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審決分類 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  G02B
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  G02B
審判 全部申し立て 2項進歩性  G02B
管理番号 1071722
異議申立番号 異議2002-70955  
総通号数 39 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2003-03-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-04-15 
確定日 2002-11-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3219271号「高屈折率レンズおよびその製造法」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3219271号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第3219271号の発明についての出願は、1989年5月1日(優先権主張1988年4月30日、日本国)を国際出願日として特許出願され、平成13年8月10日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、三菱瓦斯化学株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成14年10月1日に訂正請求がなされたものである。

II.訂正の適否
1.訂正の内容
(1)訂正事項a
請求項3を削除する。
(2)訂正事項b
請求項4の請求項番号を繰り上げ、請求項3と訂正する。
(3)訂正事項c
明細書第18頁第10行(特許公報第10欄第33行)に記載の「大別つれ」を、「大別され」と訂正する。
(4)訂正事項d
明細書第21頁第15行(特許公報第12欄第5〜6行)に記載の「高高度」を、「高硬度」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)上記訂正事項aは、請求項3を削除して特許請求の範囲を減縮しようとするもので、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当する。又該訂正は、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内のものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)上記訂正事項bは、上記訂正事項aにともなって訂正前の請求項4の請求項番号を繰り上げるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当し、上記訂正事項cは、明らかな誤記を正すものであって、又該訂正は、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内のものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

3.むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

III.特許異議申立てについて
1.特許異議申立ての概要
(1)特許異議申立人三菱瓦斯化学株式会社は、証拠として下記の甲第1号証〜甲第7号証を提出し、(理由1)訂正前の請求項1〜4に係る発明は、優先権主張が認められず甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反しており、また、(理由2)本件特許明細書は、特許法第36条第3項及び第4項に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであるから、これを取り消すべき旨主張する。

甲第1号証:特開昭64-45611号公報
甲第2号証:特開平1-98615号公報
甲第3号証:特開昭60-32611号公報
甲第4号証:特開昭56-144129号公報
甲第5号証:「入門エポキシ樹脂(新高分子文庫25)」株式会社高分子刊行会、1988年6月20日、第1版第1刷発行、第6〜11頁
甲第6号証:特願昭63-105466号明細書(昭和63年4月30日出願)
甲第7号証:ヨーロッパ特許374258号出願に対するヨーロッパ特許庁からの1993年7月28日付拒絶理由、及び当該出願人の1994年2月7日付応答書

2.本件発明
本件特許第3219271号の請求項1〜3に係る発明は、上記のとおり訂正が認められたから、平成14年10月1日付けの訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】一分子中に二個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ/エピスルフィド樹脂と二官能以上のポリオチールと内部離型剤の混含物を注型重合することにより得られるポリスルフィド系樹脂製レンズ。
【請求項2】エポキシ/エピスルフィド樹脂中のエポキシ基およびエピスルフィド基の合計に対し、ポリチオール中のメルカプト基のモル比が0.1〜2.0である請求項1記載のレンズ。
【請求項3】一分子中に二個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ/エピスルフィド樹脂と二官能以上のポリオチールと内部離型剤の混含物を注型重合する請求項1記載のポリスルフィド系樹脂製レンズの製造法。」

3.甲第1号証〜甲第7号証の記載事項
(1)甲第1号証:(特開昭64-45611号公報)
(1a)「1. 2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと2個以上のチオール基を有するポリチオールとをガラスまたは金属製のレンズ母型の中で注型重合するに際し、予めポリイソシアネートとポリチオールとの混合物に界面活性剤を添加しておくことを特徴とする含硫ウレタン樹脂製レンズの注型重合方法。
2.内部添加型の界面活性剤として、フッ素系ノニオン界面活性剤、シリコン系ノニオン界面活性剤、アルキル第4級アンモニウム塩および酸性燐酸エステルよりなる群から選んだ1種又は2種以上を添加しておくことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の含硫ウレタン樹脂製レンズの注型重合方法。」(特許請求の範囲1、2)
(1b)「これらのポリイソシアネートとポリチオールの使用割合はNCO/SHのモル比率で0.5〜3.0の範囲、好ましくは0.5〜1.5の範囲である。」(第4頁左上欄第6〜9行)
(1c)発明の効果欄に、「本発明の注型重合方法を用いることにより、得られる含硫ウレタン樹脂製レンズはレンズ母型からの離型が容易であり、かつ、得られるレンズの表面は高い透明性と良好な面精度を有しており、」(第8頁右下欄下から2行〜第9頁左上欄2行)
(1d)実施例1には、2枚のガラス製レンズ母型を用いた鋳型の中に、m-キシリレンジイソシアネート94部、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)122部、ジブチル錫ジラウレート0.05部およびフッ素系ノニオン界面活性剤100ppmの均一混合液を注入し、加熱して重合させたのち、冷却し、鋳型から離型して含硫ウレタン樹脂製のレンズを得たこと(第5頁左上欄第4〜末行)、が記載されている。

(2)甲第2号証:(特開平1-98615号公報)
(2a)「(A)成分:二官能以上のエポキシ樹脂と、(B)成分:該エポキシ樹脂と反応可能な官能基を2個以上有し、かつ硫黄原子を含有する化合物とを反応させることを特徴とする硫黄原子を含有するエポキシ系レンズ用樹脂の製造方法。」(特許請求の範囲)
(2b)「硫黄含有ウレタン樹脂は、モールド内で酸素や水分と反応することによって、得られたレンズが着色しやすく、・・・ウレタン反応はきわめて発熱が大きく、反応温度を0〜20℃以下に保つ必要があり、液の温度を制御することが困難であるという問題点を有していた。本発明は、かかる従来技術の欠点を解消しようとするものであり、十分な屈折率を有し、かつ外観に優れ、さらに、加工性が良好なエポキシ系レンズ用樹脂の製造方法を提供することを目的とする。」(第2頁左上欄第9〜右上欄1行)
(2c)「本発明において、(A)成分のエポキシ樹脂と、(B)成分の硫黄含有化合物との使用量は(A)成分中のエポキシ基/(B)成分中のエポキシ基との反応基=0.5〜2.0モル比の範囲内であることが好ましく、更には0.5〜1.5モル比範囲内が好ましい。」(第3頁左上欄第6〜11行)
(2d)実施例1には、(A)成分、(B)成分および反応触媒を混合し、予め疎水化して離型しやすく処理を施したガラス型中にこの混合液を注入し、加熱反応させ硬化させたこと(第3頁右上欄下から2〜左下欄8行)、実施例3には、A成分:フタル酸ジグリシジルエステル、B成分:ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリレート)を用いること(第3頁右下欄下から3〜第4頁左上欄3行)、が記載されている。

(3)甲第3号証:(特開昭60-32611号公報)
(3a)内部添加用離型剤に関する発明であって、内部離型剤を樹脂、ゴムなどに添加した際、離型剤の種類によっては含まれている官能基が樹脂、ゴムなどと反応して種々な不都合を起すという不利があり、これを特定の基を含むオルガノシロキサンがウレタン樹脂に対する内部添加用離型剤として優れた性質を示すということを見出すと共に、これがアクリル樹脂、エポキシ樹脂などの合成樹脂や天然ゴム、各種合成ゴムの内部添加用離型剤として有用とされることを確認して本発明を完成させたこと(第2頁左上欄1〜右上欄15行)
(3b)実施例5には、エポキシ樹脂・エピコート828(シェル化学社製商品名)100部とトリエチレンテトラミン12部と、式(省略)で示されるオルガノシロキサン1部を添加し、均一に混合したのち、アルミニウム製の皿に注入し、加熱硬化させ、得られた製品を型から解放したところ、容易に離型されたこと(第5頁右上欄第6〜左下欄6行)、が記載されている。
(4)甲第4号証:(特開昭56-144129号公報)
(4a)「(1)所定の波長の光に対して透明で、重合可能な熱硬化性を有する液状物質を、重合開始剤または硬化剤とともに、所定の光学的表面を有する型に流し込み、予備重合させる工程、前記型の中に予備重合物が入っている状態で、この予備重合物のガラス転移点より高い温度でかつ分解温度よりも低い温度で加熱、加圧圧縮し、重合物の面形状をさらに前記型に忠実なものにしながら硬化させる工程、および硬化完了後、冷却離型する工程を有することを特徴とするプラスチックレンズの製造法。
(2)重合可能な液状物質が、エポキシ系、アリル系、・・・なることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のプラスチックレンズの製造法。」(特許請求の範囲1、2)
(4b)「なお、離型を容易に行なうためには、公知の離型剤をあらかじめ型の表面に塗布しておくか、あるいは、内部離型剤たとえば有機燐酸エステル型界面活性剤を液状の重合可能な物質中に添加しておけばよい。」(第2頁左下欄下から4〜右下欄1行)
(4c)実施例1には、重合可能な液状物質としてエポキシ樹脂である「EPO-TEK306」(エポキシテクノロジー社商品名)を用い、あらかじめ離型剤を塗布しておいたステンレススチール製の型に流し込んで予備重合、加圧硬化させレンズを成形したこと、実施例2には、重合可能な液状物質としてジエチレングリコールビスアリルカーボネート、有機燐酸エステル型界面活性剤である「プライサーフA207H」(第1工業(株)商品名)、ベンゾイルパーオキサイドを均一に混合したものを用い、予備重合、加圧硬化させレンズを成形したこと(第2頁右下欄第3〜第4頁左上欄12行)、が記載されている。

(5)甲第5号証:(「入門エポキシ樹脂」)
エボキシ樹脂材料の構成に関する一般的な記載があり、その図1.4には、エボキシ樹脂材料の主成分構成材料としてエポキシ樹脂と硬化剤の各種組合せが記載され、更に硬化剤としてポリメルカプタンの使用(第7頁、図1.4)、が記載されている。

(6)甲第6号証:(特願昭63-105466号明細書)
本件特許の優先権主張の基礎となった出願で、
請求項2には、「一分子中に2個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ/エピスルフィド樹脂と、2官能以上のポリチオールとを反応させて得られるポリスルフィド系樹脂製レンズ。」(請求項2)、
発明の詳細な説明には、「さらに、目的に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶染料、充填剤、離型剤などの種々の物質を添加してもよい。」(第22頁第4〜6行)、
実施例1には、「ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから作られたエポキシ樹脂(エポキシ当量190)19gと、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)12.2gを混合し、トリエチルアミン0.08g、内部離型剤0.03gを加え、均一とした後、ガラスモールドとガスケットよりなるモールド型中に注入した。・・・こうして得られたレンズは、無色透明で耐候性に優れ、屈折率nD20=1.58、アッベ数37であった。」(第23頁下から4〜第24頁7行)、が記載されている。

(7)甲第7号証:(ヨーロッパ特許374258号出願に対する1993年7月28日付拒絶理由、及び1994年2月7日付応答書)
本件特許に対応するヨーロッパ特許374258号出願に対する1993年7月28日付ヨーロッパ特許庁からの拒絶理由、及び1994年2月7日付の出願人の応答書であって、
拒絶理由には、「出願人が屈折率、透明性などのレンズの光学特性に影響を与えることなく全ての公知の内部離型剤を実際使用しうることは可能とは思えない。」(第1頁第1)欄4〜6行)、
応答書には、クレーム1の(c)内部離型剤を、「リン酸エステル、アルキル第4級アンモニウム塩、ジメチルポリシロキサン基を有し、かつ、ヒドロキシアルキル基又はリン酸エステル基を有するシリコン系非イオン界面活性剤、そしてパーフルオロアルキル基を有し、かつ、ヒドロキシアルキル基又はリン酸エステル基を有するフッ素系非イオン界面活性剤のうちの少なくとも一つの内部離型剤」と補正したこと(第29頁クレーム1)、が記載されている。

4.対比判断
(1)理由1(特許法第29条第2項違反)について
(1a)特許異議申立人は、甲第6号証を示して、本件特許発明に係る「内部離型剤」を添加することが、優先権主張の基礎となる出願には、実質上の使用およびその効果について記載されていないから、本件特許は優先権主張が認められない。そのため出願日は平成1年5月1日であって、基礎となる出願の出願日(昭和63年4月30日)と現実の出願日(平成1年5月1日)の間に公開された甲第1、2号証を含めた各甲号証の記載に基いて容易に発明をすることができたものと主張するので、優先権主張の適否について、先ず検討する。
甲第6号証である本件特許の優先権主張の基礎となった出願の明細書には、請求項2に「一分子中に2個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ/エピスルフィド樹脂と、2官能以上のポリチオールとを反応させて得られるポリスルフィド系樹脂製レンズ」が記載され、発明の詳細な説明には、さらに、目的に応じて離型剤を添加してもよいこと、そして、実施例1には、注型する原料の中に内部離型剤0.03gを加え、得られたレンズは、無色透明で耐候性に優れ、屈折率nD20=1.58、アッベ数37であったこと(上記摘記事項(6))が記載されている。
そして、本件特許発明は、上記訂正によって訂正前の請求項3「内部離型剤が界面活性剤である」ことが削除され、単に内部離型剤を含む混合物を用いる発明に訂正された。そして、内部離型剤自体を用いること、その効果についても優先権主張の基礎となった出願の明細書に記載されていることであるから、本件特許発明に係る出願の優先権主張は認められ、その出願は、昭和63年4月30日にされたものと認められる。

(1b)以上のとおり、本件特許発明の出願は、優先権主張が認められるから、特許異議申立人が提出した甲第1、2号証は、本件特許発明の出願日前に公知になった刊行物とは認められない。
以下に、甲第3〜5号証について検討する。
本件請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という)は、優れた光学物性と、一般に使用されるガラスモールドを使用してモールド表面の特別な離型処理なしに高度な面精度と優れた透明性を有するレンズを工業的にも極めて効率よく製造しうることを目的として、一分子中に二個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ/エピスルフィド樹脂と二官能以上のポリオチールと内部離型剤の混含物を注型重合することにより得られるポリスルフィド系樹脂製レンズであることを特徴とするものである。
これに対して、甲第4号証には、エポキシ系などの重合可能な熱硬化性を有する液状物質を、重合開始剤または硬化剤とともに、所定の光学的表面を有する型に流し込み、予備重合させる工程、加圧圧縮し、重合物の面形状をさらに前記型に忠実なものにしながら硬化させる工程、および硬化完了後、冷却離型する工程を有するプラスチックレンズの製造法であって、離型を容易に行なうために、内部離型剤たとえば有機燐酸エステル型界面活性剤を液状の重合可能な物質中に添加しておくこと(上記摘記事項(4a)(4b))は記載されている。しかし、実施例では重合可能な熱硬化性を有する液状物質としてエポキシ樹脂を用いていても、内部離型剤は用いておらず、本件発明1のエポキシ/エピスルフィド樹脂と二官能以上のポリオチールとの混含物を注型重合することにより得られるポリスルフィド系樹脂製レンズについての記載はなく、又このポリスルフィド系樹脂を示唆する記載もない。
甲第3号証には、合成樹脂や天然ゴム、各種合成ゴムの内部添加用離型剤として特定の基を含むオルガノシロキサンが記載され、この内部添加用離型剤がエポキシ樹脂にも用いられることが記載されてはいるが、プラスチックレンズに使用する樹脂の用途については、何も記載されていない。又、甲第5号証には、エポキシ樹脂材料に関する記載があり、その硬化剤としてポリメルカプタンがあることが記載されているが、プラスチックレンズに使用する樹脂の用途については、何も記載されていない。
そうすると、甲第3〜5号証の記載には、エポキシ/エピスルフィド樹脂と二官能以上のポリオチールとの混含物を注型重合することにより得られるポリスルフィド系樹脂製レンズについての記載及び示唆はなく、これらの記載から本件発明1を導き出すことが当業者にとって容易に想到し得るものではない。
そして、本件発明1は、上記した構成により、明細書に記載された、優れた光学物性と一般に使用されるガラスモールドを使用してモールド表面の特別な離型処理なしに高い面精度と優れた透明性を有する有用なレンズであり、また本発明のレンズの製造法は工業的に極めて有利な方法であるという甲第3〜5号証の記載からは予測することのできない格別な効果を奏しているものである。
したがって、本件発明1は、甲第3〜5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

また、請求項2、3に係る発明は、本件発明1を引用し、更に構成を限定するものであるから、上記と同じ理由によって、甲第3〜5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

(2)理由2(特許法第36条違反)について
(2a)特許異議申立人は、本件特許明細書には次の記載不備があるから、本件特許は、特許法第36条第3項及び第4項に規定するの要件を満たしていない出願に対してされた旨主張している。
a.請求項1には、内部離型剤という規定自体その範囲は実際不明確であり、どの程度の離型効果を有するものが本件特許発明に包含されるのか不明であり、又一般に、当業者の技術常識からして、公知の全ての内部離型剤が本件特許発明の効果を奏するとは到底認められない。特許異議申立人による比較実験(異議申立書第15頁)によっても、公知の内部離型剤でも、本件特許発明の効果を奏しないものがあることが裏付けられているから、請求項1の記載は、特許を受けようとする発明の構成に欠くことのできない事項のみが記載されたものとは認められない。
b.請求項1には、エピスルフィド樹脂も含まれているが、エピスルフィド樹脂については、明細書に実施例及び具体的な効果について何ら示されてない。エピスルフィド単独樹脂の場合、内部離型剤を用いなくても充分優れた離型性を有しており、逆に内部離型剤を用いると面精度が悪化することがあり、本件特許発明の構成では本件特許発明の効果が得られない場合がある。よって、本件特許は、発明の詳細な説明に当業者が容易にその実施をすることができる程度にその発明の目的、構成、効果が記載されておらず、又、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるとも云えない。

(2b)そこで、上記主張a.b.について検討する。
主張a.について
内部離型剤について、本件特許明細書には、「本発明において用いられる内部離型剤は、界面活性剤、ワックス類、有機シリコン化合物、有機フッ素化合物があるが、好ましくは、界面活性剤が使用される。」(特許公報第10欄第29〜31行)と定義した記載があり、それ以降に具体的な界面活性剤、有機シリコン化合物、有機フッ素化合物の例示がなされ、更に実施例においては、具体的な内部離型剤を使用したときの効果が記載されており、又内部離型剤は、本件特許発明の目的、効果を達成するための離型効果を有するものと解することができ、内部離型剤の規定自体は明確である。
又、特許異議申立人による比較実験では、用いた内部離型剤「カルバナワックス」「シリコーングリース」「テトラブチルアンモニウムクロライド」の具体的な製品名、製造元、グレード等が何ら示されておらず、又本件特許発明の実施例1において、内部離型剤を表に示すものを用いる以外はほぼ同様にして比較実験1〜4を行ったとされているが、表記載の実施例1と、本件特許発明の実施例1とは組成比が異なり、内部離型剤も異なっており、正確な比較実験であるとは認められない。一方、特許権者の実験報告書(異議意見書添付の平成14年9月26日付実験報告書)によると、特許異議申立人が用い本件発明の効果が得られなかったとするカルバナワックス、テトラブチルアンモニウムクロライドを内部離型剤として用いても、無色透明で十分な離型性と、面精度を有することが確認されている。又特許異議申立人が用いたシリコングリースは、シリコーンオイルに増粘剤などを加えたもので、このものが光学用用途の内部離型剤として用いられること自体不明である。
そうすると、本件特許明細書には、内部離型剤について明確に十分記載されており、又請求項1の記載は、特許を受けようとする発明の構成に欠くことのできない事項のみが記載されており、上記記載不備はない。

主張b.について
本件特許明細書において、エピスルフィド樹脂については、具体的な実施例、及び効果については記載されていない。しかしながら、エポキシ基とエピスルフィド基は、類似の物性を示すこと、エポキシ化合物とエピスルフィド化合物の化学的反応性についてはほぼ同等であることは、例えば特許権者が異議意見書の中で示した証拠2〜5を見るまでもなく周知である。又特許権者が異議意見書の中で示した実験報告書の実験5、6によれば、エピスルフィド樹脂の離型効果が確認されており、本件特許発明のエピスルフィド樹脂での効果が裏付けられている。
特許異議申立人は、エピスルフィド単独樹脂の場合、内部離型剤を用いなくても充分優れた離型性を有しており、逆に内部離型剤を用いると面精度が悪化することがあり旨主張しているが、これを裏付ける具体的な証拠もなく、この主張は採用することは出来ない。
よって、本件特許明細書に実施例の記載がなく効果が確認されていなくとも、当業者が容易に実施することができないほどの記載不備があるとまでは云えず、上記記載不備はない。
したがって、本件発明の特許は、特許法第36条第3項及び第4項に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものではない。

VI.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1〜3に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1〜3に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件請求項1〜3に係る発明の特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
高屈折率レンズおよびその製造法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 一分子中に二個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ/エピスルフィド樹脂と二官能以上のポリオチールと内部離型剤の混含物を注型重合することにより得られるポリスルフィド系樹脂製レンズ。
【請求項2】 エポキシ/エピスルフィド樹脂中のエポキシ基およびエピスルフィド基の合計に対し、ポリチオール中のメルカプト基のモル比が0.1〜2.0である請求項1記載のレンズ。
【請求項3】 一分子中に二個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ/エピスルフィド樹脂と二官能以上のポリオチールと内部離型剤の混含物を注型重合する請求項1記載のポリスルフィド系樹脂製レンズの製造法。
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明はポリスルフィド系樹脂製レンズ及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、一分子中に2個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ/エピスルフィド樹脂(以下、エポキシ樹脂と称する)と、2官能以上のポリチオールと内部離型剤の混合物を注型重合して得られるポリスルフィド系樹脂製レンズおよびその製造方法に関するものである。
プラスチックレンズは、無機レンズに比べて軽量で割れにくく、染色が可能なため、近年、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子に急速に普及してきている。
背景技術
これらの目的に現在広く用いられている樹脂としては、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(以下、D.A.C.と称す)をラジカル重合させたものがある。この樹脂は、耐衝撃性に優れていること、軽量であること、染色性に優れていること、切削性および研磨性等の加工性が良好であることなどの種々の特徴を有している。
しかしながら、屈折率が無機レンズ(nD=1.52)に比べnD=1.50と小さく、ガラスレンズと同等の光学特性を得るためには、レンズの中心厚、コバ厚、および曲率を大きくする必要があり、全体的に肉厚になることが避けられない。この為、より屈折率の高いレンズ用樹脂が望まれている。
一方、高屈折率を有する樹脂として、エポキシ樹脂とアクリル酸やメタアクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物をラジカル重合して得られる樹脂(特開昭58-164607号等)、エポキシ樹脂を酸無水物によって硬化させた樹脂(特開昭58-164618号、同59-22001号)やそれにビニル単量体を混合して硬化させた樹脂(同58-164617号)、さらにエポキシ樹脂をフェノール性水酸基を有する芳香族系化合物で硬化させた樹脂(同63-24201号)、エポキシ樹脂のみを共重合させた樹脂(同59-93720号)が提案されている。
しかし、これらの公知のエポキシ樹脂によるレンズは、DACを用いたレンズよりも屈折率は向上するものの、まだ、不充分であったり、また、屈折率を向上させるために、分子内に多数のハロゲン原子或いは、芳香環を有する化合物を用いているために、分散が大きい、耐候性が悪い、或いは比重が大きいといった欠点を有している。
ところで、プラスチックレンズは高度な面精度、光学歪み計で歪みが発見されない程の光学的均質性、高度な透明性を要求される気泡の全くない剛体である。
一般に、プラスチックレンズの加工方法として、切削研磨、熱プレス成形、注型成型、射出成型が用いられるが、DAC等熱硬化性樹脂を素材とする場合には、注型成型法が用いられる。この場合、レンズとモールド型の離型性が重要であり、離型が早すぎるとレンズの表面が乱れたり、歪みが生じやすく、逆に離型が困難になるとモールド型の剥離が起こる。離型剤としてDACにリン酸ブチルを用いることが知られているが、通常はレンズの物性上、内部離型剤は用いないのが好ましいとされている。(美馬精一、ポリマーダイジェスト、3,39(1984)等)
しかし、一般にエポキシ樹脂系レンズ注型時は、レンズとモールドとの密着性が良く、通常、レンズとモールドの離型は困難である。
本出願人は、エポキシ樹脂系レンズ注型時の離型性改良法としてモールドを外部離型剤で処理する方法やポリオレフィン樹脂製モールドを使用する方法を試みた。
しかしながら、モールドにフッ素やシリコン系外部離型剤を用いて離型膜を形成させる方法は、離型膜の厚さが一定になりにくく、従って、レンズ表面の面精度を維持することが困難なこと、離型膜の一部または全部が重合したレンズの表面や内部に移行するため、表面状態を著しく悪くすること、具体的には表面にムラを生じたりレンズが濁るなどの問題があった。それに加え、モールドを繰り返し使用するに際し、その都度、モールドの離型剤処理が必要となって、工業的なレンズ成型方法としては、煩雑な上にレンズ生産性が落ち、極めて不経済であることもわかった。一方、ポリオレフィン樹脂製モールドを使用する方法では、温度により樹脂モールドが変形するため、成型したレンズの面精度が悪く、光学レンズ、眼鏡レンズなど高度な面精度を要求される分野では、使用が難しいことがわかった。
このような状況に鑑み、本発明者らは、エポキシ樹脂と2官能以上のポリチオールと内部離型剤との混合物を注型重合して得られるポリスルフィド系樹脂製レンズが、優れた光学物性と、一般に使用されるガラスモールドを使用してモールド表面の特別な離型処理なしに高度な面精度と優れた透明性を有するレンズを工業的にも極めて効率よく製造しうることを見出し、本発明に到達した。
発明の開示
即ち、本発明は、一分子中に2個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ樹脂と、2官能以上のポリチオールと内部離型剤の混合物を注型重合して得られるポリスルフィド系樹脂製レンズおよびその製造方法に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明のエポキシ樹脂としては、たとえば次のようなものが挙げられる。
(i)アミン系エポキシ樹脂

を有するエポキシ樹脂で、例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジルジアミノフェニルメタン、メタ-N,N-ジグリシジルアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N,N’,N’-テトラグリシジルテレフタルアミドなどのような、アミノ基やアミド基を有する化合物と、エピクロルヒドリン、メチルエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリンなどのエピハロヒドリンとから合成される樹脂。
アミノ基を有する化合物の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、メタアミノベンジルアミン、パラアミノベンジルアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4-ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、ベンジルアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルサルファイド、ジアミノジフェニルケトン、ナフタレンジアミン、アニリン、トルイジン、メタアミノフェノール、パラアミノフェノール、アミノナフトールなどが挙げられる。
またアミド基を有する化合物の具体例としては、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ベンズアミド、トルアミド、パラヒドロキシベンズアミド、メタヒドロキシベンズアミなどが挙げられる。
これらのアミノ基またはアミド基を有する化合物において、アミノ基又はアミド基以外のヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基などのエピハロヒドリンと反応する基を有する場合、これらのエピハロヒドリンと反応する基の一部または全部がエピハロヒドリンと反応し、エポキシ樹脂で置換されていてもよい。
(ii)フェノール系エポキシ樹脂
このタイプの樹脂は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポトートYDCN-220(東都化成株式会社の商品)などのように、フェノール系化合物とエピハロヒドリンから合成することができる。
フェノール系化合物の具体例としては、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールスルホン、臭素化ビスフェノールA、ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、テトラフェニルエタン、トリフェニルエタンなどが挙げられる。
(iii)アルコール系エポキシ樹脂
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどのように、アルコール系化合物とエピハロヒドリンから合成することができる樹脂である。
アルコール系化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサノジオール、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブタジエングリコール、水添ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物などの多価アルコール、およびこれら多価アルコールと多価カルボン酸から作られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。
(iv)不飽和化合物のエポキシ化物
シクロペンタジエンエポキシド、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、ビニルシクロヘキセンエポキシド、ユニオンカーバイト社の商品名ERL-4221、ERL-4234、ERL-4299などで知られる不飽和化合物のエポキシ化物などが挙げられる。
(v)グリシジルエステル系エポキシ樹脂
テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどのように、カルボン酸とエピハロヒドリンから合成することができる樹脂。
カルボン酸の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、ナジック酸、マレイン酸、フマール酸、トリメリット酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸などの多価カルボン酸が挙げられる。
(vi)ウレタン系エポキシ樹脂
(iii)で挙げた多価アルコールとジイソシアナートおよびグリシドールから合成することができる。
ジイソシアナートの具体例としてはトリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン-4,4´-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナートなどが挙げられる。
(vii)脂環型エポキシ樹脂
3,4-エポキシシクロヘキシル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)ジクロヘキサン-メタ-ジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)アジペートなどの脂環型エポキシ樹脂などが挙げられる。
(Viii)その他のエポキシ樹脂
トリスエポキシプロピルイソシアヌレート、グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、さらに前記したエポキシ樹脂のジイソシアナート、ジカルボン酸、多価フェノールなどによる変性樹脂などが挙げられる。
さらに(i)〜(viii)のエポキシ樹脂のエポキシ基の一部又は全部をエピスルフィド基に変換したエポキシ樹脂が挙げられる。
これらは、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いてもよい。
また2官能以上のポリチオールとしては、例えば、メタンジチオール、1,2-エタンジチオール、1,1-プロパンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、2,2-プロパンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,2,3-プロパントリチオール、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジチオール、3,4-ジメトキシブタン-1,2-ジチオール、2-メチルシクロヘキサン-2,3-ジチオール、ビシクロ(2,2,1)-ヘプタ-exo-cis-2,3-ジチオール、1,1-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2-メルカプトエチル)、2,3-ジメルカプトコハク酸(2-メルカプトエチルエステル)、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール(2-メルカプトアセテート)、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,2-ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3-ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2-ビス(メルカプトメチル)-1,3-プロパンジチオール、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)などの脂肪族ポリチオールおよびそれらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換化合物、1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3-トリメルカプトベンゼン、1,2,4-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5-テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5-テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2´-ジメルカプトビフェニル、4,4´-ジメルカプトビフェニル、4,4´-ジメルカプトビベンジル、2,5-トルエンジチオール、3,4-トルエンジチオール、1,4-ナフタレンジチオール、1,5-ナフタレンジチオール、2,6-ナフタレンジチオール、2,7-ナフタレンジチオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、4,5-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、9,10-アントラセンジメタンチオール、1,3-ジ(p-メトキシフェニル)プロパン-2,2-ジチオール、1,3-ジフェニルプロパン-2,2-ジチオール、フェニルメタン-1,1-ジチオール、2,4-ジ(p-メルカプトフェニル)ペンタンなどの芳香族ポリチオール、また2,5-ジクロロベンゼン-1,3-ジチオール、1,3-ジ(p-クロロフェニル)プロパン-2,2-ジチオール、3,4,5-トリプロム-1,2-ジメルカプトベンゼン、2,3,4,6-テトラクロル-1,5-ビス(メルカプトメチル)ベンゼンなどの塩素置換体、臭素置換体などのハロゲン置換芳香族ポリチオール、また、2-メチルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-エチルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-アミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-モルホリン-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-シクロヘキシルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-メトキシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-フェノキシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-チオベンゼンオキシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-チオブチルオキシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジンなどの複素環を含有したポリチオールおよびそれらの塩素置換体、臭素置換体などハロゲン置換化合物。
さらにメルカプト基以外にも硫黄原子を含有する2官能以上のポリチオールとして、例えば、 1,2-ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4、5-テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼンなど、およびこれらの核アルキル化合物などの芳香族ポリチオール、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3-メルカプトプロピル)メタン、1,2-ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)エタン、1,2-ビス(3-メルカプトプロピルチオ)エタン、1,3-ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3-ビス(3-メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(3-メルカプトプロピルチオ)プロパン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2-メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3-メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3-ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5-ジメルカプト-1,4-ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィドなど、およびこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルイドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルイドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、2-メルカプトエチルチオエーテルビス(2-メルカプトアセテート)、2-メルカプトエチルチオエーテルビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ジチアン-2,5-ジオールビス(2-メルカプトアセテート)、1,4-ジチアン-2,5-ジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、4,4-チオジブチル酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、4,4-ジチオジブチル酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3-ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3-ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3-ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオンビス(2,3-ジメルカプトプロピルエステル)などの脂肪族ポリチオール、3,4-チオフェンジチオール、ビスムチオール、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールなどの複素環化合物などが挙げられる。
さらにはこれらの塩素置換体、臭素置換体などのハロゲン置換体を使用してもよい。
これらは、それぞれ単独で用いることも、又二種以上を混合して用いてもよい。
これら一分子中に2個以上のエポキシ基および/またはエピスルフィド基を有するエポキシ樹脂と2官能以上のポリチオールとの使用割合は、-SH基/(グリシジル基+エピスルフィド基)(官能基)モル比が通常、0.1〜2.0の範囲内、好ましくは0.2〜1.2の範囲内である。
本発明において用いられる内部離型剤は、界面活性剤、ワックス類、有機シリコン化合物、有機フッ素化合物があるが、好ましくは、界面活性剤が使用される。
本発明において用いられる界面活性剤は、イオン型界面活性剤、非イオン型界面活性剤に大別され、イオン型界面活性剤は、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤に分類される。アニオン型界面活性剤は、硫酸エステル系、スルホン酸エステル系、リン酸エステル系があげられるが、この中でリン酸エステル系界面活性剤が好ましく、特に酸性リン酸エステル系アニオン界面活性剤が好ましい。酸性リン酸エステル系アニオン界面活性剤として、具体的には、イソプロピルアシッドホスヘート、ジイソプロピルアシッドホスヘート、ブチルアシッドホスヘート、ジブチルアシッドホスヘート、オクチルアシッドホスヘート、ジオクチルアシッドホスヘート、イソデシルアシッドホスヘート、ジイソデシルアシッドホスヘート、ドデカノールアシッドホスヘート、ビス(トリデカノール)アシッドホスヘートが挙げられる。
カチオン型界面活性剤はアルキル第4級アンモニウム塩であり、アルキル第4級アンモニウムのハロゲン塩、リン酸塩、硫酸塩である。具体的にはクロライドの形で示すと、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、トリメチルステアリルアンモニウムクロライド、ジメチルエチルセチルアンモニウムクロライド、トリエチルドデシルアンモニウムクロライド、トリオクチルドデシルアンモニウムクロライド、ジエチルシクロヘキシルドデシルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
非イオン界面活性剤は、ポリオキシアルキル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキルエーテル、ジメチルポリシロキサン基を有し、かつヒドロキシアルキル基又はリン酸エステル基を有するシリコン系化合物やパーフルオロアルキル基を有し、かつ、ヒドロキシアルキル基又はリン酸エステル基を有するフッ素系化合物である。具体的にはシリコン系化合物としては、米国ダウケミカル社のQ2-120Aがフッ素系化合物としては、
ユニダインDS-401(ダイキン工業株式会社製)
ユニダインDS-403(ダイキン工業株式会社製)
エフトップEF-122A(新秋田化成株式会社製)
エフトップEF126(新秋田化成株式会社製)
エフトップEF-301(新秋田化成株式会社製)
が挙げられる。
これら内部離型剤は、単独で使用してもよく、2種以上とを混合して使用してもよい。これらはモノマー組合せ、重合条件、経済性、取り扱いの容易さより適宜選ばれる。内部離型剤の使用量は単独または2種以上の混合物としてエポキシ樹脂とポリチオールの合計重量に対して1〜10000ppmの範囲であり、添加量が1ppm未満であると離型能が極端に悪化し、10000ppmを超えると注型重合中にモールドから離型が起こってしまいレンズ表面の面精度が悪化するばかりでなく得られるレンズが白濁し好ましくない。
本発明の硬化促進触媒としては、エポキシ樹脂用として公知のものが使用できる。例えば、第三級アミン、第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩、金属塩、各種イミダゾール類である。
さらに、目的に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶染料、充填剤などの種々の物質を添加してもよい。
本発明のレンズは、注型重合により得られる。
具体的には、エポキシ樹脂と2官能以上のポリチオールと内部離型剤を混合する。必要に応じて触媒その他添加剤を加え、充分に脱泡した後、均一になったモノマー添加剤混合物をモールド型中に注入し、重合させる。モールド型は、樹脂製ガスケットに金属製又はガラス製モールドを組み合わせて作るが、モールド材質としては、操作性、生産性の面から、ガラスが好ましい。
重合温度及び重合時間は、モノマーの種類、離型剤、触媒等の添加剤、レンズの形状、厚みにより適宜決められるが、一般にはレンズ中に実質的に光学歪が発生しない程度の低温で重合硬化させる。さらに重合後、離型を容易にするために硬化温度以上、好ましくは1000℃以上の温度に加熱しても良い。
このようにして得られる本発明のポリスルフィド樹脂製レンズは、高い面精度と優れた光学物性を有し、軽量で耐衝撃性に優れ、眼鏡レンズ、カメラレンズとして使用するのに好適である。
また、本発明のレンズは、必要に応じ、反射防止、高硬度付与、あるいはファッション性付与等の改良を行なうため、表面研磨、帯電防止処理、ハードコード処理、無反射コート処理、染色処理、調光処理等の物理的あるいは化学的処理を施すことができる。
(実施例および比較例)
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。尚、得られたレンズ用樹脂の性能試験のうち、屈折率、アッベ数、耐候性は以下の試験法により測定した。
屈折率、アッベ数:プルリッヒ屈折計を用い、20℃で測定した。
耐候性:サンシャインカーボンアークランプを装備したウェザーオメーターにレンズ用樹脂をセットし、200時間経たところでレンズ用樹脂を取り出し試験前のレンズ用樹脂と色相を比較した。標準基準は、変化なし(○)、わずかに黄変(△)、黄変(×)とした。
離型性:重合終了後、容易に離型したものを(○)、全部あるいは一部離型しなかったものを(×)とした。
面精度:目視により、面精度良好のものを(○)、不良のものを(×)とした。
外 観:目視により観察した。
実施例1
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから作られたエポキシ樹脂(エポキシ当量190)19gと、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)12.2gを混合し、トリエチルアミン0.08g、内部離型剤としてジオクチルアシッドホスヘート0.03gを加え、均一とした後、ガラスモールドとガスケットよりなるモールド型中に注入した。室温で2時間放置すると樹脂は硬化した。その後のレンズの離型も容易であった。こうして得られたレンズは、無色透明で耐候性に優れ、屈折率nD20=1.58、アッベ数37で、良好な面精度を有していた。
実施例2〜12、比較例1〜2
実施例1と同様にして、表-1の組成でレンズ化を行なった。
性能試験の結果を表-1に示した。
比較例3〜10
実施例1と同様にして下記の条件のモールドを用い、内部離型剤を用いずに表-2の組成でレンズ化を行なった。結果を表-2に示した。
モールド条件
(1)未処理- ガラス製モールドを離型処理せずに用いた。
(2)外部離型剤処理- 外部離型剤 YSR-6209(東芝シリコン製)で離型処理したガラス製モールドを使用した。
(3)外部離型剤再利用-外部離型剤 YSR-6209で離型処理したガラス製モールドを一度使用した後、そのまま再度使用した。
(4)PPモールド使用-射出成型したPP製モールドをガラス製モールドの替わりに使用した。

1)ビスフェノールFグリシジルエーテル;エポキシ当量174
2)ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)
3)テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル;エポキシ当量400
4)ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)
5)ビスフェノールAジグリシジルエーテル;エポキシ当量190
6)チオジフェノールジグリシジルエーテル;エポキシ当量178
7)テトラキス(2-メルカプトエチルチオメチル)メタン
8)ヘキサヒドロフタル酸
9)ビニルシクロヘキセンジエポキシド;エポキシ当量75

作 用
本発明のポリスルフィド系樹脂製レンズは優れた光学物性と高い面精度を有する有用なレンズであり、また本発明のレンズの製造法は工業的に極めて有利な方法である。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の請求項3を、特許請求の範囲の減縮を目的として削除する。
(2)訂正事項b
特許請求の範囲の請求項4の請求項番号を繰り上げ、請求項3と明りょうでない記載の釈明を目的として訂正する。
(3)訂正事項c
明細書第18頁第10行(特許公報第10欄第33行)に記載の「大別つれ」を、「大別され」と誤記の訂正を目的として訂正する。
(4)訂正事項d
明細書第21頁第15行(特許公報第12欄第5〜6行)に記載の「高高度」を、「高硬度」と誤記の訂正を目的として訂正する。
異議決定日 2002-10-11 
出願番号 特願平1-504942
審決分類 P 1 651・ 534- YA (G02B)
P 1 651・ 531- YA (G02B)
P 1 651・ 121- YA (G02B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 谷山 稔男山村 浩横井 康真  
特許庁審判長 城所 宏
特許庁審判官 六車 江一
植野 浩志
登録日 2001-08-10 
登録番号 特許第3219271号(P3219271)
権利者 三井化学株式会社
発明の名称 高屈折率レンズおよびその製造法  
代理人 石橋 政幸  
代理人 金田 暢之  
代理人 伊藤 克博  
代理人 石橋 政幸  
代理人 伊藤 克博  
代理人 東平 正道  
代理人 金田 暢之  
代理人 大谷 保  

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