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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K
管理番号 1068325
審判番号 不服2000-10297  
総通号数 37 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-10-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-07-06 
確定日 2002-11-14 
事件の表示 平成10年特許願第101914号「多層配線板」拒絶査定に対する審判事件[平成11年10月19日出願公開、特開平11-289167]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯、本願発明
本願は、平成10年3月31日の出願であって、平成12年7月24日付けでした補正は、特許法第53条第1項の規定により決定をもって却下されたので、本願の請求項1〜8に係る発明は、平成11年12月17日付けの手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜8に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明は、次のとおりのものと認める。
【請求項1】
2n+1(nは正の整数)層の導電層(4-1、4-2・・・)と当該2n+1層の導電層と交互に積層される2n層の絶縁層(5-1、5-2・・・)とからなる多層配線板(1)であって、第1の導電層と第2n+1の導電層とを除く何れかの前記導電層に形成された1つ以上のはんだ付けパターン(3)と、前記1つ以上のはんだ付けパターンの各々と対応する位置に形成され前記各導電層ならびに絶縁層と直交しつつ前記第1の導電層側の表面方向に開口する1つ以上の開□部(31)とを具備し、前記開□部の内壁は前記各絶縁層を形成する絶縁物によって覆われていることを特徴とする多層配線板。 (以下、本願発明という)

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開平7-335992号公報(以下、引用例という)には、図2に示された実施例を参照すると、概ね、次のことが記載されているものと認められる。
4層の導電層とこれらの導電層と交互に積層される3層の絶縁層とからなる多層配線基板であって、表面の導電層と裏面の導電層とを除く何れかの前記導電層に形成された1つ以上の凹部内配線電極16(本願発明のはんだ付けパターンに相当)と、前記1つ以上の凹部内配線電極の各々と対応する位置に形成され前記各導電層ならびに絶縁層と直交しつつ表面の導電層側の表面方向に開口する1つ以上の基板凹部2(本願発明の開口部に相当)とを具備し、前記基板凹部の内壁は前記各絶縁層を形成する絶縁物によって覆われている多層配線基板。

3.当審の判断
本願発明と引用例に記載された発明とを対比すると、両者は、『 導電層とこれらの導電層と交互に積層される絶縁層とからなる多層配線板であって、表面の導電層と裏面の導電層とを除く何れかの前記導電層に形成された1つ以上のはんだ付けパターンと、前記1つ以上のはんだ付けパターンの各々と対応する位置に形成され前記各導電層ならびに絶縁層と直交しつつ表面の導電層側の表面方向に開口する1つ以上の開口部とを具備し、前記開口部の内壁は前記各絶縁層を形成する絶縁物によって覆われている多層配線板 』で一致し、以下の点で相違しているものと認められる。
(相違点)
導電層と絶縁層との積層関係につき、本願発明では、2n+1(nは正の整数)層の導電層と当該2n+1層の導電層と交互に積層される2n層の絶縁層とからなっている(nに1,2,3・・・と数字を入れていくと、導電層と絶縁層の層数の関係は、3:2,5:4,7:6・・・となる)のに対して、引用例に記載の発明では、4層の導電層とこれらの導電層と交互に積層される3層の絶縁層とからなっている点
前記相違点につき検討すると、本願発明では、導電層が3層以上で絶縁層が2層以上であって、導電層と絶縁層との層数の関係は、この数式によると決して引用例記載発明のように4:3になることはないのであるが、要は、導電層の層数が1層多ければよいのであるから、引用例記載発明のように4:3の関係を本願発明のように3:2又は5:4等の関係にすることは、必要により当業者が容易に想到し得たものである。
本願発明の効果は、引用例に記載された発明から予測できる程度のものであって、格別なものとはいえない。

4.むすび
したがって、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、このような発明を包含する本願は、請求項2〜8に係る発明について検討するまでもなく拒絶されるべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-09-10 
結審通知日 2002-09-17 
審決日 2002-09-30 
出願番号 特願平10-101914
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 豊島 ひろみ  
特許庁審判長 藤井 俊明
特許庁審判官 尾崎 和寛
鈴木 久雄
発明の名称 多層配線板  
代理人 河合 信明  
代理人 福田 修一  
代理人 京本 直樹  
代理人 堀 城之  

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