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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A47B
管理番号 1069589
審判番号 不服2002-8361  
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-04-05 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-05-10 
確定日 2002-12-11 
事件の表示 平成 4年特許願第269311号「吊上式家具」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 4月 5日出願公開、特開平 6- 90827]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I.手続の経緯・本願発明
本願は、平成4年9月12日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成13年8月23日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「家具の裏側の固定フレームの上下に二つのクランク軸を設けた上下二つのクランクが垂直方向に揺動する平行クランク機構を、当該家具の裏側部分を当該上下二つのクランクを連結する連結桿として、当該家具の裏側に設け、上記固定フレームの上側のクランク軸の上側部分に回転輪を設け、その回転輪に可撓なコードを巻掛け、そのコードの先端側を上記家具に連結し、そのコードの後端側に重りを取り付けて垂直に吊り降ろして成り、上記回転輪がスプロケットホイールであり、上記可撓なコードがチェンベルトまたはコックドベルトであり、上記回転輪を回転駆動するモーターを具備する吊上式家具。」(以下「本願発明」という)。

II.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された実願平2-42681号(実開平4-3034号)のマイクロフイルム(以下、「引用例1」という。)には、「バネ式昇降棚」に関し、「第1図にその構造を示す。・・・棚2は基台3と平行リンク4,5で結合されており、リンク4,5がそれぞれ軸6,7の周りに回転する事により昇降する。第2図は降下した状態を示す。バネ8は一端を基台3に、他端をワイヤ9を介してリンクが最上位に来たときのリンクの先端付近に設けた滑車10を経て棚2に接続されている」(2頁10〜17行)、「ワイヤ9をチェーンや歯付きベルト等の同期性を有するものとすると偏荷重に対しても傾いたりせず安定した動作をさせることが出来る。」(3頁13〜15行)と記載されている。
これらの記載及び図面の記載から見て引用例1には、
「棚2の裏側の基台3の上下に二つの軸を設けた上下二つのリンク4,5が垂直方向に揺動する平行リンク機構を、当該棚2の裏側部分を当該上下二つのリンク4,5を連結する連結桿として、当該棚の裏側に設け、上記基台3の上側の軸の上側部分に滑車10を設け、その滑車10にワイヤ9を巻掛け、そのワイヤ9の先端側を上記棚2に連結し、そのワイヤ9の後端側にバネを取り付け、該バネを基台3に接続して成り、上記ワイヤ9がチェーンまたは歯付きベルトであるバネ付き昇降棚。」の発明が記載されていると認められる。
同じく、実願平1-34283号(実開平2-125631号)のマイクロフイルム(以下、「引用例2」という。)には、「一対の案内レールを縦桁とし、頂部に吊下材を突設して立設する支持枠と、前記吊下材に固定滑車を介して吊下される吊戸棚と、該吊戸棚を前記案内レールに沿って昇降可能とするようにおもりを連結し支持枠に取り付けられる動滑車手段と、吊戸棚を上限,下限位置に自動的に掛止し、手動解除する係止手段とから構成したことを特徴とする台所吊戸棚装置。」(実用新案登録請求の範囲)が記載され、「動滑車手段3は、第4図に示すように吊戸棚5の頂板51中央に一端を貫通固着された第1ワイヤ31が吊下材25の中央下面に設けた固定滑車32、上部横桁22の一端部前面に設けた固定滑車33及び下部横桁23の前面に設けた固定滑車34を経由して動滑車35の軸支具36の下端部に他端を接続されている。さらに、第2ワイヤ一37は、上部横桁22に一端を固着され、動滑車35及び上部横桁22に設けた吊設具38に柚支された固定滑車39を経出して垂下した他端におもり40を取り付けている。」(4頁19行〜5頁9行、第4図参照)と記載されている。

III.対比・判断
本願発明と引用例1記載の発明を比較すると、引用例1記載の「棚」、「基台」、「軸」、「リンク」、「滑車」、「ワイヤ」、「チェーンや歯付きベルト」及び「昇降棚」は、それぞれ本願発明の「家具」、「固定フレーム」、「クランク軸」、「クランク」、「回転輪」、「可撓なコード」、「チェンベルトまたはコックドベルト」及び「吊上式家具」に相当するから、両者は、
「家具の裏側の固定フレームの上下に二つのクランク軸を設けた上下二つのクランクが垂直方向に揺動する平行クランク機構を、当該家具の裏側部分を当該上下二つのクランクを連結する連結桿として、当該家具の裏側に設け、上記固定フレームの上側のクランク軸の上側部分に回転輪を設け、その回転輪に可撓なコードを巻掛け、そのコードの先端側を上記家具に連結して成り、上記可撓なコードがチェンベルトまたはコックドベルトである吊上式家具」である点で一致し、次の点で相違する。
相違点1:本願発明は、コードの後端側に重りを取り付けて垂直に吊り降ろして成るのに対し、引用例1記載の発明は、コードの後端側にバネを取り付け、該バネを固定フレームに接続している点。
相違点2:本願発明は、回転輪がスプロケットホイールであるのに対し、引用例1記載の発明は、回転輪の構造が不明である点。
相違点3:本願発明は、回転輪を回転駆動するモーターを具備しているのに対し、引用例1記載の発明は、このようなモーターを具備していない点。

上記相違点について検討する。
(1)相違点1について
本願発明のコードの後端側の重りは、明細書の記載によれば、その重力が、コードを介して家具を引き上げる方向に作用するものである(段落【0014】参照)。ところで、吊戸棚等の家具を昇降させるものにおいて、家具に連結したコードに回転輪(滑車)を介して重りを連結し、重りの重力がコードを介して家具を引き上げる方向に作用するように構成することは、引用例2に記載のように周知の技術であり、このような技術は、家具の昇降方向が上下方向であるか、斜め方向であるかによらず共通する技術であって、引用例1記載の発明において、コードの後端側にバネを取り付け、該バネを固定フレームに連結するのに代えて、回転輪に巻掛けたコードの後端側に重りを取り付けて垂直に吊り降ろすように構成することは、当業者が容易に想到しうることである。
(2)相違点2について
引用例1には、可撓なコードをチェーンまたは歯付きベルトとすることが記載されており、このような、チェーンまたは歯付きベルトを巻掛ける回転輪を、スプロケットホイールとすることは、当業者が容易になしうることである。
(3)相違点3について
吊戸棚等の家具を昇降させるものにおいて、家具に連結したコードを巻掛けた回転輪を駆動するモーターを設け、家具の吊上げを容易にすることは、本願出願前周知の技術であり(例えば、実願昭55-188964号(実開昭57-113048号)のマイクロフイルム、特開昭58-12617号公報参照)、引用例1記載の発明において、回転輪を回転駆動するモーターを設けることは当業者が容易になしうることである。

そして、本願発明の効果は、上記引用例1、2及び上記周知技術から当業者が容易に予測しうる程度のことである。

IV.むすび
以上のとおり、本願発明は、本願出願前に頒布された引用例1、2及び本願出願前周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-08-27 
結審通知日 2002-09-17 
審決日 2002-09-30 
出願番号 特願平4-269311
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A47B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 忠夫渋谷 知子  
特許庁審判長 安藤 勝治
特許庁審判官 山口 由木
長島 和子
発明の名称 吊上式家具  
代理人 千葉 茂雄  
代理人 千葉 茂雄  
代理人 千葉 茂雄  
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