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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B60M |
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管理番号 | 1070034 |
審判番号 | 不服2001-16704 |
総通号数 | 38 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-09-12 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-09-20 |
確定日 | 2003-01-20 |
事件の表示 | 平成 6年特許願第 56780号「剛体電車線の接続構造」拒絶査定に対する審判事件〔平成 7年 9月12日出願公開、特開平 7-237473、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、 平成6年3月1日の出願であって、その請求項1ないし3に係る発明は、平成12年5月30日付け手続補正書及び平成13年10月17日付け手続補正書により補正された明細書及び願書に最初に添付された図面の記載から見て、本願の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載されたとおりの、以下のものであると認められる。(以下、それぞれ「本願発明1ないし3」という。) 「[請求項1] 架台の端部相互間をジョイントスプライサにて接続する構造であって、該架台は、上端にフランジ部を、下端にイヤー取付用膨出部を有し、該フランジ部と該膨出部をウエブにて連結した形状とし、該フランジ部とウエブと膨出部にて一対の側方開口状の長手方向凹所を形成し、上記ジョイントスプライサの上下圧接部全体の側面視形状が上方側に凸となる所定半径の緩円弧状に弯曲し、該長手方向凹所に両側から嵌込まれた一対のジョイントスプライサをかしめ締結具にて引寄せることで、上記長手方向凹所の上下内面を該ジョイントスプライサの圧接部にてくさび状に圧接して、上記架台の端部相互間を接続すると共に、上記長手方向凹所の上内面の端部が、ジョイントスプライサの上圧接部の中央部にて押圧され、かつ、上記長手方向凹所の下内面が、ジョイントスプライサの下圧接部の端部にて押圧されて、該架台端部に撓み矯正用の上方向予圧を付与するように構成していることを特徴とする剛体電車線の接続構造。 [請求項2] ジョイントスプライサの圧接部の半径を20m〜70mに設定し、かつ、該ジョイントスプライサの全長を200mm〜300mmに設定した請求項1記載の剛体電車線の接続構造。 [請求項3] ジョイントスプライサの圧接部の半径を33m〜44mに設定し、かつ、該ジョイントスプライサの全長を210mm〜280mmに設定した請求項1記載の剛体電車線の接続構造。」 2.拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、本願の出願前である平成5年10月19日に頒布された特開平5-270301号公報(以下、「引用例1」という。)、及び同じく平成6年1月11日に頒布された実願平3-101006号(実開平6-886号)のマイクロフィルム(以下、「引用例2」という。)を引用し、本願発明1ないし3は、引用例1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。 3.対比・判断 (1)本願発明1と、引用例1及び2に記載された各発明とを対比すると、本願発明1の構成の一部である、「ジョイントスプライサの上下圧接部全体の側面視形状が上方側に凸となる所定半径の緩円弧状に弯曲し」、「長手方向凹所の上下内面を該ジョイントスプライサの圧接部にてくさび状に圧接して」、「架台端部に撓み矯正用の上方向予圧を付与する」構成は、引用例1及び2のいずれにも記載されていない。そして、本願発明1は、上記構成を備えることにより、架台端部の撓みによって、長手方向凹所が圧接部に局部的に圧接して上方向の予圧が作用し、これにより、撓みが減少して、隣合う架台の端部が水平状に一直線を成すように維持され、また、架台端部が水平に保持されないまま接続されても、ジョイントスプライサの引寄せにより、圧接部が長手方向凹所に局部的に圧接して上方向予圧が付与され、架台の撓みが許容範囲内に矯正されるという、明細書に記載された作用効果を奏するものと認められる。 (2)本願発明2、3と引用例1、2に記載された各発明とを対比すると、本願発明2、3が本願発明1を引用するものであるから、本願発明2、3は、本願発明1と同様、引用例1及び2のいずれにも記載されていない上記構成を備え、また同じ作用効果を奏するものと認められる。 4.むすび したがって、本願発明1ないし3は、引用例1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであると認めることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-11-27 |
結審通知日 | 2002-12-03 |
審決日 | 2002-12-16 |
出願番号 | 特願平6-56780 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(B60M)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 仲村 靖、▲高▼木 真顕 |
特許庁審判長 |
城戸 博兒 |
特許庁審判官 |
牧 初 三友 英二 |
発明の名称 | 剛体電車線の接続構造 |
代理人 | 中谷 武嗣 |
代理人 | 中谷 武嗣 |