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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1071478
審判番号 不服2001-4846  
総通号数 39 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-09-10 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-03-29 
確定日 2003-02-18 
事件の表示 平成4年特許願第35927号「アウターリードボンディング装置およびアウターリードボンディング方法」拒絶査定に対する審判事件〔平成5年9月10日出願公開、特開平5-235105、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 [1]手続の経緯・本願発明
本願は、平成4年2月24日の出願であって、その請求項1〜4に係る発明(以下、「本願発明1〜4」という。)は、平成13年1月31日付け手続補正書及び平成14年12月2日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】チップがボンディングされたフィルムキャリアを打ち抜いてアウターリードを有するデバイスを得る打抜装置と、この打抜装置によりフィルムキャリアを打ち抜いて得られたデバイスをノズルに吸着した状態で受渡位置まで水平移動する第1の移載ヘッドと、この受渡位置において上向きの前記ノズルからデバイスを下向きのノズルに直接受け取り、位置決め部に位置決めされた基板にデバイスを移送搭載する第2のヘッドと、第2の移載ヘッドの下向きのノズルに吸着されたデバイスを下方から観察してアウターリードの位置ずれを検出するカメラとを備えたことを特徴とするアウターリードボンディング装置。
【請求項2】前記第1の移載ヘッドの前記ノズルを上下反転させる上下反転手段を備え、前記打抜装置で吸着した前記デバイスを上下反転させて前記ノズルを上向きにし、前記受渡位置において前記第2の移載ヘッドの下向きのノズルに受渡すようにしたことを特徴とする請求項1記載のアウターリードボンディング装置。
【請求項3】チップがボンディングされたフィルムキャリアを打抜装置により打抜いてアウターリードを有するデバイスを得る工程と、打抜いて得られたデバイスを第1の移載ヘッドのノズルに吸着し、この第1の移載ヘッドを受渡位置まで水平移動させる工程と、受渡位置において第2の移載ヘッドの下向きのノズルが前記第1の移載ヘッドの上向きのノズルからデバイスを直接受取る工程と、第2の移載ヘッドの下向きのノズルに吸着されたデバイスをカメラにより下方から観察してアウターリードの位置ずれを検出する工程と、検出された位置ずれを補正する工程と、第2の移載ヘッドがデバイスを位置決め部に位置決めされた基板に搭載する工程を含むことを特徴とするアウターリードボンディング方法。
【請求項4】前記第1の移載ヘッドの前記ノズルを上下反転手段により上下反転させて上向きとしたうえで、前記打抜装置で吸着した前記デバイスを上下反転させて前記ノズルを上向きにし、前記デバイスを前記第2の移載ヘッドの下向きのノズルに受渡すようにしたことを特徴とする請求項3記載のアウターリードボンディング方法。」

[2]引用例の記載事項
(1)引用例1
これに対して、当審における拒絶の理由で引用した刊行物1の特開平2-271642号公報(以下、「引用例1」という。)には、多品種のデバイスを基板にボンディングするアウターリードボンディング装置に関する発明が、第1〜6図とともに記載され、さらに以下の事項が記載されている。
「供給リール7a〜7dの各フィルムキャリヤ10a〜10dは、スプロケット11、12により前方へピッチ送りされ、カッティング装置13によりデバイスPが打ち抜かれる。サブ移載ヘッド20はXY方向に移動して、打ち抜かれたデバイスPのうち、所望のデバイスPをノズル20aに吸着してテイクアップし、カメラ15の上方へ移送し、デバイスPのXYθ方向の位置ずれを検出する。
次にサブ移載ヘッド20はこのデバイスPを側方のステージ16に移送する。この際モータ20bを駆動することにより、ノズル20aを回転させてθ方向の位置ずれを補正し、またXY方向ストロークを加減することにより、XY方向の位置ずれを補正したうえで、デバイスPをステージ16上に載置する。このようにして行われるXYθ方向の位置ずれの補正は荒補正であって、デバイスPをステージ16上に良好な姿勢や位置で載置するために行われるものである。
次いで何れかの移載ヘッド(例えば移載ヘッド41a)がステージ16上に到来してデバイスPをテイクアップし、カメラ15の上方に移送してデバイスPのXYθ方向位置ずれを検出する。次にこのデバイスPを基板2上に移送し、カメラ45により基板2のパターンのXYθ方向の位置ずれを観察したうえで、デバイスPを基板2に着地させる。その際、次のようにして精密な補正が行われる。すなわち、モータ41cを駆動してノズル41aを回転させることにより、デバイスP及び基板2のパターンのθ方向の位置ずれを補正するとともに、XYテーブル32、38のストロークを加減して、デバイスP及び基板2のパターンのXY方向の位置ずれを補正する。この位置ずれの補正は、デバイスPから小ピッチにて多数本突出する極細のアウターリードP3を、基板2の回路パターンに完全に接合させるために行われる精密な補正である。このようにしてデバイスPが基板2上に搭載されると、次にこの移載ヘッド41に設けられた熱圧着ツール41Bが下降し、デバイスPのアウターリードP3を基板2に熱圧着する。この場合、ノズル41aによりデバイスPを基板2に押さえつけたままで、ツール41bをアウターリードP3に圧着するようにすれば、圧着時にデバイスPがふらつくのを防止する。
上述のように本装置は、サブ移載ヘッド20は1個であって、複数種のデバイスに共用されるが、移載ヘッド41〜44は複数個装備されており、そのデバイスに合った最適の移載ヘッド41〜44が選択使用される。その第1の理由は、デバイスPをステージ16に載置する場合は、それ程高い位置精度は要求されないが、多数本突出する極細のアウターリードP3を基板2のパターンに接合させて圧着する場合は、きわめて高い位置精度が要求される為である。また第2の理由は、アウターリードP3の形状や寸法に応じて、熱圧着ツール41b〜44bを使い分けることが望ましいからである。」(4頁左下欄11行〜5頁右上欄9行)

(2)引用例2
同じく、当審における拒絶の理由で引用した刊行物2の特開昭59-186333号公報(以下、「引用例2」という。)には、半導体チップをセラミック等の基板にボンディングするボンディング装置に関する発明が第2〜4図とともに開示され、さらに以下の事項が記載されている。
「パターン認識装置21とX-Yテーブル20によってペレット22は所定の位置に位置決めされる。次に先端部に吸着コレット24を有する移動アーム23がカム・シリンダー等により下方に移動する。前記吸着コレットペレット22が接触するとペレットを真空吸着する。吸着を完了すると移動アームは上方に移動し、さらに軌跡Hに沿って移動する。24の吸着コレットによって保持されたペレットは加熱手段をもったボンディングアーム28の先端に設けられている吸着コレット29に移載され24の吸着を解除し次に29の吸着コレットで真空吸着しペレットを保持する。基板27はX-Yテーブル25とパターン認識装置34によって所定の位置に位置決めされる。
・・・基板位置決め終了後、パターン認識装置27はボンディングアーム28上のペレット22にカメラ焦点が合うようカメラ用Z軸テーブル36が移動する。
次にボンディングアーム28はX-Yテーブル32によって所定の位置に位置決めする。そこで、パターン認識装置34によりペレット33の位置ずれを検出し、XYテーブル32によりペレット33を検出したずれ量だけ補正して正規の位置へ位置決めする。・・・次にペレットは回転テーブル30によって180゜回転し基板27とペレット33が対向する次に位置ズレIだけX-Yテーブル25によって基板の位置を修正する。又パッドの位置に角度ズレがある場合θテーブル26によって基板の位置を修正する。位置の修正が完了するとZテーブル31によって矢印J方向に移動しリード部32をペレット33を熱圧着等により接続する。」(3頁左上欄11行〜左下欄9行)
さらに第2〜4図の記載からみて、移動アームの吸着コレットは下向きであり、ボンディングアームの吸着コレットは受渡位置において上向きであることは明らかである。

[3]対比・判断
(1)本願発明1について
本願発明1と上記引用例1に記載の発明とを対比すると、引用例1に記載の「カッティング装置」、「ステージ」のある位置、「サブ移載ヘッド」、「基板」のある位置、及び「移載ヘッド」は、本願発明1の「打抜装置」、「受渡位置」、「第1の移載ヘッド」、「位置決め部」、及び「第2の移載ヘッド」に相当するから、両者は、本願発明1の構成に沿って記載すると、「チップがボンディングされたフィルムキャリアを打ち抜いてアウターリードを有するデバイスを得る打抜装置と、この打抜装置によりフィルムキャリアを打ち抜いて得られたデバイスをノズルに吸着した状態で受渡位置まで水平移動する第1の移載ヘッドと、位置決め部に位置決めされた基板にデバイスを移送搭載する第2の移載ヘッドとを備えたアウターリードボンディング装置。」の点で一致するものの、以下の点で相違する。
a.本願発明1は、「受渡位置において上向きのノズルからデバイスを下向きのノズルに直接受け取る」のに対し、引用例1に記載のサブ移載ヘッドと移載ヘッドとはそのような受渡しをしていない点。
b.本願発明1のカメラは、「第2の移載ヘッドの下向きのノズルに吸着されたデバイスを下方から観察してアウターリードの位置ずれを検出する」のに対し、引用例1に記載のカメラは、基板のパターンのXYθ方向の位置ずれを観察している点。
そこで、上記相違点aについて検討すると、引用例1に記載のデバイスの受渡しは、サブ移載ヘッドの下向きのノズルに吸着されたデバイスをステージに移送してステージ上に載置し、次いで何れかの下向きの移載ヘッドがステージ上に到来してデバイスをテイクアップするようにしたものである。
一方、引用例2に記載のペレットの受渡しは、下向きの吸着コレットから上向きの吸着コレットにペレットを直接受け取るようにしているものの、基板にペレットを移載する際には、ボンディングアームを180゜回転させて吸着コレットを下向きとした上で基板にペレットを移載するものである。
してみると、引用例1に記載のように、ステージを介して下向きのノズルから別の下向きのノズルにデバイスを受渡すことに替えて、引用例2に記載のように、下向きの吸着コレットから別の上向きの吸着コレットにペレットを受渡すことを採用したとしても、ステージを介さずにサブ移載ヘッドの下向きのノズルから移載ヘッドの上向きのノズルにデバイスを受渡すことになるにすぎず、本願発明1の第1、2の移載ヘッドのノズルとは、その向きがそれぞれ逆向きであり、しかもデバイスを基板に載置するためには、移載ヘッドを180゜回転させて移載ヘッドのノズルを上向きにする必要があるから、本願発明1のように第1の移載ヘッドによりデバイスをノズルに吸着した状態で受渡位置まで移動させ、この受渡位置において第1の移載ヘッドの上向きのノズルからデバイスを第2の移載ヘッドの下向きのノズルに直接受け取り、基板にデバイスを移送搭載することは容易に想到することはできない。
そして、本願発明1は、デバイスの受渡し後に、第2の移載ヘッドを上下反転させることによるデバイスの新たな位置ずれを生じることがないとの顕著な作用効果を生ずるものである。
してみると、本願発明1は、上記相違点bについては検討するまでもなく、引用例1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)本願発明2について
本願発明2は、本願発明1を引用する発明であって、本願発明1の構成を全て備えているから、本願発明1が引用例1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができない以上、本願発明2についても引用例1、2に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)本願発明3について
本願発明3と引用例1に記載の発明とを対比すると、両者は、本願発明3の構成に沿って記載すると、「チップがボンディングされたフィルムキャリアを打抜装置により打抜いてアウターリードを有するデバイスを得る工程と、打抜いて得られたデバイスを第1の移載ヘッドのノズルに吸着し、この第1の移載ヘッドを受渡位置まで水平移動させる工程と、検出された位置ずれを補正する工程と、第2の移載ヘッドがデバイスを位置決め部に位置決めされた基板に搭載する工程を含むアウターリードボンディング方法」の点で一致するものの、以下の点で相違する。
c.本願発明3は、「受渡位置において第2の移載ヘッドの下向きのノズルが前記第1の移載ヘッドの上向きのノズルからデバイスを直接受取る工程」を有するのに対し、引用例1に記載のサブ移載ヘッドと移載ヘッドとはそのような受渡し工程を有しない点。
d.本願発明3は、「第2の移載ヘッドの下向きのノズルに吸着されたデバイスをカメラにより下方から観察してアウターリードの位置ずれを検出する工程」を有するのに対し、引用例1に記載の発明は、カメラにより基板のパターンのXYθ方向の位置ずれを観察している点。
そこで、上記相違点cについて検討すると、この相違点cは、本願発明1と引用例1に記載の発明との相違点aと同様であるから、本願発明3についても、上記相違点dについては検討するまでもなく、引用例1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(4)本願発明4について
本願発明4は、本願発明3を引用する発明であって、本願発明3の構成を全て備えているから、本願発明3が引用例1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができない以上、本願発明4についても引用例1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

[4]むすび
以上のとおりであるから、本願発明1〜4は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとした原査定の判断は妥当ではない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2003-02-04 
出願番号 特願平4-35927
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 川真田 秀男  
特許庁審判長 関根 恒也
特許庁審判官 伊藤 明
中西 一友
発明の名称 アウターリードボンディング装置およびアウターリードボンディング方法  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 坂口 智康  

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