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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A01C
管理番号 1071171
審判番号 不服2000-18494  
総通号数 39 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-05-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-11-22 
確定日 2003-01-14 
事件の表示 平成 3年特許願第 82044号「苗移植機」拒絶査定に対する審判事件[平成5年5月14日出願公開、特開平5-115201]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯、本願発明
本願は、平成3年3月19日に出願されたものであって、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成14年8月8日付けの手続補正書により全文補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。
「前輪7と後輪16とを装備した機体に移植装置12を設け、該移植装置12により植え付けられた苗の左右両側方の圃場面を転動して鎮圧する左右一対の鎮圧輸70,70を設けた苗移植機において、前記鎮圧輪70,70を、左右一対のアーム部77,77を連結部78で互いに連結した鎮圧輪アーム76の左右アーム部77,77にそれぞれ取り付け、機体側面視で該左右一対の鎮圧輸70,70を後輪16の接地位置よりも機体後方で後輪16の近くに配置し、機体側面視で移植装置12の植付位置を後輪16の接地位置と左右鎮圧輸70,70の鎮圧作用位置との間に設けると共に、左右アーム部77,77に鎮圧輪外輪部72,72の外周面に付着した土を除去する土除去部材82,82を取り付けたことを特徴とする苗移植機。」

2.引用例
これに対して、当審において平成14年5月20日付けで通知した拒絶の理由に示した実願昭57-1282号(実開昭58-103823号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)、および、実願昭57-136308号(実開昭59-38708号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献2」という。)には、以下の各記載が認められる。
(1)引用文献1(実願昭57-1282号(実開昭58-103823号)のマイクロフィルム)
(イ)「鎮圧輪は・・・移植した苗を両側より挟んで鎮圧するものである。」(第2頁第8〜11行)、
(ロ)「本考案の1例を図により説明すると、移植機は機枠1の前方にエンジン2を搭載し、エンジン2にはミッションが1体となって取付けられている。」(第3頁第15〜17行)、
(ハ)「植付は後輪9の回転による機体の進行と植付機構14の回転による植付が駆動軸6を介して行なわれるので、連動することになり一定間隔で植付けることになる。又、機枠1の前部下方には左右対をなす2本の支持杆25,26を互に平行に設け、支持杆25は機枠1に遊嵌した横軸27に取付位置調節自在に固定し、他端には前輪28の車軸29を回転自在に支持し、支持杆26は一端を機枠1に設けた横軸30に、他端を車軸29に支持されるガイド板31の一端に取付けてある。」(第4頁第19行〜第5頁第9行)、
(ニ)「機枠1の後部下方には、畦Aを挟んで1対の鎮圧輪32,32を互に対向して配し、該鎮圧輪32,32はそれぞれ独立した取付杆33の端部に回転自在に取付け、取付杆33の他端は中空管34に固定位置調節自在に挿入し、ボルト35により固定する。前記中空管34は他端を機枠1に固定した取付部材36に上下揺動自在に取付ける。」(第5頁第15行〜第6頁第1行)、
(ホ)「苗台24より苗を取り上方で移植嘴18に入れると下方で畦Aに突入して開口し、孔の中に苗を入れる。次いで後続する鎮圧輪32,32があけられた孔を両側から鎮圧して植付を完了する」(第8頁第4〜8行)。
ここで、引用文献1に記載された発明では、左右一対の鎮圧輸を後輪の接地位置よりも機体後方に配置しているものの、後輪の近くに配置しているか否か明記されていないが、本願発明の図面および引用文献1の第1図の記載を比較しても、引用文献1における鎮圧輸が後輪の接地位置よりも格別に機体後方に離れて配置されてはおらず、同様に後輪の近くに配置しているものであるということができるから、上記(イ)〜(ホ)の記載及び図面の記載からみて、引用文献1に記載された発明は以下のようなものであると認められる。(以下、「引用文献1の発明」という。)
「前輪28と後輪9とを装備した機体に植付機構14を設け、植付機構14により移植した苗を両側より挟んで鎮圧するものである畦Aを挟んで1対の鎮圧輪32,32を設けた苗の移植機において、鎮圧輪32,32を、他端を機枠1に固定した取付部材36に上下揺動自在に取付けた中空管34にボルト35により固定したそれぞれ独立した取付杆33の端部に取付け、中空管34は他端を機枠1に固定した取付部材36に上下揺動自在に取付けると共に、機体側面視で1対の鎮圧輪32,32を後輪9の接地位置よりも機体後方で後輪9の近くに配置した苗の移植機。」
(2)引用文献2(実願昭57-136308号(実開昭59-38708号)のマイクロフィルム)
(ヘ)「移植機の覆土輪取付け装置に関するものである。」(第1頁第12〜13行)、
(ト)「揺動フレーム(6)は、その前端が可動フレーム(10)下端に上下揺動自在に枢結され、その後端が、スプリング(13)を介して主フレーム(2)下面に吊持ちされている」(第3頁第5〜8行)、
(チ)「覆土輪(9)の取付装置は・・・揺動フレーム(6)に設けられた左右一対のブラケット(22)と該ブラケット(22)に軸支された回転軸(23)と、該回転軸(23)の両端に自在接手(24)を介して連結された傾斜支軸(25)と、該傾斜支軸(25)を所定角度で支持するサポータ(26)とからなり、覆土輪(9)は、傾斜支軸(25)に軸方向移動固定自在に套嵌されている。」(第4頁第10〜16行)。
また、第1図の記載からみて、揺動フレーム(6)は連結部で互いに連結されているということができるから、上記(ヘ)〜(チ)の記載及び図面の記載からみて、引用文献2に記載された発明は以下のようなものであると認められる。
「覆土輪(9)を、横軸回りに回動自在に設けた連結部で互いに連結されている左右一対の揺動フレーム(6)にブラケット(22)を介してサポータ(26)のそれぞれに取り付けている移植機。」

3.対比・判断
(1)本願発明と引用文献1に記載された発明とを比較する。
引用文献1に記載された発明における、
「前輪28」、「後輪9」、「植付機構14」、「移植した苗を両側より挟んで鎮圧する」、「畦Aを挟んで1対」、「鎮圧輪32,32」、「苗の移植機」、および、「中空管34にボルト35により固定したそれぞれ独立した取付杆33」は、
本願発明における、
「前輪7」、「後輪16」、「移植装置12」、「植え付けられた苗の左右両側方の圃場面を転動して鎮圧する」、「左右一対」、「鎮圧輸70,70」、「苗移植機」、および、「左右一対のアーム部77,77」にそれぞれ相当し、また、引用文献1の発明では、他端を機枠1に固定した取付部材36に上下揺動自在に取付けられていて、横軸回りに回動自在に設けられているものであるから、
両者は、
「前輪と後輪とを装備した機体に移植装置を設け、該移植装置により植え付けられた苗の左右両側方の圃場面を転動して鎮圧する左右一対の鎮圧輸を設けた苗移植機において、前記鎮圧輪を、横軸回りに回動自在に設けた左右一対のアーム部のそれぞれに取り付け、機体側面視で該左右一対の鎮圧輸を後輪の接地位置よりも機体後方で後輪の近くに配置した苗移植機。」である点で一致し、下記の各点で相違する。
(イ)本願発明では、左右一対のアーム部77,77を連結部78で互いに連結しているのに対し、引用文献1の発明では、左右一対の取付杆34,34は独立している点。
(ロ)本願発明では、機体側面視で移植装置12の植付位置を後輪16の接地位置と左右鎮圧輪70,70の鎮圧作用位置との間に設けているのに対し、引用文献1の発明では、移植装置の植付位置が左右鎮圧輪32,32の鎮圧作用位置より前方であるが、後輪 9,9の接地位置より後方であるか不明である点。
(ハ)本願発明では、左右アーム部77,77に鎮圧輪外輪部72,72の外周面に付着した土を除去する土除去部材82,82を取り付けているのに対し、引用文献1の発明では、土除去部材を備えていない点。
(2)上記各相違点について検討する。
(i)相違点(イ)について
覆土輪(9)を、横軸回りに回動自在に設けた連結部で互いに連結されている左右一対の揺動フレーム(6)にブラケット(22)を介してサポータ(26)のそれぞれに取り付ける構成は引用文献2に記載されているように公知の構成であることから、引用文献1の発明における中空管34にかえて引用文献2に記載された連結部で互いに連結されている揺動フレーム(6)を適用して本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(ii)相違点(ロ)について
引用文献1の発明も、第1図に記載された移植嘴18と植付機構14の軸15,15´および後輪9の車軸10の位置関係からみて、植付機構14の移植嘴18の植付位置は後輪の接地位置付近であるいうことができ、しかも、若干の植付位置の相違は設計的事項にすぎないから、植付位置を後輪 9,9の接地位置より後方として本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(iii)相違点(ハ)について
鎮圧輪外輪部の外周面に付着した土を除去する土除去部材をアーム部に取り付ける点は従来周知の構成であり、適宜引用文献1の発明に適用できる程度の設計変更にすぎない。
(必要ならば、実願昭54-125427号(実開昭56-96925号)のマイクロフィルム、実願昭55-144071号(実開昭57-67520号)のマイクロフィルム参照)
そして、このように構成することにより得られる効果も、予測し得たものにすぎない。

4.むすび
したがって、本願発明は、引用文献1および2に記載された発明と従来周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許を受けることができない。
よって、結論の通り審決する。
 
審理終結日 2002-09-26 
結審通知日 2002-10-22 
審決日 2002-11-06 
出願番号 特願平3-82044
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A01C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 昭次神 悦彦小林 英司  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 渡部 葉子
松川 直樹
発明の名称 苗移植機  

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