ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 E04D |
---|---|
管理番号 | 1072530 |
審判番号 | 不服2001-10685 |
総通号数 | 40 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-11-10 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-06-22 |
確定日 | 2003-03-03 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第127796号「縦葺外装構造」拒絶査定に対する審判事件〔平成10年11月10日出願公開、特開平10-299188、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明 本願は、平成9年5月2日の出願であって、その請求項1ないし4に係る発明は、平成13年7月19日付け手続補正書により補正された明細書および図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1ないし4に記載された発明(以下、「本願発明1ないし4」という。)は次のとおりである。 【請求項1】 略平坦状部と、略平坦状部の側部からそれぞれ下方に垂下すると共に外装材保持部材と係合する係合部と、外側に凹状の化粧カバー保持部を有する縦葺外装材と、化粧面部と、該化粧面部の側端からそれぞれ下方に垂下すると共に、前記化粧カバー保持部に対応する凸状の嵌合部と、その内面側に凹状の受止部を含む脚部を有する化粧カバーと、中央に凸部と、凸部の両側に凸部に対向する外装材保持部を形成した外装材保持部材と、下地上に軒棟方向に敷設される樋部材とからなる縦葺外装構造において、樋部材と共に前記外装材保持部材を下地に固定し、その外装材保持部に縦葺外装材の係合部を係合させると共に、外装材保持部材の凸部上に弾性を有する板状弾性材を配置して、前記化粧カバーの脚部を、縦葺外装材の側部と板状弾性材間に挿入して、化粧カバーの受止部に板状弾性材を弾性的に当接させたことを特徴とする縦葺外装構造。 【請求項2】 略平坦状部と、略平坦状部の側部からそれぞれ下方に垂下して樋部を形成すると共に、垂下部に外側に凹状の化粧カバー保持部を有する縦葺外装材と、化粧面部と、該化粧面部の側端からそれぞれ下方に垂下すると共に、前記化粧カバー保持部に対応する凸状の嵌合部と、その内面側に凹状の受止部を含む脚部を有する化粧カバーとからなる縦葺外装構造において、下地上に敷設された縦葺外装材の樋部の端縁側立上り部上に弾性を有する板状弾性材を配置すると共に、前記化粧カバーの脚部を、縦葺外装材の垂下部と板状弾性材間に挿入して、化粧カバーの受止部に板状弾性材を弾性的に当接させたことを特徴とする縦葺外装構造。 【請求項3】 略平坦状部と、略平坦状部の側部からそれぞれ下方に垂下すると共に外装材保持部材と係合する係合部と、外側に凹状の化粧カバー保持部を有する縦葺外装材と、化粧面部と、該化粧面部の側端からそれぞれ下方に垂下すると共に、前記化粧カバー保持部に対応する凸状の嵌合部と、その内面側に凹状の受止部を含む脚部を有する化粧カバーと、外装材保持部を形成した外装材保持部材と、下地上に軒棟方向に敷設され且つ中央に凸部を形成した樋部材とからなる縦葺外装構造において、樋部材と共に前記外装材保持部材を下地に固定し、その外装材保持部に縦葺外装材の係合部を係合すると共に、樋部材に形成された凸部上に弾性を有する板状弾性材を配置して、前記化粧カバーの脚部を、縦葺外装材の側部と板状弾性材間に挿入して、化粧カバーの受止部に板状弾性材を弾性的に当接させたことを特徴とする縦葺外装構造。 【請求項4】 略平坦状部と、略平坦状部の側部からそれぞれ下方に垂下すると共に、外装材保持部材と係合する係合部を有する縦葺外装材と、化粧面部と、該化粧面部の側端からそれぞれ下方に垂下すると共に、化粧カバー保持部材の化粧カバー保持部に対応する凸状の嵌合部と、その内面側に凹状の受止部を含む脚部を有する化粧カバーと、外装材保持部を形成した外装材保持部材と、中央に凸部と、凸部の両側に凸部に対向する化粧カバー保持部を形成した化粧カバー保持部材と、下地上に軒棟方向に敷設される樋部材とからなる縦葺外装構造において、樋部材と共に化粧カバー保持部材及び/又は外装材保持部材を下地に固定し、外装材保持部材の外装材保持部に縦葺外装材の係合部を係合すると共に、前記化粧カバー保持部材の凸部上に弾性を有する板状弾性材を配置して、前記化粧カバーの脚部を、化粧カバー保持部材の化粧カバー保持部と板状弾性材間に挿入して、化粧カバーの受止部に板状弾性材を弾性的に当接させたことを特徴とする縦葺外装構造。 2.引用例との対比・判断 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に国内において頒布された刊行物である、実願平1-109111号(実開平3-48025号)のマイクロフィルム(以下、「引用例1」という。)および、特開平7-139100号公報(以下、「引用例2」という。)のいずれにも、本願発明1ないし3の「外側に凹状の化粧カバー保持部を有する縦葺外装材」、本願発明4の「中央に凸部と、凸部の両側に凸部に対向する化粧カバー保持部を形成した化粧カバー保持部材」、本願発明1ないし4の「該化粧カバー保持部に対応する凸状の嵌合部を有する化粧カバー」及び「弾性を有する板状弾性材」点については記載されていないし、示唆もされていない。 そして、本願発明1ないし4は、これらの点で、板状弾性材の弾性が化粧カバーの嵌合部に作用し嵌合力を高める、経時変化によるカバーの浮き上がりを抑制し、極めて強固かつ確実な嵌合関係を維持することができる等の明細書記載の作用効果を奏するものである。 したがって、本願発明1ないし4は、引用例1および2記載の発明から、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 3.むすび 以上のとおりであるから、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2003-02-10 |
出願番号 | 特願平9-127796 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(E04D)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 伊藤 陽、七字 ひろみ、吉岡 麻由子 |
特許庁審判長 |
鈴木 憲子 |
特許庁審判官 |
山田 忠夫 新井 夕起子 |
発明の名称 | 縦葺外装構造 |
代理人 | 島田 義勝 |
代理人 | 水谷 安男 |