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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B60R |
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管理番号 | 1071368 |
審判番号 | 不服2001-10979 |
総通号数 | 39 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-08-04 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-06-28 |
確定日 | 2003-02-12 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第 7926号「エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置」拒絶査定に対する審判事件〔平成10年 8月 4日出願公開、特開平10-203300、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成 9年 1月20日の出願であって、その発明は、当審で通知した拒絶理由に対応して、平成14年12月25日付で補正された、特許請求の範囲の請求項1〜14に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認める。 「【請求項1】 ガス排出口を有するハウジング内を、隔壁で二室以上に画成してなり、内側を点火手段収容室とする隔壁が摩擦溶接で接合されたエアバッグ用ガス発生器において、該摩擦溶接に際して隔壁の点火手段収容室側に発生する溶接バリの突起形状は、点火手段収容室内に収容される点火手段中、該溶接バリの突起する箇所に収容される部材の外径より僅かに広げた形状に規制されており、 溶接バリの突起形状の規制は、隔壁の摩擦溶接と同時に、点火手段収容室内に挿入される溶接バリ制限部材によって行われることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器。 【請求項2】 ガス排出口を有するハウジング内を、隔壁で二室以上に画成してなり、内側を点火手段収容室とする隔壁が摩擦溶接で接合されたエアバッグ用ガス発生器において、 該摩擦溶接に際して隔壁の点火手段収容室側に発生する溶接バリの突起形状は、溶接バリ制限部材によって、点火手段中、該溶接バリの突起する箇所に収容される部材を嵌合可能な形状に規制されており、 摩擦溶接と同時に溶接バリ制限部材によって突起形状が規制された溶接バリには、点火手段中、該溶接バリの突起する箇所に収容される部材が嵌合することを特徴とするエアバッグ用ガス発生器。 【請求項3】 前記溶接バリ制限部材は、ハウジングの摩擦溶接に使用される摩擦溶接用受け台に一体形成されている請求項1又は2記載のエアバッグ用ガス発生器。 【請求項4】 前記溶接バリの突起形状が、点火手段を収容する空間を確保し、更に突起した溶接バリで、点火手段収容室内に収容される点火手段中、該溶接バリの突起する箇所に収容される部材の回動を阻止可能な形状、又は当該部材の位置決めが可能な形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器。 【請求項5】 前記溶接バリの突起形状が、点火手段を収容する空間を確保し、更に突起した溶接バリで、点火手段収容室内に収容される点火手段中、該溶接バリの突起する箇所に収容される部材の回動を阻止し、且つ当該部材の位置決めが可能な形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器 。 【請求項6】 前記溶接バリの突起する箇所に収容される部材の回動の阻止又は位置決めは、溶接バリの突起する箇所に収容される部材の外周壁に位置決め部を形成すると共に、該溶接バリの突起箇所に収容される部材の位置決め部を嵌合可能な形状に突起形状を規制したことを特徴とする請求項4又は5記載のエアバッグ用ガス発生器。 【請求項7】 前記、点火手段収容室内に収容される点火手段は、衝撃を感知したセンサから伝達される電気信号で作動する点火器を含んで構成され、溶接バリの突起する箇所に収容される部材が、当該点火器であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器。 【請求項8】 前記、点火手段収容室内に収容される点火手段が、衝撃を感知して撃針を発射する機械式センサと、撃針に刺突されて着火する雷管と、雷管の火炎で着火する伝火薬とから成り、溶接バリの突起する箇所に収容される部材が、機械式センサであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器。 【請求項9】 ガス排出口を有するハウジング内を隔壁で二室以上に画成してなるエアバッグ用ガス発生器の製造方法であって、内側を点火手段収容室とする隔壁の摩擦溶接が、点火手段収容室内に収容される点火手段中、該溶接バリの突起する箇所に収容される部材よりも僅かに外径を広げた形状の当接バリ制限部材を該点火手段収容室内に挿入したまま行われ、該摩擦溶接後に溶接バリ制限部材を取り出すことで、隔壁の点火手段収容室側に発生する溶接バリの突起形状を制限することを特徴とするエアバッグ用ガス発生器の製造方法。 【請求項10】 ガス排出口を有するハウジング内を隔壁で二室以上に画成してなるエアバッグ用ガス発生器の製造方法であって、内側を点火手段収容室とする隔壁の摩擦溶接を、該点火手段収容室内に溶接バリ制限部材を挿入したまま行うことで、当該溶接バリ制限部材によって、隔壁の点火手段収容室側に発生する溶接バリの突起形状を制限し、該摩擦溶接後には溶接バリ制限部材を取り出して、当該溶接バリに、点火手段収容室内に収容される点火手段中、該溶接バリの突起する箇所に収容される部材を嵌合させるエアバッグ用ガス発生器の製造方法。 【請求項11】 前記、点火手段収容室内に収容される点火手段は、衝撃を感知したセンサから伝達される電気信号で作動する点火器を含んで構成され、溶接バリの突起する箇所に収容される部材が、当該点火器であることを特徴とする請求項9又は10記載の製造方法。 【請求項12】 前記、点火手段収容室内に収容される点火手段が、衝撃を感知して撃針を発射する機械式センサと、撃針に刺突されて着火する雷管と、雷管の火炎で着火する伝火薬とから成り、溶接バリの突起する箇所に収容される部材が、機械式センサであることを特徴とする請求項9又は10記載の製造方法。 【請求項13】 前記溶接バリ制限部材は、ハウジングの摩擦溶接に際して使用される摩擦溶接用受台に一体形成されていることを特徴とする請求項9〜12の何れか一項記載の製造方法。 【請求項14】 衝撃の感知に連動してガスを発生するエアバッグ用ガス発生器と、 前記ガス発生器で発生するガスを導入して膨張するエアバッグと、 前記エアバッグを収容するモジュールケースとを含み、前記エアバッグ用ガス発生器が、請求項1〜8の何れか1項記載のエアバッグ用ガス発生器であることを特徴とするエアバッグ装置。」 これに対して、原査定の拒絶に理由で引用された、本願出願前に頒布された刊行物(特開平8-90259号公報、特開平7-256470号公報)のいずれにも、本願各請求項に係る発明の構成要件である、「摩擦溶接に際して隔壁の点火手段収容室側に発生する溶接バリの突起形状は、点火手段収容室内に収容される点火手段中、該溶接バリの突起する箇所に収容される部材の外径より僅かに広げた形状に規制されて」いる点、「溶接バリの突起形状の規制は、隔壁の摩擦溶接と同時に、点火手段収容室内に挿入される溶接バリ制限部材によって行われる」点、及び、「摩擦溶接に際して隔壁の点火手段収容室側に発生する溶接バリの突起形状は、溶接バリ制限部材によって、点火手段中、該溶接バリの突起する箇所に収容される部材を嵌合可能な形状に規制されて」いる点が開示も示唆もされていない。 そして、本願各請求項に係る発明は、上記構成を具備することにより、明細書記載の「摩擦溶接によって生じる溶接バリの為の空間の確保すること」がない、及び「溶接バリを除去する工程を必要としない」という作用効果を奏するものと認められる。 したがって、本願各請求項に係る発明は、原査定の拒絶の理由で引用された上記各刊行物記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 なお、原査定の拒絶の理由で引用されてはいないものの、拒絶の理由として通知された、本願出願日前の特許出願である、特願平8-67237号(特開平9-226509号公報参照)の明細書又は図面にも、上記の構成要件が記載されていないから、本願各請求項に係る発明はいずれも、上記先行出願の明細書又は図面に記載された発明と同一ともいえない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、上記結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2003-01-27 |
出願番号 | 特願平9-7926 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(B60R)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 西本 浩司 |
特許庁審判長 |
神崎 潔 |
特許庁審判官 |
鈴木 法明 尾崎 和寛 |
発明の名称 | エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置 |
代理人 | 持田 信二 |
代理人 | 古谷 聡 |
代理人 | 古谷 馨 |
代理人 | 溝部 孝彦 |
代理人 | 義経 和昌 |