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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G06F
管理番号 1072434
審判番号 訂正2002-39169  
総通号数 40 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-01-17 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2002-08-08 
確定日 2002-12-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2688651号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2688651号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第2688651号(以下、「本件特許」という。)に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおりに訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は次のとおりである。
(1)訂正事項a
誤記の訂正を目的として、明細書の段落番号【0004】中に、「土記各文節の文節変換候補と上記入力文字列とが共に表示されている状態にあって、」とあるのを「上記各文節の文節変換候補と上記入力文字列とが共に表示されている状態にあって、」と訂正する。
(2)訂正事項b
誤記の訂正を目的として、明細書の段落番号【0006】中に、「このテキストメモリ1から操作キーに対応して出力されるキーコードは、」とあるのを「このテキストメモリ18から操作キーに対応して出力されるキーコードは、」と訂正する。
(3)訂正事項c
誤記の訂正を目的として、明細書の段落番号【0023】中に、「一切りを付くことができ、」とあるのを「区切りを付けることができ、」と訂正する。
(4)訂正事項d
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号【0013】の記載「即ち、解除キーKDを操作すると、図5のフローにしたがった動作が実行され、この図5のフローに従った動作が4回繰り返し行なわれると候補バッファ16、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する。」について、以下の通り訂正する。
「即ち、解除キーKDを操作すると、図5のフローにしたがった動作が実行され、この図5のフローに従った動作が4回繰り返し行なわれると候補バッファ16、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する。以下、図5に示すフローチャートに従って処理を説明する。
先ず、カーソルが未変換文字列上にあるか判断する(ステップB1)。ここで、カーソルが未変換文字列上にあれば(ステップB1がY(イエス))、未変換ポイン夕以降のかな文字列を入力バッファより削除する(ステップB2)。そして、未変換ポインタをN1にセットし(ステップB3)、N1-1をポイン夕E1にセットする(ステップB4)。
一方、カーソルが未変換文字列上にない時(ステップB1がN)、入力可能属性が無であるか判断する(ステップB5)。ここで、入力可能属性が無であれば(ステップB5がY)、ポインタN2よりK文字分の文字列を削除する(ステップB6)。
次に、ポインタN1よりY文字分の文字列を読出し、N2から挿入する(ステップB7)。次に、文節管理バッファ17に入力可能属性をセットし(ステップB8)、N2よりY文字分の文字列を反転表示する(ステップB9)。
一方、入力可能属性が無ではない場合(ステップB5がN(ノー))であり、ポインタN1よりY文字分の文字列を削除する(ステップB10)。そして、E1-Yをポイン夕E1に設定する(ステップB11)。また、ポイン夕N2よりK文字分の文字列を削除し(ステップB12)、E2-Kをポイン夕E2に設定する(ステップB13)。さらに、ポイン夕N3より3バイト分のデータを削除し(ステップB14)、E3-KをポインタE3にセットする(ステップB15)。
次に、文節管理バッファ17のポインタN3をN3-3し、ポインタN3で指定された文節管理データより、よみ数をYレジスタにセットし、候補長をKレジス夕にセットする。(ステップB16、B17)。次に、N1-YをポインタN1にセットし、N3-KをポインタN3にセットする(ステップB18)。そして、ポインタN3よりK文字分の文字列を網掛け表示する(ステップBl9)。以上のように処理することによって、変換候補文字列データは図3(B)から(F)に示す如く変化し、所望する修正が可能となる。また、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する。」

2.当審の判断
2-1.訂正の目的の適否及び新規事項の有無について
(1)訂正事項aについて
当該訂正は、「土記各文節の」の「土」を「上」に訂正するものであるので、誤記の訂正であることは明らかであるから、この誤りを正す訂正は、誤記の訂正を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
(2)訂正事項bについて
当該訂正は、「テキストメモリ1」の「1」を「18」に訂正するものである。明細書の他の段落番号に記載されたテキストメモリには18が付されていることから、この訂正は、誤記の訂正であることは明らかであるから、この誤りを正す訂正は、誤記の訂正を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
(3)訂正事項cについて
訂正対象である「一切りを付く」なる記載では、意味が不明であるのでこの記載が誤りであることは明らかであるから、この誤りを正す「区切りを付ける」訂正は、誤記の訂正を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
(4)訂正事項dについて
当該訂正は、段落番号【0012】及び【0013】の「<中間処理>いま、解除キーKDを操作することによって「複文節の仮名漢字混じり変換の」という変換候補文字列データを「複文節の仮名漢字」に修正するものとする。この場合、解除キーKDを連続して4回操作することにより変換候補文字列データは図3(B)から(F)に示す如く変化し、所望する修正が可能となる。解除キーKDを操作すると、図5のフローにしたがった動作が実行され、この図5のフローに従った動作が4回繰り返し行なわれると候補バッファ16、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する。」との記載内容のうち、「図5のフローに従った動作が4回繰り返し行なわれると候補バッファ16、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する」との内容を、解除キーKDが4回繰り返し行われると、図5に記載されているB1〜B9のステップにより図3の(C)に示す表示に、次に、B1〜B19のステップにより図3の(D)に示す表示に、また、B1〜B9のステップにより図3の(E)に示す表示に、更に、B1〜B19のステップにより図3の(F)に示す表示に変化することを明りょうにしたものであるから、当該訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。

2-2.拡張・変更の存否について
前記(1)乃至(4)の訂正事項は、上記のとおり、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

2-3.まとめ
以上、本件審判請求は、特許法第126条第1項ただし書きの規定に適合し、且つ、同条第1項ただし書き各号に掲げる事項を目的とするものであり、又、同条第2項の規定に適合するものである。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件審判請求は、特許法等の一部を改正する平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定により、なお従前の例によるとされる、平成5年法律第89号(平成6年法律第116号による改正前の特許法)第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合する。
よって、結論のとおりに審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
文字列変換装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の文節を含む文字列データを任意に入力する入力手段と、
上記入力手段により入力された入力文字列を文節単位で区切られた複数の文節変換候補に変換し、その変換された各文節の文節変換候補を表示する第1の表示制御手段と、
上記複数の文節変換候補の内の1つの文節変換候補が指定されている状態において変換解除のための操作がなされた際は、上記指定された文節変換候補を変換前の入力文字列に戻し、その戻された入力文字列を他の文節の文節変換候補と共に表示する第2の表示制御手段と、
上記各文節の文節変換候補が表示されている状態において新たな文字列の入力を許可し、その入力された入力文字列を上記各文節の文節変換候補と共に表示する第3の表示制御手段と、
上記各文節の文節変換候補と上記入力文字列とが共に表示されている状態にあって、その入力文字列に対する変換指示が新たになされた際は、その入力文字列の範囲内において文節単位で分割する文節変換処理を実行し、その新たに変換された文節変換候補を既に変換されていた他の文節変換候補と共に表示する第4の表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする文字列変換装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、入力された文字列を複数の文節で区切られた文節変換候補へ変換する文字列変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワードプロセッサにおいては、かな文字列データをべた入力した後、変換キーを操作すると、かな文字列データは漢字混じりの変換候補文字列データに変換表示される。そして、この表示内容を全てチェックした後、確定キーを操作すると、変換候補文字列データが全て確定されてテキストメモリにストアされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように表示されている変換候補文字列データを全てチェックしなければならない為、候補文字列が長い場合、これを先頭から全てチェックすることは間違いが起こり易く面倒なものとなる。また、連続的に入力することができる文字数が制限されているような場合、換言すれば、一度にかな漢字変換を行うことができる文字数が制限されている場合において、入力文字数が制限文字数(例えば78文字)に達した際、最後に入力したデータが1文節の途中で1文節分のデータを完全に入力することができないままかな漢字変換を行うと、その文節の変換が誤認識される。この場合、文節の区切りと思われる部分以降のかな文字を削除してから変換キーを操作しなければならず、変換操作が極めて面倒なものとなる。本発明の課題は、入力された仮名文字列に基づいて仮名漢字変換処理を行なうにあたって、表示上における表示位置指定操作により、変換対象範囲を明確にしながら変換操作できるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の手段は次の通りである。複数の文節を含む文字列データを任意に入力する入力手段と、上記入力手段により入力された入力文字列を文節単位で区切られた複数の文節変換候補に変換し、その変換された各文節の文節変換候補を表示する第1の表示制御手段と、上記複数の文節変換候補の内の1つの文節変換候補が指定されている状態において変換解除のための操作がなされた際は、上記指定された文節変換候補を変換前の入力文字列に戻し、その戻された入力文字列を他の文節の文節変換候補と共に表示する第2の表示制御手段と、上記各文節の文節変換候補が表示されている状態において新たな文字列の入力を許可し、その入力された入力文字列を上記各文節の文節変換候補と共に表示する第3の表示制御手段と、上記各文節の文節変換候補と上記入力文字列とが共に表示されている状態にあって、その入力文字列に対する変換指示が新たになされた際は、その入力文字列の範囲内において文節単位で分割する文節変換処理を実行し、その新たに変換された文節変換候補を既に変換されていた他の文節変換候補と共に表示する第4の表示制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0005】
【作用】
この発明の手段の作用は次の通りである。複数の文節を含む文字列データが入力され、その入力された入力文字列が文節単位で区切られた複数の文節変換候補に変換され、その変換された各文節の文節変換候補が表示される。そして上記複数の文節変換候補の内の1つの文節変換候補が指定されている状態において変換解除のための操作がなされた際は、上記指定された文節変換候補が変換前の入力文字列に戻され、その戻された入力文字列が他の文節の文節変換候補と共に表示される。また上記各文節の文節変換候補が表示されている状態において新たな文字列の入力が許可され、その入力された入力文字列は上記各文節の文節変換候補と共に表示される。そして上記各文節の文節変換候補と上記入力文字列とが共に表示されている状態にあって、その入力文字列に対する変換指示が新たになされた際は、その入力文字列の範囲内において文節単位で分割する文節変換処理が実行され、その新たに変換された文節変換候補が既に変換されていた他の文節変換候補と共に表示される。
【0006】
【実施例】
以下、この発明を図1〜図7に示す一実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本実施例はワードプロセッサに適用した例を示している。
構成
図1はこのワードプロセッサの基本的な構成を示すブロック回路図である。図中11はキー入力部で、このキーボード上には文字キー等の他にかな漢字変換を指定する変換キーKA、かな漢字変換を行なわずにかな文字を確定する無変換キーKB、漢字候補を後述するテキストメモリに転送して確定する確定キーKC、現在実行中の機能を解除する解除キーKD、カーソル位置を左方向に移動させる左カーソルキーKE、カーソル位置を右方向に移動させる右カーソルキーKFが設けられている。このテキストメモリ18から操作キーに対応して出力されるキーコードは、CPU(中央演算処理回路)12に入力される。
【0007】
CPU12は、予め記憶されているマイクロプログラムにしたがって文章作成処理、編集処理、表示・印字処理等の実行を制御する。即ち、CPU12は入力されたかな文字列データを入力バッファ13に格納すると共に、この入力バッファ13内の文字列データを表示部14に表示させる。この場合、入力バッファ13は例えば78文字分の未変換かな文字列データを記憶可能なもので、この文字列データは表示部14に設けられた1行分の入力表示エリアIDAに表示される。また、CPU12は変換キーKAの操作に応答して入力バッファ13内のかな文字列データを変換辞書15を用いて1文節毎にかな漢字変換を行って候補バッファ16に格納すると共に、表示部14の入力表示エリアIDAに表示させる。この場合、かな漢字変換された文節を管理する為の文節管理データが文節管理バッファ17に格納される。また、CPU12は確定キーKCの操作に応答して候補バッファ16内の変換候補文字列データを確定しテキストメモリ18に格納すると共に、確定データを候補バッファ16から削除する。テキストメモリ18はランダムアクセスメモリによって構成され、複数ページ分の確定文章を記憶し、キー入力部11からの印字指令に応答してCPU12の制御下でその内容が読み出され、サーマルプリンタ等の印字部19にセットされている記録紙Pに印字される。
【0008】
入力バッファ13、候補バッファ16、文節管理バッファ17の内容は、対応するポインタN1、E1、N2、E2、N3、E3の値にしたがって文節単位で処理される。なお、ポインタN1、N2、N3は対応する入力バッファ13、候補バッファ16、文節管理バッファ17における指定文節の先頭位置を示すポインタ、ポインタE1、E2、E3は対応する入力バッファ13、候補バッファ16、文節管理バッファ17に記憶されているデータの最終位置を示すポインタである。また、カーソルポインタ20は入力バッファ13に対しては1文字毎に、候補バッファ16に対しては1文節毎に指定する為のポインタ、未変換ポインタ21は入力バッファ13内のデータのうち未変換かな文字列データの先頭位置を示すポインタである。文節管理バッファ17にはYレジスタおよびKレジスタの値が文節毎に格納される。Yレジスタ、Kレジスタは文節管理データを求める為の演算用レジスタである。
【0009】
次に、文節管理バッファ17の記憶内容を図2を参照して具体的に説明する。この文節管理バッファ17は1文節3バイト構成で、その1バイト目には入力バッファ13の対応文節内の文字列データに含まれる文字数(よみ長)、2バイト目には候補バッファ16の対応文節内の文字列データに含まれる文字数(候補長)、3バイト目には属性コードが格納される。この場合、属性コードとしてかな漢字変換済を示す属性(※)、あるいはかな漢字変換時に解除キーKDが操作された際に、変換候補がその変換前の状態に戻され、かな入力可能状態にセットされたことを示す入力可能属性(?)がある。
【0010】
動作
いま、本実施例の動作を図3に示すキー操作に対応する表示内容を参照して具体的に説明する。図3(A)は入力バッファ13に格納されている入力かな文字列データがIDAに表示されている状態を示している。この状態において変換キーKAが操作されるとかな漢字変換が行なわれ、図3(B)に示すような変換候補文字列データが入力表示エリアIDAに表示される。
【0011】
<かな漢字変換処理>
変換キーKAが操作されると、図4に示すフローにしたがった動作が実行される。即ち、未変換ポインタ21で指定される入力バッファ13内の未変換先頭文字より最長一致法に基づいて1文節分の文字列データを切り出してかな漢字変換を行う(ステップA1)。これによって変換された1文節分の候補文字列を候補バッファ16に格納する(ステップA2)。そして、1文節分のかな漢字変換を行うと、入力バッファ13、候補バッファ16、文節管理バッファ17に対応するポインタN1、N2、N3の値をインクリメントする(ステップA3)。即ち、ポインタE1、E2、E3の値(最初は“0”)に「1」を加算し、その結果を対応するポインタN1、N2、N3にセットすることによって文節の先頭位置が更新される。これによって、最初は各ポインタN1、N2、N3に「1」がセットされる。そして、かな漢字変換を行った文節のかな文字列データに含まれる文字数(よみ数)をYレジスタに、また、変換候補文字列データに含まれる文字数(候補長)をKレジスタにセットする(ステップA4)。いま、最初の1文節のかな文字列データ「ふくぶんせつの」の“よみ数”は7文字、また、この変換候補文字列データ「複文節の」の“候補長”は4文字であるから、Yレジスタには「7」、Kレジスタには「4」がセットされる。そして、入力バッファ13、候補バッファ16、文節管理バッファ17に対応するポインタE1、E2、E3の値をインクリメントする(ステップA5)。この場合、ポインタE1にYレジスタの値を、ポインタE2にKレジスタの値、ポインタE3に「3」を加算することによってそれらの更新を行なう。この結果、ポインタE1の値は「7」、ポインタE2の値は「4」、ポインタE3の値は「3」となる。そして、Yレジスタ内の“よみ数”(7)とKレジスタ内の候補長(4)をポインタN3で示される位置から文節管理バッファ17に順次セットし(ステップA6)、そして、属性コード(※)をポインタE3で示される文節管理バッファ17の位置にセットする(ステップA7)。このようにして文節管理データを文節管理バッファ17にセットしたら、未変換ポインタ21の値が入力バッファ13内の未変換かな文字列データの先頭位置となるように未変換ポインタ21の値を更新する(ステップA8)。これによって、未変換ポインタ21の値は「0」から「8」に更新される。そして、入力バッファ13内に未変換かな文字列データが残っているかを調べ(ステップA9)、有れば、ステップA1に戻り、次の1文節分の未変換かな文字列データを切り出してかな漢字変換を行う。以下、上述の動作を1文節毎に繰り返し実行してゆき、そして、入力バッファ13の内容全ての変換が終ると、次のステップA10に進み、表示部14の入力表示エリアIDAに表示されている候補バッファ16内の変換候補文字列データのうち、ポインタN2の値で示される位置からKレジスタ内の文字数分(3文字分)の文字列データを特にあみかけ表示する。図3(B)はこの状態を示し、最後の文節の「変換の」があみかけ表示されると共に、表示されている全ての変換候補文字列データの下にアンダラインが付加され、そのデータが変換候補であることが示される。
【0012】
<中間処理>
いま、解除キーKDを操作することによって「複文節の仮名漢字混じり変換の」という変換候補文字列データを「複文節の仮名漢字」に修正するものとする。この場合、解除キーKDを連続して4回操作することにより変換候補文字列データは図3(B)から(F)に示す如く変化し、所望する修正が可能となる。
【0013】
即ち、解除キーKDを操作すると、図5のフローにしたがった動作が実行され、この図5のフローに従った動作が4回繰り返し行なわれると候補バッファ16、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する。以下、図5に示すフローチャートに従って処理を説明する。
先ず、カーソルが未変換文字列上にあるか判断する(ステップB1)。ここで、カーソルが未変換文字列上にあれば(ステップB1がY)、未変換ポインタ以降のかな文字列を入力バッファより削除する(ステップB2)。そして、未変換ポインタをN1にセットし(ステップB3)、N1-1をポインタE1にセットする(ステップB4)。
一方、カーソルが未変換文字列上にない時(ステップB1がN)、入力可能属性が無であるか判断する(ステップB5)。ここで、入力可能属性が無であれば(ステップB5がY)、ポインタN2よりK文字分の文字列を削除する(ステップB6)。
次に、ポインタN1よりY文字分の文字列を読出し、N2から挿入する(ステップB7)。次に、文節管理バッファ17に入力可能属性をセットし(ステップB8)、N2よりY文字分の文字列を反転表示する(ステップB9)。
一方、入力可能属性が無ではない場合(ステップB5がN(ノー))であり、ポインタN1よりY文字分の文字列を削除する(ステップB10)。そして、E1-YをポインタE1に設定する(ステップB11)。また、ポインタN2よりK 文字分の文字列を削除し(ステップB12)、E2-KをポインタE2に設定する(ステップB13)。さらに、ポインタN3より3バイト分のデータを削除し(ステップB14)、E3-KをポインタE3にセットする(ステップB15)。
次に、文節管理バッファ17のポインタN3をN3-3し、ポインタN3で指定された文節管理データより、よみ数をYレジスタにセットし、候補長をKレジスタにセットする(ステップB16、B17)。次に、N1-YをポインタN1にセットし、N2-KをポインタN2にセットする(ステップB18)。そして、ポインタN2よりK文字分の文字列を網掛け表示する(ステップB19)。
以上のように処理することによって、変換候補文字列データは図3(B)から(F)に示す如く変化し、所望する修正が可能となる。また、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する。
【0014】
次に、図3(F)に示す「複文節の仮名漢字」を「複文節のかな漢字変換を」と修正する場合、先ず図3(F)に示す表示状態において、それに続くかな文字列を入力すると図3(G)に示すように、入力された文字列が反転表示される。
【0015】
この状態で、左カーソルキーKEを数回操作すると、図3(K)に示す表示状態となる。この後、無変換キーKBを操作すると、その指定文節はかな文字列に戻され、図3(L)に示す如くとなる。なお、この時の候補バッファ16、文節管理バッファ17の内容を図6(C)及び(D)に示す。
【0016】
<確定処理>
この状態において、変換候補文字列データの先頭から途中までの文字列を確定する為に、確定キーKCを操作すると、図7のフローにしたがった動作が実行される。先ず、候補バッファ16内の変換候補文字列データの先頭位置から指定文節までの文字列データを読み出してテキストメモリ18に格納する(ステップD1)。この場合、指定文節の最終文字位置は、次の如くして求められる。いま、指定文節は図3(L)に示す如く、あみかけ表示されている「かな」、またN2位置はその指定文節の先頭文字「か」にあるので、このポインタN2の値にその文節内の文字数(Kレジスタの値)を加算する。すると、N2位置は次の文節の先頭位置となる。したがって、この加算結果から「1」を減算することによってN2位置は指定文節の最終文字位置となる。
【0017】
このようにして変換候補文字列データの先頭位置から指定文節までの文字列データをテキストメモリ18に格納したら、(カーソルポインタ+Y-1)までのよみ文字列を入力バッファ13から削除する(ステップD2)。即ち、カーソルポインタ20の値(N2位置)にY文字分の値を加算し、この加算結果から「1」を減算することによって得られた文字位置までのかな文字列データを入力バッファ13から削除する。そして、上述の如く候補バッファ16からテキストメモリ18に格納した変換候補文字列データを候補バッファ16から削除する(ステップD3)。次に、ポインタE2の値を削除した文字数分ディクリメントし(ステップD4)、そして文節管理バッファ17の内容もその先頭から指定文節まで、即ちポインタN3の値に「2」を加算した(N3+2)バイト目までを削除する(ステップD5)。そして、ポインタE3の値を削除したバイト数分ディクリメントし(ステップD6)、次でポインタN2、N3に「1」をセットする(ステップD7)。
【0018】
このように確定キーKCを操作すると、変換候補文字列データの先頭から指定文節までの文字列データが確定し、テキストメモリ18に格納されると共に、その確定文字列データが候補バッファ16から削除され、しかもそれに対応して入力バッファ13内の未変換かな文字列データが削除される。図3(M)はこの場合の表示状態を示している。
【0019】
<その他の処理>
図3(M)の状態において、右カーソルキーKFを1回操作すると、図3(N)に示す表示状態となり、カーソルが未変換かな文字列データの先頭位置にセットされる。即ち、カーソルは上述した左カーソルキーKEと同様に、変換候補文字列データ上では1文節単位で、未変換かな文字列データ上では1文字単位で移動するため、右カーソルキーKFを1回操作するだけで図3(N)に示す如くとなる。
【0020】
このように、カーソルを未変換かな文字列データの先頭位置にセットした状態で変換キーKAを操作すると、図4のフローにしたがった動作が実行される結果、未変換かな文字列データが漢字混じりの候補文字列データに変換されて図3(O)に示す如くとなり、所望の修正内容となる。
【0021】
このようにして修正を行った後、以降それに続くかな文字列を入力する(図3(P)参照)。そして、変換キーKAを操作すると、入力したかな文字データが漢字混じりの候補文字列データに変換されて図3(Q)に示す如くとなる。
【0022】
この表示候補が正しければ、確定キーKCを操作する。すると、図7のフローにしたがった動作が実行される結果、変換候補文字列データが確定し、テキストメモリ18に格納される。
【0023】
このように本実施例においては、変換候補を確定する際に、途中までの候補をチェックした段階でとりあえず、確定キーKCを操作すると、変換候補文字列データの先頭から指定文節までの文字列が確定される。したがって、変換候補が長い場合、それを全てチェックすることは容易ではないが、途中までのチェックが終った段階でとりあえず、区切りを付けることができ、文章チェック作業をスピーディにしかも確実におこなうことができる。また、途中までのチェックが終った段階でそれまでの変換候補を確定することができるので、1度に漢字変換できる文字数が制限されている場合でもそれを意識することなく、入力操作を行うことができる。なお、上記実施例は変換候補文字列データ上で文節単位で指定するようにしたが、1文字単位で指定するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、入力文字列を複数の文節の文節変換候補に変換した後に、1つの文節変換候補が指定されて変換解除の操作がなされた際は、その指定文節候補を変換前の入力文字列に戻して他の文節変換候補と共に表示することができるので、文節変換処理により複数の文節変換候補が表示された際は、その後の文節単位での変換解除操作により、その複数の文節変換候補全体に対してではなく、1つ1つの文節変換候補に対して個別に変換解除を行うことができる。また上記各文節変換候補が表示されている状態において新たな文字列が入力された際、及びその後の変換指示により、その入力文字列を他の文節変換候補と共に表示した後、その入力文字列の範囲内において新たな文節変換処理を行って他の文節変換候補と共に表示することができるので、他の文節変換候補を表示させたままの状態で、その文節変換候補に対して新たな入力文字列による新たな文節変換候補を追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施例のブロック構成図である。
【図2】
文節管理バッファの記憶内容を説明する図である。
【図3】
表示状態説明図である。
【図4】
変換動作のフローチャートである。
【図5】
解除動作のフローチャートである。
【図6】
候補バッファと文節管理バッファの記憶内容を説明する図である。
【図7】
確定動作のフローチャートである。
【符号の説明】
11 キー入力部
13 入力バッファ
14 表示部
15 変換辞書
16 候補バッファ
18 テキストメモリ
 
訂正の要旨 訂正の要旨
(1)訂正事項a
誤記の訂正を目的として、明細書の段落番号【0004】中に、「土記各文節の文節変換候補と上記入力文字列とが共に表示されている状態にあって、」とあるのを「上記各文節の文節変換候補と上記入力文字列とが共に表示されている状態にあって、」と訂正する。
(2)訂正事項b
誤記の訂正を目的として、明細書の段落番号【0006】中に、「このテキストメモリ1から操作キーに対応して出力されるキーコードは、」とあるのを「このテキストメモリ18から操作キーに対応して出力されるキーコードは、」と訂正する。
(3)訂正事項c
誤記の訂正を目的として、明細書の段落番号【0023】中に、「一切りを付くことができ、」とあるのを「区切りを付けることができ、」と訂正する。
(4)訂正事項d
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号【0013】の記載「即ち、解除キーKDを操作すると、図5のフローにしたがった動作が実行され、この図5のフローに従った動作が4回繰り返し行なわれると候補バッファ16、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する。」について、以下の通り訂正する。
「即ち、解除キーKDを操作すると、図5のフローにしたがった動作が実行され、この図5のフローに従った動作が4回繰り返し行なわれると候補バッファ16、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する。以下、図5に示すフローチャートに従って処理を説明する。
先ず、カーソルが未変換文字列上にあるか判断する(ステップBl)。ここで、カーソルが未変換文字列上にあれば(ステップB1がY(イエス))、未変換ポイン夕以降のかな文字列を入力バッファより削除する(ステップB2)。そして、未変換ポインタをN1にセットし(ステップB3)、N1-1をポイン夕E1にセットする(ステップB4)。
一方、カーソルが未変換文字列上にない時(ステップB1がN)、入力可能属性が無であるか判断する(ステップB5)。ここで、入力可能属性が無であれば(ステップB5がY)、ポインタN2よりK文字分の文字列を削除する(ステップB6)。
次に、ポインタN1よりY文字分の文字列を読出し、N2から挿入する(ステップB7)。次に、文節管理バッファ17に入力可能属性をセットし(ステップB8)、N2よりY文字分の文字列を反転表示する(ステップB9)。
一方、入力可能属性が無ではない場合(ステップB5がN(ノー))であり、ポインタN1よりY文字分の文字列を削除する(ステップB10)。そして、E1-Yをポイン夕E1に設定する(ステップB11)。また、ポイン夕N2よりK文字分の文字列を削除し(ステップB12)、E2-Kをポイン夕E2に設定する(ステップB13)。さらに、ボイン夕N3より3バイト分のデータを削除し(ステップB14)、E3-KをボインタE3にセットする(ステップB15)。
次に、文節管理バッファ17のポインタN3をN3-3し、ポインタN3で指定された文節管理データより、よみ数をYレジスタにセットし、候補長をKレジス夕にセットする。(ステップB16、B17)。次に、N1-YをボインタN1にセットし、N3-KをポインタN3にセットする(ステップB18)。そして、ポインタN3よりK文字分の文字列を網掛け表示する(ステップBl9)。以上のように処理することによって、変換候補文字列データは図3(B)から(F)に示す如く変化し、所望する修正が可能となる。また、文節管理バッファ17の内容は図6(A)及び(B)に示す如く変化する。」
審決日 2002-12-02 
出願番号 特願平5-344613
審決分類 P 1 41・ 852- Y (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 森 繁明小川 謙金子 幸一  
特許庁審判長 佐藤 荘助
特許庁審判官 久保田 健
岡 千代子
登録日 1997-08-29 
登録番号 特許第2688651号(P2688651)
発明の名称 文字列変換装置  
代理人 大菅 義之  
代理人 山本 輝美  
代理人 大菅 義之  
代理人 山本 輝美  

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