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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C10L
審判 全部申し立て 2項進歩性  C10L
管理番号 1070423
異議申立番号 異議1998-73572  
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-09-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-07-21 
確定日 2002-11-28 
異議申立件数
事件の表示 特許第2710603号「高性能燃料油」の請求項1ないし5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2710603号の請求項1ないし5に係る特許を取り消す。 
理由 I 手続の経緯
特許第2710603号に係る発明についての出願は、昭和62年6月19日に出願した特願昭62-153836号(以下「原出願」といい、原出願の当初明細書は補正されずに特公平7-10980号として出願公告され、この出願公告された明細書を「原明細書」という。)の一部を平成8年2月9日に新たな特許出願(特願平8-23626号)としたものであって、平成9年10月24日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、安留洋人、金子しの、株式会社ジャパンエナジー、村戸良至、東燃株式会社、渡辺等及び日本石油株式会社による特許異議の申立てがあり(以下「異議1ないし7」という。)、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年3月23日に訂正請求がなされたものである。
II 本件発明の出願日について
1 特許第2710603号公報によれば、本件明細書には、
「1.リサーチ法オクタン価99.5以上、モーター法オクタン価87.9以上、芳香族分50容量%以下、70℃までの留出分27容量%以上でありかつリード蒸気圧0.667Kg/cm2以上であることを特徴とする高性能燃料油。
2.50%(容量)留出温度が、110℃以下である請求項1記載の高性能燃料油。
3.リード蒸気圧が、0.667〜0.750Kg/cm2である請求項1又は2記載の高性能燃料油。
4.イソペンタン留分を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の高性能燃料油。
5.改質ガソリンを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の高性能燃料油。」(特許請求の範囲)、
「本発明は・・・高速耐ノック性、加速性、燃焼性、始動性ならびに低温運転性等に優れた無鉛で高オクタン価の燃料油に関する。」(1頁2欄2〜5行)、
「これらの燃料は高速時の耐ノック性、加速性、燃焼性、始動性あるいは低温運転性などの点において未だ充分満足すべきものではなく」(2頁3欄8〜10行)、
「上記従来の燃料の欠点を解消して、・・・リサーチ法オクタン価、モーター法オクタン価、芳香族分、70℃までの留出分及びリード蒸気圧において特定の性状を有するガソリンが、上記要求特性をすべて満たす高性能ガソリンになることを見出し」(2頁3欄13〜20行)、
「本発明の燃料油は、上記性状を有するものであるが、特に好ましくは(A)改質ガソリン、(B)アルキレート及び(C)イソペンタン留分の三成分、あるいはさらに(D)軽質接触分解ガソリンの四成分を必須成分とするものである。」(2頁3欄49行〜4欄3行)、
「本発明の燃料油には、上記(A)、(B)、(C)成分を含有するものが好ましいが、その含有割合は用いる各成分の性状等に異なり一義的には決定することはできない。要するに前述した燃料油の要求性状を満たすように選定すればよい。」(2頁4欄38〜42行)、
「本発明の高性能燃料油は、RON、MONが高いのみならず、蒸気圧、蒸留性状さらには芳香族含量等にバランスがとれているため、耐ノック性、特に高速時における耐ノック性にすぐれるとともに、低温運転性、始動性、燃焼性、加速性などにおいてすぐれており」(5頁9欄29行〜10欄29行)と記載され、「次に本発明を実施例及び比較例により、更に詳しく説明する。」との記載に続けて、実施例1ないし5及び比較例1が記載され、その実施例1には、「上記(1)で得られた(A)改質ガソリンI、・・・(B)アルキレート、・・・(C)イソペンタン留分、・・・(D)軽質接触分解ガソリン及びブタン留分を第1表に示す割合で混合して、RON100.0、MON89.2、リード蒸気圧0.667Kg/cm2、△E70が27.0容量%、芳香族分43.0容量%、50%(容量)留出温度101.0℃の性状を有する高性能燃料油を製造した。」(3頁6欄7〜14行)と記載され、以下、同様に実施例2ないし5及び比較例1において、特定の性状を有する燃料油が記載されている。
以上の記載によれば、本件発明は、従来の燃料油の欠点を解決することを目的として、特許請求の範囲に記載されたとおりの構成を採用したものであり、本件発明の燃料油は特定の性状のみを必須の要件とするものであると認められる。
2 特公平7-10980号公報によれば、原明細書には、
「【請求項1】(A)リサーチ法オクタン価101.5以上、リード蒸気圧0.3Kg/cm2以上および沸点範囲30〜200℃である改質ガソリン、(B)アルキレート及び(C)リサーチ法オクタン価90〜95のイソペンタン留分を必須成分とし、リサーチ法オクタン価99.5以上、モーター法オクタン価88.6以上、芳香族分50容量%以下でありかつ70℃までの留出分が25容量%以上であることを特徴とする高性能燃料油。
【請求項2】(A)リサーチ法オクタン価101.5以上、リード蒸気圧0.3Kg/cm2以上および沸点範囲30〜200℃である改質ガソリン、(B)アルキレート、(C)リサーチ法オクタン価90〜95のイソペンタン留分及び(D)リサーチ法オクタン価93.5〜96.5、リード蒸気圧0.6〜1.05Kg/cm2および沸点範囲25〜100℃である軽質接触分解ガソリンを必須成分とし、リサーチ法オクタン価99.5以上、モーター法オクタン価88.6以上、芳香族分50容量%以下でありかつ70℃までの留出分が25容量%以上であることを特徴とする高性能燃料油。」(特許請求の範囲)、
「本発明の燃料油Iは、(A)、(B)及び(C)の三成分を必須成分とし、また、燃料油IIはこれらの各成分と(D)成分の四成分を必須成分とするものである。」(2頁3欄40〜42行)、
「本発明の燃料油Iは、上記(A)、(B)、(C)成分を必須成分とするものであり、その配合割合は用いる各成分の性状等に異なり一義的には決定することはできない。要するに前述した燃料油Iの要求性状を満たすように選定すればよい。・・・本発明の燃料油IIは、上記(A)、(B)、(C)、(D)成分を必須成分とするものであり、その配合割合は従来燃料油Iと同様に用いる各成分の性状等に異なり一義的には決定することはできず、要するに前述した燃料油IIの要求性状を満たすように選定すればよい。」(2頁4欄25行〜3頁5欄2行)、
「本発明の高性能燃料油は、RON、MONが高いのみならず、蒸気圧、蒸留性状さらには芳香族含量等にバランスがとれているため、耐ノック性、特に高速時における耐ノック性にすぐれるとともに、低温運転性、始動性、燃焼性、加速性などにおいてすぐれており」(5頁10欄2行〜5行)と記載され、「次に本発明を実施例及び比較例により・・・説明する。」との記載に続けて、実施例1ないし4及び比較例1ないし2が記載され、その実施例1には、「(A)改質ガソリン、・・・(B)アルキレート、・・・(C)イソペンタン留分、・・・(D)軽質接触分解ガソリン及びブタン留分を混合して、RON100.0、MON89.2、リード蒸気圧0.667Kg/cm2、△E70が27.0容量%、芳香族分43.0容量%の性状を有する高性能燃料油を製造した。」(3頁6欄4〜10行)と記載され、以下、同様に実施例2ないし4及び比較例1ないし2において、いずれも(A)、(B)、(C)、(及び(D)成分)を必須成分として特定の性状を有する燃料油を製造することが記載されている。
以上の記載によれば、原明細書には、(A)特定性状を有する改質ガソリン、(B)アルキレート及び(C)特定のイソペンタン留分(及び(D)特定性状の軽質接触分解ガソリン)を必須成分とし、かつ、リサーチ法オクタン価、モーター法オクタン価、芳香族分及び70℃までの留出分において特定の性状を有する燃料油に係る発明が記載されていると認められる。
3 そこで、本件発明が原明細書に包含されているか否かについて検討すると、原明細書には、上記したように、特定の成分と特定の性状を組み合わせた燃料油に係る発明のみが記載され、特定の性状のみによって特定される燃料油に係る発明は記載されていないところ、本件発明が特定の性状のみによって特定される燃料油に係る発明であることは明らかである。そうすると、本件発明は、全体として原明細書に記載されていたものとは認められないから、原出願の一部であったものとはみることができない。
したがって、本件発明の出願は、適法な分割出願とは認められず、出願日の遡及は認められないから、現実の出願日である平成8年2月9日に出願したものである。
III 訂正の適否についての判断
1 本件訂正発明
訂正後の本件請求項1ないし5に係る発明(以下「本件訂正発明1ないし5」という。)は、特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】リサーチ法オクタン価99.5以上、モーター法オクタン価87.9以上、芳香族分50容量%以下、70℃までの留出分27容量%以上、リード蒸気圧0.667Kg/cm2以上であり、かつアルコールを含有しないことを特徴とする高性能燃料油(但し、オレフィン分18.6容量%以上ものを除く)。
【請求項2】50%(容量)留出温度が、110℃以下である請求項1記載の高性能燃料油。
【請求項3】リード蒸気圧が、0.667〜0.750Kg/cm2である請求項1又は2記載の高性能燃料油。
【請求項4】イソペンタン留分を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の高性能燃料油。
【請求項5】改質ガソリンを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の高性能燃料油。」
2 引用刊行物に記載された事項
当審が訂正拒絶理由通知において示した刊行物1(特公平7-10980号公報(異議の甲第3号証、異議4の甲第1号証、異議5の甲第5号証、異議6の資料1))には、上記II2で認定したとおりの事項が記載されている。
同刊行物2(「平成4年度時工会受託研究報告書『市販自動車用燃料の性状調査試験』平成5年7月、財団法人日本自動車研究所」平成5年9月、i、ii頁及び「平成4年度自工会受託研究報告書『市販自動車燃料の性状調査試験(別冊)』平成5年7月、財団法人日本自動車研究所」平成5年8月、目次、1〜4、15頁(異議4の甲第2号証))には、日本国内で市販されている自動車用燃料の性状調査結果が記載され、具体的に1992年8月市販のガソリン試料の性状が記載されている(別冊15頁表4.6参照)。
同刊行物9(PROCEEDINGS DIVISION OF REFINING 1969 Vol.49 AMERICAN
PETROLEUM INSTITUTE p.691-718(異議1の甲第1号証、異議3の甲第1号証、異議5の甲第1号証、異議7の甲第1号証))には、
「表IIIは、テストガソリンの検査データを示している。No.1と7の燃料は、典型的な組成、蒸留性状、オクタン価特性を有する通常の有鉛ガソリンである。無鉛ガソリンは、NO.9を除き、そうあるべき混合状況を良く近似している。・・・No.8、10及び11は混合がうまく行き、その組成、オクタン価、蒸留性状は、ここで課された様な仕様に対し製造されるであろう無鉛ガソリンとして、十分に典型的であろうと思われる。表IIIにあるこれらのガソリンの試験結果は、たとえとても高い芳香族含量の基材を使ったとしても、高いモーター法オクタン価を達成することが特に難しいということを示唆している。」(693頁7〜21行)と記載され、具体的に、無鉛化に伴うガソリン品質の低下を補償するために設計された燃料の仕様及び実際に製造され試験に供された燃料の組成、性状が記載されている(704頁表I、705頁表II及び706頁表III参照)。
3 対比・判断
(1)本件訂正発明1について
刊行物9には、上記したように、無鉛化に伴いガソリン品質が低下するのを補償するために、燃料の炭化水素化合物の組成を変更した燃料の仕様が記載され、表IのNo.8の仕様は、リサーチ法オクタン価101.0、モーター法オクタン価90.5、芳香族分45%、オレフィン分11%、160゜F(71.1℃)までの留出分31.3%、リード蒸気圧10psi(0.70Kg/cm2)の性状を有しており、また、表IIIには上記仕様に基づき実際に製造され試験に供された燃料(以下「試験燃料」という。)が記載されており、そのNo.8の燃料は、リサーチ法オクタン価101.9、モーター法オクタン価89.5、芳香族分50%、オレフィン分9%、160゜F(71.1℃)までの留出分25%、210゜F(98.9℃)までの留出分42%、リード蒸気圧11.0psi(0.77Kg/cm2)の性状を有することが記載されている。そして、刊行物9には「表IIIはテストガソリンの検査データを示している。・・・無鉛ガソリンは、NO.9を除き、そうあるべき混合状況を良く近似している。」(693頁7〜11行)と記載されているように、No.8の仕様と試験燃料とは、その性状、組成は近似しているものの、完全に一致していない。
以上の点を踏まえて、本件訂正発明1と刊行物9に記載されたNo.8の試験燃料を対比すると、No.8の試験燃料は、上記した性状を有するものであり、また、特にアルコールは含有するものでないから、両者は「リサーチ法オクタン価101.9、モーター法オクタン価89.5、芳香族分50容量%、リード蒸気圧0.77Kg/cm2であり、かつアルコールを含有しないことを特徴とする高性能燃料油(但し、オレフィン分18.6容量%以上のものを除く)。」である点で一致し、本件訂正発明1が70℃までの留出分が27容量%以上であるのに対し、刊行物9に記載の試験燃料は、160゜F(71.1℃)までの留出分25%、210゜F(98.9℃)までの留出分42%であり、これらの蒸留データを内挿すると、70℃までの留出分は略24容量%である点で相違している。
そこで、上記相違点について検討する。
本件明細書には、70℃までの留出分27容量%以上という意義について「△E70が27容量%未満のものでは、たとえリサーチ法オクタン価やモーター法オクタン価が高いものであっても、始動性や低温運転性に劣る。」(平成11年3月23日付け訂正明細書3頁2〜4行)と記載されている。
しかし、本件発明の出願前に頒布された刊行物2には、1992年8月に日本国内で市販された無鉛プレミアムガソリンの性状が記載され(別冊15頁表4.6参照)、この記載によれば、試験項目104ないし105、108はいずれも、70℃までの留出分が明記されていないものの、蒸留データを内挿すると、本件訂正発明1の70℃までの留出分を満たしていることが推認される。
そうすると、刊行物9において、No.8の試験燃料は表IのNo.8を仕様として混合するものであり、表IのNo.8の仕様を目標としてこれを達成することが、本件発明の出願当時の技術水準からみて、十分に示唆されていると認められるから、No.8の試験燃料において、70℃までの留出分27容量%以上とすることは、当業者が容易に想到し得たものといえる。
そして、本件訂正発明1の効果も予測できる程度のものであり、格別なものとはいえない。
したがって、本件訂正発明1は、刊行物9及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。
(2)本件訂正発明2ないし5について
本件訂正発明2は、本件訂正発明1に係る燃料油に更に50%(容量)留出温度が110℃以下という限定を付するものであるが、刊行物9の表IのNo.8に開示された210゜F〜330゜Fの留出分データの内挿から50%留出温度は約106℃と推認されるから、上記と同様な理由により、刊行物9及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。
また、本件訂正発明3では、リード蒸気圧が0.667〜0.750Kg/cm2に限定されているが、刊行物9の表IのNo.8の燃料のそれは0.703Kg/cm2と換算されるから、上記と同様な理由により、刊行物9及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。
さらに、本件訂正発明4ではイソペンタン留分を含有すること、本件訂正発明5では改質ガソリンを含有することを規定しているが、上記表IのNo.8の燃料もそれらを含有しているから、上記と同様な理由により、刊行物9及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。
したがって、本件訂正発明1ないし5は、上記刊行物9及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の4第3項で準用する同第126条第4項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。
IV 異議申立てについての判断
1 本件発明
本件請求項1ないし5に係る発明(以下「本件発明1ないし5」という。)は、特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】リサーチ法オクタン価99.5以上、モーター法オクタン価87.9以上、芳香族分50容量%以下、70℃までの留出分27容量%以上でありかつリード蒸気圧0.667Kg/cm2以上であることを特徴とする高性能燃料油。
【請求項2】50%(容量)留出温度が、110℃以下である請求項1記載の高性能燃料油。
【請求項3】リード蒸気圧が、0.667〜0.750Kg/cm2である請求項1又は2記載の高性能燃料油。
【請求項4】イソペンタン留分を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の高性能燃料油。
【請求項5】改質ガソリンを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の高性能燃料油。」
2 引用刊行物に記載された事項
当審が通知した取消理由に引用した刊行物1(特公平7-10980号公報)には、上記II2で認定したとおりの事項が記載されている。
同刊行物2(「平成4年度時工会受託研究報告書『市販自動車用燃料の性状調査試験』平成5年7月、財団法人日本自動車研究所」平成5年9月、i、ii頁及び「平成4年度自工会受託研究報告書『市販自動車燃料の性状調査試験(別冊)』平成5年7月、財団法人日本自動車研究所」平成5年8月、目次、1〜4、15頁)には、1992年8月に日本国内で市販された無鉛プレミアムガソリンの性状が記載されている(別冊15頁表4.6参照)。
3 対比・判断
本件発明1ないし5と刊行物1に記載された発明を対比すると、刊行物1の実施例には本件発明1ないし5の性状を全て満たす燃料油が記載されているから、本件発明1ないし5は、刊行物1に記載された発明である。
また、本件発明1ないし3と刊行物2に記載された発明を対比すると、刊行物2の表4.6において、試験項目103ないし105、108のガソリンはいずれも、本件発明1ないし3の性状を満たしているから、本件発明1ないし3は、刊行物2に記載された発明である。
したがって、本件発明1ないし5は、刊行物1に記載された発明であり、また、本件発明1ないし3は、刊行物2に記載された発明であるから、本件発明1ないし5は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。
4 むすび
以上のとおりであるから、本件発明1ないし5に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2001-04-27 
出願番号 特願平8-23626
審決分類 P 1 651・ 121- ZB (C10L)
P 1 651・ 113- ZB (C10L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 野田 直人船岡 嘉彦  
特許庁審判長 花田 吉秋
特許庁審判官 佐藤 修
山田 泰之
登録日 1997-10-24 
登録番号 特許第2710603号(P2710603)
権利者 出光興産株式会社
発明の名称 高性能燃料油  
代理人 石田 敬  
代理人 西山 雅也  
代理人 小松 秀岳  
代理人 樋口 外治  
代理人 野村 滋衛  
代理人 加々美 紀雄  
代理人 鈴木 俊一郎  
代理人 戸田 利雄  
代理人 河備 健二  
代理人 大谷 保  
代理人 旭 宏  
代理人 永坂 友康  
代理人 岡澤 英世  

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