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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1069579
審判番号 不服2001-22103  
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-07-13 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-12-10 
確定日 2002-12-16 
事件の表示 平成 3年特許願第357310号「情報処理装置及び方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 5年 7月13日出願公開、特開平 5-174068]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯、本願発明
本願は、平成3年12月24日の出願であって、平成13年5月22日付けで、その時点での、「手書き入力された文字に対応する説明を検索、表示するための構成」(以下、「構成A」という。)を構成要件とする情報検索装置及び情報検索方法に関する発明に対して、特開平2-132558号公報を主引用例として、特許法第29条第2項の規定による拒絶の理由が通知され、これに応じて、平成13年7月24日付け手続補正書により、特許請求の範囲の記載を、先の構成要件に代えて、「説明文が表示ウインドウ内に表示しきれない場合にのみスクロールボタンを表示するようにするための構成」(以下、「構成B」という。)を構成要件とする情報処理装置及び情報処理方法と補正したものである。
そして、この補正後の発明に対して、平成13年8月13日付けで新たな引用例を根拠として、特許法第29条第2項の規定による拒絶の理由が通知され、その拒絶の理由により、平成13年11月1日付けで拒絶の査定を受け、特許法第17条の2第1項第4号に規定する期間内である平成14年1月9日付け手続補正書で、特許請求の範囲の記載を「構成A」及び「構成B」を構成要件とするものに補正したものであって、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める。
「説明文の説明文データを記憶する説明文データ記憶手段と、
手書入力するための手書入力手段と、
上記手書入力手段により手書入力した軌跡に応じて対応する文字を認識する文字認識手段と、
認識された上記文字に対応する上記説明文データ記憶手段に記憶された上記説明文データを検索する説明文データ検索手段と、
上記説明文データ検索手段により検索された上記説明文、表示ウインドウ及びスクロールボタンを表示する情報表示手段と、
上記情報表示手段により表示された上記スクロールボタンが操作されたとき、上記表示ウインドウ内に表示される上記検索された説明文をスクロールさせることができるように表示するスクロールボタン処理手段と、
上記検索された説明文の文字サイズ及び/又は説明文の表示項目の数を設定する設定画面を呼び出して上記情報表示手段に表示する設定画面呼出手段と、
上記検索された説明文を表示する上記表示ウインドウの大きさ、及び上記説明文についてユーザより設定された説明文の文字サイズ及び/又は説明文の表示項目の数に応じて、上記表示ウインドウ内に表示可能な上記検索された説明文データの行数を算出する行数算出手段と、
上記検索された説明文データの全体の行数と、上記行数算出手段により算出された上記表示ウインドウ内に表示可能な説明文データの行数とを、上記スクロールボタン処理手段に転送する行数データ転送手段と、
上記検索された説明文データの全体の行数と上記表示ウインドウ内の表示可能な説明文データの行数とを比較する行数比較手段と、
上記行数比較手段により、上記検索された説明文データの全体の行数が上記表示ウインドウ内に表示可能な説明文データの行数を超える場合は、上記スクロールボタン処理手段を呼び出して上記スクロールボタンを上記情報表示手段に表示するのに対して、超えない場合は、上記スクロールボタン処理手段を呼び出さずに上記スクロールボタンを表示しないようにする表示制御手段と
を具えることを特徴とする情報処理装置。」
なお、請求項1(平成14年1月9日付け手続補正書による補正後)には、「上記スクロールボタン処理手順」なる記載が存在する(2個所)が、該記載よりも前に「スクロールボタン処理手順」なる記載は存在せず、代わりに、類似のものとして、「スクロールボタン処理手段」なる記載が存在すること、「スクロールボタン処理手順」なる記載では本願発明に係る装置の構成を明確に把握できないが、これを「スクロールボタン処理手段」と読み替えれば該装置の構成を把握できること、平成14年1月9日付け手続補正書による補正前の請求項1の対応する個所には「スクロールボタン処理手段」と記載されていること、等を勘案し、該「スクロールボタン処理手順」なる記載は、「スクロールボタン処理手段」の誤記と認め、本願発明を上記のように認定した。

2.引用例に記載された発明

これに対して、原審における平成13年5月22日付けの拒絶理由通知(平成13年5月25日発送)に引用された特開平2-132558号公報(以下、「引用例1」という。) には、携帯形情報検索装置に関して、以下の記載がある。
(1)「入力表示一体形デバイス1は…透明な入力タブレット9と液晶ディスプレイ10を一体化したものである。…手書き入力モード時、入力と表示を同時に実行し、あたかも紙に書いているような操作感覚を実現するものである。」(第2頁左下欄第20行〜同頁右下欄第7行)
(2)「アプリケーションソフト起動後、光磁気ディスク4内の所望の情報をヒットさせるための検索条件を設定し、条件に合致した情報をディスプレイ10に表示する。…例えば、…説明文(テキスト)…を重ね表示する。」(第4頁左上欄第10〜18行)
(3)「第5図は、APソフトで制御されるタスク選択メニュー画面の一例であり、…20はスクロールキー、…22はデータ表示部、23はキーボード表示部である。これらの各キーはソフトスイッチであり、入力ペン2のポイントタッチにより選択内容を入力する。この例では「検索」…「データ編集」…を表示しているが、例えば「データ編集」を選択する場合、「データ編集」という文字が表示されている部位をペンタッチすればよく、これによりデータ編集タスクが起動され、次の選択メニューの表示また、タスクの実行が開始される。」(第4頁右上欄第15行〜同頁左下欄第7行)
ここで、上記(2)(3)に摘示した記載から、引用例に記載された携帯形情報検索装置が、検索条件に対応する光磁気ディスクに記憶された説明文(テキスト)を検索する手段と、検索された説明文及びスクロールキーを表示する手段とを有していることは明らかである。さらに、スクロールキーは、その文言から、表示内容をスクロールさせる指示を与えるためのキーであると考えられるから、該引用例に記載された携帯形情報検索装置は、当然に、該スクロールキーが操作されたときに表示内容をスクロールさせることができるように表示するための処理手段を有しているものと考えられる。
したがって、引用例1には、「説明文(テキスト)を記憶する光磁気ディスクと、入力表示一体形デバイスと、検索条件に対応する上記光磁気ディスクに記憶された説明文(テキスト)を検索する手段と、上記説明文(テキスト)を検索する手段により検索された説明文及びスクロールキーを表示する手段と、上記スクロールキーが操作されたとき、表示内容をスクロールさせることができるように表示するための処理手段と、を備える携帯形情報検索装置」(以下、「引用例1に記載された発明」という。)が記載されている。

また、原審における平成13年8月13日付けの拒絶理由通知(平成13年8月17日発送)に引用された「特集 Windows3.0とは何か,ASCII VOL.15 #3 MARCH 1991 ISSUE 165,平成3年3月1日,p229-p252」(以下、「引用例2」と呼ぶ。)には、Windows3.0に関して以下の記載がある。
「ウインドウの右側と下側に出現するのがスクロールバーである。その名のとおりウインドウの中身をスクロールさせるものだが、常に出ているわけではなく,ウインドウに表示しきれない部分がある場合のみ出てくる。」(第231頁下段中央欄第10〜15行目)
そして、ここに記載された動作を実現するためには、ウインドウの中身がウインドウに表示しきれるかどうかを判断する判断手段と、その判断結果に応じてスクロールバーを表示させたり表示させなかったりするための制御手段とが必要なことは自明のことである。さらに、ここに記載された動作を実現可能な、上記Windows3.0をインストールしたパソコン等の装置を「情報処理装置」と呼び得ることも自明のことである。
したがって、引用例2には、「ウインドウの中身がウインドウに表示しきれるかどうかを判断する判断手段と、その判断結果に応じてスクロールバーを表示させたり表示させなかったりするための制御手段とを有する情報処理装置」(以下、「引用例2に記載された発明」という。)が記載されている。

3.対比
本願発明と引用例1に記載された発明とを対比すると、
引用例1に記載された発明の「説明文(テキスト)」は、本願発明の「説明文の説明文データ」に相当し、
引用例1に記載された発明の「光磁気ディスク」は、本願発明の「説明文データ記憶手段」に相当し、
引用例1に記載された発明の「入力表示一体形デバイス」は、本願発明の「手書入力手段」に相当する。
また、引用例1に記載された発明の「説明文(テキスト)を検索する手段」は、「検索条件に対応する説明文データ記憶手段に記憶された説明文データを検索する検索手段」であるという意味において、本願発明の「説明文データ検索手段」と共通し、
引用例1に記載された発明の「スクロールキー」は、上記(3)に摘示した記載及びその文言からみて、「表示内容をスクロールさせる指示を与えるためのソフトスイッチ」であると考えることができ、その意味において、本願発明の「スクロールボタン」と共通し、
引用例1に記載された発明の「検索された説明文及びスクロールキーを表示する手段」は、「検索された説明文及び表示内容をスクロールさせる指示を与えるためのソフトスイッチを表示する表示手段」であるという意味において、本願発明の「情報表示手段」と共通し、
引用例1に記載された発明の「スクロールキーが操作されたとき、表示内容をスクロールさせることができるように表示するための処理手段」は、「表示内容をスクロールさせる指示を与えるためのソフトスイッチが操作されたとき、表示内容をスクロールさせることができるように表示するための処理手段である」という意味において、本願発明の「スクロールボタン処理手段」と共通する。
さらに、引用例1に記載された発明の「携帯形情報検索装置」は、「情報処理装置」の一種である。

したがって、本願発明と引用例1に記載された発明とは、
「説明文の説明文データを記憶する説明文データ記憶手段と、
手書入力するための手書入力手段と、
検索条件に対応する上記説明文データ記憶手段に記憶された上記説明文データを検索する検索手段と、
検索された説明文及び表示内容をスクロールさせる指示を与えるためのソフトスイッチを表示する表示手段と、
前記表示内容をスクロールさせる指示を与えるためのソフトスイッチが操作されたとき、表示内容をスクロールさせることができるように表示するための処理手段と
を具えることを特徴とする情報処理装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点]
(1)本願発明は、「手書入力手段により手書入力した軌跡に応じて対応する文字を認識する文字認識手段」を具備し、「検索手段(説明文データ検索手段)」が、該「文字認識手段」で認識された文字に対応する説明文データを検索するように構成されているのに対し、引用例1に記載された発明は、そのような文字認識手段を具備せず、「検索手段(説明文データを検索する手段)」が、文字認識手段とは別の手段で設定された検索条件に対応する説明文データを検索するように構成されている点。
(2)本願発明の「表示手段(情報表示手段)」は、検索された説明文を表示する「表示ウインドウ」をも表示するものであるのに対し、引用例1に記載された発明の「表示手段(検索された説明文及びスクロールキーを表示する手段)」は、そのような「表示ウインドウ」と呼ぶべきものをも表示するのか否か不明である点。
(3)本願発明の「処理手段(スクロールボタン処理手段)」は、表示ウインドウ内に表示される検索された説明文をスクロールさせることができるように表示するものであるのに対し、引用例1に記載された発明の「処理手段(スクロールキーが操作されたとき、表示内容をスクロールさせることができるように表示するための処理手段)」は、何をスクロールさせることができるように表示するものなのかが不明である点。
(4)本願発明は、「検索された説明文の文字サイズ及び/又は説明文の表示項目の数を設定する設定画面を呼び出して情報表示手段に表示する設定画面呼出手段と、上記検索された説明文を表示する表示ウインドウの大きさ、及び説明文についてユーザより設定された説明文の文字サイズ及び/又は説明文の表示項目の数に応じて、表示ウインドウ内に表示可能な検索された説明文データの行数を算出する行数算出手段と、上記検索された説明文データの全体の行数と、上記行数算出手段により算出された上記表示ウインドウ内に表示可能な説明文データの行数とを、上記スクロールボタン処理手段に転送する行数データ転送手段と、上記検索された説明文データの全体の行数と上記表示ウインドウ内の表示可能な説明文データの行数とを比較する行数比較手段と、上記行数比較手段により、上記検索された説明文データの全体の行数が上記表示ウインドウ内に表示可能な説明文データの行数を超える場合は、上記スクロールボタン処理手段を呼び出して上記スクロールボタンを上記情報表示手段に表示するのに対して、超えない場合は、上記スクロールボタン処理手段を呼び出さずに上記スクロールボタンを表示しないようにする表示制御手段と」を有しているのに対し、引用例1に記載された発明は、そのような手段を有しているか否かが不明である点。

4.当審の判断
(1)上記相違点(1)について
「手書入力手段により手書入力した軌跡に応じて対応する文字を認識する文字認識手段」自体、及びそれを情報処理装置への情報の入力手段として用いることは周知である(必要なら、特開平1-261720号公報、特開昭62-288933号公報参照。)から、引用例1に記載された発明に係る情報処理装置(携帯形情報検索装置)への情報の入力手段として「手書入力手段により手書入力した軌跡に応じて対応する文字を認識する文字認識手段」を用い、該「文字認識手段」で認識された文字に対応する説明文データを検索するようにすることは、当業者が容易に推考し得たことである。
(2)上記相違点(2)について
表示手段に「表示ウインドウ」と呼ぶべきものを表示させること自体は、引用例2に示されるWindows3.0等にも見られるように、周知であり、また、該「表示ウインドウ」と呼ぶべきものの中に何を表示させるかは、当業者が適宜決定し得る事項であるから、引用例1に記載された発明において、「検索された説明文及び表示内容をスクロールさせる指示を与えるためのソフトスイッチを表示する手段」に該「表示ウインドウ」と呼ぶべきものをも表示させるようにし、その「表示ウインドウ」と呼ぶべきものの中に、検索された説明文を表示させるようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
また、引用例1には、検索された説明文がどこに表示されるのかに関する明示的記載はないが、該引用例1に記載された発明の発明者がその第5図に示される「データ表示部22」の部分に表示させることを想定していたのであろうことは、該引用例1の記載全体から当業者が容易に推測し得ると考えられるところ、該「データ表示部22」も「表示ウインドウ」と呼ぶべきものということができるから、この意味においても、上記相違点(2)に係る本願発明の構成に進歩性を認めることはできない。
(3)上記相違点(3)について
引用例1に記載された発明のようなスクロールキーを表示する手段を有する情報処理装置において、どのような表示内容についてスクロールを可能とするかは、当業者が必要に応じて適宜決定し得たことと考えられるから、引用例1に記載された発明において、スクロールを「検索された説明文」の表示について行うようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
(4)上記相違点(4)について
本願発明でいう「検索された説明文の文字サイズ及び/又は説明文の表示項目の数を設定」は、その「又は」の場合を考えれば明らかなように、「文字サイズ」のみを設定し、「説明文の表示項目の数」は設定しないものも包含していると解され、また、本願発明でいう「検索された説明文を表示する表示ウインドウの大きさ、及び説明文についてユーザより設定された説明文の文字サイズ及び/又は説明文の表示項目の数に応じて、表示ウインドウ内に表示可能な検索された説明文データの行数を算出する」も、その「又は」の場合を考えれば明らかなように、「表示項目の数」とは無関係に「表示ウインドウの大きさ」と「文字サイズ」のみに応じて、表示ウインドウ内に表示可能な行数を算出するものも包含していると解されるので、以下、そのような前提で検討する。
情報処理装置において、利用者の指示により出力する文字の文字サイズを変更可能(設定可能)とすることは周知であり(引用例2に示される、Windows3.0中のアクセサリソフトであるライトでも行われている他、特開昭61-132360号公報にも示されている。)、また、利用者の指示を設定画面と呼ぶべき表示画面から入力させるようにすることは、情報処理装置の技術分野における常套手段である。さらに、文字サイズの変更をどのようなものに対して可能とするかは、単なる設計事項に過ぎない。したがって、引用例1に記載された発明に、「検索された説明文の文字サイズを設定する設定画面を呼び出して情報表示手段に表示する設定画面呼出手段」に相当する手段を設けることは当業者が容易になし得たことである。
また、引用例2に記載された発明における「スクロールバー」は、その文言や引用例2中の説明からみて、引用例1に記載された発明における「スクロールキー」と同様に、「表示内容をスクロールさせる指示を与えるためのソフトスイッチ」であると考えることができ、引用例1に記載された発明と引用例2に記載された発明とは、共に、「表示内容をスクロールさせる指示を与えるためのソフトスイッチ」を表示可能な情報処理装置に関する発明であるということができるから、引用例2に記載された発明を引用例1に記載された発明に適用することも、当業者が容易になし得たことである。そして、引用例2に記載された発明を引用例1に記載された発明に適用すれば、引用例2に記載された発明の「制御手段」が本願発明の「表示制御手段」に相当することになる。
さらに、引用例1に記載された発明に、「検索された説明文の文字サイズを設定する設定画面を呼び出して情報表示手段に表示する設定画面呼出手段」に相当する手段を設けると共に、引用例2に記載された発明を適用するにあたって、本願発明における「行数算出手段」「行数データ転送手段」「行数比較手段」に相当する手段を設けることも、以下の点を勘案すれば、当業者が容易になし得たことである。
a.説明文データの全体が表示ウインドウ内に表示しきれるかどうかの判断を表示ウインドウ内に表示可能な説明文の行数と、説明文データの全体の行数との比較によってなし得ることは自明のことである。
b.上記表示ウインドウ内に表示可能な説明文の行数が、表示ウインドウの大きさと文字サイズで決まることも自明のことである。
c.上記自明の事項から必要とされる構成を、上記「行数算出手段」「行数データ転送手段」「行数比較手段」に相当する手段に具体化することは、単なる設計事項に過ぎない。
(5)本願発明の効果について
本願発明の効果は、引用例1、2に記載された発明及び周知技術から予測できる範囲内のものである。
(6)審判請求人の主張について
審判請求人は、平成14年2月18日付けで補正された審判請求書において、原査定の拒絶の理由に引用された引用例2には、「手書き入力された軌跡に基づいて検索した説明文について、表示処理をする」ような本願発明の特徴点の構成と一致するような構成を開示する記載や、示唆する記載がないから、本願は特許すべきものである旨主張している。
しかしながら、審判請求人がいう「手書き入力された軌跡に基づいて検索した説明文について、表示処理をする」構成については、上記1.で述べたように原審における平成13年5月22日付けの拒絶理由通知書(平成13年5月25日発送)でその進歩性を否定すべき引用例1等を通知し、意見を述べる機会を与えたものであり、上記4.(1)〜(5)で述べたように、本願発明に進歩性を認めることはできないから、前記請求人の主張は失当である。

5.むすび
以上のとおりであるので、本願発明は、引用例1、2に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものというべきであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-10-17 
結審通知日 2002-10-18 
審決日 2002-10-31 
出願番号 特願平3-357310
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 紀田 馨平井 誠高橋 宣博  
特許庁審判長 徳永 民雄
特許庁審判官 小曳 満昭
村上 友幸
発明の名称 情報処理装置及び方法  
代理人 田辺 恵基  

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