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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G01C
管理番号 1073220
異議申立番号 異議2001-73217  
総通号数 40 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-11-28 
確定日 2002-12-20 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3171522号「車載ナビゲーション装置」の請求項1ないし5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3171522号の請求項1ないし5に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
特許第3171522号の請求項1ないし5に係る発明についての出願は、平成6年2月22日に特許出願され、平成13年3月23日にその発明についての特許権の登録設定がされ、その後、その特許について、異議申立人小出一により特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成14年7月11日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否の判断
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は以下のア及びイのとおりである。
ア.特許請求の範囲における請求項1の記載について、「・・・この特定道路が車両の進行方向と所定の関係を有し、・・・」とあるのを、「・・・この特定道路が車両の進行方向とほぼ平行な関係を有し、・・・」と訂正する。
イ.明細書の段落[0004]の記載について、「・・・この特定道路が車両の進行方向と所定の関係を有し、・・・」とあるのを、「・・・この特定道路が車両の進行方向とほぼ平行な関係を有し、・・・」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記ア.の訂正は、請求項1に記載されている事項の一部を明細書に記載されていた下位概念のものと置換するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
また、上記イ.の訂正は、上記ア.の訂正との整合を図るものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.申立の理由の概要
申立人は、甲第1ないし4号証より、請求項1ないし5に係る発明の特許は、特許法第29条第2項に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。
4.特許異議の申立てについての判断
(1)本件発明
特許第3171522号の請求項1ないし5に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1ないし5」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
[請求項1]特定道路及び一般道路の地図情報を記憶した記憶手段と、
車両の自車位置を検出する検出手段と、
この検出手段より検出された車両の自車位置及び前記記憶手段に記憶されている地図情報を表示する表示手段と、
前記検出手段の出力に基づいて前記車両が一般道路上にあることが検出された場合に前記一般道路の地図情報を前記表示手段に表示させ、前記自車位置から前記記憶手段より読み出された特定道路までの最短距離が予め定められた範囲内であって、この特定道路が車両の進行方向とほぼ平行な関係を有し、かつ車両速度が所定速度以上である状態が所定時間以上続いている場合に、前記一般道路の地図情報から前記特定道路の地図情報に切り換えて表示可能に前記表示手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする車載ナビゲーション装置。
[請求項2]前記制御手段は、前記自車位置から前記記憶手段より読み出された特定道路までの最短距離が予め定められた前記範囲以上に離れた場合に、前記特定道路の地図情報から前記一般道路の地図情報に切り換えて表示可能に前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
[請求項3]前記制御手段が表示可能に制御する前記特定道路の地図情報は、車両進行方向にある特定道路の施設までの距離であることを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
[請求項4]前記距離は、前記記憶手段より読み出され前記自車位置に対応して前記最短距離を満足する特定道路上の位置から車両進行方向にあるノード相互間の情報に基づいて求められることを特徴とする請求項3に記載の車載ナビゲーション装置。
[請求項5]前記制御手段が表示可能に制御する前記特定道路の地図情報は、車両進行方向にある特定道路の施設までの到達予測時間、到達予測時刻の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載ナビゲーション装置。
(2)引用刊行物
当審が通知した取消の理由に引用した刊行物は、以下の通りである。
刊行物1:特開平3-194417号公報(異議申立人の提出した甲第1号証)
刊行物2:特開平4-105012号公報(異議申立人の提出した甲第2号証)
刊行物3:特開平3-291583号公報(異議申立人の提出した甲第3号証)
刊行物4:特開昭59-191083号公報(異議申立人の提出した甲第4号証)
(3)刊行物に記載された発明
刊行物1には、「この発明は、走行情報表示装置に関し、例えば車などの移動手段を持つものが移動距離、進行方位を検出し、現在位置を地図上に表示し、かつ様々な情報を使用者に提供するナビゲーションシステムなどで用いられるものに関する。」(第1頁右下欄第8行〜12行)、「(3)はマイクロコンピュータを使用した演算装置であり、走行距離センサ(1)がパルスを出力するたびに方位センサ(2)から出力される方位データを取り込んで演算し、その結果求められた方向に車両が積算した距離を走行したものとみなして現在の位置と進行方向を演算する。(4)は道路などの地図情報及び目的地などを格納する記憶装置である。」(第3頁右上欄第3行〜第10行)、「第2図(a)〜(c)は一般モード及び高速モードの画面を示す表示例である。」(第3頁右上欄第20行〜左下欄第1行)、「車の現在位置(25)の近傍、即ち画面の表示範囲に高速道路(24)があるかどうかを判定し(ステップ30)、ある場合は高速モードキー(20)を表示する(ステップ31)。この状態で使用者が高速モードキー(20)を押した時、高速モードに切り替わる。」(第3頁左下欄第15行〜20行)、「高速モード画面には、第2図(b)、(c)に示すように、例えばインターチェンジ(IC)、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)など高速道路上の車の現在位置から一定範囲内の主要となる名称のみを記述した専用の地図を表示し、高速道路優先にマップマッチングなどの処理を行って車の現在位置(25)を表示する。また、平均時速、目的地までの残り距離、目的地までの所要時間、次のICあるいは次の次のSAまでの残り距離、所要時間、車の現在方位などの情報を同一画面上に表示する。」(第4頁左上欄第6行〜16行)、「そこで、この発明の他の実施例では、使用者の一般モードキー(21)を押すことによって切り替えることに加えて、高速モード表示中に演算された走行軌跡と高速道路パターンがある一定限度を越えて一致しなくなれば、一般道路へ移動したと判定し、一般モードの表示へ自動的に切り替える様に構成している。」(第4頁右下欄第12行〜18行)の記載からみて、「道路などの地図情報を格納する記憶装置と、車の現在位置を演算する演算装置と、一般モード及び高速モードの画面において車の現在位置を表示する表示手段と、高速モードキーを押した時に高速モード表示に切り替えて車の現在位置と、目的地、あるいはインターチェンジやサービスエリアまでの残り距離と所要時間と、インターチェンジ、サービスエリア、及びパーキングエリア相互の距離などの情報を表示し、高速モード表示中に演算された走行軌跡と高速道路パターンがある一定限度を超えて一致しなくなれば一般道路に移動したことを判定する判定手段と、該判定手段で一般道路に移動したと判定した時、表示している高速モードを解除して一般モードを表示する切り替え手段とを備えた、ナビゲーションシステムで用いられる走行情報表示装置。」(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
また、刊行物2には、「本発明は、自動車用ナビゲーション装置に係り、とくに高速道路と一般道路とを正確に区別することができる自動車用ナビゲーション装置に関する。」(第1頁右下欄第2行〜4行)、「1.通常は車輪速センサー30と地磁気センサー20からの情報を基に、制御手段50で現在位置を求め、CD-ROMから該当する一般道路の地図情報を検索し現在位置とともにCRTディスプレイ60に表示している(第3図のS10)。
2.制御手段50では、車輪速センサー30からの情報とタイマ54とにより速度を求め、一定以上の速度(例えば75km/h以上)が一定時間(例えば5分)以上継続しているかどうかがチェックされる。(第3図のS20)。
3.一定以上の速度が一定時間以上継続していないならば、一般道路を走行しているものとみなし、1を継続する。
4.一定以上の速度が一定時間以上継続しているならば、高速道路を走行しているものとみなし、CD-ROM40を検索する(第3図のS30)。
5.CD-ROM40内の地図情報に現在位置からある一定距離(例えば1km)内に高速道路が存在するかどうかがチェックされる(第3図のS40)。
6.高速道路が存在しなければ、一般道路を走行しているものとみなし、1を継続する。
7.高速道路が存在すれば、高速道路を走行しているものとみなし、その高速道路の地図情報と現在位置をCRTディスプレイ60に表示する(第3図のS50)。」(第3頁左上欄第13行〜右上欄第18行)、「1.左ウインカランプスイッチ10がONかどうかがチェックされる(第4図のS100)。」(第3頁左下欄第2行〜3行)、「3.左ウインカランプスイッチ10がONであれば、一定速度以下(例えば40km/h)に減速したかどうかがチェックされる(第4図のS110)。」(第3頁左下欄第7行〜10行)、「5.一定速度以下に減速されれば、低速で一定時間以上(例えば1分以上)走行したかどうかがチェックされる(第4図のS120)。」(第3頁左下欄第14行〜16行)、「7.低速で一定時間以上走行されれば、CD-ROM40にて現在位置付近(例えば1km以内)にサービスエリア、パーキングエリア、インターチェンジがあるかどうかが検索される(第4図のS130、140)。」(第3頁左下欄第20行〜右下欄第4行)、「10.現在位置がインターチェンジであるかどうかがチェックされる(第4図のS160)。」(第3頁右下欄第11行〜12行)、「12.インターチェンジであれば、高速道路を降りるものとみなされ、該当する一般道路の地図情報と現在位置が表示されるとともに本ルーチンから抜ける(第4図のS170)。」(第3頁右下欄第14行〜17行)の記載からみて、
「一般道路と高速道路の地図情報を記憶するCD-ROMと、
現在位置を検出するのに用いる車輪速センサーと地磁気センサーと、
該車輪速センサーと地磁気センサーから検出した現在位置及び前記CD-ROMに記憶された地図情報とを表示する表示手段と、
通常は一般道路の地図情報を現在位置とともに前記表示手段に表示し、車両速度が所定速度以上である状態が所定時間以上継続し、かつ現在位置から予め定められた距離内に高速道路が存在すれば高速道路を走行しているものとみなし、一般道路の地図情報から切り換えて高速道路の地図情報と現在位置を前記表示手段に表示するとともに、左ウインカランプスイッチがオンになり、所定速度以下で所定時間以上走行し、かつ現在位置がインターチェンジであれば高速道路を降りるものとみなし、高速道路の地図情報から切り換えて該当する一般道路の地図情報と現在位置を表示する制御手段とを備えた、自動車用ナビゲーション装置。」(以下、「引用発明2」という。)
が記載されているものと認められる。
また、刊行物3には、「この発明は、自動車のナビゲーションシステムに用いて好適な車両等の移動体の位置検出装置に関するものである。」(第1頁右下欄第11行〜13行)、「GPS演算器2はGPS受信機1から受信した各衛星GPS1、GPS2、GPS3からの受信信号に基づいて演算を行うことにより、第2図に示すような第1の位置p1を含む半径dの円Bを示す第1の位置データを出力する。この第1の位置データに基づいて地図データメモリ3から上記円B付近の地図を示す地図データ、例えば第3図の道路a、b、cを含む地図データが読出される。地図マッチング演算器4において、上記第1の位置データと上記地図データとが第3図のようにマッチングされる。そして円Bに含まれる道路cが求められ、さらにこの道路c上の第1の位置p1からの最短距離lとなる第2の位置p2が求められ、この第2の位置を示すデータと上記地図データとから成る第2の位置データが出力される。これによって、表示器5において、道路a、b、cの地図が表示されると共に、道路c上に第2の位置p2が移動体の現在位置として表示される。」(第3頁右上欄第18行〜左下欄第15行)の記載からみて、「GPSからの受信信号に基づいて第1の位置p1を含む半径dの円Bを示す第1の位置データを出力するGPS演算器と、前記第1の位置データに基づいて地図データメモリから前記円B付近の地図を示す地図データを読出して前記第1の位置データと前記地図データとをマッチングさせ、円Bに含まれる道路c上の第1の位置p1からの最短距離lとなる第2の位置p2が求められ、該第2の位置を示すデータと前記地図データとからなる第2の位置データを出力する地図マッチング演算器と、道路c上に第2の位置p2を移動体の現在位置として表示する表示器とを備えた、自動車のナビゲーションシステムに用いる移動体の位置検出装置。」(以下、「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。
さらに、刊行物4には、「本発明は自動車やロボットのごとき移動体を、搭乗して操縦したり遠隔的に操縦する場合に、地図上に移動体の現在位置などを表示して操縦者を支援する装置に関する。」(第1頁右下欄第12行〜15行)、「すなわち、二つの座標(Xi,Yi)と(Xi+1,Yi+1)を結ぶベクトルViに対し、求まっている現在位置P(x,y)からの最短点Qを計算し、距離PQがある設定値以下であって、かつ方位θがViもしくは-Vi(Viとは逆方向のベクトル、道路のベクトルが進行方向と逆方向のベクトルとして表現されている場合にも対応するため)の方位とほぼ一致するかどうかを検定する。ほぼ一致すれば、求まっている座標x,yをQ点の座標で置きかえ、かつ、θもベクトルVi(または-Vi)の方位で置きかえる。」(第4頁左上欄第6行〜17行)の記載からみて、「二つの座標(Xi,Yi)と(Xi+1,Yi+1)を結ぶベクトルViに対し、求まっている現在位置P(x,y)からの最短距離Qを計算し、距離PQがある設定値以下であって、かつ方位θがViもしくは-Viの方位とほぼ一致するかどうかを検定し、ほぼ一致すれば、求まっている座標x,yをQ点の座標で置きかえるようにした、自動車を操縦する場合に地図上に移動体の現在位置を表示する操縦支援装置。」(以下、「引用発明4」という。)が記載されているものと認められる。
(4)対比・判断
ア.本件発明1について
本件発明1と引用発明2とを対比すると、引用発明2における「CD-ROM」、「車輪速センサー、地磁気センサー」、「表示手段」、及び「制御手段」は、それぞれ、本件発明1における「記憶手段」、「検出手段」、「表示手段」、及び「制御手段」に相当し、また、本件発明1における「特定道路」は「高速道路」も含んでいること、及び引用発明2における自動車用ナビゲーション装置が求める「現在位置」が、「車両の自車位置」であることは、いずれも明らかであるから、両者は、
「特定道路及び一般道路の地図情報を記憶した記憶手段と、
車両の自車位置を検出する検出手段と、
この検出手段より検出された車両の自車位置及び前記記憶手段に記憶されている地図情報を表示する表示手段と、
前記車両が一般道路上にある場合に、前記一般道路の地図情報を前記表示手段に表示させ、自車位置から特定道路までの距離が予め定められた範囲内であり、かつ車両速度が所定速度以上である状態が所定時間以上続いたことによって、前記車両が特定道路上にあることが判断された場合に、前記一般道路の地図情報から前記特定道路の地図情報に切り換えて表示可能に前記表示手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする車載ナビゲーション装置。」
である点で一致する。
これに対し、両者は以下の点で相違する。
[相違点1]
本件発明1が、自車位置から特定道路までの最短距離が予め定められた範囲内であって、この特定道路が車両の進行方向とほぼ平行な関係を有し、かつ車両速度が所定速度以上である状態が所定時間以上続いている場合に、一般道路の地図情報から特定道路の地図情報に切り換えるのに対し、引用発明2では、自車位置から特定道路までの距離が予め定められた範囲内であり、かつ車両速度が所定速度以上である状態が所定時間以上続いた場合に、一般道路の地図情報から特定道路の地図情報に切り換えるものである点。
[相違点2]
本件発明1では、車両が特定道路上にあると判断する前段階において、検出手段の出力に基づいて車両が一般道路上にあることを検出するのに対し、引用発明2では、車両が特定道路上にあると判断する前段階においては、通常は一般道路上にあるものとして、車両が一般道路上にあることを検出していない点。
前記相違点について検討する。
[相違点1について]
引用発明4には、対象となる経路上に自車があることを、前記対象となる経路と現在位置との最短距離がある設定値以下であることに加えて、前記対象となる経路と自車の方位とがほぼ一致するかどうかをもって判断することが記載されている。そして、本件発明1、引用発明2、及び引用発明4における前記の点は、いずれも、対象となる経路上の自車位置を検出するものである点で一致するので、引用発明2に引用発明4を適用し、自車が特定道路上にあることについて、「自車位置から特定道路までの最短距離が予め定められた範囲内である」こと、及び「一定以上の速度が一定時間以上継続している」ことに、「対象となる特定道路と自車の方位とがほぼ一致する」こと、すなわち「特定道路が車両の進行方向とほぼ平行な関係を有する」ことを判断に加え、本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものと認められる。
[相違点2について]
本件発明1で、車両が特定道路上にあると判断する前段階において、車両が一般道路上にあることを検出するための構成は、訂正明細書の特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び図面の何れにも特段の記載はなく、車両が特定道路上にあると判断されるまで一般道路上にあるとしているから、車両が特定道路上にあると判断する前段階においては、「車両が特定道路上にあると判断されない」ことが「車両が一般道路上にあることを検出する」ことに相当し、引用発明2の、車両が特定道路上にあると判断する前段階においては、通常は一般道路上にあるものとすることと、実質的な差異は認められない。
したがって、本件発明1は、刊行物2、及び4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
イ.本件発明2について
本件発明2は、本件発明1を引用した発明であって、本件発明2と引用発明2とを対比すると、本件発明1と引用発明2との対比・判断において挙げた相違点1に加えて、以下の点で相違する。
[相違点3]
本件発明2が、自車位置から記憶手段より読み出された特定道路までの最短距離が予め定められた範囲以上に離れた場合に、一般道路の地図情報に切り換えて表示するのに対し、引用発明2は、左ウインカランプスイッチがオンになり、一定速度以下で一定時間以上走行し、現在位置がインターチェンジであれば高速道路を降りるものとみなし、一般道路の地図情報を表示するものである点。
前記相違点について検討する。
[相違点3について]
引用発明2は、現在位置からある一定距離内に特定道路が存在することを、特定道路上に自車があることを判断するための条件の一つとしており、該条件が満たされなくなったことをもって、自車が特定道路上にないことを判断するようにすることは、当業者が容易に想到できたものと認められる。
したがって、本件発明2は、刊行物2、及び4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
ウ.本件発明3について
本件発明3は、本件発明1を引用した発明であって、本件発明3と引用発明2とを対比すると、本件発明1と引用発明2との対比・判断において挙げた相違点1に加えて、以下の点で相違する。
[相違点4]
本件発明3が、制御手段が表示可能に制御する特定道路の地図情報として、車両進行方向にある特定道路の施設までの距離を特定しているのに対し、引用発明2では、特定道路の地図情報は具体的には特定されていない点。
前記相違点について検討する。
[相違点4について]
引用発明1には、一般モードと高速モードとで表示を切り替え、高速モードにおいては、車の現在位置と、目的地、あるいはインターチェンジやサービスエリアまでの残り距離を表示することが記載されている。そして、本件発明3、引用発明2、及び引用発明1は、いずれも、自車が高速道路上にあると判断したときには、高速道路に対応した表示をするものである点で一致するので、引用発明2に引用発明1を適用し、車両進行方向にある特定道路の施設までの距離を、表示可能な特定道路の地図情報に加えることは、当業者が容易に想到できたものと認められる。
したがって、本件発明3は、刊行物1、2、及び4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
エ.本件発明4について
本件発明4は、本件発明3を引用した発明であって、本件発明4と引用発明2とを対比すると、本件発明3と引用発明2との対比・判断において挙げた相違点1、3に加えて、以下の点で相違する。
[相違点5]
本件発明4が、特定道路の地図情報における距離を、記憶手段より読み出され自車位置に対応して最短距離を満足する特定道路上の位置から車両進行方向にあるノード相互間の情報に基づいて求めているのに対し、引用発明2では、特定道路の地図情報としては具体的に挙げられておらず、したがって、距離を求める手段についても記載されていない点。
前記相違点について検討する。
[相違点5について]
引用発明1には、インターチェンジ、サービスエリア、及びパーキングエリア相互の距離を表示することが記載されているから、引用発明1では、インターチェンジ、サービスエリア、及びパーキングエリア相互の距離の情報を有していることは明らかである。よって、引用発明2に引用発明1を適用し、特定道路の施設までの距離を、該施設間の距離情報に基づいて求めるようにすることは、当業者が容易に想到できたものと認められる。
したがって、本件発明4は、刊行物1、2、及び4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
オ.本件発明5について
本件発明5は、本件発明1又は2を引用した発明であって、本件発明5と引用発明2とを対比すると、本件発明1及び2と引用発明2との対比・判断において挙げた相違点1、2に加えて、以下の点で相違する。
[相違点6]
本件発明5が、制御手段が表示可能に制御する特定道路の地図情報として、車両進行方向にある特定道路の施設までの到達予測時間、到達予測時刻の少なくともいずれか一方を特定しているのに対し、引用発明2では、特定道路の地図情報は具体的には特定されていない点。
前記相違点について検討する。
[相違点6について]
引用発明1には、一般モードと高速モードとで表示を切り替え、高速モードにおいては、車の現在位置と、目的地、あるいはインターチェンジやサービスエリアまでの所要時間を表示することが記載されている。そして、本件発明5、引用発明2、及び引用発明1は、いずれも、自車が高速道路上にあると判断したときには、高速道路に対応した表示をするものである点で一致するので、引用発明2に引用発明1を適用し、車両進行方向にある特定道路の施設までの所要時間を、表示可能な特定道路の地図情報に加えることは、当業者が容易に想到できたものと認められる。
したがって、本件発明5は、刊行物1、2、及び4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(5)むすび
以上のとおりであるから、本件発明1ないし5は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明1ないし5についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
車載ナビゲーション装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 特定道路及び一般道路の地図情報を記憶した記憶手段と、
車両の自車位置を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された車両の自車位置及び前記記憶手段に記憶されている地図情報を表示する表示手段と、
前記検出手段の出力に基づいて前記車両が一般道路上にあることが検出された場合に前記一般道路の地図情報を前記表示手段に表示させ、前記自車位置から前記記憶手段より読み出された特定道路までの最短距離が予め定められた範囲内であって、この特定道路が車両の進行方向とほぼ平行な関係を有し、かつ車両速度が所定速度以上である状態が所定時間以上続いている場合に、前記一般道路の地図情報から前記特定道路の地図情報に切り換えて表示可能に前記表示手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】 前記制御手段は、前記自車位置から前記記憶手段より読み出された特定道路までの最短距離が予め定められた前記範囲以上に離れた場合に、前記特定道路の地図情報から前記一般道路の地図情報に切り換えて表示可能に前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】 前記制御手段が表示可能に制御する前記特定道路の地図情報は、車両進行方向にある特定道路の施設までの距離であることを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項4】 前記距離は、前記記憶手段より読み出され前記自車位置に対応して前記最短距離を満足する特定道路上の位置から車両進行方向にあるノード相互間の情報に基づいて求められることを特徴とする請求項3に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項5】 前記制御手段が表示可能に制御する前記特定道路の地図情報は、車両進行方向にある特定道路の施設までの到達予測時間、到達予測時刻の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載ナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、道路地図上に自車位置を表示する車載ナビゲ―ション装置に関する。
【0001】
【従来の技術】
従来の車載ナビゲ―ション装置では、一般道路を走行しているときはその周辺の一般道路地図を表示している。この一般道路地図には、高速道路情報を含む種々の情報が含まれており、高速道路を走行しているときも、この一般道路地図を使用していた。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車載ナビゲ―ション装置では、高速道路などの特定関連情報を含んだ一般道路地図で、一般道路走行時と特定道路走行時を行っていた。そのため、特定道路走行時に必要な特定道路関連情報が見づらかった。
【0003】
そこで、本発明は車両が特定道路を走行していないときには一般道路地図を表示し、車両が特定道路を走行しているときには特定道路網を表示する切換え手段を有する車載ナビゲ―ション装置を提供することを目的とする。また、特定道路関連の各種情報を表示する車載ナビゲ―ション装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
特定道路及び一般道路の地図情報を記憶した記憶手段と、車両の自車位置を検出する検出手段と、この検出手段より検出された車両の自車位置及び前記記憶手段に記憶されている地図情報を表示する表示手段と、前記検出手段の出力に基づいて前記車両が一般道路上にあることが検出された場合に前記一般道路の地図情報を前記表示手段に表示させ、前記自車位置から前記記憶手段より読み出された特定道路までの最短距離が予め定められた範囲内であって、この特定道路が車両の進行方向とほぼ平行な関係を有し、かつ車両速度が所定速度以上である状態が所定時間以上続いている場合に、前記一般道路の地図情報から前記特定道路の地図情報に切り換えて表示可能に前記表示手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする車載ナビゲーション装置である。
上記車載ナビゲーション装置において、制御手段は、前記自車位置から前記記憶手段より読み出された特定道路までの最短距離が予め定められた前記範囲以上に離れた場合に、前記特定道路の地図情報から前記一般道路の地図情報に切り換えて表示可能に前記表示手段を制御する。
上記車載ナビゲーション装置において、制御手段が表示可能に制御する前記特定道路の地図情報は、車両進行方向にある特定道路の施設までの距離である。
上記車載ナビゲーション装置において、距離は、前記記憶手段より読み出され前記自車位置に対応して前記最短距離を満足する特定道路上の位置から車両進行方向にあるノード相互間の情報に基づいて求められる。
上記車載ナビゲーション装置において、制御手段が表示可能に制御する前記特定道路の地図情報は、車両進行方向にある特定道路の施設までの到達予測時間、到達予測時刻の少なくともいずれか一方である。
【0005】
【作用】
自車位置から前記記憶手段より読み出された特定道路までの最短距離が予め定められた範囲内であって、この特定道路が車両の進行方向と所定の関係を有し、かつ車両速度が所定速度以上である状態が所定時間以上続いている場合に、一般道路の地図情報から特定道路の地図情報に切り換えて表示可能に前記表示手段を制御する。
【0006】
【実施例】
図1に、本発明の車載ナビゲ―ション装置を構成するブロック図を示す。
【0007】
この車載ナビゲ―ション装置は、GPSレシ―バにより車両の現在位置,進行方向,進行速度を検出するGPS受信装置1と;CD-ROM等からなる地図情報記憶装置3と;キ―スイッチ等の入力手段たる入力装置5と;通信手段たる無線受信装置7と;CRTやLCD等からなる地図情報と車両の現在位置とを表示する画面21を有する表示装置20と;装置全体を制御する演算処理部(CPU)11と記憶部(メモリ)13と表示装置20の表示を制御する表示制御部(ディスプレイコントロ―ラ)17と入出力信号処理部(インタ―フェイス)15を備えた情報処理部10とから構成されている。
【0008】
上記した構成要素を更に詳述する。GPS受信装置1は、GPS人口衛星からの信号をGPSレシ―バにて受信し、車両の現在位置,進行方向,進行速度を検出する。
【0009】
地図情報記憶装置3には、一般道路地図及び特定道路、例えば複数の高速道路(高速道路網)が記憶されており、これらの地図情報中には、交差点,曲がり角,高速道路の出入口,インタ―チェンジ・サ―ビスエリア,パ―キングエリア(以下ノ―ドと総称する)と、これらに対した位置情報としてX・Y座標とノ―ドの種類(高速道路出入口等)を付加したノ―ド情報を含んでいる。更に、経緯度線から道路までの角度と、道路につながっているノ―ドと道路種類(高速道路や一般道路など)を付加した道路情報が含まれている。
【0010】
無線受信装置7は、ビ―コン等の極小域通信を受信する装置であり、位置情報や道路の種類等の情報を取得することができる。
【0011】
図2に、車両が一般道路を走行しているときに、その周辺の一般道路地図を表示装置20の画面21に表示している例を示す。図2において、車両の現在位置Aと、その周辺の一般道路Bと、高速道路網Cが併せて表示されている。
【0012】
次に、車両が走行中の道路が高速道路か否かの判断方法を以下に説明する。
【0013】
第1の判断方法は、高速道路の入口に入口信号を発信する発信装置,出口に出口信号を発信する発信装置をそれぞれ設け、無線受信装置7が、高速道路入口信号を受信したときに、情報処理部10は車両が高速道路に乗ったと判断する。そして、情報処理部10は、地図情報記憶装置3から周辺の高速道路網を読み出し、表示装置20の画面21に表示する。また、情報処理部10は、GPS受信装置1の検出信号により、車両の現在位置も併せて表示する。逆に、無線受信装置7が、高速道路の出口の信号を受信したときに、情報処理部10は車両の走行が高速道路から一般道路に降りたと判断する。そして、情報処理部10は、地図情報記憶装置3から周辺の一般道路地図を読み出し、表示装置20の画面21に表示する。また、情報処理部10は、GPS受信装置1の検出信号により、車両の現在位置を併せて表示する。第2の判断方法を次に述べる。情報処理部10は、GPS受信装置1で検出した車両の現在位置と地図情報記憶装置3から読み出した高速道路までの最短距離を計算し、この最短距離がGPSの誤差範囲内で、かつ車両の進行方向とほぼ平行な高速道路を検出できるという第1の条件と、車両が例えば時速80Km以上であるという第2の条件とが所定の時間,例えば10分間成立し続けたとき、情報処理部10は、車両が高速道路を走行していると判断する。そして、情報処理部10は、地図情報記憶装置3から周辺の高速道路網を読み出し、表示装置20の画面21に表示する。また、情報処理部10は、GPS受信装置1の検出信号により、車両の現在位置も併せて表示する。逆に、車両の現在位置から高速道路までの最短距離がGPSの誤差範囲以上離れているとき、情報処理部10は車両の走行が高速道路から一般道路に変ったと判断する。即ち、誤差範囲も含めて車両が高速道路から所定範囲内にあるか否かにより、高速道路にいるかどうかを判断する。そして、情報処理部10は、地図情報記憶装置3から周辺の一般道路地図を読み出し、表示装置20の画面21に表示する。また、情報処理部10は、GPS受信装置1の検出信号により、車両の現在位置を併せて表示する。第3の判断方法は、入力装置5から表示を高速道路網に切換える指示の信号を受けたとき、制御処理部10は、車両が高速道路を走行しはじめたと判断する。逆に、入力装置5から表示を一般道路に切換える指示の信号を受けたとき、制御処理部10は、車両が高速道路の走行を終了したと判断する。高速道路網または一般道路地図の読み出し,表示は、前述と同じであるから記載を省略する。ただし、入力装置5から表示の自動切換えを禁止する信号を受けたときは、制御処理部10は高速道路または一般道路地図の自動表示切換えを行わない。
【0014】
図3に、高速道路網を表示装置20の画面21に表示した例を示す。この図3の詳細は後述する。車両の現在位置から高速道路までの最短距離の計算方法を、図4及び図5を用いて説明する。GPS受信装置1で検出した現在位置をP(XP,YP)、高速道路の両端をQ1(X1,Y1)及びQ2(X2,Y2)とする。PからQ1Q2の直線に垂線を延ばし、垂線と直線Q1Q2の交点をR(Xr,Yr)とする。もしRが高速道路上にあれば、PからRまでの距離Lが、現在位置から高速道路までの最短距離となる。
【0015】
逆にRが高速道路上になければ、高速道路の両端Q1,Q2からPまでの2つの距離のうち短い方が、現在位置から高速道路までの最短距離L′であるとする。距離L,L′は下記の式より求まる。
【数1】
L2=(Xp-Xr)2+(Yp-Yr)2
Xr={S2X1+Xp+S(Yp-Y1)}/(S2+1)
Yr=S(Xr-X1)+Y1
S=(Y2-Y1)/(X2-X1)
L’=min((Xp-X1)2+(Yp-Y1)2,(Xp-X2)2+(Yp-Y2)2)
(minは括弧内のカンマで区切られた数値の中で最小のものを選び出す関数)
前記の距離計算により、各々の高速道路の地点から車両の現在位置までの距離の内で最も短い距離のものを選び、そのときの高速道路上の点(RまたはQ1またはQ2)を車両の補正位置とする。
【0016】
図3に示す如く、高速道路網を表示する際、車両の前記補正位置Aと進行方向により表示する高速道路網の範囲が決まる。そして、情報処理部10は、地図情報記憶装置3から、表示可能な範囲内にある高速道路関係のノ―ドや道路情報を抽出し、表示装置20の画面21に表示する。それらは、高速道路の出口やサ―ビスエリアやパ―キングエリアBである。また、分岐があった場合には、運転者が入力装置から指示を行い、分岐した先の道路表示の選択をすることができる。更に、図3に示す如く、高速道路網の表示の際には、自車の現在位置から進行方向にある高速道路の出口やサ―ビスエリアやパ―キングエリアBまでの距離を表示し、またそれらまでの到着予測時刻及び時間を表示する。
【0017】
以下に、前記の各情報の求め方を示す。
【0018】
距離を計算するときは、車両の進行方向にあるノ―ド,ノ―ド情報及び道路情報により、車両の前記補正位置Aから最初のノ―ドまでの距離を求める。次に、高速道路の出口やサ―ビスエリアやパ―キングエリアBが検出されるまで、ノ―ド間の距離を加えていく。これを表示されている高速道路の出口,サ―ビスエリア,パ―キングエリア全てについて行う。到着予測時間は、前述の求めた距離を進行速度で割ることにより求める。また、到着予測時刻は、現在時刻に到着予測時間を足すことにより求める。上記実施例では、特定道路として高速道路を挙げて説明しているが、自動車専用道路や他の有料道路などであってもよい。
【0019】
また上記実施例では一般道路地図と特定道路網の切換えは、自動で行っているもののみ説明しているが、手動による切換であってもよい。即ち、常に自動的に表示切換えを行うとはかぎらない。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では車両が特定道路を走行しているかどうかを各種情報を用いて判断し、特定道路を走行している場合には特定道路網と自車の現在位置を表示、特定道路を走行していない場合には一般道路地図と自車の現在位置を表示する。このため、特定道路上を走行しているとき、自動的に運転者に必要な特定道路関連のみの情報を提供し確認を容易にすることができる。
【0021】
また、本発明によれば、車両の進行方向にある特定道路の出口やサ―ビスエリアやパ―キングエリアまでの距離や到着予測時刻や時間を表示することにより運転者に有益な情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の車載ナビゲ―ション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】
一般道路地図の表示例である。
【図3】
高速道路網の表示例である。
【図4】
車両の現在位置から高速道路までの最短距離Lの計算方法を示す図である。
【図5】
車両の現在位置から高速道路までの最短距離L′の計算方法を示す図である。
【符号の説明】
1…GPS受信装置
3…地図情報記憶装置
5…入力装置
7…無線受信装置
10…情報処理部
11…演算処理部(CPU)
13…記憶部(メモリ)
15…入出力信号処理部(インタ―フェイス)
17…表示制御部(ディスプレイコントロ―ラ)
20…表示装置
21…画面
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許請求の範囲における請求項1の記載について、「・・・この特定道路が車両の進行方向と所定の関係を有し、・・・」とあるのを、特許請求の範囲の減縮を目的として、「この特定道路が車両の進行方向とほぼ平行な関係を有し、・・・」と訂正する。
明細書の段落[0004]の記載について、「・・・この特定道路が車両の進行方向と所定の関係を有し、・・・」とあるのを、明りょうでない記載の釈明を目的として、「この特定道路が車両の進行方向とほぼ平行な関係を有し、・・・」と訂正する。
異議決定日 2002-10-31 
出願番号 特願平6-23877
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (G01C)
最終処分 取消  
前審関与審査官 仲村 靖  
特許庁審判長 城戸 博兒
特許庁審判官 牧 初
大野 覚美
登録日 2001-03-23 
登録番号 特許第3171522号(P3171522)
権利者 株式会社東芝 株式会社ケンウッド
発明の名称 車載ナビゲーション装置  
代理人 竹花 喜久男  
代理人 大胡 典夫  
代理人 宇治 弘  
代理人 大胡 典夫  
代理人 宇治 弘  
代理人 竹花 喜久男  
代理人 大胡 典夫  
代理人 宇治 弘  
代理人 竹花 喜久男  

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