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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1074917
異議申立番号 異議2002-70788  
総通号数 41 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-02-14 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-03-29 
確定日 2003-04-07 
異議申立件数
事件の表示 特許第3213794号「面実装型電子部品およびその製造方法」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3213794号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 【1】本件特許発明
特許第3213794号(平成7年7月31日出願、平成13年7月27日設定登録)の請求項1〜4に係る発明(以下、「本件発明1〜4」という)は、その特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定されるとおりの、
「【請求項1】素子およびこの素子に電気的に導通する複数本の内部リード等が包み込まれた樹脂パッケージと、この樹脂パッケージの側面から上記各内部リードと連続させて延出させられた複数本の外部リードとを有しており、各外部リードの先端部に水平部が形成されている面実装型電子部品であって、
上記外部リードの水平部の端面は、水平部の底面に対し、断面円弧状または略円弧状のラウンド部によってつなげられており、
上記外部リードの端面は、不整な破断面からなる上半部と、上下方向に延びる複数の条痕が形成された下半部とを備えて形成されていることを特徴とする、面実装型電子部品。
【請求項2】上記外部リードの水平部の端面にはハンダメッキが施されておらず、上記水平部の少なくとも底面および側面にはハンダメッキが施されている、請求項1に記載の面実装型電子部品。
【請求項3】素子およびこの素子に電気的に導通する複数本の内部リード等が包み込まれた樹脂パッケージと、この樹脂パッケージの側面から上記各内部リードと連続させて延出させられた複数本の外部リードとを有しており、各外部リードの先端部に水平部が形成されている面実装型電子部品の製造方法であって、
リードフレーム上に素子をボンディングするステップ、
リードフレーム上の内部リードと上記素子との間を電気的に導通させるステップ、
上記素子ないし内部リードを包み込む樹脂パッケージを形成するステップ、
上記樹脂パッケージが形成された状態のリードフレームにハンダメッキを施すステップ、
外部リードをリードフレームから切り離すリードカット工程を実行する際、外部リードの端面に、外部リードの上面または下面につながる断面円弧状または略円弧状のラウンド部を同時形成するとともに、このラウンド部とはリードの厚み方向の反対側に不整な破断面を同時形成するステップ、
上記ラウンド部に、上下方向に延びる複数本の条痕を形成するステップ、
上記外部リードをフォーミングして、上記ラウンド部につながる面が下になるようにして、水平部を形成するステップ、
を含むことを特徴とする、面実装型電子部品の製造方法。
【請求項4】上記リードカット工程は、凹凸が形成された切断刃を用いて行われるとともに、上記複数本の条痕は、上記リードカット工程において形成される、請求項3に記載の面実装型電子部品の製造方法。」である。
【2】特許異議の申立て理由
【2-1】特許異議申立人 藤野研治は、甲第1〜6号証(以下、「刊行物1〜6」という)を提示し、本件発明1,2は、刊行物1〜6の記載に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、本件発明3,4は、刊行物1〜4に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであって、取り消されるべきものであると主張している(以下、「異議申立1」という)。
【2-1-1】証拠方法
刊行物1(甲第1号証);特開平4-63465号公報
刊行物2(甲第2号証);特開平4-63466号公報
刊行物3(甲第3号証);特開平3-275224号公報
刊行物4(甲第4号証);特開平5-152481号公報
刊行物5(甲第5号証);八木 裕 他4名著「薄型・多ピン・狭ピッチ LSIパッケージのアセンブリ技術と信頼性評価法」、応用技術出版、1992年10月8日発行、第3,38頁
刊行物6(甲第6号証);大矢根守哉 監修「新編 塑性加工学」株式会社 養賢堂、昭和58年3月25日発行、第43〜47頁
【2-2】特許異議申立人 セイコーエプソン株式会社は、甲第1〜3号証(以下、「刊行物7〜9」という)を提示し、本件発明1〜3は、刊行物7〜9に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。したがって、その発明に係る特許は特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである旨主張している(以下、「異議申立2」という)。
【2-2-1】証拠方法
刊行物7(甲第1号証);特開平6-97346号公報
刊行物8(甲第2号証);型技術協会 編 「型技術便覧」日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、第332,333頁
刊行物9(甲第3号証);特開平4-262564号公報
【3】特許異議の申立てについての判断
【3-1】異議申立1について、
【3-1-1】刊行物1〜6の記載内容
刊行物1には:
第1頁左下欄第5〜13行に、
(刊1a)「半導体パッケージのリードを・・・カットする方法において、・・・半導体パッケージがプリント基板に実装されたとき、・・・半導体パッケージのリードのカット面の前記プリント基板との接着面側にメッキダレが形成される方向からリードカットを行うことを特徴とする半導体パッケージのリードカット方法」が記載され、
第1頁右下欄第4〜10行に、
(刊1b)「すなわち、第5図(a)〜(c)はノーマルタイプの従来のリードカット方法を示すものである。この図において、1は半導体パッケージから外部に突設されたリードであり、2はこのリード1に外装されたメッキ、3はこのリードカット後のメッキダレである。また、4は前記リード1のカットの方向を示している」と記載され、
第2頁左下欄第10〜17行に、
(刊1c)「以上説明したように、この発明は、各タイプの半導体パッケージがプリント基板に実装されたとき、各タイプの半導体パッケージのリードのカット面のプリント基板との接着面側にメッキダレが形成される方向からリードカットを行うので、リードカット後の曲げ加工の曲げ方向にかかわらず、基板面側にメッキダレが形成され、全面に半田が付着し、高信頼性の半導体パッケージが得られる」と記載されている。
刊行物2には:
第1頁左下欄第5〜12行に、
(刊2a)「外装メッキ処理を完了した外部リードを備えた半導体装置のリードカット方法において、前記外部リードの不要部分をカットする際に、前記外部リードの外装メッキ部分を前記外部リードの両方向からダレさせるようにカットダイを上下両方向から移動してカットし、そのリード切断面に前記外装メッキを引き伸ばすようにして残すことを特徴とする半導体装置のリードカット方法」が記載され、
第2頁左上欄第7〜12行に、
(刊2b)「この発明に係る半導体装置のリードカット方法は、外部リードの不要部分をカットする際に、外部リードの外装メッキ部分を外部リードの両方向からダレさせるようにカットダイを上下両方向から移動してカットし、そのリード切断面に外装メッキを引き伸ばすようにして残すものである」と記載され、
第1,2図には、
(刊2c)「リード水平部の端面が水平部の底面に対して円弧状のラウンド部によってつなげられている」ことが示されている。
刊行物3には:
第2頁左上欄第11〜14行に、
(刊3a)「ところで、一般に成形金型を用いる抜き加工においてそのせん断切口の形状は、第4図に示すようにダレ1、せん断面2、破断面3、カエリ4で構成される」と記載され、
第4頁左下欄第9〜13行及び第1図に、
(刊3b)「リードフレームの打ち抜き加工において、切口の形状に、せん断面2、破断面3が形成される」ことが示されている。
刊行物4には:
図1,2に、
(刊4a)「半導体素子収納用パッケージに関し、半導体素子4を収容する容器3に、該半導体素子4を外部電気回路基板8の配線導体9に接続する複数個の平板状外部リード端子7を取着して成る半導体素子収納用パッケージであって、前記外部リード端子が外部電気回路基板の配線導体と当接する面側から反対面側にかけて押圧されるカッター刃により所定長さに切断されたもの」が示されており、
段落【0011】及び図1,2に、
(刊4b)「絶縁基体1と蓋体2とで半導体集積回路素子4を収容するための容器3が構成され、前記絶縁基体1には凹部la周辺から外周縁にかけて導出するメタライズ配線層5が被着形成されており、該メタライズ配線層5の凹部la周辺部には半導体集積回路素子4の電極がボンディングワイヤ6を介して電気的に接続され、また外周縁には外部電気回路と接続される外部リード端子7が銀ロウ等のロウ材を介し取着される」ことが記載され、
図1〜3には、
(刊4c)「外部リード端子7の先端部に水平部が形成された構造」が明示されている。
刊行物5には:
第38頁の写真に、
(刊5a)「半導体装置のリードフレームの加工において、プレス加工により加工された加工面が不整な破断面と上下方向に延びる複数の条痕とを有する」ことが示されている。
刊行物6には:
第45頁第18〜21行及び図4.4に、
(刊6a)「(c) せん断切口面の形状 せん断製品の切口面は、図4.4に示すように、だれ(shear droop)、せん断面(burnish surface)、破断面(fracture surface)、かえり(burr)の四つの部分からなっているのが一般的である」と記載されている。
【3-1-2】本件発明1〜4と刊行物1〜6に記載された内容との対比・判断
[1]本件発明1について、
上記(刊1a)〜(刊1c)から、刊行物1に(刊1z)「半導体パッケージのリードカットにおいて、半導体パッケージがプリント基板に実装されたとき、半導体パッケージの外部リードのカット面の前記プリント基板との接着面側にメッキダレが形成される方向からリードカットを行うことで、プリント基板面側にメッキダレが形成され、全面に半田が付着し、高信頼性の半導体パッケージ」となることが開示され、
上記(刊2a)〜(刊2c)から、刊行物2に(刊2z)「外装メッキ処理を完了した外部リードを備えた半導体装置のリードカットにおいて、前記外部リードの不要部分をカットする際に、前記外部リードの外装メッキ部分を前記外部リードの両方向からダレさせるようにカットダイを上下両方向から移動してカットし、そのリード切断面に前記外装メッキを引き伸ばすようにして残し、かつ前記外部リード水平部の端面が水平部の底面に対して円弧状のラウンド部によってつなげられている構造」が開示され、
上記(刊3a),(刊3b),(刊6a)から、刊行物3,6に(刊3&6z)「一般に成形金型を用いる抜き加工において、そのせん断切口の形状は、だれ(shear droop)、せん断面(burnish surface)、破断面(fracture surface)、かえり(burr)の四つの部分からなっているのが一般的であり、リードフレームの打ち抜き加工においても、切口の形状に、せん断面、破断面が形成される」ことが開示され、
上記(刊4a)〜(刊4c)から、刊行物4に(刊4z)「半導体素子4を収容する容器3に、該半導体素子を外部電気回路基板8の配線導体9に接続する複数個の平板状外部リード端子7を取着して成る半導体素子収納用パッケージであって、前記外部リード端子が、外部電気回路基板の配線導体と当接する面側から反対面側にかけて押圧されるカッター刃により所定長さに切断され、該外部リード端子の先端部には水平部が形成されており、上記容器は絶縁基体1と蓋体2とで構成され、前記絶縁基体には凹部la周辺から外周縁にかけて導出するメタライズ配線層5が被着形成されており、該メタライズ配線層5の凹部la周辺部には半導体素子の電極がボンディングワイヤ6を介して電気的に接続され、また外周縁には外部電気回路基板の配線導体と接続される上記外部リード端子が銀ロウ等のロウ材を介し取着されているもの」が開示されている。
しかし、以上の刊行物1〜4,6には、本件発明1の発明特定事項である(本1)「外部リードの端面は、不整な破断面からなる上半部と、上下方向に延びる複数の条痕が形成された下半部とを備えて形成されている」点がまったく記載・開示ないし示唆されていない。
また、上記(刊5a)に「半導体装置のリードフレームの加工において、プレス加工により加工された加工面が不整な破断面と上下方向に延びる複数の条痕とを有する」ものが示されているが、それがインナーリードなのかアウターリードなのか明らかでなく、かつリードのどの面の加工面なのかも明らかでないから、前記(刊5a)の記載内容が本件発明1の発明特定事項(本1)の点を開示ないし示唆するものであるとは認められない。
そして、本件発明1は該(本1)の事項により、「外部リードの端面についても、ハンダが好適に付着することができ、その結果、電子部品の実装強度が相対的に向上する」という特許明細書記載の作用効果を奏するものである。
したがって、本件発明1の発明特定事項である上記(本1)は容易に想到できたものとはいえないから、本件発明1は、刊行物1〜6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
[2]本件発明2について、
本件発明2は本件発明1を引用するものであって「外部リードの水平部の端面にはハンダメッキが施されておらず、上記水平部の少なくとも底面および側面にはハンダメッキが施されている」ことをさらなる発明特定事項としている。
してみれば、[1]段落で述べたように、本件発明1が刊行物1〜6に記載された発明から容易でない以上、本件発明2も必然の結果として刊行物1〜6に記載された発明から容易に想到できたものとすることはできない。
[3]本件発明3について、
上記[1]段落に記載した(刊1z),(刊2z),(刊3&6z),(刊4z)には、本件発明3の発明特定事項である(本3)「ラウンド部に、上下方向に延びる複数本の条痕を形成するステップ、(上記)外部リードをフォーミングして、上記ラウンド部につながる面が下になるようにして、水平部を形成するステップ」からなる点がまったく記載・開示ないし示唆されていない。
また、上記(刊5a)に「半導体装置のリードフレームの加工において、プレス加工により加工された加工面が不整な破断面と上下方向に延びる複数の条痕とを有する」ものが示されているが、それがインナーリードなのかアウターリードなのか明らかでないから、前記(刊5a)の記載内容が本件発明3の発明特定事項(本3)のうちの「外部リードをフォーミングして、ラウンド部につながる面が下になるようにして、水平部を形成する」という点を開示ないし示唆するものであるとは認められない。
そして、本件発明3は上記(本3)の事項により、「基板に対するハンダリフローによる実装時、溶融ハンダが(上記)ラウンド部に沿って外部リードの端面に上昇しやすく、したがって、電子部品の製造段階における必然からハンダメッキが施されていない外部リードの端面についても、ハンダが好適に付着することができ、その結果、電子部品の実装強度が相対的に向上する」という特許明細書記載の作用効果を奏するものである。
したがって、本件発明3の発明特定事項である上記(本3)は容易に想到できたものとはいえないから、本件発明3は、刊行物1〜6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
[4]本件発明4について、
本件発明4は本件発明3を引用するものであって「リードカット工程は、凹凸が形成された切断刃を用いて行われるとともに、(上記)複数本の条痕は、上記リードカット工程において形成される」ことをさらなる発明特定事項としている。
してみれば、[3]段落で述べたように、本件発明3が刊行物1〜6に記載された発明から容易でない以上、本件発明4も必然の結果として刊行物1〜6に記載された発明から容易に想到できたものとすることはできない。
【3-2】異議申立2について、
【3-2-1】刊行物7〜9の記載内容
刊行物7には:
第1頁(57)段落【要約】の第6〜8行に、
(刊7a)「外部リード端子2の先端部4における配線板3との接触面4bと先端側の側面4aとの間には面取り部4dが形成されている」と記載され、
段落【0016】〜【0018】及び図1,2に、
(刊7b)「本第1実施例の特徴として、外部リード端子2の先端部4における配線板3との接触面4bと先端側の側面4aとの角部は面取りされており、これにより、外部リード端子2の先端部4における配線板3との接触部には面取り部4dが形成されている。
図2は上記第1実施例に係る半導体装置が配線板3に実装された状態を示し、図2(a)は斜視図、図2(b)は断面図である。同図に示すように、半導体装置は、外部リード端子2の先端部4が配線板3に半田5により半田付けされることによって実装されている。
この場合、外部リード端子2の先端部4における配線板3との接触部には、上記のように面取り部4dが形成されているため、外部リード端子2の先端部4を配線板3に接着している半田5は、表面張力によって外部リード端子2の先端部4の面取り部4dに充填されるので、外部リード端子2の先端部4における配線板3との接触部に付着する半田5の量が従来よりも多くなり、外部リード端子2と配線板3との接触抵抗が小さくなる」と記載されている。
刊行物8には:
第332頁第7〜16行及び第333頁の図1に、
(刊8a)「適正なクリアランスで抜き加工された製品の端面形状は、図1のように大体次の四つの部分から成り立っている。
(1)だれ
工具が食込む時に引張られた自由表面部分で丸みをもつ。
(2)せん断面
大きなせん断ひずみを受けた面で、工具側面でバニシ加工されて、光沢のあるきれいな部分。
(3)破断面
クラックを生じ破断した部分で、結晶面が現れ、微小な凹凸のはなはだしい部分。
(4)バリ(かえり)
破断面からつながり、板厚よりとび出た薄くて鋭い刃物状の凹凸の部分」と記載されている。
刊行物9には:
段落【0002】〜【0004】,【0007】及び図3〜5に、
(刊9a)「・・・半導体装置用リードフレームに半導体素子を搭載し、半導体素子の電極とリードフレームリードをAu配線で結線後、樹脂封止し外部リード部に半田付が可能な半田めっきを施した後、外部リードの先端を切断しリード成形していた。
図3(a)は、半導体装置1の外部リード2をポンチ4で上より下へ切断する工程の断面図を示す。・・・
図4(a)の様に切断だれ部10が上側にあり、・・・
このリード切断方向が逆になると、リード先端部は、図5(a)の様になり、プレスのダレ部がプリント基板側(リード断面下側)に来るため、図5(b)の様に半田ペースト7はリード断面にメニスカスを作る」と記載されている。
【3-2-2】本件発明1〜3と刊行物7〜9に記載された内容との対比・判断
[1]本件発明1について、
上記(刊7a),(刊7b)から、刊行物7に(刊7z)「外部リード端子2の先端部4における配線板3との接触面4bと先端側の側面4aとの角部は面取りされて面取り部4dが形成されており、半導体装置は前記外部リード端子2の先端部4が配線板3に半田5により半田付けされることによって実装され、そのため、前記外部リード端子2の先端部4を配線板3に接着している半田5は表面張力によって該外部リード端子2の先端部4の面取り部4dに充填されるので、前記外部リード端子2の先端部4における配線板3との接触部に付着する半田5の量が従来よりも多くなり、該外部リード端子2と配線板3との接触抵抗が小さくなる」ことが開示され、
上記(刊8a)から、刊行物8に(刊8z)「パンチとダイを用いた一般的な打ち抜き加工によって形成された製品の端面形状について、(1)だれ 工具が食込む時に引張られた自由表面部分で丸みをもつ,(2)せん断面 大きなせん断ひずみを受けた面で工具側面でバニシ加工されて光沢のあるきれいな部分,(3)破断面 クラックを生じ破断した部分で結晶面が現れ微小な凹凸のはなはだしい部分等がある」ことが開示され、
上記(刊9a)から、刊行物9に(刊9z)「半導体装置用リードフレームに半導体素子を搭載し、半導体素子の電極とリードフレームのリードとをAu線で結線後、樹脂封止し外部リード部に半田付が可能な半田めっきを施した後、外部リードの先端を切断してリード成形するとき、外部リード先端部に生じるプレスのダレ部がプリント基板側(リード断面下側)に来るようにして、実装時に半田ペーストが外部リード断面にメニスカスを作るようにする」ことが開示されている。
しかし、以上の刊行物7〜9には、本件発明1の発明特定事項である(本1)「外部リードの端面は、不整な破断面からなる上半部と、上下方向に延びる複数の条痕が形成された下半部とを備えて形成されている」点がまったく記載・開示ないし示唆されていない。
そして、本件発明1は前記(本1)の事項により、「外部リードの端面についても、ハンダが好適に付着することができ、その結果、電子部品の実装強度が相対的に向上する」という特許明細書記載の作用効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は、刊行物7〜9に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
[2]本件発明2について、
本件発明2は本件発明1を引用するものであって、さらなる発明特定事項を有している。
してみれば、[1]段落で述べたように、本件発明1が刊行物7〜9に記載された発明から容易でない以上、本件発明2も必然の結果として刊行物7〜9に記載された発明から容易に想到できたものとすることはできない。
[3]本件発明3について、
上記[1]段落に記載した(刊7z),(刊8z),(刊9z)には、本件発明3の発明特定事項である(本3)「ラウンド部に、上下方向に延びる複数本の条痕を形成するステップ、(上記)外部リードをフォーミングして、上記ラウンド部につながる面が下になるようにして、水平部を形成するステップ」からなる点がまったく記載・開示ないし示唆されていない。
そして、本件発明3は上記(本3)の事項により、「基板に対するハンダリフローによる実装時、溶融ハンダが(上記)ラウンド部に沿って外部リードの端面に上昇しやすく、したがって、電子部品の製造段階における必然からハンダメッキが施されていない外部リードの端面についても、ハンダが好適に付着することができ、その結果、電子部品の実装強度が相対的に向上する」という特許明細書記載の作用効果を奏するものである。
したがって、本件発明3は、刊行物7〜9に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
【4】異議申立1及び異議申立2の組合せについて、
異議申立2で提示された刊行物7〜9は、それぞれ異議申立1で提示された刊行物1〜6の内の特定の刊行物と、次の(1)〜(3)に記載するようにその開示内容が実質的に重複するものである。
すなわち、(1)刊行物7は刊行物1と、(2)刊行物8は刊行物6と、(3)刊行物9は刊行物1及び2と、それぞれ対応・重複する。
したがって、【3-1-2】の[1]〜[4]段落で述べたように、本件発明1〜4が刊行物1〜6に記載された発明から容易に想到できたものでないから、前記本件発明1〜4は、刊行物1〜9に記載されたものを組み合わせても、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
【5】むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1〜4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1〜4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2003-03-17 
出願番号 特願平7-195561
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 酒井 英夫  
特許庁審判長 影山 秀一
特許庁審判官 川真田 秀男
中西 一友
登録日 2001-07-27 
登録番号 特許第3213794号(P3213794)
権利者 ローム株式会社
発明の名称 面実装型電子部品およびその製造方法  
代理人 藤綱 英吉  
代理人 塩谷 隆嗣  
代理人 上柳 雅誉  
代理人 古澤 寛  
代理人 福元 義和  
代理人 吉田 稔  
代理人 須澤 修  
代理人 田中 達也  

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