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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 B32B 審判 全部申し立て 2項進歩性 B32B |
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管理番号 | 1074964 |
異議申立番号 | 異議2000-70322 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1987-06-02 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-01-28 |
確定日 | 2003-03-17 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 特許第2926403号「包まれたレンズ型逆行反射性シ-ト」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2926403号の特許請求の範囲第1項、第4項に記載された発明についての特許を取り消す。 |
理由 |
1.本件発明 本件特許第2926403号は昭和61年11月17日に出願(パリ条約による優先権主張1985年11月18日、米国)され、平成11年5月14日に設定登録され、その発明の要旨は、その特許明細書の記載からみて、その特許請求の範囲第1項及び第4項に記載されたとおりのものである。 2.第1項に記載された発明(以下、「第1発明」という。)について a、これに対し、当審が通知した取消理由において引用した刊行物1(特開昭57-189839号公報)には、以下の記載がある。 イ、「高輝度反射シート用オープンタイプ再帰反射シートは、」(第1頁右欄第5〜6行)、 ロ、「第1図に製造されたオープンタイプ反射シート(0)の断面を示す。このシートはポリエチレンテレフタレートフィルム(4)上の基体樹脂(3)にアルミニウム(2)を蒸着された半球面で転写定植されたガラスビーズ(1)を備えて成つている。このガラスビーズは屈折率1.90〜1.93直径30〜120μである。まず第2図の例えば120μのクラフト紙(6)に30μのポリエチレン(5)を積層したポリエチレンラミネートクラフト紙(56)を、温度むらを生じない様に100℃の完全保温室中でクラフト紙側からロールに巻き付ける。このロール温度を140℃前後になるように加熱して100℃前後に加熱されているガラスビーズを撒布する。この時ビーズ分布が最密充填になるようにする。140℃の保温炉中でこのビーズ(1)をポリエチレンラミネートクラフト紙のポリエチレン層に付着させる。そして第3図に示すようにこのガラスビーズ表面側から真空蒸着によりアルミニウム(2)を被着させておく。」(第2頁左下欄第7行〜右下欄第4行)、 ハ、「この一方で熱安定性の良いフィルムに乾燥膜厚100μとなる様にガラスビーズとの密着性のよい基体樹脂を塗工する。例えば、フィルムは厚さ50μのポリエチレンテレフタレートで良く、基体樹脂は東亜合成のアロンS-1006加熱残分50部、ルチル型酸化チタン50部、DOP7部、エチルセロソルブ20部、粘度調整にはトルエンを使用して混合したもので良い。塗工後50℃に5分間半乾燥し、第4図に示すように前記ガラスビーズ付着ポリエチレンラミネートクラフト紙(56)のガラスビーズ(1)の表面にポリエチレンテレフタレートフィルム(4)を背方におき、この基体樹脂(3)を対向配置させる。両者は100℃、ニップ圧2kg/cm2の加熱ロールにより第5図に示すように一体に貼り合される。」(第2頁右下欄第5〜19行)、 ニ、「このあとポリエチレンラミネートクラフトを剥離すればガラスビーズ(1)はポリエチレンテレフタレートフィルム(4)上の基体樹脂(3)に転写されて第1図製品となるのである。この発明はこの剥離工程を確実にさせることに係るものであって、ポリエチレンラミネートクラフト紙の紙質が湿潤になると膨張する点に着目してなされている。ポリエチレンにガラスビーズが良く埋没されている場合でも紙質が膨張するとポリエチレンのビーズ界面が押し広げられ、ガラスビーズ転写を容易にする。この効果は紙質を高湿潤状態におくことにより高められる。・・・剥離終了後ガラスビーズを転写定植させた基体樹脂を80℃10分間でキュアさせる。」(第2頁右下欄末行〜第3頁左下欄第2行)、 ホ、「このオープンタイプ再帰反射シートを全天候型にする場合には表面フィルムのアクリルフィルムとエンボスロールを用い、空気層が得られる様に加熱して部分接着させると良い。このようにすると第1図(4)のポリエチレンテレフタレートフィルムは容易にとり除かれ、接着剤を適用して使用に供することが出来る。」(第3頁左下欄第2〜9行)、 ヘ、「このようなこの発明の方法によると、安価に得られるポリエチレンラミネート紙を利用し、ガラスビーズの仮植を良好にし、シート用基体樹脂にビーズの100%転写定植させ、基体樹脂での埋設度を任意に制御出来る。又基体樹脂は、ポリエチレンテレフタレートフィルムに直接塗工され、半乾燥された後に、ガラスビーズ付着ポリエチレンラミネート紙に加熱貼着されるため、この貼着に際して感圧型接着剤を用いる必要がなく安定に貼着される。」(第3頁左下欄第10〜19行)、 上記ロ、の「ビーズ(1)(第1発明の「レンズ」に相当する。)をポリエチレンラミネートクラフト紙(第1発明の「キャリヤーウエブ」に相当する。)のポリエチレン層に付着させる。」との記載及び図面第2図のビーズ(1)がポリエチレン層(5)に部分的に埋まっている様子からみて、第1発明の「(i)実質的にレンズの単層をキャリヤーウエブへ部分的に埋め、」が開示されている。 上記ロ、の「このガラスビーズ表面側から真空蒸着によりアルミニウム(2)(第1発明の「鏡面状反射性材料ないし鏡面状反射性付着物」に相当する。)を被着させておく。」との記載からみて、第1発明の「(ii)前記キャリヤーウエブのレンズを有する表面の上に鏡面状反射性材料を付着させ、」が開示されている。 上記ハ、の「フィルムは厚さ50μのポリエチレンテレフタレートで良く、基体樹脂は東亜合成のアロンS-1006加熱残分50部、ルチル型酸化チタン50部、DOP7部、エチルセロソルブ20部、粘度調整にはトルエンを使用して混合したもので良い。」及び「ガラスビーズ(1)の表面にポリエチレンテレフタレートフィルム(4)を背方におき、この基体樹脂(3)を対向配置させる。両者は100℃、ニップ圧2kg/cm2の加熱ロールにより第5図に示すように一体に貼り合される。」との記載、さらには、図面第4図において、基体樹脂(3)とアルミニウム(2)とが接触しておらず、図面第5図において、基体樹脂(3)とアルミニウム(2)とが接触し、基体樹脂(3)とポリエチレン(5)とが接触していない様子からみて、第1発明の「(iii)熱と圧力をかけて、フィルムを、レンズ間の前記キャリヤーウエブの表面上にある鏡面状反射性付着物のどの部分とも接触させないようにしながら、レンズ上にある鏡面状反射性付着物の部分に接触させ、」が開示されている。 上記ニ、の「このあとポリエチレンラミネートクラフトを剥離すれば」との記載からみて、第1発明の「(iv)キャリヤーウエブを剥がし、」が開示されている。 上記ホ、の「このオープンタイプ再帰反射シートを全天候型にする場合には表面フィルムのアクリルフィルム(第1発明の「覆いフィルム」に相当する。)とエンボスロールを用い、空気層が得られる様に加熱して部分接着させると良い。」との記載からみて、第1発明の「(v)露出したレンズ上に覆いフィルムを置き、」及び「(vi)結合部線に沿って熱と圧力をかけ、結合剤材料を軟化して変形し、覆いフィルムと接触させ、このようにして気密に密封したセルを形成し、それらのセル中にレンズが包まれ、且つ空気と接するようにする」が開示されている。 してみると、刊行物1には、 (i)実質的にビーズ(1)の単層をポリエチレンラミネートクラフト紙へ部分的に埋め、 (ii)前記ポリエチレンラミネートクラフト紙のビーズ(1)を有する表面の上にアルミニウム(2)を付着させ、 (iii)熱と圧力をかけて、フィルムを、ビーズ(1)間の前記ポリエチレンラミネートクラフト紙の表面上にあるアルミニウム(2)のどの部分とも接触させないようにしながら、ビーズ(1)上にあるアルミニウム(2)の部分に接触させ、 (iv)ポリエチレンラミネートクラフト紙を剥がし、 (v)露出したビーズ(1)上に表面フィルムのアクリルフィルムを置き、そして (vi)結合部線に沿って熱と圧力をかけ、結合剤材料を軟化して変形し、表面フィルムのアクリルフィルムと接触させ、このようにして気密に密封したセルを形成し、それらのセル中にビーズ(1)が包まれ、且つ空気と接するようにする諸工程を含む包まれたビーズ(1)型逆行反射性シートの製造方法が開示されている。 b、第1発明の「レンズ」、「キャリヤーウエブ」、「鏡面状反射性材料ないし鏡面状反射性付着物」、「覆いフィルム」は、それぞれ刊行物1に記載された発明の「ビーズ(1)」、「ポリエチレンラミネートクラフト紙」、「アルミニウム(2)」、「表面フィルムのアクリルフィルム」に相当するから、両者は、 (i)実質的にレンズの単層をキャリヤーウエブへ部分的に埋め、 (ii)前記キャリヤーウエブのレンズを有する表面の上に鏡面状反射性材料を付着させ、 (iii)熱と圧力をかけて、フィルムを、レンズ間の前記キャリヤーウエブの表面上にある鏡面状反射性付着物のどの部分とも接触させないようにしながら、レンズ上にある鏡面状反射性付着物の部分に接触させ、 (iv)キャリヤーウエブを剥がし、 (v)露出したレンズ上に覆いフィルムを置き、そして (vi)結合部線に沿って熱と圧力をかけ、結合剤材料を軟化して変形し、覆いフィルムと接触させ、このようにして気密に密封したセルを形成し、それらのセル中にレンズが包まれ、且つ空気と接するようにする諸工程を含む包まれたレンズ型逆行反射性シートの製造方法で一致し、 A第1発明は、HMW熱可塑性結合剤フィルムであるのに対して、刊行物1に記載の発明は、フィルムは厚さ50μのポリエチレンテレフタレートで良く、基体樹脂は東亜合成のアロンS-1006加熱残分50部、ルチル型酸化チタン50部、DOP7部、エチルセロソルプ20部、粘度調整にはトルエンを使用して混合したものである点、B第1発明は、網目状結合部であるのに対して、刊行物1に記載の発明は、エンボスロールを用い、部分接着させる点で一応相違する。 そこで、先ず、上記相違点Aについて検討すると、刊行物1の「アロンS-1006」は、特許異議申立人紀和化学工業 株式会社の提出した甲第2号証<特開昭60-67902号公報>に「ポリメチルメタクリレート(東亜合成社製商品名:アロンSー1006)」との記載があり、一般成型用のポリメチルメタクリレートの平均分子量が6万以上であることは、従来周知(必要なら、特許異議申立人紀和化学工業 株式会社の提出した甲第3号証<中部経営開発センター出版部企画編集『アクリル樹脂の合成・設計と新用途開発』、昭和60年7月1日発行、259〜266頁>)であり、一般成型用のポリメチルメタクリレートの溶融指数が750未満であることも従来周知(必要なら、特許異議申立人紀和化学工業 株式会社の提出した甲第4号証<『plastics age10』昭和54年10月1日、株式会社プラスチックエージ発行、77〜80頁>)である。 また、特許異議申立人日本カーバイド工業 株式会社の提出した甲第3号証(ニッカポリマ 株式会社研究開発部部長 田中 修の平成12年1月24日付測定実施報告書)及び甲第4号証(ニッカポロマ 株式会社技術部部長 越智 桂の平成6年2月8日付測定報告書)の記載からみて、「アロンSー1006」の重量平均分子量が6万以上で、メルトインデックスが750未満であることが認められる。 それゆえ、刊行物1の「アロンS-1006基体樹脂」は、第1発明の、「HMW熱可塑性結合剤フィルム」に相当する。 次に、上記相違点Bについて検討すると、刊行物1に記載の発明において、エンボスロールを用い、部分接着させると、その部分接着部が網目状結合部となることは、技術常識(必要なら、異議申立人紀和化学工業 株式会社の提出した甲第2号証<特開昭60-67902号公報>のハニカム状の凹凸部を付与したエンボスロールにより形成される線接触部26、特公昭40-7870号公報(米国特許第3190178号明細書および図面)のダイス要素19によって形成される格子線10、特開昭60-194405号公報の平面網目状に連続する連結壁6を参照されたい。)であり、実質的な差異は見いだせない。 3.第4項に記載された発明(以下、「第2発明」という。)について a、上記ニ、の「このあとポリエチレンラミネートクラフトを剥離すればガラスビーズ(1)(第2発明の「レンズ」に相当する。)はポリエチレンテレフタレートフィルム(4)上の基体樹脂(3)に転写されて第1図製品となるのである。」との記載及び図面第1図のガラスビーズ(1)が基体樹脂(3)に部分的に埋められている様子からみて、第2発明の「実質的にレンズの単層が部分的に埋められている結合剤層、」が開示されている。 図面第1図のガラスビーズ(1)の下にアルミニウム(2)(第2発明の「鏡面状反射性層」に相当する。)が存在する様子からみて、第2発明 の「レンズの下に存在する鏡面状反射性層、」が開示されている。 上記ホ、の「このオープンタイプ再帰反射シートを全天候型にする場合には表面フィルムのアクリルフィルム(第2発明の「覆いフィルム」に相当する。)とエンボスロールを用い、空気層が得られる様に加熱して部分接着させると良い。」との記載からみて、第2発明の「気密に密封されたセルで、その中にレンズが包まれ且つ空気と接しているセルを形成するよう結合部線に沿って結合剤層を密封する覆いフィルムを含む、可撓性のある包まれたレンズ型逆行反射性シート」及び「覆いフィルムが結合剤層と相溶性があり、」が開示されている。 上記ハ、の「フィルムは厚さ50μのポリエチレンテレフタレートで良く、基体樹脂は東亜合成のアロンS-1006加熱残分50部、ルチル型酸化チタン50部、DOP7部、エチルセロソルプ20部、粘度調整にはトルエンを使用して混合したもので良い。」及び「ガラスビーズ(1)の表面にポリエチレンテレフタレートフィルム(4)を背方におき、この基体樹脂(3)を対向配置させる。両者は100℃、ニップ圧2kg/cm2の加熱ロールにより第5図に示すように一体に貼り合される。」との記載、また、図面第4図において、基体樹脂(3)とアルミニウム(2)とが接触しておらず、図面第5図において、基体樹脂(3)とアルミニウム(2)とが接触し、基体樹脂(3)とポリエチレン(5)とが接触していない様子、さらには、上記ニ、の「このあとポリエチレンラミネートクラフトを剥離すればガラスビーズ(1)(第2発明の「レンズ」に相当する。)はポリエチレンテレフタレートフィルム(4)上の基体樹脂(3)に転写されて第1図製品となるのである。」との記載からみて、ガラスビーズ(1)間の基体樹脂(3)にアルミニウム(2)が転写されることはないから、第2発明の「レンズ間の結合剤層上には鏡面状反射層が存在しない」が開示されている。 してみると、刊行物1には、実質的にビーズ(1)の単層が部分的に埋められている基体樹脂(3)、ビーズ(1)の下に存在するアルミニウム(2)、および気密に密封されたセルで、その中にビーズ(1)が包まれ且つ空気と接しているセルを形成するよう結合部線に沿って基体樹脂(3)を密封する表面フィルムのアクリルフィルムを含む、可撓性のある包まれたビーズ(1)型逆行反射性シートであって、表面フィルムのアクリルフィルムが基体樹脂(3)フィルムと相溶性があり、且つレンズ間の基体樹脂(3)上にはアルミニウム(2)が存在しない、上記シートが開示されている。 b、第2発明の「レンズ」、「結合剤層」、「鏡面状反射性材料ないし鏡面状反射性付着物」、「覆いフィルム」は、それぞれ刊行物1に記載された発明の「ビーズ(1)」、「基体樹脂(3)」、「アルミニウム(2)」、「表面フィルムのアクリルフィルム」に相当するから、両者は、実質的にレンズの単層が部分的に埋められている結合剤層、レンズの下に存在する鏡面状反射性層、および密に密封されたセルで、その中にレンズが包まれ且つ空気と接しているセルを形成するよう結合部線に沿って結合剤層を密封する覆いフィルムを含む、可撓性のある包まれたレンズ型逆行反射性シートであって、覆いフィルムが結合剤層と相溶性があり、且つレンズ間の結合剤層上には鏡面状反射層が存在しない上記シートで一致し、 A第2発明は、少なくとも60,000の重量平均分子量および750未満の溶融指数を有するHMW熱可塑性結合剤であるのに対して、刊行物1に記載の発明は、東亜合成のアロンS-1006加熱残分50部、ルチル型酸化チタン50部、DOP7部、エチルセロソルプ20部、粘度調整にはトルエンを使用して混合した基体樹脂である点、 B第2発明は、網目状結合部であるのに対して、刊行物1に記載の発明は、エンボスロールを用い、部分接着させる点で一応相違する。 そこで、先ず、上記相違点Aについて検討すると、刊行物1の「アロンS-1006」は、特許異議申立人紀和化学工業 株式会社の提出した甲第2号証<特開昭60-67902号公報>に「ポリメチルメタクリレート(東亜合成社製商品名:アロンSー1006)」との記載があり、一般成型用のポリメチルメタクリレートの平均分子量が6万以上であることは、従来周知(必要なら、特許異議申立人紀和化学工業 株式会社の提出した甲第3号証<中部経営開発センター出版部企画編集『アクリル樹脂の合成・設計と新用途開発』、昭和60年7月1日発行、259〜266頁>)であり、一般成型用のポリメチルメタクリレートの溶融指数が750未満であることも従来周知(必要なら、特許異議申立人紀和化学工業 株式会社の提出した甲第4号証<『plastics age10』昭和54年10月1日、株式会社プラスチックエージ発行、77〜80頁>)である。 さらに、特許異議申立人日本カーバイド工業 株式会社の提出した甲第3号証(ニッカポリマ 株式会社研究開発部部長 田中 修の平成12年1月24日付測定実施報告書)及び甲第4号証(ニッカポロマ 株式会社技術部部長 越智 桂の平成6年2月8日付測定報告書)の記載からみて、「アロンSー1006」の重量平均分子量が6万以上で、メルトインデックスが750未満であることが認められる。 それゆえ、刊行物1の「アロンS-1006」は、第1発明の、「HMW熱可塑性結合剤」に相当する。 次に、上記相違点Bについて検討すると、刊行物1に記載の発明において、エンボスロールを用い、部分接着させると、その部分接着部が網目状結合部となることは、技術常識(必要なら、異議申立人紀和化学工業 株式会社の提出した甲第2号証<特開昭60-67902号公報>のハニカム状の凹凸部を付与したエンボスロールにより形成される線接触部26、特公昭40-7870号公報(米国特許第3190178号明細書および図面)のダイス要素19によって形成される格子線10、特開昭60-194405号公報の平面網目状に連続する連結壁6を参照されたい。)であり、実質的な差異は見いだせない。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件特許請求の範囲第1項及び第4項に記載された発明は、刊行物1に記載された発明であると認められるから、本件特許請求の範囲第1項及び第4項に記載された発明についての特許は特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第1項第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2001-08-20 |
出願番号 | 特願昭61-273816 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
Z
(B32B)
P 1 651・ 121- Z (B32B) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 小林 正巳、山村 浩 |
特許庁審判長 |
森 正幸 |
特許庁審判官 |
高橋 美実 綿貫 章 |
登録日 | 1999-05-14 |
登録番号 | 特許第2926403号(P2926403) |
権利者 | ミネソタ マイニング アンド マニユフアクチユアリング コンパニ- |
発明の名称 | 包まれたレンズ型逆行反射性シ-ト |
代理人 | 乕丘 圭司 |
代理人 | 江角 洋治 |
代理人 | 鎌田 耕一 |
代理人 | 片山 英二 |
代理人 | 小林 純子 |
代理人 | 小田島 平吉 |
代理人 | 池内 寛幸 |
代理人 | 佐藤 公博 |
代理人 | 小田嶋 平吾 |