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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G03F
審判 査定不服 発明同一 取り消して特許、登録 G03F
管理番号 1068714
審判番号 不服2000-18426  
総通号数 37 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-09-10 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-11-21 
確定日 2002-12-24 
事件の表示 平成 4年特許願第 37750号「ポジ型レジスト組成物」拒絶査定に対する審判事件〔平成 5年 9月10日出願公開、特開平 5-232697、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は、平成4年2月25日の出願であって、平成10年11月9日付けで明細書の補正がなされ、平成12年5月31日付けで拒絶理由が通知され、平成12年7月27日付けで意見書が提出され、平成12年10月13日付けで拒絶査定がなされた、次いで審判請求の後平成12年12月19日付で明細書の補正がなされたものであり、その請求項1ないし3に係る発明は次のおりのものである。
「【請求項1】
GPCにより測定したポリスチレン換算分子量 1,000以下の成分のパターン面積が、未反応フェノール類を除く全パターン面積に対して25%以下であるアルカリ可溶性ノボラック樹脂、キノンジアジド化合物、及び下式のものから選ばれる化合物を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【化1】


【請求項2】
該アルカリ可溶性ノボラック樹脂のGPCにより測定したポリスチレン換算分子量 1,000以下の成分のパターン面積が、未反応フェノール類を除く全パターン面積に対して20%以下である請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項3】
該アルカリ可溶性ノボラック樹脂が、3,000〜20,000 のポリスチレン換算重量平均分子量を有する請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。 」

2.原査定の概要
原査定の拒絶の理由の概要は次のとおりである。
【理由1】
本願請求項1ないし3に係る発明は、その出願前日本国内で頒布された、
文献1.特開平3-228059号公報
文献2.特開平3-142468号公報
文献3.特開昭63-313150号公報
に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができとものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることはできない。

【理由2】
この出願の請求項1ないし3に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。

先願4.特願平2-199996号(特開平4-86665号公報)
先願5.特願平3-89876号(特開平4-299348号公報)
先願6.特願平4-23967号(特開平5-224407号公報)

3.当審の判断
3.1 特許法第29条第2項違反について
3.1.1 請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)について
本願発明1は、アルカリ可溶性樹脂として、GPCにより測定したポリスチレン換算分子量1,000以下の成分のパターン面積が、未反応フェノール類を除く全パターン面積に対して25%以下であるという特定のGPC分布を有するアルカリ可溶性ノボラック樹脂、キノンジアジド化合物及び〔化1〕に示される特定構造のシクロアルキリデン系ビスフェノール化合物を含有することにより、感度、解像度、耐熱性、密着性等の諸性能のバランスに優れたポジ型レジスト組成物に関する。(本願明細書【0006】、【0030】【0035】)
一方、引用文献1には、アルカリ可溶性樹脂として、GPCにより測定したポリスチレン換算分子量900以下の成分のパターン面積が、全パターン面積に対して25%以下であるGPC分布を有するアルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物及びトリフェノール化合物を用いたポジ型レジスト組成物が示されている。(請求項2及び10、第4頁右上欄11行〜左下欄9行、第5頁左上欄15行〜右上欄4行)
また、引用文献2にも、アルカリ可溶性樹脂として、GPCにより測定したポリスチレン換算分子量900以下の成分のパターン面積が、全パターン面積に対して30%以下であるGPC分布有するアルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物及びトリフェノール化合物を用いたポジ型レジスト組成物が示されいる。(請求項3、第3頁右下欄3行〜下から3行)
しかしながら、引用文献1、2には、特定のGPC分布を有するアルカリ可溶性樹脂と組合せるフェノール化合物として、トリフェノール化合物が記載されているが、本願発明1における〔化1〕で示されるシクロアルキリデン系ビスフェノール化合物を用いることについては開示も示唆もなく、また、該ビスフェノールの採用により、レジストとしての諸性能のバランスに格別優れた組成物が得られることについても示唆も開示もなされていない。
引用文献3には、アルカリ可溶性フェノール樹脂を用い、フェノール化合物として、下記一般式




〔式中、Xは、単結合、CH2、SO2、S、CO、C(CH3)2、CHCCl3又は


を表す〕で示されるビスフェノール化合物を用いた感光性組成物が示されていて、本件発明1のビスフェノールは該一般式に包含されている。(請求項1、第3頁左上欄17行〜右上欄15行)
しかしながら、該ビスフェノール化合物の具体例としては、ヒ゛フェニルジオール-(4,4’)、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-ケトン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-スルホンが示されているにすぎず(第3頁左上欄17行〜右上欄15行、実施例1〜4)、本願発明1の〔化1〕で示されるビスフェノールについての記載はないばかりか、引用文献3に記載の一般式に含まれる多数のビスフェノールから、本願発明1の〔化1〕で示される化合物を特に選択する根拠となる記載もない。
しかも、引用文献3に記載のビスフェノール化合物と、特定のGPC分布を有するアルカリ可溶性樹脂とを組合せることを示唆する記載も見あたらない。
以上のように、引用文献1〜3の何れにも、特定のGPC分布を有するアルカリ可溶性樹脂と特定構造を有するシクロアルキリデン系ビスフェノール化合物とを組合わせることについては開示も示唆もなく、レジスト諸性能のバランスに格別優れたレジスト組成物が得られることについても示唆も開示もなされていない。
したがって、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定に該当するものではない。

3.1.2 請求項2及び3に係る発明について
請求項2又は3に係る発明は、請求項1の構成要件を全て引用するものであるから、上記請求項1に係る発明と同様の理由により、引用文献1ないし3に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

3.2 【理由2】(特許法第29条の2違反)について
本願発明1ないし3は、、アルカリ可溶性樹脂として、GPCにより測定したポリスチレン換算分子量1,000以下の成分のパターン面積が、未反応フェノール類を除く全パターン面積に対して25%以下であるという特定のGPC分布を有するアルカリ可溶性ノボラック樹脂及びキノンジアジド化合物に加えて、〔化1〕で示される特定構造のシクロアルキリデン系ビスフェノール化合物を含有するポジ型レジスト組成物に関するものである。
しかしながら、先願4〜6のいずれの当初明細書にも、本願発明の〔化1〕で示される特定構造のシクロアルキリデン系ビスフェノール化合物については例示されてはいるものの「アルカリ可溶性樹脂として、GPCにより測定したポリスチレン換算分子量1,000以下の成分のパターン面積が、未反応フェノール類を除く全パターン面積に対して25%以下であるという特定のGPC分布を有するアルカリ可溶性ノボラック樹脂」については記載されていない。
したがって、本願発明1ないし3が先願4ないし6の当初の明細書に記載された発明と同一とはいえないから特許法第29条の2の規定に該当するものではない。

4.むすび
したがって、本願請求項1ないし3に係る発明は、引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできないし、先願4ないし6の出願当初の明細書に記載された発明であるとも認めることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-12-09 
出願番号 特願平4-37750
審決分類 P 1 8・ 161- WY (G03F)
P 1 8・ 121- WY (G03F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山鹿 勇次郎  
特許庁審判長 嶋矢 督
特許庁審判官 植野 浩志
阿久津 弘
発明の名称 ポジ型レジスト組成物  
代理人 久保山 隆  
代理人 中山 亨  
代理人 神野 直美  

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