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審決分類 |
審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 A01F |
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管理番号 | 1071335 |
審判番号 | 不服2001-9289 |
総通号数 | 39 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1999-09-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-06-05 |
確定日 | 2003-01-20 |
事件の表示 | 平成11年特許願第 40066号「穀粒排出装置」拒絶査定に対する審判事件[平成11年 9月28日出願公開、特開平11-262324]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成1年5月8日に出願された特願平1-115398号を特許法第44条第1項の規定により平成11年2月18日に分割して新たな特許出願としたものであって、その請求項1に係る発明は、平成13年7月4日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。) 「移送螺旋31を内装する一方の排出筒32aに対して、移送螺旋38を内装する他方の排出筒32bを、これら排出筒32a、32bの長手方向に沿って移動自在に構成すると共に、前記一方の排出筒32aに対して他方の排出筒32bを移動させる駆動手段37を概ね被覆状態にして設け、前記一方の排出筒32aの移送螺旋軸40の移送下手側と他方の排出筒32bの移送螺旋軸41の移送下手側とを連動したことを特徴とする穀粒排出装置。」 2.引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願日前の出願であって、その出願後に出願公開された実願平1-30321号(実開平2-120134号)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「先願明細書」という。)には、「本考案は、コンパクトな格納が可能であるとともに、穀粒搬出作業時の吐出口位置調節が容易に行える穀粒搬出装置を提供することを目的とする。」(明細書第2頁17行ないし同頁20行)と記載され、「第2スクリューコンベア(10b)の基端側にネジ軸(17)がその軸芯(P1)が穀粒の送り方向に沿うように且つその軸芯(P1)周りで回動自在に取り付けられ、電動モータ(18)によって駆動回転されるようになっている。そして前記ネジ軸(17)に螺合されるコマ部材(19)が第1スクリューコンベア(10a)に固設されている。第2スクリューコンベア(10b)のスクリュー軸(21)への動力伝達について説明する。第1図及び第2図に示すように第1スクリューコンベア(10a)の先端にそのスクリュー軸(23)と連動する連結軸(24)が突設されている。その連結軸(24)と一体回転し且つその軸芯方向にスライド自在なスプライン軸(25)が設けられている。このスプライン軸(25)と前記第2スクリューコンベア(10b)のスクリュー軸(21)とがギア部(26)を介して連動連結されている。」(明細書第6頁4行ないし同頁20行)と記載され、さらに、第1図からみて、スクリュー軸(21)、(23)には、それぞれ、スクリューが付設され、スクリューは排出筒内に内装されていることが開示されている。 3.対比 本願発明(前者)と、先願明細書に記載の発明(後者)とを対比すると、後者の、「第1スクリューコンベア(10a)」、「第2スクリューコンベア(10b)」、「電動モータ(18)及びネジ軸(17)」、「スクリュー軸(23)」、「スクリュー軸(21)」は、それぞれ、前者の「一方の排出筒32a」、「他方の排出筒32b」、「駆動手段37」、「移送螺旋軸40」、「移送螺旋軸41」に対応することから、 両者は、「移送螺旋を内装する一方の排出筒に対して、移送螺旋を内装する他方の排出筒を、これら排出筒の長手方向に沿って移動自在に構成すると共に、前記一方の排出筒に対して他方の排出筒を移動させる駆動手段を設け、前記一方の排出筒の移送螺旋軸の移送下手側と他方の排出筒の移送下手側とを連動した穀粒排出装置」の点で一致し、次の点で一応相違する。 (相違点) 前者の駆動手段は、概ね被覆状態にして設けられているのに対して、後者の駆動手段は、被覆状態にして設けられていない点。 4.当審の判断 上記相違点について検討すると、任意の機構装置を移動する駆動手段を蛇腹等のカバー体で被覆状態にして設けることは、本願発明の出願前に普通に知られていた技術常識であり(例えば、実願昭58-119426号(実開昭60-29034号)のマイクロフィルム、特開昭64-58488号)、を参照)、上記相違点は、駆動手段を設ける際の単なる設計上の微差に過ぎないものと認める。 したがって、本願発明と先願明細書に記載の発明は、実質的な差異がなく同一であるものと認める。 5.むすび したがって、本願発明は、先願明細書に記載された発明と同一であり、しかも、本願発明の発明者が上記先願明細書に記載された発明の発明者と同一であるとも、また、本願の出願時に、その出願人が上記他の出願の出願人と同一であるとも認められないので、本願発明は、特許法第29条の2第1項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-09-30 |
結審通知日 | 2002-10-22 |
審決日 | 2002-11-13 |
出願番号 | 特願平11-40066 |
審決分類 |
P
1
8・
161-
Z
(A01F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山田 昭次 |
特許庁審判長 |
藤井 俊二 |
特許庁審判官 |
平瀬 博通 鈴木 寛治 |
発明の名称 | 穀粒排出装置 |