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審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  H01L
審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1074934
異議申立番号 異議2001-72917  
総通号数 41 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-04-09 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-10-23 
確定日 2003-03-19 
異議申立件数
事件の表示 特許第3158534号「半導体集積回路」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3158534号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
特許第3158534号の請求項1に係る発明についての出願は、平成3年特許願248569号として、平成3年9月27日に特許出願され、平成13年2月16日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、特許異議申立人村井宏により特許異議の申立てがなされ、平成13年12月28日(起案日)付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年3月7日に特許異議意見書の提出とともに訂正請求がなされ、この訂正に対して平成14年10月3日(起案日)付けで訂正拒絶理由通知がなされたものである。


2.訂正の適否についての判断
上記訂正請求は、願書に添付された明細書を、訂正請求書に添付された明細書のとおり訂正することを求めるものと認める。
これに対して、平成14年10月3日付けで訂正拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もない。
そして、上記訂正拒絶理由通知は妥当なものと認められる。
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書の規定に適合しないので認められない。


3.特許異議の申立てについての判断
(1)特許異議申立の理由の概要及び取消理由通知の内容
ア.特許異議申立の理由の概要
特許異議申立の理由の概要は、次のとおりである。
特許異議申立人村井宏は、証拠として甲第1号証(特開平3-27566号公報)、甲第2号証(特開昭60-68721号公報)、甲第3号証(柳井久義他1名著「改訂集積回路工学(1)」コロナ社、第167〜171頁)を提示して、本件請求項1に係る発明は、甲第1号証〜甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであると主張している。

イ.取消理由通知の内容
取消理由通知の内容は、次のとおりである。
「理由1)
本件の下記の請求項に係る発明は、その出願前に国内において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術分野における通常の知識を有するものが、容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
理由2)
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開された下記の出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であると認められ、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一であるとも、また、この出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。



刊行物1)特開平3-27566号公報(申立人の提出した甲第1号証)
刊行物2)特開昭60-68721号公報(申立人の提出した甲第2号証)
刊行物3)柳井久義他1名著「改訂集積回路工学(1)」コロナ社、第167〜171頁(申立人の提出した甲第3号証)
先願4)特願平2-131109号(特開平4-26131号公報)

・請求項1について
・理由 1
・引用例等 刊行物1、2、3
・備考
特許第3137659号の請求項1に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりである。
上記刊行物1、2、3には、特許異議申立書の(5)証拠の説明、甲第1号証ないし甲第3号証の欄に記載された発明が記載されている。そして、請求項1に係る発明は、特許異議申立書の(6)本件特許発明と甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明との比較・検討の欄に記載の理由により、上記刊行物1、2、3に記載の発明に基づいて当業者が容易に成し得たものである。なお、刊行物2に記載の保護素子も集積化されており、小型化に適した構造と認められる。

・請求項1について
・理由 2
・先願4
・備考
先願、第2実施例(第2図)にベース抵抗を大きくする点、および、第6図に保護装置をGND、Vdd間に接続する点が記載されている。」

(2)本件発明
上記2.で示したように上記訂正は認められないから、本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものと認める。

(3)取消理由についての判断
そして、上記取消理由通知に対する特許異議意見書を検討しても、本件発明が上記刊行物1〜3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができ、また、上記先願4の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一である旨の上記取消理由は妥当なものと認められる。

(4)むすび
以上のとおりであるから、本件発明は、特許法第29条第2項及び第29条の2の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明についての特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2003-01-28 
出願番号 特願平3-248569
審決分類 P 1 651・ 161- ZB (H01L)
P 1 651・ 121- ZB (H01L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 河口 雅英  
特許庁審判長 松本 邦夫
特許庁審判官 橋本 武
池渕 立
登録日 2001-02-16 
登録番号 特許第3158534号(P3158534)
権利者 日本電気株式会社
発明の名称 半導体集積回路  
代理人 福田 修一  
代理人 河合 信明  
代理人 京本 直樹  

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