ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
---|---|---|
審判199911343 | 審決 | 特許 |
審判19935910 | 審決 | 特許 |
審判199715350 | 審決 | 特許 |
審判19967530 | 審決 | 特許 |
審判199715352 | 審決 | 特許 |
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 (訂正、訂正請求) 特許、登録しない。 A61K |
---|---|
管理番号 | 1074514 |
審判番号 | 審判1995-15914 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2003-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1995-07-31 |
確定日 | 1999-06-07 |
事件の表示 | 平成6年特許権存続期間延長登録願第700005号「医薬組成物」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
I.本件特許第1398318号は、昭和51年7月27日に出願され(特願昭51ー88759)、昭和61年8月4日の出願公告(特公昭61ー33803)を経て、昭和62年9月7日に設定の登録がされたものであり、その特許発明の要旨は、設定登録時の明細書の記載からみて、その特許請求の範囲第1項に記載された次のとおりのものと認める。 「5-クロロー4-(2-イミダゾリニルアミノ)ー2,1,3ーベンゾチアジアゾールもしくはその製剤上許容し得る酸付加塩の治療有効量から成る痙攣症状処置用の筋肉弛緩剤。」 II.これに対する本件特許権存続期間の延長登録出願(以下「本件出願」という。)は、その願書の記載によれば、特許発明の実施について特許法第67条第3項の政令で定める処分を受けることが必要であったその政令で定める処分として、 ▲1▼延長登録の理由となる処分 薬事法第14条第1項に規定する医薬品に係る同項の承認 ▲2▼処分を特定する番号 承認番号(06AM)第0041号 ▲3▼処分の対象となった物 塩酸チザニジン ▲4▼処分の対象となった物について特定された用途 下記疾患による筋緊張状態の改善 頸肩腕症候群、腰痛症 下記疾患による痙性麻痺 脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、脳性(小児)麻痺、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症 であることを示している。 III.本件出願に対する原審の拒絶理由の概要は、有効成分である「塩酸チザニジン」の「下記疾患による筋緊張状態の改善:頸肩腕症候群、腰痛症;下記疾患による痙性麻痺:脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、脳性(小児)麻痺、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症」の用途については、本願に係る処分は、最初の処分でなく、先の処分によりその用途に使用する物についての特許発明の実施は既に可能となっているから、今回の処分を受けることは、その特許発明の実施に必要であったとは認められない、というものである。 IV.そこで以下検討すると、本件特許発明は、上記要旨のとおり、本件出願に係る処分の対象となった「塩酸チザニジン」を包含する化合物またはその塩の有効量からなる痙攣症状処置用の筋肉弛緩剤の発明であるから、本件特許発明の実施権は、「塩酸チザニジン」を痙攣症状の処置のための筋肉弛緩剤としての使用に及ぶものである。 そして、本件特許権についての通常実施権者であるサンド薬品株式会社は、有効成分である「塩酸チザニジン」について、前記承認(承認番号(06AM)第0041号によるもの、以下「今回承認」という。)に先立ち、昭和63年1月20日に既に承認番号(63AM輸)第17号により、効能・効果を「下記疾患による筋緊張状態の改善:頸肩腕症候群、腰痛症;下記疾患による痙性麻痺:脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、脳性(小児)麻痺、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症」とする承認(以下「前回承認」という。)を受けていることが認められ、前回承認と今回の承認とでは、有効成分及び効能・効果は全く同一であるが、剤型が、前回承認のものは錠剤であるのに対し、今回承認のものは顆粒剤である点で相違していることが認められる。 ところで、特許法は、第67条第2項に特許権の存続期間の例外規定を設け、特許発明の実施をしようとする場合に、「安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であって当該処分の目的、手続等からみて当該処分を的確に行うには、相当の期間を要するものとして政令で定めるものを受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることが2年以上できなかった」ことを要件として、5年を限度として特許権の延長登録を認めているが、この規定に加え、存続期間が延長された場合の特許権の効力を規定した同法第68条の2が「特許権の存続期間が延長された場合・・の当該特許権の効力は、その延長登録の理由となった第67条第2項の政令で定める処分の対象となった物(その処分においてその物の使用される特定の用途が定められている場合にあっては、当該用途に使用されるその物)についての当該特許発明の実施以外の行為には、及ばない。」として「物」と「用途」を単位として延長された特許権の効力を規定していることから、特許期間の延長が認められるためには、物及び用途に関し、別の処分を受けたことによって特許発明の実施をすることができるようになっていないことが必要である。 すなわち、同じ物を同じ用途に使用する場合にあっては、その使用形態の変更のため重ねて政令で定める処分を受けることが必要とされる場合でも、そのことを理由に特許期間の延長を認めることは適当でない。 これを医薬品である本件についてみると、本件発明は、本件出願に係る処分の対象となった化合物又はその塩を包含する痙攣症状処置用の筋肉弛緩剤についてのものであるが、サンド薬品株式会社は、塩酸チザニジンの上記用途については、上記したとおり、既に承認を受け、実施が可能となっているのであるから、本件出願に係る処分が先に受けた処分とは異なる品目についてのものであるとしても、これを理由に延長登録の要件を満たすものとすることはできない。 そうしてみると、本件特許発明の塩酸チザニジンの痙攣症状処置用の筋肉弛緩の用途の実施について、本件出願に係る処分は、特許法第67条第2項に規定の政令で定めるものを受けることが必要であった処分とは認めることはできない。 V.以上のとおりであるから、本件出願は、特許法第67条の3第1項第1号の規定により延長登録を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1998-04-28 |
結審通知日 | 1998-05-08 |
審決日 | 1998-05-21 |
出願番号 | 特願平6-700005 |
審決分類 |
P
1
8・
71-
Z
(A61K)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 松浦 新司 |
特許庁審判長 |
柿崎 良男 |
特許庁審判官 |
吉村 康男 小島 隆 |
登録日 | 1987-09-07 |
登録番号 | 特許第1398318号(P1398318) |
発明の名称 | 医薬組成物 |
代理人 | 中嶋 正二 |
代理人 | 青山 葆 |