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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1070312
異議申立番号 異議2000-73077  
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-06-02 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-08-14 
確定日 2002-10-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3008099号「パチンコ機」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3008099号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 1・手続の経緯
特許第3008099号の発明についての出願は、昭和62年5月28日に出願された実用新案登録出願(実願昭62-79990号)の一部が、(旧)実用新案法第9条第1項の規定で準用する特許法第44条の規定により、平成3年5月27日に新たな実用新案登録出願(実願平3-46751号)とされ、この新たな実用新案登録出願が、特許法第46条第1項の規定により、平成3年5月28日に特許出願(特願平3-150907号)に変更され、この特許出願の一部が、特許法第44条の規定により、平成8年3月11日に新たな特許出願(特願平8-82033号)とされ、この新たな特許出願の一部が、同規定により平成9年1月27日に新たな特許出願(特願平9-27188号)とされ、この新たな特許出願の一部が、同規定により、平成10年9月28日に新たな特許出願とされたものであって、平成11年12月3日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、特許異議申立人・細江裕実より特許異議の申立てがなされ、平成12年12月22日付け取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年3月13日に訂正請求(後日取下げ)がなされた後、平成13年7月2日付けで再度の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年9月11日に訂正請求がなされたものである。
2・訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
ア・訂正事項a
「【請求項1】遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、
前記処理部は制御装置から送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路が搭載してあり、
前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、
前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせにして電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】データは制御装置からの割り込みに基づいて入力されるデータである請求項1に記載のパチンコ機。」とある特許請求の範囲の記載を、
「【請求項1】遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、
前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び外部接続端子が搭載してあり、
前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、
前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】データは制御装置からの割り込みに基づいて入力されるデータである請求項1に記載のパチンコ機。」と訂正する。
イ・訂正事項b
明細書の段落【0004】の記載について、
「・・・前記処理部は制御装置から送信されるデータに基づいて・・・該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路が搭載してあり・・・背中合わせにして電気的に接続し・・・」とあるのを、
「・・・前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて・・・該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び外部接続端子が搭載してあり・・・背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し・・・」と訂正する。
ウ・訂正事項c
明細書の段落【0021】の記載について、
「・・・前記処理部は制御装置から送信されるデータに基づいて・・・該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路が搭載してあり・・・背中合わせにして電気的に接続し・・・」とあるのを、
「・・・前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて・・・該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び外部接続端子が搭載してあり・・・背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し・・・」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、発明を特定する事項である「・・・前記処理部は制御装置から送信されるデータに基づいて・・・該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路が搭載してあり・・・背中合わせにして電気的に接続し・・・」をこれに含まれる事項である「・・・前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて・・・該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び外部接続端子が搭載してあり・・・背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し・・・」に変更し、しかも、「前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づ」く点については、明細書の段落【0009】の「外部接続端子14を設けて、この外部接続端子14を介してパチンコ機15の遊技制御を行う第1の制御装置16に接続可能とする」に、「該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び外部接続端子が搭載してあ」る点については、明細書の段落【0009】の「第2基板3の一縁には外部接続端子14を設け」及び段落【0005】の「サブMCU(マイクロコンピュータユニット)5を有する表示処理部6を形成する。この表示処理部6では・・・図柄に変換する処理が実行される」に、「背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続」する点については、明細書の段落【0008】の「第1基板2と第2基板3とを背中合せに両コネクタ8,12を接合し」に、それぞれ記載されているものと認められるので、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、又、上記訂正事項b及びcは、上記訂正事項aと整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、何れも、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3・特許異議の申立てについての判断
(1)本件発明
上記2・で示したように上記訂正が認められるから、本件発明の要旨は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記2・(1)ア・訂正事項a参照)
(2)引用刊行物に記載された発明
当審が平成13年7月2日付けで通知した取消しの理由で引用した、本件出願前に国内において頒布された刊行物である実願昭58-199954号(実開昭60-109683号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物1」という)には、
特に、
(ア)「その状態はゲーム盤4に表わされ、或る得点に達すると変動入賞装置5が打球を受け入れ易い状態に変換し」(明細書第4頁第10乃至12行)、「第3図はゲーム盤及び変動入賞装置を一体にしたユニットの斜視図、第4図はユニットを遊技盤に取付けた状態を示した断面図」(明細書第17頁第1乃至3行)、「液晶駆動基板430には、上記ゴムコネクタ47と対応する位置にドライバ(IC)48が設けてある」(明細書第11頁第2乃至5行)、及び図面第4図の記載から、
パチンコ機は、変動入賞装置5を打球を受け入れ易い状態に変換する液晶画像表示装置40と、ドライバ(IC)48とを備えているものと認められること、
(イ)「第2ゲーム装置駆動制御部200は、第1ゲーム装置の表示態様の連続的作動が停止したときその停止時の表示態様の重み・・・を判別する・・・判別結果に対応して、前記第2ゲーム装置のゲームの進行を指示する予め複数設定された作動情報のいずれかを選択する・・・選択された作動情報に従って第2ゲーム装置のゲームの進行を・・・行なわせしめる・・・変動入賞装置駆動制御部300は、第2ゲーム装置での表示態様が所定の賞態様を形成・・・したとき所定期間だけ変動入賞装置5を開状態に変換する・・・変動入賞装置が開状態に在る間第2ゲーム装置のゲーム進行(ランナの移動)を停止させる」(明細書第14頁第14行乃至第15頁第11行)、「液晶表示パネル41の電極は、ゴムコネクタ47を介してドライバ(IC)48と電気的に接続される」(明細書第11頁第8乃至10行)及び図面第4,5,7,9図の記載から、
ドライバ(IC)48は、第2ゲーム装置駆動制御部200から信号線を介して送信される作動情報に基づいてランナの移動を液晶画像パネル41に表示し液晶駆動基板430に搭載され、該液晶駆動基板430の一方面に液晶画像表示装置40の前記液晶画像パネル41を駆動する前記ドライバ(IC)48及び前記信号線が搭載してあるものと認められること、
(ウ)「液晶駆動基板430には、上記ゴムコネクタ47と対応する位置にドライバ(IC)48が設けてある」(明細書第11頁第2乃至5行)、「液晶表示パネル41の電極は、ゴムコネクタ47を介してドライバ(IC)48と電気的に接続される」(明細書第11頁第8乃至10行)、「窓を有する取付基板を遊戯盤に固着し、該取付基板の窓には後方からクリアプレートを臨ませ、クリアプレートの後方には・・・画像表示液晶パネルを設け」(明細書第15頁第18行乃至第16頁第2行)及び図面第3,4,5,7図の記載から、
液晶画像パネル41の背面と液晶駆動基板430の他方面にはゴムコネクタ47を設けると共に背中合わせに前記ゴムコネクタ47を接合して電気的に接続し、前記液晶画像パネル41の前面をクリアプレート31を配置したゲーム盤4と変動入賞装置5とを有するユニットの開口(窓)23に臨むように構成しているものと認められること、
からみて、
「変動入賞装置5を打球を受け入れ易い状態に変換する液晶画像表示装置40と、ドライバ(IC)48とを備えたパチンコ機において、
前記ドライバ(IC)48は第2ゲーム装置駆動制御部200から送信される作動情報に基づいてランナの移動を液晶画像パネル41に表示すると共に、液晶駆動基板430に搭載されており、該液晶駆動基板430の一方面に前記液晶画像表示装置40の前記液晶画像パネル41を駆動するドライバ(IC)48が搭載してあり、
前記第2ゲーム装置駆動制御部200は当該第2ゲーム装置駆動制御部200と前記ドライバ(IC)48とを接続する信号線を通じて作動情報を前記ドライバ(IC)48に送信し、
前記液晶画像パネル41の背面と前記液晶駆動基板430の他方面にはゴムコネクタ47を設けると共に背中合わせに前記ゴムコネクタ47を接合して電気的に接続し、前記液晶画像パネル41の前面をクリアプレート31を配置したゲーム盤4と変動入賞装置5とを有するユニットの開口(窓)23に臨むように構成したパチンコ機」を構成とする発明が、
同じく本件出願前に米国内に置いて頒布された刊行物である米国特許第4517654号明細書(クラス364)(以下、「刊行物2」という)には、
特に、
(ア)「ビデオプロセッサの制御下にある、ラッチされた画像アドレスキャラクタメモリ28は、ビデオディスプレイ上に画像を形成するのに必要な実際のビデオ情報を提供する」(第5欄第60行ないし63行)及び「例えば、ピンボールマシンは今やビデオゲームであり、スロットマシンは今やビデオゲーム装置である」(第1欄下から第48,47行)の記載から、
ビデオプロセッサ回路がビデオディスプレイを制御し、ビデオプロセシングアーキテクチャがゲーム用であるものと認められること、
(イ)上記(ア)の第5欄第60行ないし63行、「本発明は、入力バスから供給されるデータを受け取り、供給されたデータから画像を形成する技術に関する。そして、データがゲーム回路から供給されることを特徴とする。ゲームの動画と、ゲームの画像表示のためのデータは、図1に示すように、ビデオ中央処理装置(CPU)10に供給される。CPUは、ゲームの操作信号に基づいて、ビデオに関する全ての制御を行う」(第3欄下から第19ないし11行)、「ビデオプロセッサはゲームプロセッサアドレス線を含み、それによってビデオプロセッサはゲームプロセッサデータバスに接続される。ゲームプロセッサ(図示されていない)からのデータは、ビデオプロセッサ10によってデータバスを介して受取られる」(第4欄第63ないし67行)、図1(シート1)及び図2(シート2,3)の記載から、
ビデオプロセッサ回路がゲーム回路から送信されるデータに基づいて画像をビデオディスプレイに表示する表示制御を行うビデオ中央処理装置(CPU)10を備えているものと認められること、
からみて、
「ビデオディスプレイと、該ビデオディスプレイを制御するビデオプロセッサ回路とを備えたゲーム用ビデオプロセシングアーキテクチャにおいて、
前記ビデオプロセッサ回路はゲーム回路から送信されるデータに基づいて画像をビデオディスプレイに表示する表示制御を行うビデオ中央処理装置(CPU)10を備えるゲーム用ビデオプロセシングアーキテクチャ」を構成とする発明が、
同じく本件出願前に国内において頒布された刊行物である特開昭59-208580号公報(以下、「刊行物3」という)には、
特に、
「第7図は9ビツトのデータを送る時の送り方を示す図であり、4本のデータ線b1〜b4のデータを(a)〜(d)の4回に分けて送るもので」(第3頁右下欄第17乃至20行)及び第7図(第6頁)の記載、
からみて、
「LCD駆動回路ユニット4bにより制御される表示ユニット4を備える表示装置において、
前記LCD駆動回路ユニット4bは操作部2から信号線を介して送信されるデータに基づいてメツセージをLCD4aに表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載したプリント基板7備え、該プリント基板7の一方面には信号線が搭載してあり、
前記操作部2は当該操作部2と前記LCD駆動回路ユニット4bとを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記LCD駆動回路ユニット4bに送信し、
前記LCD4aの背面と前記プリント基板7の他方面に導電ゴム8aを設けると共に背中合わせに前記導電ゴム8aを接合して電気的に接続した表示装置」を構成とする発明が、
同じく本件出願前に国内で頒布された刊行物である特開昭62-38493号公報(昭和62年2月19日公開;以下、「刊行物4」という)には、
「プリント基板16の一方面には発光ダイオードディスプレイ装置の発光ダイオードが配列されたプリント基板15を駆動する駆動回路が搭載してあり、前記発光ダイオードが配列されたプリント基板15の背面と前記プリント基板16の他方面には各々コネクタ19,20を設けると共に背中合わせに前記両コネクタ19,20を接合して電気的に接続し、前記発光ダイオードが配列されたプリント基板15の前面にはプラスチックフィルム18を配置した発光ダイオードディスプレイ装置」という構成が、
同じく本件出願前に国内で頒布された刊行物である特開昭55-76671号公報(以下、「刊行物5」という)には、
「表面枠板35の枠内に有るポイント表示板36の前面に半透明プレート38を配置する」という構成が 、
同じく本件出願前に国内で頒布された刊行物である実願昭60-14309号(実開昭61-130283号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物6」という)には、
「表示枠3hの窓部3iに半透明なプレート4を配置する」という構成が、
それぞれ記載されているものと認められる。
(3)対比及び判断
そこで、本件発明(前者)と刊行物1に記載された発明(後者)とを対比するに、
後者の
「変動入賞装置5を打球を受け入れ易い状態に変換する」、「液晶画像表示装置40」、「第2ゲーム装置駆動制御部200」、「作動情報」、「ランナの移動」、「液晶画像パネル41」、「液晶駆動基板430」、「ドライバ(IC)48」、「ゴムコネクタ47」、「クリアプレート31」、「ゲーム盤4と変動入賞装置5とを有するユニット」及び「開口(窓)23」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「遊技者に有利な特別遊技を開始可能な」、「表示装置」、「制御装置」、「データ」、「所定の図柄、文字など」、「表示基板」、「基板」、「ドライブ回路」、「コネクタ」、「透光性のカバー部材」、「役物」及び「表示窓」
に相当するものと認められから、
両者は、
「遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、表示装置に関わる部材とを備えたパチンコ機において、
前記表示装置に関わる部材は制御装置から送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示すると共に、基板を備えるものであり、該基板の一方面に前記表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路である表示装置に関わる部材が搭載してあり、
前記制御装置はデータを信号線を通じて表示装置に関わる部材に送信し、
前記表示基板の背面と前記基板の他方面にはコネクタを設けると共に背中合わせに前記コネクタを接合して電気的に接続し、前記表示基板の前面を透光性のカバー部材を介して役物の表示窓に臨むように構成したパチンコ機」である、
点において一致し、
(1)表示装置に関わる部材が、
前者は、制御装置から信号線の数に応じて分割した複数回に渡って送信されるデータに基づいて表示装置の表示基板を表示制御するマイクロコンピュータを備えた処理部である、
のに対し、
後者は、表示装置の表示基板を駆動するドライブ回路であるドライバ(IC)である、
(2)基板の一方面に搭載されるものに、
前者は、外部接続端子がある
のに対し、
後者は、かかる構成がない、
(3)コネクタが、
前者は、表示基板の背面と基板の他方面とに設けられる両部材からなる、
のに対し、
後者は、かかる構成を備えていない、
(4)カバー部材が、
前者は、表示基板の前面に配置されている、
のに対し、
後者は、役物の表示窓に配置されている、
点において相違するものと認められる。
しかし、上記相違点(1)についてみるに、
刊行物2に記載された発明の
「ビデオディスプレイ」、「ビデオプロセッサ回路」、「ゲーム回路」、「画像」及び「ビデオ中央処理装置(CPU)10」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「表示装置の表示基板」、「処理部」、「制御装置」、「所定の図柄、文字など」及び「マイクロコンピュータ」
に相当するものと認めらるから、
刊行物2に記載された発明には、
「表示装置の表示基板と、該表示装置の表示基板を制御する処理部とを備えたゲーム用ビデオプロセシングアーキテクチャにおいて、
前記処理部は制御装置から送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示装置の表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを備えるゲーム用ビデオプロセシングアーキテクチャ」という構成、
すなわち、
上記相違点(1)の前者の構成の一部である「制御装置から送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示装置の表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを備える処理部」という構成、
が備わっているものと認められる。
ところで、刊行物2に記載された発明には、上記相違点(1)の他部である、「信号線の数に応じて分割した複数回に渡って送信されるデータ」については明らかにされていないところ、かかる技術は、データ送信の技術において、従来周知の技術的事項にすぎない。
例えば、
刊行物3に記載された発明の
「表示ユニット4」、「LCD駆動回路ユニット4b」、「操作部2」、「メツセージ」、「LCD4a」、「プリント基板7」及び「導電ゴム8a」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「表示装置」、「処理部」、「制御装置」、「所定の図柄、文字など」、「表示基板」、「基板」及び「コネクタ」
に相当するものと認めらから、
刊行物3に記載された発明には、
「表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えた表示装置において、
前記処理部は制御装置から信号線を介して送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には信号線が搭載してあり、
前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、
前記表示基板の背面と前記基板の他方面にコネクタを設けると共に背中合わせに前記コネクタを接合して電気的に接続した表示装置」という構成、
すなわち、
「マイクロコンピュータを備えている処理部に、制御装置から信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って送信される」という構成、
が備わっているものと認められる。
そうすると、(ア)刊行物2に記載された発明の「ゲーム用ビデオプロセシングアーキテクチャ」は、後者の「パチンコ機」と同様の技術分野のものであると認められること、(イ)後者のドライバ(IC)も、刊行物2に記載された発明の処理部も、表示装置に関わる部材であると認められること、(ウ)第1のコンピュータの負荷の軽減を図るために第2のコンピュータを設けること自体、刊行物3に記載された発明もそうなっているように、従来周知の技術的事項である(必要なら、特開昭59-64082号公報、特開昭57-132260号公報を参照されたい)ものと認められること、を勘案して、
後者に刊行物2に記載された発明を適用し、後者の表示装置に関わる部材である「ドライバ(IC)」に代え、刊行物2に記載された発明の「制御装置から送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを備える処理部」を採用し、その際、信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って送信することが、例えば、刊行物3に記載された発明にも備わっているように、従来周知の技術的事項であると認められる点に着目して、そのような技術を採用することは、当業者が格別創意工夫を要することではなく、
そして、後者において、表示装置に関わる部材である「ドライバ(IC)」が、そもそも基板の一方面に搭載されているのであるから、刊行物2に記載された発明の表示装置に関わる部材である「処理部」のマイクロコンピュータを、後者に倣って基板の一方面に搭載することは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきである。
又、上記相違点(1)の前者の効果が、後者、刊行物2に記載された発明、例えば刊行物3に記載された発明にも備わっている従来周知の技術的事項及び刊行物3に記載された発明もそうなっている従来周知の技術的事項の各効果の総和以上の格別なものとも認められない。
上記相違点(2)についてみるに、
外部に対する接続に関わる部材を外部接続端子とすることは、実願昭56-66789号(実開昭57-180381号)のマイクロフィルム、またパチンコ機の分野においても実願昭59-162330号(実開昭61-77078号)のマイクロフィルム(制御回路33からの接続コードを接続する、カセット15に設けられたソケット35を参照されたい)に記載されているように、従来周知の構成にすぎないものと認められるから、この従来周知の構成を後者に適用して、「外部接続端子」を、基板の一方面に搭載することは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきである。
又、上記相違点(2)の前者の効果が、後者及び従来周知の構成の各効果の総和以上の格別なものとも認められない。
上記相違点(3)についてみるに、
前者の実施例のように、コネクタが雌雄の両部材からなること自体、従来周知の構成であり、
しかも、例えば、
刊行物4に記載された発明の
「プリント基板16」、「発光ダイオードディスプレイ装置」、「発光ダイオードが配列されたプリント基板15」、「駆動回路」及び「プラスチックフィルム18」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「基板」、「表示装置」、「表示基板」、「ドライブ回路」及び「透光性のカバー部材」
に相当するものと認められるから、
刊行物4に記載された発明には、
「基板の一方面には表示装置の表示基板を駆動するドライブ回路が搭載してあり、前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置した表示装置」という構成が備わっているように、
表示装置において、「コネクタが表示基板の背面と基板の他方面とに設けられる両部材からなる」という構成も従来周知の構成である(この点について必要なら、実願昭56-66789号(実開昭57-180381号)のマイクロフィルムのコネクタ13及び14も参照されたい)と認められ、したがって、両従来周知の構成の存在の基に、上記相違点(3)の後者の構成に代え、同相違点の前者の構成を採用することは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきである。
又、上記相違点(3)の前者の効果が、後者及び両従来周知の構成の各効果の総和以上の格別なものとも認められない。
上記相違点(4)についてみるに、
刊行物4には、「表示基板にカバー部材を配置する」構成が、
又、
刊行物5の
「表面枠板35の枠」、「ポイント表示板36」及び「半透明プレート38」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「表示窓」、「表示基板」及び「カバー部材」
に相当するものと認められるから、
刊行物5にも、「表示基板にカバー部材を配置する」構成が、
又、
刊行物6の
「窓部3i」及び「半透明なプレート4」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「表示窓」及び「カバー部材」
に相当するものと認められるから、
刊行物6には、「表示窓にカバー部材を配置する」構成が、
それぞれ備わっており、
したがって、「カバー部材」を、前者のように、「表示基板」の方に配置することも、後者のように、「表示窓」の方に配置することも、適宜行われている周知の技術的事項にすぎないものと認められるから、「表示基板にカバー部材を配置する」につき、何か工夫があるのであれば別であるが、「表示窓」に配置されている「カバー部材」を、単に「表示基板」の方に配置する程度のことは、当業者が適宜なし得る単なる設計事項というべきである。
(4)むすび
上記のとおり、本件発明は、上記刊行物1及び2に記載された各発明、並びに、従来周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件発明についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
パチンコ機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、
前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び前記外部接続端子が搭載してあり、
前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、
前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】 データは制御装置からの割り込みに基づいて入力されるデータである請求項1に記載のパチンコ機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表示装置に各種図柄や文字などの表示態様を表示することのできるパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、パチンコ機には、遊技者に遊技状態を可視表示するためや装飾のために多くの表示装置が設けてある。従来の表示装置としては、例えば7セグメントの発光ダイオードの発光部位の組合せにより数字または英文字を表示態様として表示するいわゆるデジタル表示器があり、また回転ドラムの外面に複数の図柄や文字などを描き、表示窓に上記図柄などの一つを臨ませ、上記ドラムの回転により図柄などの表示態様を変化させる回転ドラム表示器などがある。更に、表示素子として発光ダイオードを縦横例えば5×7個配設し、発光部位を選択して表示するマトリクス表示器がある。
そして、上記デジタル表示器や回転ドラム表示器あるいはマトリクス表示器を複数個連設して各表示を組合せるようにしたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の表示装置は、マイクロコンピュータを備える制御装置によって表示する表示態様を制御している。しかし、従来の制御装置は、表示装置の表示素子を制御すると共に、センター役物等に設けた継続スイッチや10カウントスイッチ、始動口スイッチ、駆動ソレノイド、或は効果音や表示灯などのパチンコ機全般に亙る制御を行わなければならず、マイクロコンピュータの作業容量は限界に近付いており、複雑な表示態様の表示や高速な処理を実行できない現状にあった。
また、表示装置を含めて一つの制御装置で行うと、制御装置が大型化して取り扱いが面倒になると共に、配線が複雑となり、複雑化した配線が他の部品の邪魔になる。しかも、パチンコ機では一般にセンター役物が後方へ突出しているため、制御装置が大型化すると取付スペースの自由度が小さくなってしまい取付が困難である。
更に、表示装置の制御に関する部分に故障や変更が生じた場合でも、制御装置全体を交換しなければならない。一方、遊技の制御に関する部分に故障や変更が生じた場合には、表示装置に関する部分も含めて交換しなければならない。従って、無駄が多く、コストが嵩んでいる。
本発明は上記に鑑み提案されたもので、表示装置を制御する制御装置の負担を軽減すると共に、省スペースが可能なパチンコ機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載した発明は、遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び前記外部接続端子が搭載してあり、前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したものである。
また、請求項2に記載した発明は、請求項1の構成に加えて、データは制御装置からの割り込みに基づいて入力されるデータである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面の実施の形態について説明する。本発明に係るパチンコ機に用いる表示装置1は、第1基板2と第2基板3とを有し、第1基板2の前面には表示基板4を添設し、第2基板3には、パチンコ遊技の制御を行う第1の制御装置から単一方向にのみ送られるデータに基づいて複数の図柄を変動表示可能な第2の制御装置、即ちサブMCU(マイクロコンピュータユニット)5を有する表示処理部6を形成する。この表示処理部6では、前記第1の制御装置より不可逆的に送られるデータに基づいて図柄に変換する処理が実行される。
【0006】
第1基板2の前後表面にはプリント配線を適宜施すと共に、後面にはトランジスタ、抵抗などのチップ素子7…を配設して電気回路(主としてドライブ回路)を形成し、周縁部には例えば雄型コネクタ8を配置する。
【0007】
表示基板4は、例えば20×20mm程度の基板であって、この表示基板4の表面に縦横10×10個のレンズ部を備えない裸のLED素子9を配列する。尚、図1の実施の形態では表示基板4の前面に透光性のあるカバー部材10を被着している。また、このカバー部材10に着色することもできる。
【0008】
一方、第2基板3の前後面にはチップ素子7及びサブMCU5や水晶発振子11などを配設して表示処理部6となる電気回路を形成し、周縁には雌型コネクタ12を配置し、この雌型コネクタ12と前記第1基板2の雄型コネクタ8とを接続する。従って、表示処理部6が表示基板4の裏面側に位置し、第2の制御装置が背面側に設けられた表示装置1となる。尚、図面の実施の形態によれば、第1基板2と第2基板3とを背中合せに両コネクタ8、12を接合し、支柱13を介して固定するようになっているが、ケーブルを介して接続するようにしてもよい。
【0009】
また、第2基板3の一縁には外部接続端子14を設けて、この外部接続端子14を介してパチンコ機15の遊技制御を行う第1の制御装置16に接続可能とする。
【0010】
上記のような表示装置1は、表示処理部6を含めて例えば90×45×25mm以内に構成でき、一つの表示基板4について10×10ドットの図柄表示が可能である。
【0011】
本発明において表示装置1は、例えば図4に示すようなブロック回路を有する第1の制御装置16によって制御される。そして、本発明では表示装置1に第2の制御装置となる表示処理部6を形成して、第1の制御装置16におけるメインMCU17の負担を軽減させると共に、配線接続を極めて簡単にしている。即ち、メインMCU17にはセンター役物18などに設けた継続スイッチ19、10カウントスイッチ20、始動口スイッチ21、駆動ソレノイド22、あるいは電子音発生回路23、ランプ表示器24などパチンコ遊技の制御を受け持たせる一方、表示装置1の背面側に設けた表示処理部6のサブMCU5には第1の制御装置16から受信するデータに基づいて、表示基板4に配列した各LED素子9の制御を受け持たせて、表示装置1に所定の図柄、文字などの表示態様を表示させるのである。
【0012】
尚、本実施の形態では、ノイズによる暴走を防ぐためにリアルタイムリセット方式を採用し、タイマ回路を省略してメインMCU17からリセット信号を受け取り、8ビットデータを4ビットに分割して2度転送することにより接続本数を減少している。そして、本発明によれば、データ4本、電源2本、リセット1本、割込1本、制御信号(8ビットの上下、明暗、桁選択)3本の計11本の配線で足りるが、従来のようにメインMCU17に頼る場合には少なくとも40本の配線が必要である。また、表示装置1の各LED素子9をメインMCU17で制御する場合には処理時間が長くなって表示がチラ付いて見難いものになってしまう。
【0013】
そして、表示装置1の背面側に設けた第2の制御装置としての表示処理部6では図5のフローチャートに示すように、I/Oポートを初期化し、リセット信号をパワーオンによるリセットか割込によるリセットかを判定し、ラム(RAM)を初期化し、ノンマスカブルイントラプト(NMI)により入力された上下4ビットデータを8ビットデータに変換し、フリーランニングカウンタをリセットし、上記8ビットデータを図柄データに変換して、各ポートに明暗情報として出力し、各表示基板4のLED行をスキャンするためのデータを更新し、例えば横行を10回スキャンし、フリーランニングカウンタが819より大きい時はジャンプさせて1回の発光時間を819μSとする。一方、NMIでは割込データを対応するメモリに格納して復帰する。
【0014】
尚、LEDスキャン処理を上の行から順番に行なわず、例えば、上段から1-3-5-7-9-2-4-6-8-10と交互に表示すれば、遊技者の目の残像現象により全体の図柄が見易くなる。
【0015】
図6ないし図7は上記のような表示装置を組み込んだセンター役物18の一例である。
【0016】
センター役物18は、取付板25の中程に横に並ぶ3つの表示窓26を有し、各表示窓26には前記表示基板4が臨む。表示窓26と表示基板4との間には、表示基板4側を縮径させた遮蔽板27を上記取付板25から連続して設ける。尚、上記センター役物18の表示窓26の上側には、天入賞口28及び天下入賞口29を設け、該天入賞口28及び天下入賞口29の前面に透光性のある化粧板30を添設し、該化粧板30の裏側にはランプ基板31に取付けたランプ32を臨ませる。また、上記各入賞口28、29には球通路33、34を夫々連設する。
【0017】
表示窓26の下側には、発光ダイオードからなる10カウント表示部35、継続球表示部36、記憶個数表示部37を設ける。
【0018】
上記のようなセンター役物18を配設したパチンコ機15における遊技の一例は、遊技者が発射装置38で弾発した打球が遊技盤15´に設けた始動口39に入賞し、始動口スイッチ21をオンして特別遊技が開始し、センター役物18で表示する図柄が高速で変換し、遊技者がタッチスイッチ40を操作して変換を停止したときの図柄の組み合せにより大入賞口41を開放する。このように、特別遊技の表示に本発明における表示装置1を使用すれば、制御装置16のメインMCU17の負担が軽減されて高速処理が可能になり、従来の表示器に比べきめ細かな表示が可能になると共に配線や制御が簡単になる。
【0019】
また、本発明によれば、表示素子を第1の制御装置から第2の制御装置へ向けて一方向へ送られるデータに基づいて第2の制御装置によって制御するので、表示装置で表示する図柄を流動的に表示することが容易であって、従来にない新鮮な表示が可能となる。
【0020】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限り適宜実施できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び前記外部接続端子が搭載してあり、前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したので、信号線の数が減少すると共に、制御装置及び表示装置の省スペース化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
前面側から見た表示装置の分解斜視図である。
【図2】
後面側から見た表示装置の分解斜視図である。
【図3】
表示装置に設けた回路のブロック図である。
【図4】
制御装置のブロック図である。
【図5】
表示処理部におけるフローチャートである。
【図6】
表示装置を設けたセンター役物の正面図である。
【図7】
表示装置を設けたセンター役物の縦断面図である。
【図8】
表示装置を設けたセンター役物を配設した遊技盤の正面図である。
【図9】
パチンコ機の背面図である。
【符号の説明】
1 表示装置
5 サブMCU
6 表示処理部
9 表示素子
15 パチンコ機
16 制御装置
17 メインMCU
 
訂正の要旨 訂正の要旨
▲1▼訂正事項a
特許請求の範囲に係る記載、
「【請求項1】 遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、
前記処理部は制御装置から送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路が搭載してあり、
前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、
前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせにして電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】 データは制御装置からの割り込みに基づいて入力されるデータである請求項1に記載のパチンコ機。」を、
特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】 遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、
前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び前記外部接続端子が搭載してあり、
前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、
前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】 データは制御装置からの割り込みに基づいて入力されるデータである請求項1に記載のパチンコ機。」
と訂正する。
▲2▼訂正事項b
明細書の【0004】の項、
「【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載した発明は、遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、前記処理部は制御装置から送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピータ及び表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路が搭載してあり、前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせにして電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したしたものである。
また、請求項2に記載した発明は、請求項1の構成に加えて、データは制御装置からの割り込みに基づいて入力されるデータである。」を、
明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載した発明は、遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び前記外部接続端子が搭載してあり、前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したものである。
また、請求項2に記載した発明は、請求項1の構成に加えて、データは制御装置からの割り込みに基づいて入力されるデータである。」
と訂正する。
▲3▼訂正事項c
明細書の【0021】の項、
「【発明の効果】
本発明によれば、遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、前記処理部は制御装置から送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路が搭載してあり、前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせにして電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したので、信号線の数が減少すると共に、制御装置及び表示装置の省スペース化が可能である。」を、
明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【発明の効果】
本発明によれば、遊技者に有利な特別遊技を開始可能な表示装置と、該表示装置を制御する処理部とを備えたパチンコ機において、前記処理部は制御装置から外部接続端子を介して送信されるデータに基づいて所定の図柄、文字などを表示基板に表示する表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した基板を備え、該基板の一方面には前記マイクロコンピュータ及び該マイクロコンピュータによる表示制御に従って表示装置の前記表示基板を駆動するドライブ回路及び前記外部接続端子が搭載してあり、前記制御装置は当該制御装置と前記処理部とを接続する信号線の数に応じて分割したデータを複数回に渡って前記信号線を通じて前記処理部に送信し、前記表示基板の背面と前記基板の他方面には各々コネクタを設けると共に背中合わせに前記両コネクタを接合して電気的に接続し、前記表示基板の前面には透光性のカバー部材を配置して役物の表示窓に臨むように構成したので、信号線の数が減少すると共に、制御装置及び表示装置の省スペース化が可能である。」
と訂正する。
異議決定日 2002-08-23 
出願番号 特願平10-272385
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (A63F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 神 悦彦松川 直樹瀬津 太朗土屋 保光  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 鈴木 寛治
久保 竜一
登録日 1999-12-03 
登録番号 特許第3008099号(P3008099)
権利者 株式会社平和
発明の名称 パチンコ機  
代理人 福田 伸一  
代理人 福田 武通  
代理人 福田 賢三  
代理人 福田 武通  
代理人 福田 伸一  
代理人 福田 賢三  

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