを使用してPTCサーミスタ、半導体コンデンサなどを製造しても、グレインサイズがバラツキ、電気的特性の優れたものは得られなかった。
【0008】
そこで、これらの問題を解決するため、シュウ酸塩を用いた湿式共沈法によりチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造する試みがなされている(例えば、窯業協会誌、90〔8〕、1982)。
【0009】
しかし、上記方法による場合は、微粒子の半導体磁器材料粉末しか得ることができず、しかも粒子形状がいびつなものとか、粒子同士が会合したものが生じるという欠点を有していて、粒子径0.3μm以上で粒度分布が狭く、かつ分散性の良好なチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は得られなかった。
【0010】
また、特開平2-289426号公報では、凝集性の強い150μm以上のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造し、セラミックス化前にボールミルなどで解砕して使用するようにしているが、解砕の程度のコントロールがむつかしく、また、形状も一定していないため、分散性が悪く、充分に満足すべきものとはいえなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、粒子径を充分にコントロールすることができず、また、分散性が悪く、電気的特性の優れたPTCサーミスタや半導体コンデンサなどの半導体磁器を得ることができなかった。
【0012】
したがって、本発明は、粒子径を充分にコントロールすることができ、かつ高分散性の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため種々研究を重ねた結果、チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造する際の湿式反応時に、過酸化水素、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させることによって、粒子径0.3〜5μmで粒度分布の狭い球状のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末が得られ、また、湿式反応後に気流乾燥することによって、粒子径5〜50μmで球状のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末が得られることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0014】
すなわち、本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、3価または5価の半導化元素をチタンに対して0.05〜2原子%含有し、その基材部分がATiO3(Aは、Ba≧50原子%、0原子%≦Sr、Ca、Pb≦50原子%、ただし、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない)で表される粒子径0.3〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末である。
【0015】
上記式中のA中のBaはバリウムで、Srはストロンチウム、Caはカルシウムであり、Pbは鉛である。
【0016】
ここで、本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末のATiO3で表される基材部分について具体的に名称で表現すると、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウムカルシウム、チタン酸バリウムストロンチウム鉛、チタン酸バリウムストロンチウムカルシウム鉛、チタン酸バリウムカルシウム、チタン酸バリウム鉛、チタン酸バリウムカルシウム鉛である。
【0017】
バリウム化合物とストロンチウム化合物はチタン化合物との湿式反応によってペロブスカイト型化合物を生成するが、カルシウム化合物や鉛化合物はチタン化合物との湿式反応によってペロブスカイト型化合物を生成させることがむつかしい。
【0018】
そこで、上記チタン酸バリウムはチタン化合物とバリウム化合物との湿式反応によって得られ、チタン酸バリウムストロンチウムは、通常、チタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応によって得られる。
【0019】
しかし、カルシウムや鉛を含むものは、カルシウム化合物や鉛化合物とチタン化合物との湿式反応では得られないので、チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムや粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛を添加することによって得られる。
【0020】
また、チタン酸カルシウムやチタン酸鉛などを物理的に混合したチタン化合物とバリウム化合物との湿式反応後、またはチタン酸カルシウムやチタン酸鉛などを物理的に混合したチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応後、乾燥、仮焼することにより、組成の均一な化合物とすることもできる。
【0021】
そして、3価または5価の半導化元素をチタンに対して0.05〜2原子%含有する粒子径0.3〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末のうち、粒子径の小さい0.3〜5μmのものは、半導化元素が存在する系でのチタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時(カルシウムや鉛を含むものが必要な場合は、上記反応系に粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムや粒子径0.2μmのチタン酸鉛を添加しておく、また、ストロンチウムをチタン酸ストロンチウムの添加により導入する場合は、別途、湿式反応により製造した粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウムを上記反応系に添加しておく)に、過酸化水素を共存させることによって得られる。
【0022】
これは、共存させた過酸化水素がチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の生成反応を、過酸化水素が共存していない場合に比べて、ゆっくりと進ませ、それが微粒子のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の生成を抑制し、粒子径0.3〜5μmで粒度分布の狭い球状のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を生成させる要因になるものと考えられる。
【0023】
そして、上記のような過酸化水素の使用によってチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の生成反応がゆっくりと進行するようになったことに基づいて、湿式反応の反応条件などを変化させることによって、得られるチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径を任意にコントロールすることができる。
【0024】
上記本発明の粒子径0.3〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末のうち、粒子径の大きい5〜50μmのものは、前記湿式反応後に気流乾燥することによって得られる。
【0025】
本発明の3価または5価の半導化元素をチタンに対して0.05〜2原子%含有し、その基材部分がATiO3で表される粒子径0.3〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、形状が文字通り球形で、粒度分布が狭く、分散性が優れていて、しかも、その粒子径を任意にコントロールすることができるので、セラミックス化した場合、所望のグレインサイズで、かつグレインサイズのバラツキの少ない、電気的特性および機械的特性の優れたPTCサーミスタ、半導体コンデンサなどの半導体磁器を得ることができる。
【0026】
そして、上記球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を仮焼すると、結晶形が疑似立方晶から立方晶または正方晶に変化し、結晶性が向上し、グレインサイズやグレインバウンダリーのよりコントロールしやすい、より好ましい半導体磁器材料粉末とすることができる。
【0027】
この仮焼によって得られた立方晶または正方晶チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、仮焼前の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末が文字通り球状であって、粒子間の接点が少ないので、仮焼によるシンタリングが少なく、仮焼前の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径をほぼ維持して、粒度分布が狭く、かつ分散性が優れている。
【0028】
また、仮焼温度を選択することによって、粉体の状態で半導化した球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末とすることもできる。
【0029】
さらに、仮焼温度を上げることによって、直方体状のより高密度な単結晶のものとすることができる。
【0030】
つぎに、本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の各構成要素の持つ意義について説明する。
【0031】
本発明において、3価または5価の半導化元素は、チタン酸バリウムのペロブスカイト構造におけるBaまたはTiと置換して、半導性を示す元素であればよく、このような3価または5価の半導化元素としては、例えば、Nb、Sb、Ta、Bi、BおよびY、La、Ce、Pr、Ndなどの希土類元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種が使用される。
【0032】
これらの3価または5価の半導化元素は、最終的に形成されるATiO3中のチタンに対して0.05〜2原子%になるように使用される。つまり、3価または5価の半導化元素が上記範囲より少ない場合は充分な半導性を示さないし、また3価または5価の半導化元素が上記範囲より多くなると、原子価補償を起こし、半導性を示さなくなる。
【0033】
本発明の球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末は、半導化元素を除いた基材部分がATiO3で表されるが、このATiO3において、Aは、Ba≧50原子%、0原子%≦Sr、Ca、Pb≦50原子%であるが、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない。
【0034】
これはBaが50原子%より少ない場合は、湿式反応によって球状の粒子が得られないからである。そして、Sr、Ca、Pbなどは、PTCサーミスタとした時の抵抗変化の開始温度を変化させたり、半導体コンデンサの焼結温度や誘電特性をコントロールする目的で添加される。
【0035】
つぎに、反応材料について説明する。前記したように、バリウム化合物やストロンチウム化合物は、チタン化合物との湿式反応によってペロブスカイト型化合物を生成するが、カルシウム化合物や鉛化合物は、チタン化合物との湿式反応によってペロブスカイト型化合物を生成させることがむつかしく、バリウム化合物やストロンチウム化合物とチタン化合物との湿式反応時に、カルシウム化合物や鉛化合物を添加しても、ペロブスカイト型化合物は生成しない。
【0036】
そのため、カルシウムや鉛を、球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末に含ませようとする場合は、固相反応により製造したチタン酸カルシウムやチタン酸鉛を必要に応じて粉砕し、粒子径を0.2μm以下にしたものを上記バリウム化合物やストロンチウム化合物とチタン化合物との湿式反応時に添加し、チタン酸バリウム粒子またはチタン酸バリウムストロンチウム粒子が形成され、球状凝集体となる際に、チタン酸カルシウムやチタン酸鉛がそれらの球状凝集体中に均一に分散されるようにする方法が採用される。
【0037】
また、上記バリウム化合物とチタン化合物との湿式反応時に粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウムを添加することにより、ストロンチウムを球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末に含ませることも可能である。
【0038】
上記のように、反応系に添加するチタン酸カルシウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどにあらかじめ半導化元素を含有させることもできる。
【0039】
本発明において、添加するチタン酸カルシウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの粒子径を0.2μm以下にしているのは、粒子径0.2μmより大きい粒子を用いると各添加物粒子のチタン酸バリウム粒子またはチタン酸バリウムストロンチウム粒子の凝集体中への分散が不均一となり、球状粒子となりにくく、また、仮焼時またはセラミックス化時の添加物粒子の拡散が不充分となり、均一組成のものが得られないからである。
【0040】
本発明において、チタン化合物としては、バリウム化合物と反応してペロブスカイト型のチタン酸バリウムを生成するものであれば特に制約を受けることなく使用することができるが、過酸化水素の水溶液に部分的に溶解するか、または完全に溶解するものが好ましく、また、生成するチタン酸バリウムに混入してその特性を低下させるような成分をできるだけ含有しないものが好ましい。
【0041】
そのような観点から、好ましいチタン化合物を例示すると、例えば、酸化チタン、水酸化チタンなどの無機チタン化合物や、シュウ酸チタン、チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物があげられる。
【0042】
通常、上記水酸化チタンはチタンアルコキシドやチタン塩の水溶液の加水分解によって得られ、酸化チタンは水酸化チタンの湿式加熱やチタン塩の熱加水分解によって得られる。
【0043】
半導化元素の添加方法としては、加水分解する前のチタン溶液中に半導化剤(半導化元素の化合物で、加水分解などによって半導化元素を生じるものをいう)を所定量添加し、溶解しておくのが好ましい。つまり、チタン溶液中に半導化剤を添加しておき、半導化剤をチタン溶液の加水分解時に同時に加水分解し(すなわち、半導化元素の加水分解とチタンの加水分解とが同時に起こるpHで同時沈殿させる)、半導化元素含有水酸化チタンや半導化元素含有酸化チタンにしておくと、最終的に形成される球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末内に半導化元素が均一に分散されるようになる。
【0044】
バリウム化合物としては、上記チタン化合物と反応してペロブスカイト型のチタン酸バリウムを生成するものであれば特に制約を受けることなく使用することができるが、通常は塩基性のバリウム化合物が使用される。
【0045】
また、生成するチタン酸バリウムに混入してその特性を低下させるような成分をできるだけ含有しないものが好ましく、そのような観点から、好ましいバリウム化合物としては、例えば、水酸化バリウム、酸化バリウム、バリウムのアルコキシドなどがあげられる。
【0046】
ストロンチウム化合物も、バリウム化合物と同様であり、チタン化合物と反応してペロブスカイト型のチタン酸ストロンチウムを生成するものであれば特に制約を受けることなく使用することができるが、通常は塩基性のストロンチウム化合物が使用される。好ましいストロンチウム化合物を例示すると、例えば、水酸化ストロンチウム、酸化ストロンチウム、ストロンチウムのアルコキシドなどがあげられる。
【0047】
過酸化水素としては、特に限定されることなく各種のものを使用することができるが、通常は入手や取扱いの容易さなどから、市販の30%(重量%、以下同様)過酸化水素水、35%過酸化水素水、50%過酸化水素水、60%過酸化水素水などが使用される。
【0048】
つぎに、反応方法について説明する。なお、ストロンチウム化合物を用いる場合は、バリウム化合物とほとんど同様に取り扱えばよいので、特にストロンチウム化合物特有のものでない場合は、説明を省略する。また、説明にあたっては、半導化元素はあらかじめチタン化合物に含有させておくものとする。ただし、実際には半導化元素はその場合のみに限られることなく、チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時に添加してもよいし、また、バリウム化合物に添加しておいてもよい。
【0049】
これらのチタン化合物、バリウム化合物、過酸化水素の反応順序に関して特に制限はないが、希薄濃度で反応する場合を除いて、バリウム化合物を添加する前に、チタン化合物と過酸化水素とを混合して反応させるのが好ましい。つまり、希薄濃度で反応する場合を除いて、バリウム化合物が存在する系に過酸化水素を添加すると、難溶性の過酸化バリウム(BaO2)が生成して沈殿が生じ、反応に関与しなくなるからである。
【0050】
過酸化水素の使用量は、チタン化合物(ただし、酸化チタンに換算する)に対する過酸化水素のモル比、つまりH2O2/TiO2(モル比)で0.1〜10が好ましい。
【0051】
過酸化水素は、過酸化物を生成しにくいチタン化合物と反応させると、過酸化物の生成量が少なくなるので、過酸化物の生成量を増やそうとする場合には、過剰に使用する必要がある。それ故、過酸化水素の量は、チタン化合物に対して過剰になる場合もあるが、それでも、上記チタン化合物に対するモル比で10を超えて使用すると、それ以上の効果の増加がみられず、チタン化合物との反応時に分解するだけであり、不経済である。また、過酸化水素の量が上記チタン化合物に対するモル比で0.1より少ない場合は過酸化水素の添加による効果が充分に得られなくなる。
【0052】
チタン化合物と過酸化水素とを混合すると、反応してチタンの過酸化物を生じ、通常、黄色のゾル状溶液となる。
【0053】
過酸化水素の混合時の温度は常温でも構わないが、チタンの過酸化物の生成をしやすくし、残存過酸化水素をできるだけ短時間で除くためには、40〜100℃、特に70〜100℃に加熱するのが好ましい。
【0054】
チタン化合物の酸化チタン換算濃度としては、バリウム化合物を添加した状態で、0.01〜2.5mol/l、特に0.06〜1mol/lが好ましい。上記濃度が2.5mol/lを超えると、粘性が高く攪拌するのが困難な状態になり、バリウム化合物と反応して得られるチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、粒子径が不均一なものになる。上記濃度が0.01mol/lより低い場合は、反応率が著しく低下する。
【0055】
このようにして得られたチタンの過酸化物の溶液に対し、チタンに対するバリウムの原子比、つまりBa/Ti(原子比)が0.8〜10、好ましくは1〜3になるように、バリウム化合物を添加し均一に混合して反応させる。
【0056】
この際、チタン化合物とバリウム化合物とが反応して疑似立方晶のペロブスカイト型チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末が生成するが、0.3〜5μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末が得られるようにするには、チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の生成反応が1時間以内、望ましくは4時間以内に完結しないように、チタンとバリウムの原子比、バリウム化合物の濃度、反応温度などを設定することが好ましい。
【0057】
そして、得られる球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径を揃え、粒度分布を狭くするには、チタン化合物とバリウム化合物との混合を反応が開始する温度以下の温度で行うことが好ましい。
【0058】
さらに、上記チタン化合物とバリウム化合物との反応が4時間で完結する温度とその温度より50℃低い温度との間、望ましくは、反応が4時間で完結する温度とその温度より40℃低い温度との間で、0.1時間以上、望ましくは1時間以上熟成反応させることが好ましい。そして、熟成反応後、反応が4時間で完結する温度以上で反応させて反応を完結させるのが好ましい。なお、上記の反応が完結するとは、それ以上反応を続けてもX線回折によるチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の積分強度が実質上変化しなくなった状態をいう。
【0059】
通常、熟成反応は、40〜100℃、好ましくは60〜100℃で行われる。この熟成反応は、常圧または減圧下で行われる。例えば、この熟成反応を密閉容器を用いて加圧した状態で行うと、得られるチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は0.1μm以下の微粒子になりやすく、また0.3μm以上になる場合でも球状でない粒子が入ってきて粒度分布の広いものとなり、本発明のような0.3〜5μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は得られない。この傾向は特に100℃以上で加圧反応させる場合に顕著になる。
【0060】
なお、反応中は、反応系内に窒素をフローさせて、バリウム化合物と空気中の炭素ガスなどの成分とが反応しないようにしておくことが好ましい。
【0061】
また、上記反応時において、得られるチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径に影響を及ぼす因子について述べておくと次の通りである。
【0062】
溶液の濃度、特にバリウムイオン濃度が高くなるほど、粒子径は小さくなる傾向がある。
【0063】
Ba/Ti(原子比)に関しては、その比が大きくなるほどバリウムイオン濃度が増大することになるので、チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径は小さくなる傾向がある。
【0064】
また、チタン化合物と過酸化水素との反応温度は、温度が高いほどチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径が小さくなり、温度が低いほどチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径が大きくなる。
【0065】
そして、熟成反応温度に関しては、チタン化合物とバリウム化合物とが反応してチタン酸バリウムが生成しはじめる温度付近で長時間熟成反応させるほど粒子径は大きくなる。また、熟成反応温度が高くなるほど粒子径は小さくなる。
【0066】
ストロンチウムを含有する球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造する場合は、バリウムの比率を50原子%以上に保ちながら、バリウムとストロンチウムとの合計でチタンに対する原子比を前記バリウムを単独で用いる場合のチタンに対するバリウムの原子比と同様に考えればよい。
【0067】
なお、このストロンチウムを含有する球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造する場合、ストロンチウム化合物の方がバリウム化合物より反応しやすいので、反応に際してSr/Ba原子比を製造する球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末のSr/Ba原子比より小さくしておくことが必要である。
【0068】
また、カルシウム(Ca)や、鉛(Pb)を含有する球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造は、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウム(CaTiO3)やチタン酸鉛(PbTiO3)を、チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時にあらかじめ添加しておくことによって行われる。
【0069】
微粒子のチタン酸鉛は例えば特開平3-80117号明細書に記載の方法によって製造することができるし、また、チタン酸カルシウムも同様の方法によって製造することができる。
【0070】
また、粒子径0.2μm以下の微粒子のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)をチタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時に添加して、ストロンチウムを含有する球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末を製造することも可能である。
【0071】
カルシウムや鉛を含有する球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造したり、あるいはチタン酸ストロンチウムの微粒子を用いてストロンチウムを含有する球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造するにあたり、添加するチタン酸カルシウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの粒子径を0.2μm以下に特定しているのは、前記のように、それらの粒子径が0.2μmより大きくなると、仮焼したときに組成的に均一な球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を得ることがむつかしいからである。
【0072】
このようにして得られた粒子径0.3〜5μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、その凝集が堅固なために、通常の水洗、濾過、乾燥、仮焼などの操作を行っても、その凝集状態が壊れることはない。
【0073】
湿式反応後の最終的なA/Ti(原子比)は、水洗、または必要に応じて酢酸などの酸でpH調整することにより、目的とするA/Ti(原子比)に調整することができる。
【0074】
通常、球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末のA/Ti(原子比)は0.98〜1.02の間に調整することが好ましい。A/Ti(原子比)が0.98より小さい場合は、該チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を成形、焼結させてセラミックス化した磁器が半導性を示さなくなり、またA/Ti(原子比)が1.02より大きくなると半導性を示すものがあっても、該チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を成形、焼結させてセラミックス化した場合の磁器には、過剰のバリウムが粒界に多く存在して、比抵抗-温度特性(PTC特性)を低下させることになる。さらにA/Ti(原子比)が大きくなって1.05以上になると、該チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を成形、焼結させてセラミックス化した磁器が半導性を示さなくなる。
【0075】
粒子径5〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を得る場合には、前記湿式反応において、過酸化水素を添加せずに(過酸化水素を添加していてもよい)反応を行い、粒子径が0.2μm以下で凝集のない一次粒子を作製したのち、水洗、濾過を行い、A/Ti(原子比)を0.98〜1.02の任意の値に調整したのち、再スラリー化し、気流乾燥が行われる。
【0076】
気流乾燥方法としては、例えば、回転噴霧式のスプレードライヤーが使用できる。生成した5〜50μmのチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、必要に応じて分級などの手段によって、粒度分布をシャープにすることができる。なお、気流乾燥方法を採用すると、粒子径5μm以下のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は得にくい。
【0077】
上記のようにして、3価または5価の半導化元素をチタンに対して0.05〜2原子%含有し、その基材部分がATiO3で表される粒子径0.3〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末が得られる。
【0078】
本発明において、球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径を0.3〜50μmに特定しているが、これは次の理由によるものである。すなわち、粒子径が0.3μmより小さい場合は、セラミックス化する前の成形時にバインダーへの分散性が悪く、切一な組成の成形体が得られにくい。また、粒子径が50μmより大きくなると、セラミックス化した時に、グレインサイズが50μm以上の部分ができてしまい、得られる半導体磁器の電気的特性や機械的特性が低下してしまう。
【0079】
本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、形状が文字通り球形で、粒度分布が狭く、分散性が優れているので、そのままでセラミックス化した場合にも、所望のグレインサイズで、かつグレインサイズのバラツキが少なく、優れた電気的特性および機械的特性を有するPTCサーミスタ、半導体コンデンサなどの半導体磁器を得ることができる。
【0080】
本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、上記のように、そのままでもPTCサーミスタ、半導体コンデンサなどの半導体磁器の原料として使用することができるが、本発明のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を仮焼すると、シンタリングが少なく、かつ結晶性が良く、仮焼前の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径と形状を保った、粒度分布が狭く、かつ高分散性の立方晶球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末または正方晶球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末が得られる。
【0081】
本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の仮焼は、300〜1350℃の温度を行い得るが、上記のように球状を保持したまま仮焼するには、300〜1200℃で仮焼するのが適している。
【0082】
また、本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を1000〜1200℃で仮焼することにより、球状を保持した半導化粉末を得ることができる。この球状の半導化粉末を用いることにより、焼結助剤や粒界層成分と、半導化元素またはチタン酸バリウムとの反応を抑制し、より高性能の半導化磁器が得られやすくなる。
【0083】
これらの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、従来の固相法や湿式法で得られたチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末に比べて、粒度分布が狭く、かつ球状であるため、成形時の空気連行量が少なく、したがってラミネーションの発生が抑制されるという効果もあり、従来法によるチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末に比べて、均一かつ高密度化した成形体を得ることが可能であり、また、焼結体の最終到達密度も大幅に向上する。
【0084】
したがって、上記球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を用いることにより、グレインサイズの揃った比抵抗-温度特性の優れたPTCサーミスタや、誘電率が大きく、誘電損失が小さい半導体コンデンサを得ることができる。
【0085】
また、本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を900〜1350℃で仮焼すると粒子単位で単結晶化した直方体状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を得ることができる。
【0086】
この直方体状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末も、仮焼前の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末が球状であるので、仮焼時のシンタリングが少なく、したがって仮焼前の粒子径をほぼ維持していて、粒度分布が狭く、分散性が優れている。
【0087】
この直方体状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、上記球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末よりさらによく締まった高密度のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末であるため、半導体磁器のグレインサイズやグレインバウンダリーを厳密にコントロールすることがより容易に行い得るので、この直方体状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を用いることによって、常温比抵抗が低く、抵抗変化率が大きいPTCサーミスタや、誘電率が大きく、誘電損失が小さく、耐電圧特性の良好な半導体コンデンサなどをより容易に得ることができる。
【0088】
【発明の効果】
本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、目的に応じた粒子径にコントロールすることができ、粒度分布が狭く、かつ形状が球状で、分散性が優れている。
【0089】
したがって、本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を用いることによって、所望のグレインサイズで、かつグレインサイズのバラツキが少なく、電気的特性および機械的特性の優れた、PTCサーミスタ、半導体コンデンサなどの半導体磁器を得ることができる。
【0090】
本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を仮焼することにより、シンタリングが少なく、仮焼前の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の粒子径と形状をほぼ維持した、粒度分布が狭く、かつ分散性の優れた立方晶球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末または正方晶球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末が得られる。
【0091】
これらの立方晶球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末や正方晶球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、結晶性が良く、グレインサイズやグレインバウンダリーのコントロールがよりしやすく、特性の優れたPTCサーミスタや半導体コンデンサを得ることができる。
【0092】
さらに、本発明の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を高温で仮焼することにより、シンタリングが少なく、粒度分布の狭い、単結晶の直方体状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を得ることができる。
【0093】
この直方体状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末は、上記球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末よりさらによく締まった高密度のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末であるため、磁器のグレインサイズやグレインバウンダリーを厳密にコントロールすることがより容易に行い得るので、この直方体状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を用いることによって、より優れた特性のPTCサーミスタ、半導体コンデンサなどを得ることができる。
【0094】
【実施例】
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0095】
参考例1
硝酸イットリウムをチタンに対するイットリウム量で0.3原子%添加したイットリウム含有四塩化チタン水溶液(大阪チタニウム社製、チタン16.4%含有)を15%アンモニア水で加水分解し、得られたゲル状物を濾過、水洗し、強熱減量による換算重量で酸化チタン濃度が12.3%のイットリウム0.3原子%含有水酸化チタンケーキ〔I〕を得た。
【0096】
このイットリウム0.3原子%含有水酸化チタンケーキ〔I〕72gを水380gに均一に分散した懸濁溶液に30%過酸化水素をを81g添加した。このときの酸化チタンに対する過酸化水素のモル比〔以下、「H2O2/TiO2(モル比)」で示す〕は6.35であった。また、得られたスラリー中の酸化チタン濃度は30%過酸化水素水の70%を水と計算して0.225mol/lであった。
【0097】
得られたスラリーを攪拌しながら徐々に昇温し、100℃で2時間還流処理を行って懸濁溶液〔II〕を得た。この懸濁溶液〔II〕を自然冷却により40℃まで下げ、窒素ガスを吹き込んで空気を置換し、この懸濁溶液〔II〕に水酸化バリウム・八水塩56.8g〔Ba/Ti(原子比)=1.6〕を添加し、30℃から70℃まで0.25時間で昇温し、70℃で3時間熟成反応を行った後、100℃で4時間還流して反応を終結させた。
【0098】
この反応により製造されたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末は、その電子顕微鏡観察による90%個数分布粒子径が1.2〜1.4μmの球状粒子で、粒度分布が狭く、平均粒子径が1.3μmであった。
【0099】
図1は、この参考例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。
【0100】
参考例2
五塩化アンチモンをチタンに対するアンチモン量で0.25原子%添加した四塩化チタン水溶液を15%アンモニア水で加水分解し、得られたゲル状物を濾過、水洗し、強熱減量による換算重量で酸化チタン濃度が24.5%のアンチモン0.25原子%含有水酸化チタンケーキを得た。
【0101】
このアンチモン0.25原子%含有水酸化チタンケーキ51.7gを水382gで均一に分散した懸濁溶液に、30%過酸化水素を112.5g〔H2O2/TiO2(モル比)=6.26〕添加し、酸化チタン濃度が0.312mol/lのスラリーを得た。
【0102】
得られたスラリーを100℃で2時間還流して懸濁溶液を得た。この懸濁溶液を40℃まで冷却した後、この懸濁溶液に水酸化バリウム・八水塩69g〔Ba/Ti(原子比)=1.4〕を添加し、70℃で3時間熟成反応を行った後、100℃で4時間還流を行って反応を終結させた。
【0103】
得られたアンチモン0.25原子%含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末は、その電子顕微鏡観察による90%個数分布粒子径が0.6〜0.8μmの球状粒子で、粒度分布が狭く、平均粒子径が0.7μmであった。
【0104】
上記のようにして得られた球状粒子を酢酸により酸処理し、Ba/Ti(原子比)=1.014に調整した後、1100℃で仮焼することにより、球状を維持した半導化粉末を得ることができた。
【0105】
実施例1
チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムおよびチタン酸鉛を下記の方法により製造し、これを参考例1と同様のイットリウム含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の製造時に添加して、イットリウム含有チタン酸バリウムストロンチウムカルシウム鉛半導体磁器材料粉末を製造した。
【0106】
チタン酸ストロンチウムの製造
蒸留水23リットルに四塩化チタン水溶液(水溶液中のチタン分16%)1kgを攪拌しながら加え、これに5%アンモニア水を加えて加水分解し、pH8にし、濾過、水洗を行った。得られた水酸化チタンゲルを、酸化チタン分にして5%のスラリーとなるようにスラリー化し、60℃に加温したのち、酢酸を加えてpH6にし、そのpHおよび温度を保ちながら、1時間攪拌した。このスラリーを濾過、水洗し、強熱減量による換算重量で酸化チタン濃度が10.3%の水酸化チタンゲルを得た。
【0107】
この酸化チタン濃度が10.3%の水酸化チタンゲル777g(酸化チタン換算で1モル)に蒸留水300gを加え、窒素雰囲気中で攪拌し、80℃に加温して、酸化チタンスラリーを得た。
【0108】
これとは別に、窒素雰囲気中で水酸化ストロンチウムを溶解し、ストロンチウム分として10.5%含有する水溶液1リットル(ストロンチウム1.2モル含有)を用意し、80℃に加温しておき、上記酸化チタンスラリーとストロンチウム水溶液をチタンに対するストロンチウムの原子比〔Sr/Ti(原子比)〕を1.2にして、窒素雰囲気中で80℃に保ったまま同時に加え、2時間攪拌して、反応を行った。
【0109】
その後、温度を100℃以上に昇温し、1時間攪拌した後、濾過、水洗を行った。得られたチタン酸ストロンチウムは粒子径0.02〜0.04μmの均一な微粒子であった。
【0110】
チタン酸カルシウムの製造
市販の炭酸カルシウム100.09gをボールミルで粒子径0.1μm以下に粉砕し、これに酸化チタン(ルチル型、粒子径0.1μm)79.9gを加えてさらに2時間粉砕混合した後、スプレードライヤーで噴霧乾燥させた。これを1000℃で2時間仮焼(反応)を行い、粒子径0.2μmのチタン酸カルシウムを得た。
【0111】
チタン酸鉛の製造
四塩化チタン水溶液(大阪チタニウム社製、水溶液中のチタン分16%、塩素分32%)292g(酸化チタン換算で1モル)をビーカーに入れ、これに水を加えて1リットルとし、この水溶液を9%アンモニア水1リットル中に徐々に滴下して得られた白色スラリーを濾過、水洗し、水酸化チタンケーキを得た。これをプラポットに移して市販の一酸化鉛223g(1モル)と、直径5mmのイットリア安定化ジルコニアボール3kgとを加え、さらに水を1リットル加えて密閉し、3時間ボールミル混合を行った。
【0112】
得られたスラリーからジルコニアボールを除き、さらにそのスラリーをスプレードライヤーで噴霧乾燥し、得られた粉体を100℃で12時間乾燥してチタン酸鉛前駆体(粒子径0.2μm)を得た。これを490℃で5時間仮焼することにより、粒子径0.1μmのほぼ均一なチタン酸鉛の微粒子を得た。
【0113】
イットリウム含有球状チタン酸バリウムストロンチウムカルシウム鉛半導体磁器材料粉末の製造
【0114】
参考例1で作製したイットリウム0.3原子%含有水酸化チタンケーキ〔I〕に、参考例1と同様に過酸化水素水を添加し、同様の処理をして、参考例1と同様の懸濁溶液〔II〕を得た。
【0115】
この懸濁溶液〔II〕を40℃以下に冷却した後、窒素ガスを吹き込んで空気を置換し、上記のようにして製造したチタン酸ストロンチウム(粒子径0.02〜0.04μm)、チタン酸カルシウム(粒子径0.2μm)およびチタン酸鉛(粒子径0.1μm)を、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムおよびチタン酸鉛のそれぞれのモル比が、TiO2:SrTiO3:CaTiO3:PbTiO3=80:9:4:7になるように添加し、均一に混合した。
【0116】
得られたスラリーに水酸化バリウム・八水塩をBa/Ti(原子比)=1.6となるように添加して混合し、参考例1の場合と同様に30℃から70℃まで0.25時間で昇温し、70℃で3時間熟成を行った後、100℃で4時間還流した。
【0117】
得られた反応混合物を濾過、水洗し、酢酸を加えて、(Ba+Sr+Ca+Pb)/Ti(原子比)=0.994になるように調整した。
【0118】
得られたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムストロンチウムカルシウム鉛半導体磁器材料粉末は、イットリウム分を除く組成が蛍光X線分析によれば(Ba0.80Sr0.09Ca0.04Pb0.07)TiO3であり、その電子顕微鏡観察による90%個数分布粒子径が0.4〜0.6μmで、粒度分布が狭く、平均粒子径が0.5μmであった。
【0119】
図2は、この実施例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウムストロンチウムカルシウム鉛半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。図2に示すように、この実施例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムストロンチウムカルシウム鉛半導体磁器材料粉末は、1.5万倍に拡大した場合でも粒子形状が球状であり、またその粒子径もほぼ均一であって、粒度分布の狭いことがわかる。
【0120】
実施例2
参考例1で作製したイットリウム0.3原子%含有水酸化チタンケーキ〔I〕2390g(チタン分として0.38モル含有)に、水1040gを加えて煮沸したスラリー(酸化チタンとして8%含有)と、窒素雰囲気中で調製して煮沸した30%水酸化バリウム水溶液9710g(バリウム分として1.7モル含有)とを、100℃に保温しておいたインラインミキサーを通して混合した後、4時間還流しながら反応させた。
【0121】
反応後のスラリーを濾過、水洗し、粒子径0.01μm以下のイットリウム0.3原子%含有結晶性チタン酸バリウムを得た。
【0122】
得られたイットリウム0.3原子%含有結晶性チタン酸バリウムに、酢酸を加え、酸処理して、Ba/Ti(原子比)=0.992にした調整したイットリウム0.3原子%含有結晶性チタン酸バリウム100g、実施例1において製造法を示したチタン酸ストロンチウム9.59gおよびチタン酸鉛12.68gを加えてボールミルで均一に混合し、大川原化工機(株)製のスプレードライヤーで噴霧乾燥させて造粒し、800℃で2時間仮焼した後、湿式で500メッシュと325メッシュのフルイを用いて分級することにより粒子径30〜45μmのものを得た。
【0123】
得られた顆粒を密閉容器中で800℃で2時間仮焼すると、粒子径37μmの比較的粒子径の揃った分散性のよい粉末が得られた。
【0124】
得られた粉末は、蛍光X線による定量分析によれば、イットリウム分を除く組成が(Ba0.82Sr0.10Pb0.08)TiO3であって、イットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムストロンチウム鉛であった。
【0125】
図3は、この実施例2により製造されたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムストロンチウム鉛半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率900倍の電子顕微鏡写真である。この図3に示すように、実施例2により製造されたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムストロンチウム鉛半導体磁器材料粉末は、900倍に拡大した場合でも粒子形状が球状であり、また、その粒子径もほぼ均一であって、粒度分布の狭いことがわかる。
【0126】
参考例3
参考例1で作製したイットリウム0.3原子%含有水酸化チタンケーキ〔I〕72gを水380gに均一に分散した懸濁溶液に30%過酸化水素を81g添加した。このときの酸化チタンに対する過酸化水素のモル比〔H2O2/TiO2(モル比)〕は6.35であり、得られたスラリー中の酸化チタン濃度は0.225ml/lであった。
【0127】
得られたスラリーを攪拌しながら徐々に昇温し、100℃で2時間還流処理を行って懸濁溶液を得た。この懸濁溶液を40℃以下に下げた後、窒素ガスを吹き込んで空気を置換し、この懸濁溶液に水酸化バリウムと水酸化ストロンチウムとのモル比が8:2となるように水酸化バリウム・八水塩を51.10g、水酸化ストロンチウム・八水塩を10.76g添加し、30℃から70℃まで0.25時間で昇温し、70℃で3時間熟成反応を行った後、100℃で4時間還流して反応を終結させた。なお、反応時の(Ba+Sr)/Tiの原子比は1.8であった。
【0128】
この反応により製造されたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムストロンチウム半導体磁器材料粉末のBa/Sr(原子比)は7/3であって、ストロンチウムの割合が増加していた。また、得られたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムストロンチウム半導体磁器材料粉末は図4に示すように粒子径約0.4μmで球状であった。
【0129】
上記の結果から、チタン酸バリウムストロンチウムの製造においてストロンチウムがチタンより優先的に反応することが明らかなので、このことを考慮して目的とするBa/Srに適したストロンチウム添加量を決めることができる。
【0130】
参考例4
参考例1で作製したイットリウム0.3原子%含有水酸化チタンケーキ〔I〕に、水を加えて均一に混合したスラリー(酸化チタンとして1.8%含有)と、水酸化バリウム・八水塩とを、Ba/Ti(原子比)=1.2となるように混合し、100℃で4時間還流しながら反応させた。
【0131】
得られたスラリーを濾過、水洗し、酢酸で酸処理したのち、800℃で2時間仮焼し、Ba/Ti(原子比)=0.992で粒子径0.1μmのイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムの球状粒子を得た。
【0132】
また、上記とは別に、参考例1により得られた粒子径1.2〜1.4μmのイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムの凝集体粒子を上記と同様に酸処理し、Ba/Ti(原子比)=0.992に調整した後、1000℃で2時間仮焼し、粒子径1.2〜1.4μmの球状イットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウムを得た。
【0133】
削除
【0134】
削除
【0135】
削除
【0136】
比較例1
この比較例1では、固相法によりニオブ0.22原子%含有チタン酸バリウムを製造して、その粒子形状および粒子径のバラツキを明らかにする。
【0137】
すなわち、市販の炭酸バリウム98.66g、酸化チタン40.34gおよび五酸化ニオブ0.1462gをボールミルで均一に30分間混合し、スプレードライヤーで噴霧乾燥し、得られた粉末を300kg/cm2で仮成形し、1150℃で2時間仮焼してニオブ0.22原子%含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末を得た。
【0138】
得られたニオブ0.22原子%含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の倍率1万倍の電子顕微鏡写真を図5に示す。
【0139】
図5に示すように、固相法によって得られたニオブ0.22原子%含有チタン酸バリウムは、粒子形状が不均一で、かつ粒子径のバラツキが大きかった。
【0140】
比較例2
この比較例2では、湿式法によりイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末を製造して、その粒子形状および粒子径のバラツキを明らかにする。
【0141】
すなわち、参考例1と同様の方法で得られたイットリウム0.3原子%含有水酸化チタンケーキ〔I〕(強熱減量による換算重量で酸化チタン濃度22.8%)390gのスラリーに、窒素ガスを流して60℃に加温し、水酸化バリウム・八水塩を428g〔Ba/Ti(原子比)=1.2〕添加して攪拌し均一に混合した。
【0142】
このスラリーをさらに加温して100℃で4時間還流し(窒素ガスは昇温時に止める)、濾過、水洗を行った後、スプレードライヤーで噴霧乾燥を行い、イットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウム粉末を得た。なお、反応時のBa/Ti(原子比)は1.2であった。
【0143】
得られたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウム粉末を800℃で5時間仮焼した後、半導体材料とするために酢酸で酸処理して、Ba/Ti(原子比)を0.992に調整した。
【0144】
酸処理後のイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウム粉末〔Ba/Ti(原子比)=0.992〕を再度800℃で2時間仮焼すると、粒子径0.03〜0.06μmで粒子径の揃った粒子が得られた。
【0145】
しかし、同様の酸処理粉末を1200℃で3時間仮焼すると、粒子径は0.06〜1μmと大きくなったが、粒子形状は図6(図6は倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真)に示すように不均一であった。
【0146】
削除
【0147】
削除
【0148】
削除
【0149】
削除
【0150】
削除
【図面の簡単な説明】
【図1】
参考例1により製造されたイットリウム0.3原子%球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。
【図2】
実施例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウムストロンチウムカルシウム鉛半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。
【図3】
実施例2により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウムストロンチウム鉛半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率900倍の電子顕微鏡写真である。
【図4】
参考例3により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウムストロンチウムの粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。
【図5】
比較例1の固相法により製造されたニオブ0.22原子%含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1万倍の電子顕微鏡写真である。
【図6】
比較例2の湿式法により製造されたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
本件特許第3154513号の明細書につき、平成14年5月13日付け訂正請求書に添付された訂正明細書に記載される以下の(a)〜(y)のとおり、訂正する。
(a)特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲における請求項1〜4、9〜10を削除する。
(b)特許請求の範囲の請求項5における、
「【請求項5】チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、過酸化水素、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【請求項1】チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、過酸化水素、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させ、
3価または5価の半導化元素をチタンに対して0.05〜2原子%含有し、その基材部分がATiO3(Aは、Ba≧50原子%、0原子%≦Sr、Ca、Pb≦50原子%。ただし、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない)で表される粒子径0.3〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造することを特徴とする球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(c)特許請求の範囲の請求項6における、
「【請求項6】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンで、バリウム化合物が水酸化バリウムであり、チタン化合物とバリウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項4または5記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、特許請求の範囲の減縮、及び、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【請求項2】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンで、バリウム化合物が水酸化バリウムであり、チタン化合物とバリウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(d)特許請求の範囲第7項における、
「【請求項7】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンであり、バリウム化合物が水酸化バリウムで、ストロンチウム化合物が水酸化ストロンチウムであり、チタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項4または5記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、特許請求の範囲の減縮、及び、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【請求項3】チタン化合物が半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンであり、バリウム化合物が水酸化バリウムで、ストロンチウム化合物が水酸化ストロンチウムであり、チタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との反応前に、半導化元素を含有する水酸化チタンまたは半導化元素を含有する酸化チタンと過酸化水素とを反応させることを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(e)特許請求の範囲第8項における、
「【請求項8】チタン化合物とバリウム化合物との熟成反応、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との熟成反応を、40〜100℃で少なくとも30分間以上行うことを特徴とする請求項4または5記載のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、特許請求の範囲の減縮、及び、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【請求項4】チタン化合物とバリウム化合物との熟成反応、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との熟成反応を、40〜100℃で少なくとも30分間以上行うことを特徴とする請求項1記載のチタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(f)特許請求の範囲第11項における、
「【請求項11】チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させ、反応後、気流乾燥することを特徴とする粒子径5〜50μmの請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」を、特許請求の範囲の減縮、及び、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【請求項5】チタン化合物とバリウム化合物との湿式反応時、またはチタン化合物とバリウム化合物およびストロンチウム化合物との湿式反応時に、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させ、反応後、気流乾燥して粒子径5〜50μmの球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末を製造することを特徴とする請求項1記載の球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法。」と訂正する。
(g)明細書における発明の名称の項における、
「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末およびその製造方法」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法」と訂正する。
(h)明細書の段落0001における、
「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末およびその製造方法」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法」と訂正する。
(i)明細書の段落0013における、
「湿式反応時に過酸化水素を」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「湿式反応時に、過酸化水素、半導化剤、ならびに粒子径0.2μm以下のチタン酸ストロンチウム、粒子径0.2μm以下のチタン酸カルシウムおよび粒子径0.2μm以下のチタン酸鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種を」と訂正する。
(j)明細書の段落0014における、
「Sr、Ca、Pb≦50原子%」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「Sr、Ca、Pb≦50原子%、ただし、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない」と訂正する。
(k)明細書の段落0015における、
「上記式中のAを文章で表すと、・・・Sr,CaおよびPbが0〜50原子%である。そして、Baはバリウムで、Srはストロンチウム」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「上記式中のA中のBaはバリウムで、Srはストロンチウム」と訂正する。
(l)明細書の段落0016における、
「ATiO3で表される基材部分について具体的に名称で表現すると、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「ATiO3で表される基材部分について具体的に名称で表現すると、チタン酸バリウムストロンチウム」と訂正する。
(m)明細書の段落0018における、
「上記ATiO3で表されるもののうち、チタン酸バリウム」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「上記チタン酸バリウム」と訂正する。
(n)明細書の段落0033における、
「Sr、Ca、Pb≦50原子%である。」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「Sr、Ca、Pb≦50原子%であるが、Sr、Ca、Pbが同時に0原子%になることはない。」と訂正する。
(o)明細書の段落0071における、
「あるいは微粒子を用いてストロンチウムを含有する球状チタン酸バリウム」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「あるいはチタン酸ストロンチウムの微粒子を用いてストロンチウムを含有する球状チタン酸バリウム」と訂正する。
(p)明細書の段落0095における、
「実施例1」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「参考例1」と訂正する。
(q)明細書の段落0099における、
「図1は、この実施例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。この図1に示すように、実施例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末は、1.5万倍に拡大した場合でも粒子形状が球状を保っており、また、その粒子径もほぼ均一であって、粒度分布の狭いことがわかる。」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「図1は、この参考例1により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末の粒子構造を示す倍率1.5万倍の電子顕微鏡写真である。」と訂正する。
(r)明細書の段落0100における、
「実施例2」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「参考例2」と訂正する。
(s)明細書の段落0105及び0119(2箇所)における、
「実施例3」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「実施例1」と訂正する。
(t)明細書の段落0105、0114(3箇所)、0116、0120、0126、0130、0132、及び0141における、
「実施例1」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「参考例1」と訂正する。
(u)明細書の段落0120及び0125(2箇所)における、
「実施例4」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「実施例2」と訂正する。
(v)明細書の段落0126における、
「実施例5」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「参考例3」と訂正する。
(w)明細書の段落0130における、
「実施例6」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「参考例4」と訂正する。
(x)明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落0133〜0135、0146〜0150の記載、及び、図7の記載を削除する。
(y)明細書の【図面の簡単な説明】の項における、
「【図1】
実施例1により製造された・・・。
【図2】
実施例3により製造された・・・。
【図3】
実施例4により製造された・・・。
【図4】
実施例5により製造された・・・。
【図5】
比較例1の固相法により・・・。
【図6】
比較例2の湿式法により・・・電子顕微鏡写真である。
【図7】
実施例6により製造されたイットリウム0.3原子%含有球状チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末で作製された半導体磁器の比抵抗-温度特性および比較例2の湿式法により製造されたイットリウム0.3原子%含有チタン酸バリウム半導体磁器材料粉末で作製された半導体磁器の比抵抗-温度特性を示す図である。」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【図1】
参考例1により製造された・・・。
【図2】
実施例1により製造された・・・。
【図3】
実施例2により製造された・・・。
【図4】
参考例3により製造された・・・。
【図5】
比較例1の固相法により・・・。
【図6】
比較例2の湿式法により・・・電子顕微鏡写真である。」と訂正する。
異議決定日 2002-08-22 
出願番号 特願平3-154070
審決分類 P 1 652・ 121- YA (C01G)
P 1 652・ 113- YA (C01G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 前田 仁志  
特許庁審判長 多喜 鉄雄
特許庁審判官 山田 充
西村 和美
登録日 2001-02-02 
登録番号 特許第3154513号(P3154513)
権利者 テイカ株式会社
発明の名称 球状チタン酸バリウム系半導体磁器材料粉末の製造方法  
代理人 三輪 鐵雄  
代理人 三輪 鐵雄  
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