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審決分類 |
審判 査定不服 発明同一 取り消して特許、登録 B60L |
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管理番号 | 1074599 |
審判番号 | 不服2001-21227 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1993-12-17 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-11-29 |
確定日 | 2003-05-06 |
事件の表示 | 平成 4年特許願第140822号「移動体の無接触給電設備」拒絶査定に対する審判事件〔平成 5年12月17日出願公開、特開平 5-336607、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
【1】手続の経緯・本願発明 本願は、平成4年6月2日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成12年10月27日付けで補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのもの(以下、「本願発明という。)と認められる。 「【請求項1】 移動体が走行する走行路に沿って、高周波の正弦波電流を流す線路を敷設し、前記移動体にこの線路の周波数に共振し、起電力が生じるピックアップコイルを設けた移動体の無接触給電設備であって、 前記走行路の所定位置において前記線路にコイルユニットを挿入し、 前記コイルユニットを、 前記ピックアップコイルが接触しないように中央部に凹部を設けた箱状の本体と、 前記本体に設けた、前記線路が接続される接続端子と、 前記本体内で前記凹部の内面に沿ってループ状に敷設され、前記接続端子間を接続する内部配線と から構成したこと を特徴とする移動体の無接触給電設備。」 【2】原査定の拒絶理由の概要 原査定の拒絶理由の概要は以下のとおりである。 「本願発明は、拒絶理由通知書において提示した先願(特願平4-504164号(特表平6-506099号))の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と実質的に同一であり、具体的なコイルユニットの構造および内部配線は課題解決のための具体化手段における微差であり、その点が記載されていないことが実質的な相違点であるとは認められない。」 【3】引用先願明細書 原査定の拒絶の理由に引用した、前記特願平4-504164号(特表平6-506099号)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「先願明細書」という。特に第21図とその説明参照。)には、少なくとも以下の発明が記載されているものと認められる。 「移動体が走行する走行路(軌道)に沿って、高周波の正弦波電流を流す線路(1次導電路)を敷設し、前記移動体にこの線路の周波数に共振し、起電力が生じるピックアップコイルを設けた移動体の無接触給電設備であって、 前記走行路の所定位置において(図21のように)コイルを使用したことを特徴とする移動体の無接触給電設備。」 【4】対比・判断 本願発明と上記先願明細書に記載された発明(以下、「先願発明」という。)とを対比すると、両者は、 「移動体が走行する走行路に沿って、高周波の正弦波電流を流す線路を敷設し、前記移動体にこの線路の周波数に共振し、起電力が生じるピックアップコイルを設けた移動体の無接触給電設備であって、 前記走行路の所定位置においてコイル部を設けたを特徴とする移動体の無接触給電設備。」 の点で一致し、以下の点でのみ相違する。 (相違点) 走行路の所定位置に設けたコイル部の構成が、本願発明では線路に挿入したコイルユニットであって、前記コイルユニットを、前記ピックアップコイルが接触しないように中央部に凹部を設けた箱状の本体と、前記本体に設けた、前記線路が接続される接続端子と、前記本体内で前記凹部の内面に沿ってループ状に敷設され、前記接続端子間を接続する内部配線とから構成したものであるのに対し、先願発明では図21のようにコイルを使用するものであって、かかる本願発明が備える構成は備えない点。 そこで上記相違点につき検討するに、先願明細書にはコイルを線路に挿入したコイルユニットとして使用する旨の示唆も存在せず、本願発明は上記相違点の構成を備えることにより「現地で面倒なコイル巻き作業を行う必要がなくなり、現地作業を容易にすることができる。また、簡単に移設でき、容易にパワーアップ位置を変更することができる。」(【0013】【発明の効果】)との本願明細書記載の特有の効果を奏するものと認められるから、上記相違点が課題解決のための具体化手段における微差であるということはできない。 【5】むすび 以上のとおりであるから、本願請求項1に係る発明は原査定の理由によって拒絶することはできない。 また、他に本願請求項1に係る発明を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2003-04-15 |
出願番号 | 特願平4-140822 |
審決分類 |
P
1
8・
161-
WY
(B60L)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 千葉 成就、仲村 靖、中野 宏和、▲高▼木 真顕 |
特許庁審判長 |
城戸 博兒 |
特許庁審判官 |
牧 初 岩本 正義 |
発明の名称 | 移動体の無接触給電設備 |
代理人 | 森本 義弘 |