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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G02B
管理番号 1068805
異議申立番号 異議2002-70039  
総通号数 37 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1990-10-16 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-01-09 
確定日 2002-09-11 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3184975号「光学フィルム」の請求項1ないし6に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3184975号の請求項1ないし4に係る特許を取り消す。 
理由 (I)手続の経緯
本件特許第3184975号の請求項1〜6に係る発明は、平成1年12月26日(優先権主張、1988年12月27日、日本)に特許出願され、平成13年5月11日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、志築 正治、池端 力、コニカ 株式会社及び東レ 株式会社より特許異議申立てがなされ、これを受けて取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年5月14日に訂正請求がなされたものである。
(II)訂正の適否
a、訂正前の特許請求の範囲請求項1及び2を削除する。
b、訂正前の特許請求の範囲請求項3を請求項1に繰り上げ、「押出方向に連続的に厚みの変化を測定したとき、50mm以下のピッチで、かつ、厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み変動の存在しない熱可塑性高分子フィルム又はシートを押出方向に対して直角方向に一軸に、又は二軸に延伸して形成されるフィルム又はシートからなり、そのレターデーションの値が1200nm以下であり、かつ、レターデーションのフレ幅が10%以下であることを特徴とする液晶表示装置用位相差板。」と訂正する。
c、訂正前の特許請求の範囲請求項4を請求項2に繰り上げ、「前記熱可塑性高分子フィルム又はシートが溶剤キャスト法により連続的に製造された熱可塑性高分子フィルム又はシートである請求項1に記載の液晶表示装置用位相差板。」と訂正する。
d、訂正前の特許請求の範囲請求項5を請求項3に繰り上げ、「二軸配向性を有し、レターデーションの値が500nm以下であり、液晶表示装置の視角特性の向上に用いられる請求項1に記載の位相差板。」と訂正する。
e、訂正前の特許請求の範囲請求項6を請求項4に繰り上げ、「請求項1に記載の位相差板を偏光板に積層してなる複合偏光板。」と訂正する。
f、明細書第22頁第1行(特許掲載公報第10欄第4行)の「粘合」を「貼合」と訂正する。
g、明細書第26頁第13行(特許掲載公報第11欄第34行)の「物質な」を「均質な」と訂正する。
h、明細書第33頁第4行(特許掲載公報第13欄第48行)の「得られフィルムを」を「得られたフィルムを」と訂正する。
i、明細書第34頁第6行(特許掲載公報第14欄第16行)の「得らたフィルム160℃」を「得られたフィルムを160℃」と訂正する。
j、明細書第34頁第13行(特許掲載公報第14欄第21〜22行)の「物質な光学フィルムを」を「均質な光学フィルムであった。この光学フィルムを」と訂正する。
k、明細書第34頁第16〜17行(特許掲載公報第14欄第24〜25行)の「実施例3を同様に」を「実施例3と同様に」と訂正する。
上記a、〜e、は、特許請求の範囲の減縮ないし明りょうでない記載の釈明に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。また、上記f、〜k、は、明りょうでない記載の釈明ないし誤記の訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第3項で準用する平成六年法改正前の第126条第1項ただし書および第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
(III)特許異議の申立て
1本件発明
特許第3184975号の請求項1〜4に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明2」、「本件発明3」、「本件発明4」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである。
「(1)押出方向に連続的に厚みの変化を測定したとき、50mm以下のピッチで、かつ、厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み変動の存在しない熱可塑性高分子フィルム又はシートを押出方向に対して直角方向に一軸に、又は二軸に延伸して形成されるフィルム又はシートからなり、そのレターデーションの値が1200nm以下であり、かつ、レータデーションのフレ幅が10%以下であることを特徴とする液晶表示装置用位相差板。
(2)前記熱可塑性高分子フィルム又はシートが溶剤キャスト法により連続的に製造された熱可塑性高分子フィルム又はシートである請求項1に記載の液晶表示装置用位相差板。
(3)二軸配向性を有し、レターデーションの値が500nm以下であり、液晶表示装置の視角特性の向上に用いられる請求項1に記載の位相差板。
(4)請求項1に記載の位相差板を偏光板に積層してなる複合偏光板。」
2特許異議申立て理由の概要
特許異議申立人志築 正治は、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証(特開昭56-130703号公報)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張し、また、訂正前の請求項1〜6に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証(特開昭50-75242号公報)および甲第3号証(特公昭39-29211号公報)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張し、さらに、記載不備があるから特許法第36条の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張している。
特許異議申立人池端 力は、訂正前の請求項1〜5に係る発明は、甲第1号証(特開昭63-189804号公報)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張し、また、訂正前の請求項1〜6に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証(日経マイクロデバイス、1988年10月1日発行、第56〜60頁)、甲第3号証(プラスチックス10月号、昭和57年10月1日、工業調査会発行、第49〜56頁)および第4号証(プラスチックフィルム、昭和41年12月15日初版、日刊工業新聞社発行、第38〜41頁)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張している。
特許異議申立人コニカ 株式会社は、訂正前の請求項1〜6に係る発明は、甲第1号証(特開昭63-167303号公報)または甲第2号証(特開昭63-189804号公報)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張し、また、訂正前の請求項1〜6に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証(富士写真フィルム株式会社「フジタック」カタログ)、甲第4号証(昭和54年審判第506号審決)および甲第5号証(特開昭63-279229号公報)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張し、さらに、記載不備があるから特許法第36条の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張している。
特許異議申立人東レ 株式会社は、訂正前の請求項1〜6に係る発明は、甲第1号証(特開昭63-189804号公報)、甲第2号証(プラスチックス、第33巻第10号、1982年)、甲第3号証(高橋 儀作著「プラスチックフィルム」日刊工業新聞社、昭和45年1月20日発行)、甲第4号証(特開昭62-48523号公報)および甲第5号証(特公平2-61899号公報)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張し、さらに、記載不備があるから特許法第36条の規定により特許を受けることができない発明であって、それら発明に係る特許は取り消されるべき旨主張している。
3各刊行物等に記載の発明
刊行物1(特開昭56-130703号公報、異議申立人志築 正治の提出した甲第1号証)
・1/4波長膜(発明の名称)
刊行物2(特開昭63-189804号公報、異議申立人池端 力の提出した甲第1号証、異議申立人コニカ 株式会社の提出した甲第2号証、異議申立人東レ 株式会社の提出した甲第1号証)
i)ポリカーボネート系重合体を一軸方向に延伸して形成されるフィルムまたはシートであって、偏光顕微鏡によるレターデーションの測定値が475〜625nmの範囲にあり、かつ該フィルムまたはシートを直交ニコル下にその光学的主軸が45度になるように配置して測定したときの色差ΔE*が20以下であることを特徴とする位相差板。(特許請求の範囲第1項)
ii)一軸方向に延伸する方法としてテンター法による横一軸延伸法を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の位相差板。(特許請求の範囲第2項)
iii)上記ポリカーボネート系重合体を位相差板とするには、ポリカーボネート系重合体を公知の製膜手段すなわち溶剤キャスト法、・・・でフィルムまたはシートに成形した後、一軸方向に適度に延伸することによって達成される。(第2頁左下欄第3〜8行)
iv)本発明において光学的に色ムラが小さく、レターデーションの振れ幅の小さい位相差板を得る最も有効な延伸方法は、実質的にネックインの生じないテンターによる横一軸延伸法である。しかしロール間圧縮延伸法およびロールを利用した縦一軸延伸法等でも、延伸前のフィルム幅Aと延伸後のフィルム幅Bとから定義されるネックイン率(100×(A-B)/A)を10%以下、好ましくは5%以下に抑えれば、本発明の目的は達成できる。(第2頁左下欄第13行〜右下欄第3行)
v)このようにして得られた位相差板は、・・・、光学フィルターをはじめとする各種光学用途、液晶表示体の用途等の新規用途に使用することができる。(第3頁右上欄第14〜19行)
刊行物3(特開昭63-167303号公報、異議申立人コニカ 株式会社の提出した甲第1号証)
・なかでもロール間圧縮延伸法は、厚みムラが少なく延伸でき、その結果として、レターデーションのふれ幅が小さく出来るので本発明においては、特に有用な方法である。(第2頁左下欄第17行〜右下欄第2行)
刊行物4(特開昭50-75242号公報、異議申立人志築 正治の提出した甲第2号証)
・低可燃性のポリカーボネートキヤストフイルム(発明の名称)
刊行物5(特公昭39-29211号公報、異議申立人志築 正治の提出した甲第3号証)
・平滑性の良いフィルムの製造方法(発明の名称)
刊行物6(日経マイクロデバイス、1988年10月1日発行、第56〜60頁、異議申立人池端 力の提出した甲第2号証)
・フィルムの製造に当たって、原料の厚さの均一化、・・・を施した。(第60頁左欄第10〜12行)
刊行物7(プラスチックス10月号、昭和57年10月1日、工業調査会発行、第49〜56頁、異議申立人池端 力の提出した甲第3号証、異議申立人東レ 株式会社の提出した甲第2号証)
・その代表的なものとして、シート表面上で押出方向と直角方向に等ピッチで現われる写真1のような横縞模様があり、これをギヤマークと呼んでいる。(第49頁左欄第8〜11行)
・これらの透明シートのギヤマークが強いと、シートを通して見える像がゆがんで透視効果を弱め、肝心の透明性を損ねてしまうことになり、商品価値、あるいは付加価値が低下する。(第49頁左欄第21行〜右欄第1行)
・写真1のシートの横縞模様のピッチを測定すると約40mmになって(第51頁右欄第15〜16行)
・第9図の2次波形において、ホイールの各歯に対応した変位変動のピッチΔxを測定し、ロール1回転当りの周期を求めると、約44になりホイールの歯数にほぼ一致する。2次波形の局所的振幅Δyは各歯によって一様ではないが、およそ1.5〜3μ程度になっている。(第55頁左欄第4〜12行)
・写真4のシート表面を表面粗き計で測定すると、第10図のような正弦波状になっていて、ピッチΔxは20〜25mm、振幅Δyは1〜1.5μになっている。(第56頁左欄第16〜19行)
刊行物8(プラスチックフィルム、昭和41年12月15日初版、日刊工業新聞社発行、第38〜41頁、異議申立人池端 力の提出した甲第4号証、異議申立人東レ 株式会社の提出した甲第3号証)
・溶液流延法で作成したフィルムは厚さが均一で、・・・すぐれたフィルムが得られる。(第40頁第9〜11行)
刊行物9(富士写真フィルム株式会社、フジタックカタログ、異議申立人コニカ 株式会社の提出した甲第3号証)
・鏡のように美しい表面性(第2頁)
・表面の平面性が良い(第7頁)
刊行物10(昭和54年審判第506号審決、異議申立人コニカ 株式会社の提出した甲第4号証)
・サービスマニアルは、・・・その印刷日からそれほどの日時を経ることなく頒布されたものとみるのが社会常識である(理由の欄)
刊行物11(特開昭63-279229号公報、異議申立人コニカ 株式会社の提出した甲第5号証)
・液晶表示装置(発明の名称)
・第4図に示すようにこれらの光学素子を、偏光膜の支持体として使用して光学素子付偏光膜10A、10Bとしてもよい。(第4頁左上欄第17〜19行)
刊行物12(特開昭62-48523号公報、異議申立人東レ 株式会社の提出した甲第4号証)
・ポリカーボネートシートの製造法(発明の名称)
・得られたシートは・・・合格となりダイライン、ギヤマーク、転写マーク、粘着マークもなく外観が一様で美しい鏡面を呈していた。(第3頁右上欄第1〜6行)
刊行物13(特公平2-61899号公報、異議申立人東レ 株式会社の提出した甲第5号証)
・ポリカーボネートシートの製造法(発明の名称)
報告書(異議申立人志築 正治の提出した甲第4号証)
・実験報告書(タイトル)
4本件発明1と刊行物2記載の発明との対比
イ、上記iii)の「上記ポリカーボネート系重合体(本件発明1の『熱可塑性高分子』に相当する。)を位相差板とするには、ポリカーボネート系重合体を公知の製膜手段すなわち溶剤キャスト法、・・・でフィルムまたはシートに成形した後、一軸方向に適度に延伸することによって達成される。」との記載からみて、本件発明1の「熱可塑性高分子フィルム又はシートを押出方向に対して直角方向に一軸に、又は二軸に延伸して形成されるフィルム又はシートからなり」が開示されている。
ロ、上記i)の「レターデーションの測定値が475〜625nmの範囲にあり」との記載からみて、本件発明1の「そのレターデーションの値が1200nm以下であり」が開示されている。
ハ、上記iv)の「レターデーションの振れ幅の小さい位相差板」との記載からみて、本件発明1の「レターデーションの振れ幅を小さくすること」が示唆されている。
ニ、上記v)の「液晶表示体の用途」との記載からみて、本件発明1の「液晶表示装置用位相差板」が示唆されている。
ホ、上記イ〜ニの記載からみて、刊行物2には、本件発明1の「熱可塑性高分子フィルム又はシートを押出方向に対して直角方向に一軸に、又は二軸に延伸して形成されるフィルム又はシートからなり、そのレターデーションの値が1200nm以下である位相差板。」が開示され、「レタデーションのフレ幅を小さくすること」及び「液晶表示装置用位相差板」が示唆されている。
してみると、本件発明1と刊行物2記載の発明とは、熱可塑性高分子フィルム又はシートを押出方向に対して直角方向に一軸に、又は二軸に延伸して形成されるフィルム又はシートからなり、そのレターデーションの値が1200nm以下である位相差板で一致し、
A本件発明1の熱可塑性高分子フィルム又はシートが、押出方向に連続的に厚みの変化を測定したとき、50mm以下のピッチで、かつ、厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み変動の存在しないものであるのに対して、刊行物2には、そのような記載が無い点、
B本件発明1は、レターデーションのフレ幅が10%以下であるのに対して、刊行物2には、「レタデーションの振れ幅の小さい位相差板」との記載があり、レタデーションの振れ幅を小さくすることが示唆されている点、
C本件発明1は、液晶表示装置用位相差板であるのに対して、刊行物2には、「液晶表示体の用途」との記載があり、液晶表示装置用位相差板が示唆されている点で相違する。
そこで先ず、相違点Aについて検討すると、一般に、フイルム又はシートは、平滑であることが求められている(例えば、刊行物5には、「平滑性の良いフィルム」との記載があり、刊行物6には、「原料の厚さの均一化」との記載があり、刊行物8には、「フィルムは厚さが均一で」との記載があり、刊行物9には、「鏡のように美しい表面性」および「表面の平面性が良い」との記載があり、刊行物12には、「外観が一様で美しい鏡面を呈していた。」との記載がある。)から、シートを平滑にすることは、自明の技術課題である。
それゆえ、フイルム又はシートを、平滑にしようとすることは、当業者なら当然に推考することであり、相違点Aの構成を満たすものが大部分であり、たまたま、相違点Aの構成を満たさないものがあるというべきものである。
また、刊行物7には、ギヤマークがピッチΔx=約40mmで局所的振幅Δy=1.5〜3μ、ピッチΔx=20〜25mmで振幅Δy=1〜1.5μでシート上に認められ、シートの価値を低下させているとの開示があり、一方、本件特許掲載公報には、「厚み変動は・・・ギヤマークあるいは粘着マークと呼ばれる外観上の縞模様にほぼ一致するものである。」(第6欄第23〜27行)との記載があるから、厚み変動をなくそうと思えば、当業者なら、刊行物7記載のギヤマークをなくそうとするのは明白である。
その上、本件発明1の熱可塑性高分子フィルム又はシートは、相違点Aの構成にした後、延伸されるのであるから、延伸後の厚み変動は、さらに小さくなるものである。延伸前に、相違点Aのようにしてみても、格別の意味があるとは認め難く、結局、当業者が容易に推考できたものと認められる。
次に、相違点Bについて検討すると、刊行物2の示唆(刊行物3の第2頁右下欄第1行及び特開昭63-261302号公報第2頁左下欄第16行にも同様の示唆がある。)によりレターデーションの振れ幅を小さくする際に、その値をどれぐらいにするかは当業者が適宜決定できる設計的な事項に過ぎない。
それゆえ、相違点Bの構成とすることは、当業者にとって容易であり、また、格別顕著な作用効果が生ずるものでもない。
最後に、相違点Cについて検討すると、液晶表示装置用位相差板は、従来周知の技術手段(例えば、特開昭63-25629号公報、特開昭61-219933号公報等を参照。)に過ぎず、刊行物2の示唆により、当該周知技術を適用することは、当業者にとって容易であり、また、当該適用によって格別顕著な作用効果が生ずるものでもない。
5本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の熱可塑性高分子フィルム又はシートが「溶剤キャスト法により連続的に製造された」と限定するものであるが、上記iii)に記載されているから、本件発明1と同様の判断となる。
6本件発明3について
本件発明3は、本件発明1の位相差板を「二軸配向性を有し、レターデーションの値が500nm以下であり、液晶表示装置の視角特性の向上に用いられる」と限定するものである。
本件特許掲載公報第4欄40〜41行には、「視角特性の向上等に用いられる二軸配向性を有する光学フィルムとしては概ね500nm以下の範囲」との記載があり、レターデーションの値と視覚特性及び二軸配向性とが関連づけられているところ、上記i)の「レターデーションの測定値が475〜625nm」の記載からみて、レターデーションの値が500nm以下であり、が開示されているから、視覚特性の向上に用いられ、二軸配向性を有する。
してみれば、本件発明1と同様の判断となる。
7本件発明4について
本件発明4は、本件発明1の位相差板を「偏光板に積層してなる複合偏光板」と限定するものであるが、位相差板に偏光板を積層することは従来周知(例えば、刊行物10、特開昭61-219933号公報、特開昭56-78875号公報等を参照。)の技術手段に過ぎないから、本件発明1と同様の判断となる。
(IV)むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1〜4に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件請求項1〜4に係る発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
光学フィルム
(57)【特許請求の範囲】
(1)押出方向に連続的に厚みの変化を測定したとき、50mm以下のピッチで、かつ、厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み変動の存在しない熱可塑性高分子フィルム又はシートを押出方向に対して直角方向に一軸に、又は二軸に延伸して形成されるフィルム又はシートからなり、そのレターデーションの値が1200nm以下であり、かつ、レターデーションのフレ幅が10%以下であることを特徴とする液晶表示装置用位相差板。
(2)前記熱可塑性高分子フィルム又はシートが溶剤キャスト法により連続的に製造された熱可塑性高分子フィルム又はシートである請求項1に記載の液晶表示装置用位相差板。
(3)二軸配向性を有し、レターデーションの値が500nm以下であり、液晶表示装置の視角特性の向上に用いられる請求項1に記載の位相差板。
(4)請求項1に記載の位相差板を偏光板に積層してなる複合偏光板。
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、液晶表示装置等に適用しうる光学用フィルムに関するものである。
〔従来技術〕
光学フィルムとして、現在実用に供されているものとして、(1)偏光板の保護フィルム等に用いられている、100nm以下のレターデーション値を有する低複屈折性の光学フィルム、(2)防眩材料等に用いられる1/4λ(130〜150nm)のレターデーション値を有する複屈折性の光学フィルム等が知られている。
低複屈折性の光学フィルムとしては、偏光板の保護フィルム等に用いられている三酢酸セルロースフィルム等が例示され、又、1/4λのレターデーション値を有する複屈折性の光学フィルムとしては、酢酸セルロース系(二酢酸セルロース等)のフィルムを一軸方向に延伸処理したフィルム等が例示される。1/4λのレターデーション値を有する光学フィルムは、直線偏光板の光学軸に対して45度傾けて貼り合わせると円偏光板となり、反射光をカットする防眩機能があるので、VDTフィルターをはじめとする各種の防眩材料に使用されている。なお、レターデーション値(R値)とは、フィルム又はシートの複屈折率(Δn)と厚さ(d)の積、すなわちR=Δn×dで表わされる。
一方、特開昭61-186987号公報、特開昭60-26322号公報に記載されているように、液晶分子のねじれ角が90度であり、液晶セルの上下に一対の偏光板をその吸収軸が直交又は平行になるように配置された液晶表示装置(一般にTN型液晶表示装置といわれ、時計・電卓等に適用されてきた)に複屈折性の光学フィルムを適用し、表示品質を向上させようという試みもなされている。
さらに、近来、表示容量の増大、表示画面の拡大要請に伴って、液晶分子のねじれ角を90度以上、すなわち、180〜270度にした液晶表示装置が開発された(一般にSTN型液晶表示装置といわれている)。しかし従来のTN型液晶表示装置では可能であった白黒表示が、STN型液晶表示装置では、液晶分子の複屈折に起因する着色が生じ白黒表示が出来なくなる。一例を示せば背景色が黄緑色であり、表示色が濃紺色である。表示装置がこのような色相を有していると、マルチカラー、フルカラーといったカラー表示を行う際に制約をうけることが多い、この問題点を解決するために、例えば日経マイクロデバイス1987年10月号84頁に記載されているように、偏光板とSTN型液晶セルにもう1枚色消し用の液晶セルを光学補償板として加え、着色を解決し、白黒表示を可能にする方法が示されている。しかし該方法は(1)値段が高く経済性に劣る、(2)重く、(3)厚いといった問題点があり、複屈折性の光学フィルムにて代替することが検討されている。
さらに、液晶表示装置の表示品位を向上させるために、各種のレターデーション値を有する一軸延伸の複屈折性光学フィルム、二軸延伸の複屈折性光学フィルム等が各種液晶表示装置に検討されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の光学用フィルムでは、これら液晶表示装置等の新しい用途に対して、(1)光学的にレターデーション値があわない、(2)光軸の任意コントロールが出来ない、(3)縞模様等に代表される光学的色ムラが大きく、むしろ液晶表示装置の表示品位をそこなう場合がある等の理由により、適用することが出来ない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記の課題を解決するために研究を重ねた結果完成されたものである。
すなわち本発明は、押出方向に連続的に厚みの変化を測定したとき、50mm以下のピッチで、かつ、厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み変動の存在しない熱可塑性高分子フィルム又はシートからなり、そのレターデーションの値が1200nm以下であり、かつ、レターデーションのフレ幅が10%以下であることを特徴とする光学用フィルムを提供するものである。
また、本発明は、押出方向に連続的に厚みの変化を測定したとき、50mm以下のピッチで、かつ、厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み変動の存在しない熱可塑性高分子フィルム又はシートを押出方向に対して直角方向に一軸に、又は二軸に延伸して形成されるフィルム又はシートからなり、そのレターデーションの値が1200nm以下であり、かつ、レターデーションのフレ幅が10%以下であることを特徴とする光学用フィルムを提供するものである。
本発明の光学用フィルムは直交ニコル下にその光軸が45度になるように配置して光学的色ムラを観察したとき、周期的に濃淡の縞模様がないことを特徴とし、この優れた光学的特性を生かして位相差板として偏光板に積層して複合偏光板等に用いられるものである。
本発明の光学用フィルムのレターデーション値は、用途によって0〜1200nmの範囲から任意のものが選ばれる。
例えば、STN液晶表示装置の色補償用の光学フィルムとして用いる場合は概ね30〜1200nm、好ましくは200〜1000nmの範囲、液晶セルのムラを補償し表示品位を向上させるために用いる光学フィルムとしては概ね0〜200nmの範囲、視角特性の向上等に用いられる二軸配向性を有する光学フィルムとしては概ね500nm以下の範囲、偏光板の保護フィルム等の光学フィルムとして用いる場合は概ね100nm以下の範囲でむしろ無配向であるものがよく、さらには、光学フィルター等の用途に用いる光学フィルムとしては目的に応じて0〜1200nmの範囲のなかに適切なものが決定される。
また本発明にあっては光学フィルムのレターデーションの値の振れ幅(ΔR)は10%以下、好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。
前記した光学的な色ムラのない光学フィルムを得るためには、熱可塑性高分子フィルムまたはシートの厚み精度は高くかつ均一なものである必要がある。具体的には、押出方向に連続的に厚みの変化を測定したとき50mm以下のピッチで、かつ、厚みの振幅が0.5μm以上、好ましくは0.3μm以上である正弦波状の厚み変動が存在しない熱可塑性高分子フィルムまたはシートがそのまま、ゼロもしくは200nm以下の低複屈折性の光学フィルムとして用いられる。さらには該フィルム又はシートを延伸することにより、直交ニコル下で押出方向に対して直交方向に周期的な濃淡の縞模様のみえない光学的に色ムラのない優れた複屈折性の光学フィルムを得ることもできる。
第2図及び第3図に本発明の実施例及び比較例に対応する押出方向の厚み変化を図示した。第2図から理解されるように、厚みの振れ巾が比較的に大きくてもそのピッチが大きければ延伸後の押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が観察されない。他方、第3図のように、比較的の振幅は小さいがピッチの巾も狭い場合には該フィルム又は延伸後のフィルムの濃淡の縞模様が観察されやすい。
本発明の光学用フィルムに用いられる熱可塑性樹脂を例示するならば、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸メチルを主成分とし他のエチレン系コモノマーを共重合させて得られるメタクリル酸メチル共重合体等のポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン、スチレンを主成分とし他のエチレン系コモノマーを共重合させて得られるスチレン共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル共重合体等のアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン共重合体、プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等およびこれらの変性物、およびこれらの樹脂に高分子液晶または低分子液晶等の透明な低分子化合物または透明な無機化合物をブレンドしたものから選ばれる少なくとも1種以上の樹脂材料があげられる。
なかでも、好ましい樹脂としてポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-メチルメタクリレート共重合体、等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル共重合体等のポリエステル系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォンを例示することができる。
前記した熱可塑性樹脂から本発明の光学フィルムを連続的に製造する方法としては、溶剤キャスト法、溶融押出加工法、またはカレンダー加工法等があげられるが、なかでも溶剤キャスト法が好ましいものである。具体的にはポリカーボネート、スチレン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂等の樹脂を原料として溶剤キャスト法により製造されるフィルムが最も好ましいものである。
溶剤キャスト法が本発明の光学用フィルムを製造するのに最も適した方法であるのは、厚みの均質性が優れていることの他にゲル状物質やブツ等の欠点が生じにくい点にもある。溶剤キャスト法においては溶液中のポリマー濃度を適切に維持することが重要である。適切なポリマー濃度はポリマーの種類やポリマーの分子量、溶剤によっても異なるが、10〜35重量%、好ましくは15〜30重量%であり、分子量約60000のポリカーボネート樹脂の場合、より好ましくは18〜25重量%である。
本発明において、正弦波状の周期的な厚みの変動とは、例示すれば第3図に示されるような厚み変動を言う。第3図に示されるように厚みの変動が比較的小さくてもそのピッチが小さく規則的であると延伸後の押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が顕著に見え好ましくない。これに対し、第2図に示されるように厚みの変動(振巾)が比較的大きくてもそのピッチが大きくまた不規則であれば縞模様が観察されず好ましい光学用フィルムとなる。
この正弦波状の厚み変動は溶剤キャスト法、押出加工法、およびカレンダー加工法等で連続的に成形される(原反)フィルムまたはシートに押出方向に対して直角方向に現われるギヤーマークあるいは粘着マークと呼ばれる外観上の縞模様にほぼ一致するものである。
なお本発明でいう押出方向とは溶剤キャスト法、押出加工法及びカレンダー加工法等で成形されるフィルム又はシートの引取方向(長手方向)のことを指す。
上記の方法により製造されたフィルム又はシートは用途に応じてそのままあるいはさらに延伸処理を施した後本発明の光学用フィルムとして用いることができる。
成形加工して得られたフィルム又はシートは成形条件によってはダイライン等の欠陥が生じたり、微少な配向が発生することがある。延伸によって複屈折性の光学フィルムを得る場合、このような微少な配向を減らす方法としては、延伸前に熱処理を行なうと効果がある。
フィルム又はシートの加熱変形温度以上の温度で熱処理を実施すると、フィルム又はシートの複屈折率は、実質的にゼロとなり、本発明の複屈折ゼロの光学フィルムが得られる。該光学フィルムは偏光板の保護フィルム、レーザーカード用保護フィルム等、複屈折ゼロを必要とされる用途にて適用される。
上記のようにして得られた光学フィルムを最適な複屈折性を有するように延伸を実施することによって、本発明の複屈折性を有する光学フィルムが得られる。
一軸方向に延伸する方法として、テンター法による横一軸延伸法、ロール間による縦一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法等公知の方法が採用されるが、得られたフィルム又はシートの光学的色ムラが少なくなる延伸法としてテンター法による横一軸延伸法が有用である。
横一軸延伸法において、均一な延伸をおこなうためには、延伸温度を適切に選択することが大切である。延伸温度は引張試験の応力-歪曲線で見掛上降伏点がなくなる温度以上を必要とする。延伸温度が応力-歪曲線で降伏点が現われる温度域あるいはそれ以下では不均一な延伸となり、延伸品に厚みムラが生じレターデーションの振れ幅、変化率は大きくなる。
延伸倍率はとくに限定されず、又用いる熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが1.2〜6倍程度好ましくは1.2〜4.0倍程度である。
延伸後の熱処理工程は得られた延伸フィルム又はシートの寸法安定性の向上、およびレターデーションの均一性向上のためには、有用な工程となり、熱処理温度は延伸温度以下から加熱変形温度付近までが好ましい。
なお加熱変形温度とはJIS K 6735 18.6kgf/cm2で測定した値を云う。
二軸方向に延伸する方法としては、一軸方向に前記の公知の方法で延伸したあと、その直交方向に延伸する逐次二軸延伸法、あるいは縦、横同時に延伸する同時二軸延伸法等あり、本発明の光学フィルムに必要とされる物性値により、適宜選択される。
本発明におけるレターデーションは偏光顕微鏡、分光光度計等により測定することができ、レターデーションの平均値(R)は延伸フィルム又はシートから30cm×30cmのサンプルを採取し、均等に36箇所を選んで測定した36点の平均値で表わし、レターデーションの振れ幅(ΔR)は前記した36点の最大値と最小値の差を平均値で除した値(百分率で表わす)、をいう。
また直交ニコル下で観察される押出方向と直角に現われる濃淡の縞模様は該位相差板(30cm×30cm)を直交ニコル下にその光軸が約45°になるように配置して透過光の色ムラを肉眼観察することで観察できる。
なお濃淡の横縞模様が著しい場合は該位相差板を押出方向に連続的に厚みの変化を測定したとき原反フィルムまたはシートと類似の正弦波状の厚み変動が存在することもある。
レターデーションの振れ幅(ΔR)が10%以上もしくは直交ニコル下で観察される濃淡の縞模様が現われると光学的ムラにより各種光学用途、とくに液晶表示装置の用途に使用できない。
本発明になる光学フィルムは、偏光板の片面に貼合して複合偏光板とすることによっても液晶表示装置等に適用することができる。
本発明の複合偏光板を構成する偏光板については、任意の偏光板を用いることが出来る。一例を示せば、ポリビニルアルコール、又はその誘導体からなるフィルムを一軸に延伸配向させ、偏光素子としてよう素や二色性染料を吸着させたのち、非旋光性の三酢酸セルロース等のセルロース系フィルムをその両側に貼合したものである。さらには、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸、又はポリビニルアルコール系フィルムの脱水処理により得られたポリエン系の偏光板、ポリエチレンテレフタレート等の疎水性樹脂に二色性染料をブレンドし、一軸に配向させたタイプの偏光板等を用いることが出来る。なかでも、ポリビニルアルコールフィルムに、よう素や二色性染料を吸着し、一軸に配向した偏光子に三酢酸セルロース等のセルロース系フィルムを保護フィルムとしてその両側に貼合したものは、偏光特性、色相特性の上から好ましい。
本発明の光学用フィルム、及び偏光板を用いて、本発明の複合偏光板を形成するには、偏光板の光軸と本発明の光学フィルムの光軸を液晶表示装置等に配置したときに表示品位が最適になるように組み合わせて粘着剤あるいは接着剤等を用いて貼り合わせることによって得られる。
例えば、位相差板1枚を偏光板に貼合する場合には、偏光板の光学軸と位相差板の光学軸を15〜75度、好ましくは30〜60度、さらに好ましくは40〜50度の範囲で貼り合わせることによって達成される。
さらに直線偏光板の片側の保護フィルムを除去し、偏光子に直接位相差板を接着剤、あるいは粘着剤等を用いて貼り合わせた構成のもの、保護フィルムの無い、疎水性高分子フィルムと二色性染料の組合せからなる直線偏光板の片側に、位相差板を接着剤、あるいは粘着剤等を用いて貼り合わせた構成のもの等も本発明の複合偏光板の範囲に含まれるものである。
〔発明の効果〕
このようにして得られた光学フィルム、あるいは複合偏光板は、光学的ムラがほとんど観察されず、かつ80℃および60℃×90%RHでの耐久性促進テストに合格できるものであるから、光学フィルムの配向性およびレターデーション値等の光学特性値に応じて、目的とする液晶表示装置等の新規用途に適用することが出来る。
液晶表示体に適用する場合の一例を以下に示す。
(1)液晶分子のねじれ角が90度であるTN型液晶表示装置の上偏光板の上側に、位相差板を配置すれば、偏光サングラスを通してみたとき、どの方向からみても虹模様等はなく、従来の楕円偏光板を用いた場合に比べて表示品質は著しく向上する。
(2)液晶分子のねじれ角が90度であるTN型液晶表示装置の上偏光板の下側に、位相差板を配置すれば、液晶層の干渉色を大画面にわたって均一に無くすることができ、表示品質が著しく向上する。
(3)液晶分子のねじれ角が180〜270度であるSTN型の液晶表示装置においては、液晶層の複屈折に起因する着色が生じる。STN型液晶表示装置の上偏光板又は下偏光板と液晶セルの間に、本発明の位相差板をその光学軸が30〜60度、好ましくは40〜50度の範囲になるように貼り合わせることによって、表示品質が良好となる。一対の偏光板はその光学軸を直交もしくは直交に近い状態、又は平行、もしくは平行に近い状態に配置することによって白黒表示が可能となり、表示品質が向上する。
(4)液晶セルの複屈折を電場印加により制御する方式(複屈折制御(ECB方式)といい、代表的な表示方式に、液晶分子の長軸を垂直方向に制御したホメオトロピック(DAP)液晶セルがある)においては、複屈折に起因する着色が生じる。この着色を補償するために前記のSTN液晶表示装置と同様に、複屈折性の光学フィルムを適用し、表示品位を向上させることが出来る。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。なお実施例における位相差板のレターデーション値の測定は、偏光顕微鏡に備えつけたセナルモンコンペンセーター(546nm)を使用し、光源にはハロゲンランプを用いた。実施例における直線偏光板は、例えば特開昭61-20008号公報に記載されたような方法によって作成した、ポリビニルアルコールに二色性色素としてよう素を一軸に吸着配向させたものである。必要に応じて三酢酸セルロース等の透明な非旋光性高分子フィルムを保護フィルムとして貼合したものである。
実施例1
溶剤キャスト法により厚さ180μmで、第2図に示したように押出方向の連続的な厚み変化に正弦波状の厚み変動が現われない透明ポリカーボネートフィルム(加熱変形温度135℃)を作成した。
該フィルムは、Rが40nm、ΔRが6.8%で光学的に均質な光学フィルムであった。
実施例2
実施例1で得た光学フィルムを190℃で10分間熱処理をおこないR<10nmの光学的にほぼ無配向である光学フィルムを得た。
実施例3
実施例1で得た光学フィルムからJIS3号ダンベル(5mm幅)のサンプル片を採取し加熱変形温度付近の温度で引張試験を行ない応力-歪曲線で見掛上降伏点がなくなる温度が約165℃であることを求めた。(応力-歪曲線を第1図に示す)延伸は平野金属(株)製のテンター設備(2m幅×9m長)を用い横一軸延伸で行なった。
該フィルムを予熱工程で190℃に加熱し、該フィルムの複屈折率を0.4×10-4とした後、延伸工程で170℃で横一軸に1.8倍延伸を行ない140℃で熱処理を行なって厚さ100μmの延伸フィルムを得た。該延伸フィルムはRが540nm、ΔRが4.5%であり、直交ニコル下にその光軸が45°になるように配置して観察しても押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が見えず、光学的にムラの少ない均質な光学フィルムであった。
この光学フィルムをアクリル系粘着剤を用いて偏光板の片一方の面に光学軸が約45度になるように貼りつけて、本発明の複合偏光板を得た。
さらにこの光学フィルムを液晶分子のねじれ角が200度である液晶表示装置の液晶セルと上偏光板の間に貼合して使用したところ、背景色が白、表示部が黒のほぼ白黒表示が可能となり、虹模様等色ムラは無く、良好な表示品質の液晶表示装置が得られた。
実施例4
実施例1の光学フィルム、テンター設備を用い横一軸延伸を行なった。該フィルムを予熱工程で195℃に加熱し、該フィルムの複屈折率を0.24×10-4とした後、延伸工程で175℃で横一軸に1.5倍延伸を行ない、140℃で熱処理を行なって厚さ120μmの延伸フィルムを得た。
該延伸フィルムはRが280nm、ΔRが8.5%であり、直交ニコル下にその光軸が45°になるように配置して観察しても押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が見えず、光学的にムラの少ない均質な光学フィルムであった。
この光学フィルムをアクリル系粘着剤を用いて偏光板の片一方の面に光軸が45度になるように貼りつけて、本発明の複合偏光板を得た。
さらにこの光学フィルムを液晶分子のねじれ角が200度である液晶表示装置の液晶セルと上偏光板の間に粘着剤を介して貼合して使用したところ、背景色が白、表示部が黒のほぼ白黒表示が可能となり、虹模様等色ムラは無く、良好な表示品質の液晶表示装置が得られた。
実施例5
実施例1の光学フィルム、テンター設備を用い横一軸延伸を行なった。該フィルムを予熱工程で198℃に加熱し、該フィルムの複屈折率を0.35×10-4とした後、延伸工程で168℃で横一軸に2.2倍延伸を行ない、140℃で熱処理を行なって厚さ82μmの延伸フィルムを得た。該延伸フィルムはRが830nm、ΔRが6.6%であり、直交ニコル下にその光軸が45°になるように配置して観察しても押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が見えず、光学的にムラの少ない均質な光学フィルムであった。
該位相差板を液晶分子のねじれ角が200度である液晶表示装置の液晶セルと上偏光板の間に粘着剤を介して貼合して使用したところ、背景色が白、表示部が黒のほぼ白黒表示が可能となり、虹模様等色ムラは無く、良好な表示品質の液晶表示装置が得られた。
比較例1
溶融押出法で、厚さ180μmで、第3図に示したように押出方向の連続的な厚み変化に正弦波状の厚み変動(ピッチ23mm、振幅1.5μm、ギヤ状マークと総称される縞模様)が存在する透明ポリカーボネートフィルム(加熱変形温度135℃)を作成した。該フィルムは、Rが30nm、ΔRが21.0%の光学フィルムであった。
比較例2
比較例1で得た光学フィルムを190℃で10分間熱処理をおこない、R<10nmの光学的にほぼ無配向である光学フィルムを得た。ただし該フィルムは、ギア状マークの存在するものであった。
比較例3
比較例1で得た光学フィルムを用いる以外は実施例3と全く同様に実施し、厚さ100μmの延伸フィルムを得た。該延伸フィルムは、Rが535nm、ΔRは11.4%、で直交ニコル下にその光軸が45°になるように配置して色ムラを観察したところ押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が観察され、実施例3と比較して均質性に劣る光学フィルムしか得られなかった。
さらにこの光学フィルムを実施例3と同様に液晶表示装置に適用したところ背景色が白、表示部が黒のほぼ白黒表示が可能となったが、濃淡の縞模様が明瞭に見え、良好な表示品質の液晶表示装置が得られなかった。
比較例4
比較例1の光学フィルムを用いる以外は実施例4と全く同様に延伸加工を行ない厚さ120μmの延伸フィルムを得た。該延伸フィルムは、Rが280nm、ΔRが10%であったが直交ニコル下にその光軸が45°になるように配置して色ムラを観察したところ押出方向に対して直角方向に濃淡の横縞模様が観察され、実施例4と比較して均質性の劣る光学フィルムしか得られなかった。
さらにこの光学フィルムを実施例4と同様に液晶表示装置に適用したところ、背景色が白、表示部が黒のほぼ白黒表示が可能となったが濃淡の縞模様が明瞭に見え良好な表示品質の液晶表示装置が得られなかった。
実施例6
溶融押出法により、厚さ400μmで第4図に示すように押出方向の連続的な厚み変化に正弦波状の厚み変動が現われないポリエステル共重合体フィルム(PET G6768、イーストマンケミカル社、加熱変形温度81℃)を作成した。該フィルムはRが70nm、ΔRが9.2%で光学的に均質な光学フィルムを得た。
実施例7
実施例3と同様の方法で、見掛上降伏点がなくなる温度が約105℃であることを求めた。該フィルムを135℃の温度であらかじめ予熱したあと、122℃の温度でテンター法による横一軸延伸をおこない厚さ約240μmの延伸フィルムを得た。該延伸フィルムはRが485nm、ΔRが5.8%で、直交ニコル下にその光軸が45°になるように配置して色ムラを観察しても押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が見えず、光学的にムラの少ない均質な光学フィルムであった。
この光学フィルムをアクリル系粘着剤を用いて偏光板の片一方の面に光学軸が約45度になるように貼りつけて本発明の複合偏光板を得た。さらにこの位相差板を実施例1と同様に液晶表示装置に適用したところ、ほぼ白黒表示の良好な品質の液晶表示装置が得られた。
比較例5
溶融押出法により、厚さ400μmで第5図に示したように、押出方向の連続的な厚み変化に、正弦波状の厚み変動(ピッチ30mm、振幅2.5μm、ギヤ状マークと総称される横縞模様)が存在するポリエステル共重合体フィルム(PET G6768、イーストマンケミカル社、加熱変形温度81℃)を作成した。該フィルムはRが65nm、ΔRが20.4%の光学フィルムであった。
比較例6
比較例5のフィルムを用いる以外は、実施例7と全く同様に実施し、延伸フィルムを得た。該延伸フィルムは、Rが525nm、ΔRが10.8%で、直交ニコル下にその光軸が45°になるように配置して色ムラを観察したところ、押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が観察され、実施例7と比較して、均質性の劣る光学フィルムしか得られなかった。
さらにこの光学フィルムを実施例3と同様に液晶表示装置に適用したところ、ほぼ白黒表示が可能となったが、濃淡の縞模様が明瞭に見え、良好な表示品質の液晶表示装置が得られなかった。
実施例8
溶融押出法により、厚さ200μmで第6図に示すように押出方向の連続的な厚み変化に正弦波状の厚み変動が存在しないポリサルホンフィルム(加熱変形温度174℃)を作成した。該フィルムはR=55nm、ΔRが7.6%の光学フィルムであった。
実施例9
実施例3と同様の方法で見掛け上降伏点がなくなる温度が約200℃であることを求めた。該フィルムを230℃の温度であらかじめ予熱したあと、210℃の温度でテンター法による横一軸延伸を実施し、厚さ約10.5μmの延伸フィルムを得た。該延伸フィルムはRが780nm、ΔRが7.5%で、直交ニコル下にその光軸が45°になるように配置して色ムラを観察しても押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が見えない光学的にムラの少ない均質な光学フィルムであった。
この光学フィルムをアクリル系粘着剤を用いて偏光板の片一方の面に光軸が約45度になるように貼りつけて本発明の複合偏光板を得た。さらにこの光学フィルルを、実施例5と同様に液晶表示装置に適用したところ、ほぼ白黒表示の良好な品質の液晶表示装置が得られた。
比較例7
溶融押出法により、厚さ200μmで、第7図に示すように、押出方向の連続的な厚み変化に、正弦波状の厚み変動(ピッチ25mm、振幅2μm、ギヤ状マークと総称される横縞模様)が存在するポリサルホンフィルム(加熱変形温度、174℃)を作成した。該フィルムは、R=60nm、ΔRが19.0%の光学フィルムであった。
比較例8
比較例7のフィルムを用いる以外は、実施例9と全く同様に実施し、延伸フィルムを得た。該延伸フィルムはRが790nm、ΔRが10.0%で、直交ニコル下にその光軸が45°になるように配置して色ムラを観察したところ押出方向に対して直角方向に濃淡の縞模様が観察され、実施例9と比較して、均質性の劣る光学フィルムしか得られなかった。
さらにこの光学フィルムを実施例5と同様に液晶表示装置に適用したところ、ほぼ白黒表示が可能となったが、濃淡の縞模様が明瞭に見え、良好な表示品質の液晶表示装置が得られなかった。
実施例10
実施例1で得た光学フィルムを、175℃で1.5倍の縦横同時の二軸延伸をおこない二軸延伸フィルムを得た。
該延伸フィルムは、面内ほぼ無配向であり、厚み方向に屈折率異方性を有する光学フィルムであった。該フィルムは、直交ニコル下に配置して観察しても、濃淡の縞模様が見えず、光学的にムラの少ないものであった。
比較例9
比較例1で得た光学フィルムを実施例10と同様に延伸をおこない二軸延伸フィルムを得た。該延伸フィルムは面内ほぼ無配向であり厚み方向に屈折率異方性を有する光学フィルムであったが、実施例10と比較して直交ニコル下における濃淡の縞模様が明瞭に見え、光学的にムラの多いものであった。
実施例11
ポリスチレンとアセトン/シクロヘキサン混合溶媒を用いてポリマー濃度20%のドープ液を調製した。このドープ液を用いて、溶剤キャスト法により厚さ300μmで第8図に示したように、機械方向の連続的な厚み変化をみたとき、正弦波状の周期的な厚み変動があらわれない透明ポリスチレンフィルム(加熱変形温度98℃)を作成した。
このフィルムはR値が35nm、ΔR値が8.3%であり、光学的に均質な光学用フィルムであった。
実施例12
実施例11で得られたフィルムを140℃の温度で予熱したあと、110℃の温度でテンター法による横一軸延伸をおこない、厚さ約150μmの延伸フィルムを得た。該延伸フィルムはR値が515nm、ΔR値が6.8%で、直交ニコル下にその光軸が、45度になるように配置して色ムラを観察しても濃淡の縞模様が見えず、光学的にムラの少ない均質な光学フィルムであった。
この光学フィルムをアクリル系粘着剤を用いて、偏光板の片一方の面に光軸が45度になるように貼りつけて、本発明の複合偏光板を得た。さらにこの光学フィルムを実施例3と同様に液晶表示装置に適用したところ、ほぼ白黒表示の良好な表示品質の液晶表示装置が得られた。
実施例13
実施例11で得られたフィルムを110℃で2倍の縦横同時の二軸延伸をおこない二軸延伸フィルムを得た。
該延伸フィルムは面内ほぼ無配向であり、厚み方向に屈折率異方性を有する光学フィルムであった。該フィルムは直交ニコル下に配置して観察しても、濃淡の縞模様が見えず、光学的にムラの少ないものであった。
実施例14
スチレン/アクリロニトリル共重合体(組成比73/27)とアセトン/メチルエチルケトン混合溶媒を用いてポリマー濃度18%のドープ液を作成した。
このドープ液を用いて溶剤キャスト法により厚さ300μmで第9図に示したように、機械方向の連続的な厚み変化をみたとき、正弦波状の厚み変動があらわれない透明ポリスチレンフィルム(加熱変形温度102℃)を作成した。
このフィルムはR値が40nm、ΔR値が6.6%であり、光学的に均質なフィルムであった。
実施例15
実施例14で得られたフィルムを160℃の温度で予熱したあと、120℃の温度でテンター法による横一軸延伸をおこない、厚さ約145μmの延伸フィルムを得た。該延伸フィルムはR値が560nm、ΔR値が5.9%で直交ニコル下にその光軸が45度になるように配置して色ムラを観察しても濃淡の縞模様が見えず、光学的にムラの少ない均質な光学フィルムであった。この光学フィルムをアクリル系粘着剤を用いて、偏光板の片一方の面に光軸が45度になるように貼りつけて本発明の複合偏光板を得た。さらにこの光学フィルムを実施例3と同様に液晶表示装置に適用したところ、ほぼ白黒表示の良好な表示品質の液晶表示装置が得られた。
実施例16
実施例14で得られたフィルムを120℃の温度で、1.7倍の縦横同時の二軸延伸をおこない、二軸延伸フィルムを得た。
該延伸フィルムは、面内ほぼ無配向であり、厚み方向に屈折率異方性を有する光学フィルムであった。該フィルムは直交ニコル下に配置して観察しても濃淡の縞模様が見えず光学的にムラの少ないものであった。
比較例10
実施例14と同じ樹脂を用いて、溶融押出法により厚さ300μmで第10図に示したように機械方向の連続的な厚み変化をみたとき、正弦波状の周期的な厚み変動(ピッチ25mm、厚み変動1.5μm、ギア状マークと総称される縞模様)が存在するフィルムを作成した。該フィルムはR値が55nm、ΔR値が14.3%の光学フィルムであった。
比較例11
比較例9のフィルムを用いる以外は、実施例15と全く同様に実施し、延伸フィルムを得た。該延伸フィルムは、R値が550nm、ΔR値が11.8%で、直交ニコル下にその光軸が45度になるように配置して色ムラを観察したところ濃淡の縞模様等が観察され実施例15と比較して均質性の劣る光学フィルムしか得られなかった。
さらにこの光学フィルムを実施例15と同様に液晶表示装置に適用したところ、ほぼ白黒表示が可能となったが、濃淡の縞模様が明瞭に見え、良好な表示品質の液晶表示装置が得られなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1〜5、10および比較例1〜4,9,11で用いたポリカーボネートフィルムの応力〜歪曲線を示す。
第2図は実施例1〜2、第3図は比較例1〜2、第4図は実施例6、第5図は比較例5、第6図は実施例8、第7図は比較例7、第8図は実施例11、第9図は実施例14、第10図は比較例10の各光学フィルムについて押出方向に連続的に厚み測定を行なった厚み変動曲線を示す。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許請求の範囲の減縮ないし明りょうでない記載の釈明を目的として、下記(1)〜(5)のように特許請求の範囲を訂正する。また、明りょうでない記載の釈明ないし誤記の訂正を目的として、発明の詳細な説明についても、下記(6)〜(11)のように訂正する。
(1)訂正前の特許請求の範囲請求項1及び2を削除する。
(2)訂正前の特許請求の範囲請求項3を請求項1に繰り上げ、「押出方向に連続的に厚みの変化を測定したとき、50mm以下のピッチで、かつ、厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み変動の存在しない熱可塑性高分子フィルム又はシートを押出方向に対して直角方向に一軸に、又は二軸に延伸して形成されるフィルム又はシートからなり、そのレターデーションの値が1200nm以下であり、かつ、レターデーションのフレ幅が10%以下であることを特徴とする液晶表示装置用位相差板。」と訂正する。
(3)訂正前の特許請求の範囲請求項4を請求項2に繰り上げ、「前記熱可塑性高分子フィルム又はシートが溶剤キャスト法により連続的に製造された熱可塑性高分子フィルム又はシートである請求項1に記載の液晶表示装置用位相差板。」と訂正する。
(4)訂正前の特許請求の範囲請求項5を請求項3に繰り上げ、「二軸配向性を有し、レターデーションの値が500nm以下であり、液晶表示装置の視角特性の向上に用いられる請求項1に記載の位相差板。」と訂正する。
(5)訂正前の特許請求の範囲請求項6を請求項4に繰り上げ、「請求項1に記載の位相差板を偏光板に積層してなる複合偏光板。」と訂正する。
(6)明細書第22頁第1行(特許掲載公報第10欄第4行)の「粘合」を「貼合」と訂正する。
(7)明細書第26頁第13行(特許掲載公報第11欄第34行)の「物質な」を「均質な」と訂正する。
(8)明細書第33頁第4行(特許掲載公報第13欄第48行)の「得られフィルムを」を「得られたフィルムを」と訂正する。
(9)明細書第34頁第6行(特許掲載公報第14欄第16行)の「得らたフィルム160℃」を「得られたフィルムを160℃」と訂正する。
(10)明細書第34頁第13行(特許掲載公報第14欄第21〜22行)の「物質な光学フィルムを」を「均質な光学フィルムであった。この光学フィルムを」と訂正する。
(11)明細書第34頁第16〜17行(特許掲載公報第14欄第24〜25行)の「実施例3を同様に」を「実施例3と同様に」と訂正する。
異議決定日 2002-07-22 
出願番号 特願平1-339329
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (G02B)
最終処分 取消  
前審関与審査官 瀬川 勝久山村 浩後藤 亮治  
特許庁審判長 高橋 美実
特許庁審判官 柏崎 正男
北川 清伸
登録日 2001-05-11 
登録番号 特許第3184975号(P3184975)
権利者 住友化学工業株式会社
発明の名称 光学フィルム  
代理人 中山 亨  
代理人 久保山 隆  
代理人 中山 亨  
代理人 神野 直美  
代理人 久保山 隆  
代理人 神野 直美  

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