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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N |
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管理番号 | 1071576 |
審判番号 | 不服2002-18477 |
総通号数 | 39 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-09-24 |
確定日 | 2003-02-24 |
事件の表示 | 平成 4年特許願第296932号「画像処理装置およびその方法」拒絶査定に対する審判事件〔平成 6年 5月31日出願公開、特開平 6-152946、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明 本願は、平成4年11月6日の出願であって、その請求項1〜5に係る発明は、平成11年11月4日、平成14年5月22日、及び平成14年10月24日付けの手続補正によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の第1〜5項に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】画像を入力する入力手段と、 判定基準に従い、入力画像の属性を判定する判定手段と、 その判定結果に基づき、前記入力画像をカラー/白黒領域と網点/線画領域に同時に分割する分割手段と、 分割された領域ごとに異なるパターン化処理を、前記入力画像に施す処理手段と、 前記パターン化処理された画像を表示部に表示させる表示手段と、 前記カラー/白黒領域と網点/線画領域のうち、前記表示部に表示させるべき領域を設定する設定手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 【請求項2】 さらに、前記判定基準を調整するための調整手段を有することを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。 【請求項3】 さらに、前記パターン化処理された画像に基づき画像形成を行う形成手段を有することを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。 【請求項4】 前記表示手段は、前記入力画像および前記パターン化処理された画像を同時に前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。 【請求項5】 画像を入力し、 判定基準に従い、入力画像の属性を判定し、 その判定結果に基づき、前記入力画像をカラー/白黒領域と網点/線画領域に同時に分割し、 分割された領域ごとに異なるパターン化処理を、前記入力画像に施し、 前記パターン化処理された画像を表示部に表示させ、 前記カラー/白黒領域と網点/線画領域のうち、前記表示部に表示させるべき領域を設定することを特徴とする画像処理方法。」 2.引用刊行物 (引用例1) これに対して、原審の拒絶の理由で引用した 特開平3-223987号公報(平成3年10月2日公開)(以下、「引用例1」という。)には、 「運転免許証、身分証明書、入門証、銀行通帳などの写真入りカードを作成発行するための画像読取り処理装置であって、 申請書類を読取ることにより得られる申請書識別コードから申請書の様式情報を取得し該様式に対応するマーク切出し枠信号を発生することにより読取った申請書類上の画像を顔写真領域201、署名領域202、及び手書き文字領域203に分割し、手書き文字領域203の文字に対しては文字認識を行い、顔写真領域201及び署名領域202に対しては原簿と照らし合わせることで本人か否かの認証を行い、 そして顔写真画像、署名画像、及び文字画像を表示部に表示させ、この時オペレータは、表示部の表示内容と申請書の内容とを比較照合して確認を行い、もし読取ミスがあれば訂正を行い、 すべての処理が終了すると、印刷部は画像処理部の処理結果を受けて所定の原紙上に印刷を行い、申請書を作成する画像読取り処理装置」が記載されている。 (引用例2) 同じく原審の拒絶の理由で引用した特開平3-63882号公報(平成3年年3月19日公開)(以下、「引用例2」という。)には、 「文字と図形が混在する文書から文字領域と図形領域を分離し、分離後の文字領域または図形領域を分離処理の結果をチェックするために表示手段に文字領域は赤で図形領域は青で見易く表示し、画像圧縮処理に先立って、操作者は、ポインテイングデバイスまたはキーボード等を用いることにより誤認した画素塊を指示し画像の修正を行い、その後画像圧縮処理を行うようにした画像処理装置。」が記載されている。 3.対比 本願特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と引用例1に記載された発明とを対比するに、 本願発明と引用例1に記載された発明とは、 「画像を入力する入力手段と、 判定基準に従い、入力画像の属性を判定する判定手段と、 その判定結果に基づき、前記入力画像を分割する分割手段と、 前記分割された画像を表示部に表示させる表示手段と を有することを特徴とする画像処理装置。」 である点で一致し、次の2点で相違する。 (相違点1) 本願発明の分割手段が、「前記入力画像をカラー/白黒領域と網点/線画領域に同時に分割している」のに対し、 引用例1に記載された発明の分割手段は、「前記入力画像を顔写真領域、署名領域、及び手書き文字領域に分割している」点。 (相違点2) 本願発明が、「分割された領域ごとに異なるパターン化処理を、前記入力画像に施す処理手段」および「前記カラー/白黒領域と網点/線画領域のうち、前記表示部に表示させるべき領域を設定する設定手段」を有しているのに対し、 引用例1に記載された発明は、「分割された領域ごとに異なるパターン化処理を、前記入力画像に施す処理手段」および「前記カラー/白黒領域と網点/線画領域のうち、前記表示部に表示させるべき領域を設定する設定手段」を有さない点。 4.当審の判断 前記相違点1及び2について判断する。 引用例2には、分離後の文字領域または図形領域を分離処理の結果をチェックするために表示手段に文字領域は赤で図形領域は青で見易く表示することが記載されてはいるが、 引用例2には、 (i)「前記入力画像をカラー/白黒領域と網点/線画領域に同時に分割する分割手段」 (ii)「分割された領域ごとに異なるパターン化処理を、前記入力画像に施す処理手段」 (iii)「前記カラー/白黒領域と網点/線画領域のうち、前記表示部に表示させるべき領域を設定する設定手段」 が、まったく記載されていない。 したがって、引用例1に記載された発明と引用例2に記載された発明とを組み合わせても、本願発明が、容易に発明し得るとはいえない。 また、請求項2〜4に係る発明と引用例1に記載された発明とを対比・判断すると、請求項2〜4に係る発明は、請求項1に係る発明を引用するものであり、請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明の記載内容を変えずに発明のカテゴリのみを装置から方法に変更したものであるから、前述した理由により、請求項2〜5に係る発明は、引用例1〜2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明し得るとすることはできない。 5.むすび 以上のとおり、本願請求項1〜5に係る発明は、引用例1〜2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができるとすることはできない。 また、他に本願請求項1〜5に係る発明を拒絶する理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2003-02-13 |
出願番号 | 特願平4-296932 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04N)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 松永 稔、白石 圭吾 |
特許庁審判長 |
東 次男 |
特許庁審判官 |
江頭 信彦 関川 正志 |
発明の名称 | 画像処理装置およびその方法 |
代理人 | 大塚 康弘 |
代理人 | 木村 秀二 |
代理人 | 高柳 司郎 |
代理人 | 大塚 康徳 |