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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A61F |
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管理番号 | 1073256 |
異議申立番号 | 異議2001-72989 |
総通号数 | 40 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1997-01-14 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-10-26 |
確定日 | 2003-01-15 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3163233号「生理用ナプキン包装体」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3163233号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第3163233号の請求項1に係る発明は、平成7年6月30日に特許出願され、平成13年2月23日にその特許権の設定登録がなされ、その後、吉川郁子により特許異議の申立がなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成14年4月2日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 特許権者が求めている訂正の内容は以下のとおりである。 ア.訂正事項a 特許請求の範囲の 「【請求項1】 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在するナプキン本体の左右両側縁からウイング部が延出し、前記本体とウイング部の着用ショーツ当接面に剥離紙で被覆保護した粘着域を有する生理用ナプキンを包装用シートで被覆した生理用ナプキン包装体であって、 前記本体は、その粘着域を第1剥離紙で被覆するとともに、該第1剥離紙外面に前記包装用シートの内面を所要部位において剥離不能に接合し、かつ、該本体の両端縁と両側縁とから前記包装用シートを延出させ、 前記両ウイング部は、前記本体側縁に沿って表面シート上面に折り返してそれらウイング部の粘着域を第2剥離紙で被覆し、 前記包装用シートを接合した本体を前記表面シートを内側にして一方の端縁が下となり、もう一方の端縁が上となるように三つ折りに重ね合わせ、その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出する部位の前記包装用シートが前記第2剥離紙に剥離不能に接合してあることを特徴とする前記包装体。」を 「【請求項1】 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在するナプキン本体の左右両側縁からウイング部が延出し、前記本体とウイング部の着用ショーツ当接面に剥離紙で被覆保護した粘着域を有する生理用ナプキンを包装用シートで被覆した生理用ナプキン包装体であって、 前記本体は、その粘着域を第1剥離紙で被覆するとともに、該第1剥離紙外面に前記包装用シートの内面を所要部位において剥離不能に接合し、かつ、該本体の両端縁と両側縁とから前記包装用シートを延出させ、 前記両ウイング部は、前記本体側縁に沿って表面シート上面に折り返してそれらウイング部の粘着域を第2剥離紙で被覆し、 前記包装用シートを接合した本体を前記表面シートを内側にして一方の端縁が下となり、もう一方の端縁が上となるように三つ折りに重ね合わせ、その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出していて、前記第2剥離紙と重なり合う部位の前記包装用シート内面が前記第2剥離紙の前記ウィング部の粘着域に当接する面とは反対側の面に剥離不能に接合してあることを特徴とする前記包装体。」と訂正する。 イ.訂正事項b 発明の詳細な説明の段落【0007】の 「かかる前提において、前記本体は、...その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出する部位の前記包装用シートが前記第2剥離紙に剥離不能に接合してあることがこの発明の特徴である。」を 「かかる前提において、前記本体は、...その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出していて、前記第2剥離紙と重なり合う部位の前記包装用シート内面が前記第2剥離紙の前記ウィング部の粘着域に当接する面とは反対側の面に剥離不能に接合してあることがこの発明の特徴である。」と訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張、変更の存否 上記訂正事項aは、包装用シートと第2剥離紙と接合のし方について、「包装用シートの第2剥離紙と重なり合う部位の包装用シート内面が、第2剥離紙のウィング部の粘着域に当接する面の反対側に剥離不能に接合するものである」ことをさらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。 そしてかかる構造は第2図〜第4図に示されているとおりであるから、上記訂正は願書に添付した明細書及び図面の範囲内のものであって特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、上記訂正事項bは、特許請求の範囲の訂正にともない、明細書の記載事項との整合を図るものであって、明りょうでない事項の釈明を目的とする訂正に該当する。 そして、上記と同様に願書に添付した明細書の範囲内であり、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)結び 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法を改正する法律(平成6年法律題16号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.異議申立についての判断 (1)本件発明 上記のとおり、訂正請求が認められるから、本件発明は、訂正請求書に添付された訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される下記のとおりのものである。 「透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在するナプキン本体の左右両側縁からウイング部が延出し、前記本体とウイング部の着用ショーツ当接面に剥離紙で被覆保護した粘着域を有する生理用ナプキンを包装用シートで被覆した生理用ナプキン包装体であって、 前記本体は、その粘着域を第1剥離紙で被覆するとともに、該第1剥離紙外面に前記包装用シートの内面を所要部位において剥離不能に接合し、かつ、該本体の両端縁と両側縁とから前記包装用シートを延出させ、 前記両ウイング部は、前記本体側縁に沿って表面シート上面に折り返してそれらウイング部の粘着域を第2剥離紙で被覆し、 前記包装用シートを接合した本体を前記表面シートを内側にして一方の端縁が下となり、もう一方の端縁が上となるように三つ折りに重ね合わせ、その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出していて、前記第2剥離紙と重なり合う部位の前記包装用シート内面が前記第2剥離紙の前記ウィング部の粘着域に当接する面とは反対側の面に剥離不能に接合してあることを特徴とする前記包装体。」 (以下、本件発明という。) (2)異議申立の概要 これに対し、特許異議申立人吉川郁子は、甲第1号証及び第2号証を提出し、本件発明(訂正前。この項において、以下同じ)は、その出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、本件発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきである旨主張している。 (3)刊行物及びその記載事項 特許異議申立人が提出した甲第1号証及び甲第2号証の刊行物には、それぞれ以下の事項が記載されている。 (なお、特許異議申立人は、両刊行物を「マイクロフィルム」と表示しているが「CD-ROM」の誤りである。) 1) 実願平5-17402号(実開平6-75446号)の願書に最初に添付した明細書及び図面の内容を記録したCD-ROM(異議申立人が提出した甲第1号証、以下、刊行物1という。) a)「本考案は、ショーツに固定するための粘着部を保護する剥離紙を有せず、且つショーツに対し、充分なタック力を有する生理用ナプキンの包装構造に関する」(段落【0001】) b)「....フラップを有する生理用ナプキンを包装材で仮包装し、仮包装した生理用ナプキンを包装材と一体に折り重ねた包装構造により、上記目的を達成したものである」(段落【0007】) c)「....ナプキン本体と、その長手方向の左右両側縁部に、それぞれの幅方向外方に延出して形成された一対のフラップとを有する....上記ナプキン本体の非肌当接面に粘着部が設けられており、上記包装材の内表面における上記粘着部の対応部分に剥離部が設けられていることを特徴とする生理用ナプキンの包装構造を提供するものである。」(段落【0008】) d)「図6に示す本実施例の生理用ナプキンの包装構造101は、一対のフラップ120を、それぞれナプキン本体118の肌当接面111側に折り曲げた形態となした上記ナプキン110(図8参照)を、包装材130で仮包装し、仮包装された上記生理用ナプキン110を、その屈曲部117において上記包装材130と一体に折り重ねて、上記包装材130の両側縁部132を止着してなる。 そして、本実施例における生理用ナプキンの包装構造101においては、図9に示すように、上記の仮包装するに際して、ナプキン本体18の非肌当接面12側面全面と肌当接面11の上記フラップ120が折り曲げられている部位とに、上記包装材130の内表面が当接するように行っている。これにより、ナプキン本体118の粘着部116及びフラップ120の非肌当接面112側に設けられている粘着部121が、包装材130の粘着部121が、包装材130の内表面に設けられている剥離部(図示せず)により保護されている。」(段落【0026】) 2) 実願平4-68539号(実開平6-26833号)の願書に最初に添付した明細書及び図面の内容を記録したCD-ROM(異議申立人が提出した甲第2号証、以下、刊行物2という。) 「肌当接表面と、非肌当接裏面との間に吸収体が介在する本体部分と、該本体部分の中央域の対向縁から横外側へ延出する翼部分とから構成し、前記本体部分と前記両翼部分の前記裏面に、着用ショーツに対する粘着部をそれぞれ設け、それら粘着部を離型保護片で被覆してある個袋入り生理用ナプキンにおいて、 前記本体部分の粘着部を被覆する本体用離型保護片の一部を前記個袋内面に接合する一方、前記両翼部分を前記対向縁に沿って前記本体部分の表面の側へ折り畳み、これら折り畳んだ両翼部分の粘着部を被覆する翼部用離型保護片でそれら両翼部分が連結してあることを特徴とする前記ナプキン。」(実用新案登録請求の範囲、図3参照) (4)対比判断 本件発明と刊行物1に記載された発明とを比較すると、両者は、ナプキンの使用時に剥離紙の廃棄処分時の問題を解決するために、包装材と剥離紙とを一体的なものとする点において軌を一にするが、前者が、本体及びウイング部の着用ショーツ当接面の粘着域を包装用シートとは別の部材からなる第1及び第2の剥離紙で覆い、かつ包装用シートに剥離不能に接合される構造であるのに対し、後者は剥離紙を有さず、包装材(本件発明における包装用シート)が粘着部(粘着域)を覆う剥離紙を兼ねる構造である点において相違する。 この点について、特許異議申立人は「第1剥離紙、第2剥離紙と包装用シートとは別の部材で構成し、互いに剥離不能に接続したものでなければならないとは記載されていない」旨主張しているが、本件発明においては「剥離不能に接続する」構造であるから、剥離紙と包装用シートが同一部材で構成され、包装用シートが剥離紙を兼ねる構造ではあり得ない。 一方、本件発明と刊行物2に記載の発明とを比較すると、前者の第1剥離紙及び第2の剥離紙はそれぞれ後者の本体用離型保護片及び翼部用離型保護片に相当し、前者の包装用シートは後者の個袋に相当するから、両者は生理用ナプキンの包装体において、本体の粘着部を被覆する第1剥離紙が包装用シートに(剥離不能に)接合されている点で一致するが、前者の第2剥離紙が包装用シート内面に剥離不能に接合された構造を有するのに対し、後者の第2剥離紙は個袋に接合されていない点で相違する。 本件発明は、刊行物2に記載された発明における第2の剥離紙が他の部材と結合されていないことから生ずる問題点を解決しようとするものであるが、刊行物1記載の発明は、剥離紙を有さず、包装用シートに剥離部を形成することによって剥離紙の機能を兼ねるものであるから、剥離紙と包装用シートとが別の部材からなる生理用ナプキンの包装構造において、第2の剥離紙を包装材に剥離不能に接合する本件発明の包装構造を示唆するものではない。 したがって、本件発明が刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件特許異議申立人が主張する理由及び提出した証拠によっては、本件請求項1に係る発明の特許を取り消すことができない。 また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 生理用ナプキン包装体 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在するナプキン本体の左右両側縁からウイング部が延出し、前記本体とウイング部の着用ショーツ当接面に剥離紙で被覆保護した粘着域を有する生理用ナプキンを包装用シートで被覆した生理用ナプキン包装体であって、 前記本体は、その粘着域を第1剥離紙で被覆するとともに、該第1剥離紙外面に前記包装用シートの内面を所要部位において剥離不能に接合し、かつ、該本体の両端縁と両側縁とから前記包装用シートを延出させ、 前記両ウイング部は、前記本体側縁に沿って表面シート上面に折り返してそれらウイング部の粘着域を第2剥離紙で被覆し、 前記包装用シートを接合した本体を前記表面シートを内側にして一方の端縁が下となり、もう一方の端縁が上となるように三つ折りに重ね合わせ、その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出していて前記第2剥離紙と重なり合う部位の前記包装用シート内面が前記第2剥離紙の前記ウイング部の粘着域に当接する面とは反対側の面に剥離不能に接合してあることを特徴とする前記包装体。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 この発明は、生理用ナプキンを個別包装した生理用ナプキン包装体に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、ナプキン本体と、その左右両側縁部から延出するウイング部とからなる生理用ナプキンは周知である。それら本体とウイング部の着用ショーツ当接面には粘着剤を塗布し、それを剥離紙で被覆して塵埃による汚れを防止する。例えば、実開平6-26833号公報には、本体の粘着剤を第1剥離紙によって、ウイング部の粘着剤を第2剥離紙によって被覆保護し、第1剥離紙の一端部をナプキンの個袋内面に接合する技術が開示されている。また、実開平5-9529号公報には、本体とウイング部の粘着剤を1枚の剥離紙で同時に被覆保護することを可能にするほぼ十字型の剥離紙が開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 前記実開平6-26833号公報の技術では、ナプキンを使用するときに第1剥離紙と第2剥離紙とを別々に剥がさねばならないから、一回の動作で両剥離紙を剥がすことができる場合に比べて手間がかかるという問題がある。実開平5-9529号公報の技術によれば、剥離紙が1枚であるからそのような手間はかからないものの、剥離紙は十字型に広がった部位で剥離力が分散し、その部位では剥離がスムーズに進まない。したがって、この剥離紙にはそのすべてを一気に剥がすことが難しいという問題がある。 【0004】 そこでこの発明は、包装用シートとウイング部を被覆する剥離紙とを本体長手方向において剥離不能に接合することにより、前記従来技術の問題を解決することを課題にしている。 【0005】 【課題を解決するための手段】 この発明が前記課題を解決するために手段とするところは、以下のとおりである。 【0006】 この発明が前提とするのは、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在するナプキン本体の左右両側縁からウイング部が延出し、前記本体とウイング部の着用ショーツ当接面に剥離紙で被覆保護した粘着域を有する生理用ナプキンを包装用シートで被覆した生理用ナプキン包装体である。 【0007】 かかる前提において、前記本体は、その粘着域を第1剥離紙で被覆するとともに、該第1剥離紙外面に前記包装用シートの内面を所要部位において剥離不能に接合し、かつ、該本体の両端縁と両側縁とから前記包装用シートを延出させ、前記両ウイング部は、前記本体側縁に沿って表面シート上面に折り返してそれらウイング部の粘着域を第2剥離紙で被覆し、前記包装用シートを接合した本体を、前記表面シートを内側にして前記一方の端縁が下となり、もう一方の端縁が上となるように三つ折りに重ね合わせ、その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出していて前記第2剥離紙と重なり合う部位の前記包装用シート内面が前記第2剥離紙の前記ウイング部の粘着域に当接する面とは反対側の面に剥離不能に接合してあることがこの発明の特徴である。 【0008】 【作用】 このように構成した生理用ナプキン包装体では、三つ折りにしたナプキンの外側に位置する包装用シートの端部を持って、該シートをナプキン本体の長手方向に引っ張ると、それに接合する第1剥離紙が本体から剥がれるのに続いて、同じく包装用シートに接合する第2剥離紙がウイング部から剥がれる。 【0009】 【実施例】 この発明に係る生理用ナプキン包装体の詳細を添付の図面を参照して説明すると、以下のとおりである。 【0010】 図1,2は、生理用ナプキン包装体の部分破断斜視図とそのII-II線端面図であるが、図2では、生理用ナプキン1が側面図で示してある。 【0011】 図3は、前後に伸展した生理用ナプキン包装体の部分破断斜視図である。 【0012】 図1,2において、生理用ナプキン包装体は、生理用ナプキン1と、包装用シート2とからなる。ナプキン1は、透液性表面シート3と不透液性裏面シート4との間に吸液性コア5が介在したナプキン本体6と、本体6の左右各側縁から延出する表裏面シート3,4が接合することにより形成されたウイング部7とで構成されている。本体6とウイング部7の着用ショーツに対する当接面には第1粘着域8と第2粘着域9とがある。第1粘着域8は、第1剥離紙11で剥離可能に被覆保護され、左右のウイング部7の第2粘着域9は、ウイング部7をナプキン本体6の側縁17,18に沿って表面シート3の上面へ折り重ねた状態で第2剥離紙12により剥離可能に被覆保護されている。包装用シート2は、ナプキン本体6の前後端縁15,16と左右側縁17,18とから延出する大きさを有し(図3参照)、内面の所要部位、例えば図2における部位A,B,Cが第1剥離紙の外面にホットメルト接着剤20で剥離不能に接合している。生理用ナプキン1と包装用シート2とは、表面シート3を内側にして三つ折りにしてあり、ナプキン本体6の後端縁16が下になり、前端縁15がその上になっている。シート2は、ナプキン本体6の側縁17,18から延出する部分で互いに重なり合い、シールライン25により一体化されている。シート2が本体前端縁15から延出する部分は生理用ナプキン包装体の開口部を形成しており、該部分から延びる摘持用タブ27がその内面に塗布した粘着剤27Aによりシート2の外面に剥離可能に止着している。図2に示すように、シート2が本体後端部16から延出する部分に第2剥離紙12の一端部がホットメルト接着剤21により剥離不能に接合し、その第2剥離紙は前記一端部に対向する端部で第2粘着域9を被覆している。 【0013】 図3において伸展状態にある生理用ナプキン1と包装用シート2とは、後端縁16が下となり、前端縁15がその上となるように折曲線AとBとにおいて矢印P,Qに従って三つ折りにして重ねると図1,2の状態となる。重ねるときには、シート2に接合している第2剥離紙12の図における上面12Aを第2粘着域9に当接し、摘持用タブ27をシート2に止着し、さらにシールライン25を施す。 【0014】 図4は、生理用ナプキン1から第1,2剥離紙11,12を剥がすときの模式図である。図2において、タブ27を摘み矢印Y方向に引っ張るようにすると、包装用シート2がシールライン25に沿って破れるか、または剥離し、そのシート2と共に第1剥離紙11が剥がれ始め、さらに引っ張ると、力が第2剥離紙12にも及び、その第2剥離紙が図示のようにX方向へ反り返って第2粘着域9から剥がれる。この生理用ナプキン包装体では、包装用シート2と第1,2剥離紙11,12とが一体の細長い帯状シートとなり一回の剥離操作で生理用ナプキン1からスムーズに剥がれ、剥がれた後にはそれらをひとまとめにして簡単に廃棄することができる。 【0015】 かかる生理用ナプキン包装体において、包装用シート2や第1,2剥離紙11,12にはプラスチックフィルムその他の当該技術分野における慣用素材を使用することができる。各部材を接合するには粘着剤やホットメルト接着剤等の接着剤の他に、熱溶融性素材に対する熱溶着の技術を利用することができる。 【0016】 【発明の効果】 この発明においては、ナプキン本体の粘着域を保護する第1剥離紙と包装用シートとを剥離不能に接合する他に、該シートとウイング部の粘着域を保護する第2剥離紙とをナプキン本体の長手方向において剥離不能に接合したから、包装用シートを破いてナプキンを取り出すという操作だけで第1,2剥離紙をスムーズに剥がすことができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 生理用ナプキン包装体の部分破断斜視図 【図2】 図1のII-II線端面図。 【図3】 生理用ナプキン包装体を前後に伸展した状態の部分破断斜視図。 【図4】 生理用ナプキン包装体から生理用ナプキンを取り出すときの模式図。 【符号の説明】 1 生理用ナプキン 2 包装用シート 3 表面シート 4 裏面シート 5 吸液性コア 7 ウイング部 8 第1粘着域 9 第2粘着域 11 第1剥離紙 12 第2剥離紙 16 後端縁(一方の端縁) |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 訂正事項a 特許請求の範囲の 「【請求項1】 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在するナプキン本体の左右両側縁からウイング部が延出し、前記本体とウイング部の着用ショーツ当接面に剥離紙で被覆保護した粘着域を有する生理用ナプキンを包装用シートで被覆した生理用ナプキン包装体であって、 前記本体は、その粘着域を第1剥離紙で被覆するとともに、該第1剥離紙外面に前記包装用シートの内面を所要部位において剥離不能に接合し、かつ、該本体の両端縁と両側縁とから前記包装用シートを延出させ、 前記両ウイング部は、前記本体側縁に沿って表面シート上面に折り返してそれらウイング部の粘着域を第2剥離紙で被覆し、 前記包装用シートを接合した本体を前記表面シートを内側にして一方の端縁が下となり、もう一方の端縁が上となるように三つ折りに重ね合わせ、その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出する部位の前記包装用シートが前記第2剥離紙に剥離不能に接合してあることを特徴とする前記包装体。」を 「【請求項1】 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在するナプキン本体の左右両側縁からウイング部が延出し、前記本体とウイング部の着用ショーツ当接面に剥離紙で被覆保護した粘着域を有する生理用ナプキンを包装用シートで被覆した生理用ナプキン包装体であって、 前記本体は、その粘着域を第1剥離紙で被覆するとともに、該第1剥離紙外面に前記包装用シートの内面を所要部位において剥離不能に接合し、かつ、該本体の両端縁と両側縁とから前記包装用シートを延出させ、 前記両ウイング部は、前記本体側縁に沿って表面シート上面に折り返してそれらウイング部の粘着域を第2剥離紙で被覆し、 前記包装用シートを接合した本体を前記表面シートを内側にして一方の端縁が下となり、もう一方の端縁が上となるように三つ折りに重ね合わせ、その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出していて、前記第2剥離紙と重なり合う部位の前記包装用シート内面が前記第2剥離紙の前記ウィング部の粘着域に当接する面とは反対側の面に剥離不能に接合してあることを特徴とする前記包装体。」と訂正する。 訂正事項b 発明の詳細な説明の段落【0007】の 「かかる前提において、前記本体は、その粘着域を第1剥離紙で被覆するとともに、該第1剥離紙外面に前記包装用シートの内面を所要部位において剥離不能に接合し、かつ、該本体の両端縁と両側縁とから前記包装用シートを延出させ、前記両ウイング部は、前記本体側縁に沿って表面シート上面に折り返してそれらウイング部の粘着域を第2剥離紙で被覆し、前記包装用シートを接合した本体を、前記表面シートを内側にして前記一方の端縁が下となり、もう一方の端縁が上となるように三つ折りに重ね合わせ、その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出する部位の前記包装用シートが前記第2剥離紙に剥離不能に接合してあることがこの発明の特徴である。」を 「かかる前提において、前記本体は、その粘着域を第1剥離紙で被覆するとともに、該第1剥離紙外面に前記包装用シートの内面を所要部位において剥離不能に接合し、かつ、該本体の両端縁と両側縁とから前記包装用シートを延出させ、前記両ウイング部は、前記本体側縁に沿って表面シート上面に折り返してそれらウイング部の粘着域を第2剥離紙で被覆し、前記包装用シートを接合した本体を、前記表面シートを内側にして前記一方の端縁が下となり、もう一方の端縁が上となるように三つ折りに重ね合わせ、その重ね合わせた状態で該一方の端縁から延出していて、前記第2剥離紙と重なり合う部位の前記包装用シート内面が前記第2剥離紙の前記ウィング部の粘着域に当接する面とは反対側の面に剥離不能に接合してあることがこの発明の特徴である。」と 訂正する。 |
異議決定日 | 2002-12-20 |
出願番号 | 特願平7-165669 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(A61F)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 上條 のぶよ |
特許庁審判長 |
田中 倫子 |
特許庁審判官 |
深津 弘 横尾 俊一 |
登録日 | 2001-02-23 |
登録番号 | 特許第3163233号(P3163233) |
権利者 | ユニ・チャーム株式会社 |
発明の名称 | 生理用ナプキン包装体 |
代理人 | 小林 義孝 |
代理人 | 小林 義孝 |
代理人 | 白浜 吉治 |
代理人 | 白浜 吉治 |