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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 C08F |
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管理番号 | 1072919 |
審判番号 | 不服2000-2228 |
総通号数 | 40 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1993-11-16 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-02-23 |
確定日 | 2003-03-18 |
事件の表示 | 平成 4年特許願第104868号「オレフィン重合用触媒およびこれを用いたオレフィン重合体の製造方法」拒絶査定に対する審判事件〔平成 5年11月16日出願公開、特開平 5-301917、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.本願は、平成 4年 4月23日(優先権主張 平成 3年 5月 1日 平成 4年 2月27日)の出願であって、その請求項1〜3に係る発明は、平成9年3月25日付け手続補正書、平成11年11月5日付け手続補正書、平成12年3月24日付け手続補正書、平成15年2月24日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められ、請求項1には、次のとおり記載されている。 「【請求項1】 下記〔B〕及び〔C〕を接触して得られる反応生成物と〔A〕とからなることを特徴とする、オレフィン重合用触媒。 〔A〕メタロセン系遷移金属化合物であって、前記遷移金属がチタニウム、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群から選択されるもの 〔B〕カオリン、ウンモ群、モンモリロナイト群およびバーミキュライトからなる群から選択される物質であって、水銀圧入法により測定した半径20Å以上の細孔容積が0.3〜5cc/gのもの 〔C〕トリアルキルアルミニウム化合物」 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、本願の請求項1〜3に係る発明は、本願出願前に頒布された刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項の規定により特許を受けることができない、というものである。 3.判断 原審において拒絶の理由に引用された刊行物である特開昭60-106808号公報には、 「(1)(A)(a)チタンおよび/またはジルコニウムを含有すると共に炭化水素溶媒に可溶な高活性触媒成分と(b)金属、金属酸化物、金属炭酸塩及び炭素質物から選ばれた充填剤とを予め接触処理して得られる生成物、および(B)有機アルミニウム化合物を用いて、エチレンを重合あるいはエチレンと少量の他のα-オレフィンを共重合することを特徴とするポリエチレン系組成物の製造方法」に関して記載され、前記(b)の充填剤として、マイカが挙げられている。(4頁右上欄第11行〜第17行) しかしながら、前記充填剤につては、その形状としては、粉末状、粒状、フレーク状、箔状、繊維状状など様々なものがあり、大きさも2mm以下のものが好ましいと記載するのみであり、特定の形状を記載しているものではない。 一方、本願の請求項1に係る発明は、〔B〕のウンモ群については、補正により、「水銀圧入法により測定した半径20Å以上の細孔容積が0.3〜5cc/gのもの」となった。 そうすると、本願発明は、触媒として、特定の性状を有する〔B〕を使用するものでるから、前記刊行物に記載の充填剤として使用されているマイカとは相違するものといえる。 したがって、本願請求項1に係る発明は、前記刊行物に記載の発明ではない。 また、請求項2〜3に係る発明も、請求項1に係る発明を引用するものであるから、請求項1に係る発明に示した理由と同じく、前記刊行物に記載の発明ということはできないから、本願については、原査定の拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-11-26 |
結審通知日 | 2002-11-27 |
審決日 | 2003-03-07 |
出願番号 | 特願平4-104868 |
審決分類 |
P
1
8・
113-
WY
(C08F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 油科 壮一 |
特許庁審判長 |
谷口 浩行 |
特許庁審判官 |
佐野 整博 佐々木 秀次 |
発明の名称 | オレフィン重合用触媒およびこれを用いたオレフィン重合体の製造方法 |
代理人 | 須藤 阿佐子 |