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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H03F
管理番号 1073070
審判番号 不服2001-8831  
総通号数 40 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-07-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-05-24 
確定日 2003-03-06 
事件の表示 平成 4年特許願第282633号「高周波低雑音増幅器」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 7月 8日出願公開、特開平 6-188643]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯、本願発明
本願は、平成4年10月21日の出願であって、その特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、平成13年6月25日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「【請求項1】 高周波増幅用電界効果トランジスタ(FET)のゲートに高周波入力信号を印加し、ソースをインダクタンスを介して接地し、ドレインから増幅された高周波出力信号を出力する高周波低雑音増幅器において、前記FETのゲートに使用周波数帯域外で異常発振させないよう利得を減衰させる抵抗と、インダクタンスと、コンデンサとを直列接続した集中定数回路の直列共振回路を接続し他端を接地したことを特徴とする高周波低雑音増幅器。」
第2.刊行物に記載された発明
1.これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前の昭和63年9月12日に頒布された特開昭63-219210号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)「電界効果トランジスタ(FET)により構成され、そのソースと基準電位(接地)間にインダクタンスが挿入接続されたFET増幅器において、上記インダクタンスと直列或いは並列にキャパシタンスを接続したことを特徴とするFET増幅器。」(1頁左下欄5〜9行)
(2)「この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、所要の周波数帯域外においてもアイソレーション悪化あるいは発振現象を防止して安定に動作し、低雑音、低入力V、S、W、Rを実現できるFET増幅器を得ることを目的とする。」(2頁左上欄4〜8行)
(3)「この発明におけるソースインダクタンスと直列或いは並列に挿入されたキャパシタンスは、その容量を適当に選択することにより、帯域外の周波数において高周波的にソースを接地した状態をつくることができ、」(2頁左上欄14〜18行)
これらの記載事項によると、刊行物1には、
「電界効果トランジスタ(FET)のゲートに高周波入力信号を印加し、ソースをインダクタンスを介して接地し、ドレインから増幅された高周波出力信号を出力するFET低雑音増幅器において、上記インダクタンスに、直列或いは並列にキャパシタンスを接続したことを特徴とするFET低雑音増幅器。」の発明(以下、「刊行物1に記載された発明」という。)が記載されている。
2.同じく、原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前の昭和56年3月27日に頒布された実願昭54-113408号(実開昭56-31710号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物2」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)「1は第1図で示した安定指数を持ったトランジスタで、このトランジスタ1の入力端子2に一点鎖線で囲んだ従来の発振防止回路が接続されておりトランジスタ1の出力端子3に接続されている破線で囲んだ回路が発振防止回路である。4は使用周波数においておおよそ1/4波長の電気長を有するモールド形固定抵抗器でこれに直列にコンデンサが5が接続されている。この破線で囲んだ回路は抵抗器4の電気長により生ずるインダクタンス分とコンデンサ5の容量により本実施例では2GHzで直列共振している。破線で囲んだ本考案の発振防止回路を集中定数素子を用いた等価回路で表せば第6図となる。1は抵抗器の電気長により生ずるインダクタンス成分でありこのインダクタンスとコンデンサ2の容量で決まる共振周波数で抵抗器3による損失が最大となる。つまり本実施例では前記共振周波数2GHzで最大の発振防止効果が得られるということである。本実施例の発振防止効果を安定指数対周波数特性で示せば第7図の如くになり、従来の発振防止回路だけでは第4図で示したように2GHz附近で発振防止効果が得られなかったが、本実施例では使用周波数附近まで充分な発振防止効果を得ることができる。」(5頁6行〜6頁9行)
(2)「第5図の実施例では本考案の発振防止回路と従来の発振防止回路を併用しているが、もちろん本考案の発振防止回路だけでも使用することは可能である。また前記の実施例ではトランジスタの入力あるいは出力端子に発振防止回路を接続しているが、本考案の発振防止回路を増幅器の入力および出力端子に、あるいは増幅回路中に挿入しても第5図で示した実施例と同様の効果を得ることができる。」(6頁13行〜7頁1行)
これらの記載事項によると、刊行物2には、
「トランジスタのゲートに高周波入力信号を印加し、ソースを接地し、ドレインから増幅された高周波出力信号を出力するマイクロ波帯発振防止回路において、前記トランジスタのゲートに使用周波数帯域外で異常発振させないよう利得を減衰させるモールド形固定抵抗器と、抵抗器の電気長により生ずるインダクタンス成分と、コンデンサとを直列接続した集中定数回路の直列共振回路を接続し他端を接地し、前記トランジスタのドレインに使用周波数帯域外で異常発振させないよう利得を減衰させるモールド形固定抵抗器と、抵抗器の電気長により生ずるインダクタンス成分と、コンデンサとを直列接続した集中定数回路の直列共振回路を接続し他端を接地したことを特徴とするマイクロ波帯発振防止回路。」の発明(以下、「刊行物2に記載された発明」という。)が記載されている。
第3.対比
本願発明1と刊行物1に記載された発明とを対比すると、
刊行物1に記載された発明の「電界効果トランジスタ(FET)」、「FET低雑音増幅器」は、それぞれ、本願発明1の「高周波増幅用電界効果トランジスタ(FET)」、「高周波低雑音増幅器」に相当するから、両者は、以下の点で一致ないし相違する。
一致点:
「高周波増幅用電界効果トランジスタ(FET)のゲートに高周波入力信号を印加し、ソースをインダクタンスを介して接地し、ドレインから増幅された高周波出力信号を出力する高周波低雑音増幅器において、前記FETに、使用周波数帯域外で異常発振させないような手段を設けたことを特徴とする高周波低雑音増幅器。」
相違点:
a)使用周波数帯域外で異常発振させないような手段として、
本願発明1では、「利得を減衰させる抵抗と、インダクタンスと、コンデンサとを直列接続した集中定数回路の直列共振回路」を用いているのに対して、
刊行物1に記載された発明では、「キャパシタンス」を用いている点。
b)使用周波数帯域外で異常発振させないような手段を設ける位置として、本願発明1では、「前記FETのゲートに接続し他端を接地した」を選定しているのに対して、
刊行物1に記載された発明では、「前記FETのソースに設けられたインダクタンスに直列或いは並列に接続した」を選定している点。
第4.当審の判断
上記相違点a)、b)について検討する。
刊行物2に記載された発明の「トランジスタ」、「マイクロ波帯発振防止回路」、「モールド形固定抵抗器」、「抵抗器の電気長により生ずるインダクタンス成分」は、それぞれ、本願発明1の「高周波増幅用電界効果トランジスタ(FET)」、「高周波低雑音増幅器」、「利得を減衰させる抵抗」、「インダクタンス」に相当することは明らかであるから、刊行物2に記載された発明は、「高周波増幅用電界効果トランジスタ(FET)のゲートに高周波入力信号を印加し、ソースを接地し、ドレインから増幅された高周波出力信号を出力する高周波低雑音増幅器において、前記FETのゲートに使用周波数帯域外で異常発振させないよう利得を減衰させる抵抗と、インダクタンスと、コンデンサとを直列接続した集中定数回路の直列共振回路を接続し他端を接地したことを特徴とする高周波低雑音増幅器。」である点で、本願発明1の一部と一致している。
そして、刊行物1に記載された発明と刊行物2に記載された発明は、共に本願発明1と同一の課題である「増幅器において、帯域外の発振現象を防止する」という課題を有するから、刊行物1に刊行物2を適用する動機づけは存在する。したがって、刊行物1に記載された発明に、刊行物2に記載された発明を適用することには格別の困難性がないので、上記相違点a)、b)は当業者が容易に成し得るものである。
第5.むすび
したがって、本願発明1は、刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-12-25 
結審通知日 2003-01-07 
審決日 2003-01-21 
出願番号 特願平4-282633
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H03F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 矢島 伸一  
特許庁審判長 鈴木 康仁
特許庁審判官 桂 正憲
山下 剛史
発明の名称 高周波低雑音増幅器  
代理人 京本 直樹  
代理人 河合 信明  
代理人 福田 修一  
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