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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A47B |
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管理番号 | 1069762 |
審判番号 | 審判1999-5251 |
総通号数 | 38 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-11-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-04-01 |
確定日 | 2002-12-18 |
事件の表示 | 平成8年特許願第121298号「オフィス構成設備」拒絶査定に対する審判事件[平成9年11月25日出願公開、特開平9-299167]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成8年5月16日の出願(特願平8-121298号)であって、その請求項1に係る発明は、平成10年10月19日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】フロアの所定箇所に配設される位置決め要素と、前記フロア上に配設されワーカーが自由に移動させて共同ワークエリア又は個人ワークエリアを適宜形成するための移動家具とを具備してなり、前記移動家具が、キャスタを有した机及びキャスタを有した間仕切り用のスクリーンを含んでいることを特徴とするオフィス構成設備。」(以下、「本願発明1」という。) なお、平成11年5月6日付けの手続補正は、却下された。 第2.引用文献等の記載事項 1.原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に国内に頒布されている刊行物である「オカムラ総合カタログ 1990年度版」株式会社岡村製作所、特許庁資料館平成2年2月7日受入、122〜131、162〜163頁(以下、「引用文献1」という)には、特に129頁によれば、次の発明が開示されているものと認める。かっこ内は対応する引用文献1の構成・用語である。 「フロア上に配設され、共同ワークエリア(対向式レイアウトのワークステーション)又は個人ワークエリア(プライベートコーナーのワークステーション)を適宜形成するための家具を具備してなり、前記家具が、机及び間仕切り用のスクリーン(パネル)を含んでいるオフィス構成設備。」(以下、「引用文献1発明」という) 2.原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に国内に頒布されている刊行物である特開平6-113433号公報(以下、「引用文献2」という。)には、段落【0002】〜【0004】の従来技術の記載及び図9〜11によれば、 「オフィス内の配線システムとして、配線取り出し口となる接続器を床パネル上に取り付けること」が記載されているものと認める。 3.原査定において、周知の技術として引用された実願平5-46441号(実開平7-15403号)のCD-ROM(以下、「周知例1」という。)には、段落【0002】、【0007】及び図1によれば、 「テーブルや机にキャスターを設けた移動家具」が記載されているものと認める。 4.原査定において、周知の技術として引用された特開平7-34573号公報(以下、「周知例2」という。)には、段落【0001】、【0011】、【0019】、【0023】及び図1〜3によれば、 「パーティションにキャスタを設けることにより、床面への設置、撤去作業を簡単にできるようにすること」が記載されているものと認める。 第3.対比・判断 本願発明1と引用文献1発明とを比較すると両者は、 「フロア上に配設され、共同ワークエリア又は個人ワークエリアを適宜形成するための家具を具備してなり、前記家具が、机及び間仕切り用のスクリーンを含んでいるオフィス構成設備。」である点で一致しており、以下の点で相違している。 (1)本願発明1は、フロアの所定箇所に配設される位置決め要素を具備してなるのに対して、引用文献1発明は、そのようになっていない点。 (2)机及び間仕切り用のスクリーンについて、本願発明1は、それぞれがキャスタを有し、ワーカーが自由に移動できる移動家具としているのに対して、引用文献1発明は、そのようになっていない点。 そこで、上記相違点について検討する、 相違点(1)について 本願の出願前、オフィスにおいて、フロアの電力線及び通信線の配線状態及び接続具等の配置状態を位置決めの基準とし、机及び間仕切り用のスクリーン等の事務用家具を配置することは、慣用の事項にすぎない。 例えば、引用文献2には、オフィス内の配線システムとして、配線取り出し口となる接続器を床パネル上に取り付けることが記載されており、このようなオフィスにおいて、床パネル上に配置された接続器を位置決め要素として事務用家具を配置することは、当然勘案されることであり、引用文献2記載の発明も、結果として位置決め要素を具備しているといえる。 要するに、相違点(1)における本願発明1のようにすることは、引用文献2記載の発明より当業者が容易に設計できることにすぎない。 相違点(2)について 本願の出願前、机及び間仕切り用のスクリーンにキャスタを設け、移動家具とすることにより、床面への設置、撤去作業を簡単にできるようにすることは、周知の技術にすぎす(例えば、上記周知例1、2を参照)、相違点(2)における本願発明1のようにすることは、当業者が必要に応じて容易に設計変更できることにすぎない。 第4.むすび したがって、本願発明1は、引用文献1、2に記載の発明、周知の技術及び慣用の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-10-10 |
結審通知日 | 2002-10-25 |
審決日 | 2002-11-06 |
出願番号 | 特願平8-121298 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A47B)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 向後 晋一、見目 省二 |
特許庁審判長 |
安藤 勝治 |
特許庁審判官 |
中田 誠 山口 由木 |
発明の名称 | オフィス構成設備 |
代理人 | 赤澤 一博 |