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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G11B
管理番号 1071311
審判番号 不服2001-8996  
総通号数 39 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-05-28 
確定日 2003-02-07 
事件の表示 平成 4年特許願第106005号「記録媒体搬送装置」拒絶査定に対する審判事件〔平成 5年10月29日出願公開、特開平 5-282768、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1. 手続の経緯、本願発明
本願は、平成4年3月31日の出願であって、その請求項1に係る発明は、原審及び当審において補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
複数の記録媒体をそれぞれ保持する複数の保持手段と、
上記複数の保持手段を並設して収納する収納手段と、
上記収納手段を上記保持手段の並設方向に移動する移動手段と、
上記収納手段の一端側に設けられ、上記記録媒体を上記保持手段に装填可能な装填部と、
上記収納手段の他端側に隣接して設けられ、上記保持手段により保持された記録媒体から情報を再生する再生部と、
上記装填部、上記収納手段及び上記再生部に亘つて延在される断面多角形形状の摺動軸と、上記並設方向に対する所定位置の一の上記保持手段と係合し、上記摺動軸上を摺動する摺動軸受と、上記摺動軸受を上記摺動軸に沿つて摺動させる駆動手段とを有し、上記移動手段によつて上記所定位置に移動された上記一の保持手段を上記装填部又は上記再生部に上記摺動軸に沿つて搬送する搬送手段と、
上記摺動軸に沿つて設けられ、上記摺動軸受の摺動位置を検出する複数の位置検出手段と、
各上記位置検出手段の検出結果に基づいて、上記保持手段が上記装填部、上記収納手段に収納される収納位置及び上記再生部のうちのいずれかに停止するように上記搬送手段を制御する制御手段と
を具えることを特徴とする記録媒体搬送装置。」

2. 刊行物
原査定の拒絶の理由において、
「引用例(イ)記載のシャトル50(摺動軸受)は水平レール25を受容し移動するものであって、水平レールの断面形状は角張っており、一本のレールに沿って移動するものである。引用例(ロ)記載のものも一本の四角柱(断面多角形形状)のガイドシャフトのみで取り込み・排出手段(摺動軸受)を移動させている。したがって、上記水平レールを断面多角形形状のものにすることは、当業者が容易になし得ることと認められる。
本願発明の装填位置、収納位置及び再生位置の配置を具えるオートチェンジャーについては、引用例(ハ)に記載されていることから、引用例(イ)記載のオートチェンジャーにおいても、該配置を本願発明のように構成することは、必要に応じて適宜なし得ることと認められる。」として、下記の刊行物が示され、
イ.特開平4-38666号公報
ロ.特開昭62-214548号公報
ハ.特開平3-44865号公報

装置内部の各手段の動作を検出し制御を容易化することは周知慣用技術であるとして、ニ〜ハの刊行物が示された。
ニ.特開昭62-121115号公報
ホ.実願昭62-32452号(実開昭63-142051号)のマイクロフィルム
ヘ.特開平4-38674号公報

3. 判断
本願発明と刊行物イ〜ヘに記載されたそれぞれの発明とを比較すると、
刊行物ロ〜ヘに記載された発明は、本願発明の構成に欠くことができない事項の一部である「上記装填部、上記収納手段及び上記再生部に亘つて延在される断面多角形形状の摺動軸と、上記並設方向に対する所定位置の一の上記保持手段と係合し、上記摺動軸上を摺動する摺動軸受と、上記摺動軸受を上記摺動軸に沿つて摺動させる駆動手段とを有し、上記移動手段によつて上記所定位置に移動された上記一の保持手段を上記装填部又は上記再生部に上記摺動軸に沿つて搬送する搬送手段」を備えていない。
本願発明は上記の点を具備することにより、「簡易な構成で一段と記録媒体の搬送距離を長くし得る」という明細書に記載された効果を奏するものである。
刊行物ロ〜ヘに対して、刊行物イに記載の発明は上記「上記装填部、上記収納手段及び上記再生部に亘つて延在される断面多角形形状の摺動軸と、上記並設方向に対する所定位置の一の上記保持手段と係合し、上記摺動軸上を摺動する摺動軸受と、上記摺動軸受を上記摺動軸に沿つて摺動させる駆動手段とを有し、上記移動手段によつて上記所定位置に移動された上記一の保持手段を上記装填部又は上記再生部に上記摺動軸に沿つて搬送する搬送手段」構成を備えている点及び刊行物イの発明の「キャリッジ」が本願発明の「保持手段」に相当する点で、刊行物イの発明と本願発明は共通しているが、刊行物イの発明の装填部は「上記記録媒体を上記保持手段に装填可能」としない点、収納手段に対する再生部と装填部の配置及び刊行物イの発明が「トレー」を構成要件としている点等で本願発明と相違する。刊行物ロ〜ヘには、本願発明2と刊行物イの発明の相違点を補う構成がそれぞれ一部ずつ記載されているが、そもそも刊行物ロ〜ヘには、前記の「上記装填部、上記収納手段及び上記再生部に亘つて延在される断面多角形形状の摺動軸と、上記並設方向に対する所定位置の一の上記保持手段と係合し、上記摺動軸上を摺動する摺動軸受と、上記摺動軸受を上記摺動軸に沿つて摺動させる駆動手段とを有し、上記移動手段によつて上記所定位置に移動された上記一の保持手段を上記装填部又は上記再生部に上記摺動軸に沿つて搬送する搬送手段」を有しておらず、刊行物イとの組合せは困難である。

したがって、本願発明は、上記引用刊行物イ〜ヘに記載されたそれぞれの発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることができない。

4. むすび
以上のとおり、本願は、原査定の拒絶の理由又は前置報告の理由によって、拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2003-01-23 
出願番号 特願平4-106005
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G11B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮下 誠  
特許庁審判長 張谷 雅人
特許庁審判官 相馬 多美子
犬飼 宏
発明の名称 記録媒体搬送装置  
代理人 田辺 恵基  

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