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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 H04N 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 H04N |
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管理番号 | 1076280 |
異議申立番号 | 異議2001-73185 |
総通号数 | 42 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1997-06-20 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-11-28 |
確定日 | 2003-02-19 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3169815号「画像通信装置、および画像通信方法」の請求項1ないし10に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3169815号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 |
理由 |
1 手続の経緯 本件特許第3169815号に係る出願は、平成7年12月14日に出願されたものであって、平成13年3月16日に特許の設定登録がされ、その後その特許請求の範囲における請求項1〜10(全請求項)に係る発明について、異議申立人キヤノン株式会社により特許異議の申立てがなされ、第1回目の取消理由通知に対して第1回目の訂正請求がなされた後、第2回目の取消理由通知がされ、その指定期間内である平成14年12月10日付けで第2回目の訂正請求がなされたものである。なお、同日付けで第1回目の訂正請求を取り下げる訂正請求取下書が提出されている。 2 訂正の適否 (1)訂正の内容 訂正事項a 特許請求の範囲の請求項1、2を特許請求の範囲の減縮を目的として、削除する。 訂正事項b 特許請求の範囲の請求項3を特許請求の範囲の減縮を目的として、 「原稿を読み取る読取手段と、外部回線からのデータを受信する受信手段と、受信データが前記読取手段からのデータか、外部回線からのデータかを認識するデータ種認識手段と、このデータ種認識手段による認識の結果、読取手段からのデータであるときに、前記読み取ったデータをTIFFで定義してHTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネットで扱い処理可能なデータを生成し、外部回線からのデータであるときには、前記受信したデータを圧縮処理済状態を維持しつつTIFFで定義してHTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とするることにより、インターネットで扱い処理可能なデータを生成するデータ生成手段と、このデータ生成手段で生成したデータに対して付与するファイル名を入力する入力手段と、この入力手段でファイル名を入力した後に、前記生成手段で生成されたデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力する出力手段とを備え、前記生成手段で生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信装置。」と訂正し、請求項1に繰り上げる。 訂正事項c 特許請求の範囲の請求項4を特許請求の範囲の減縮を目的として、 「原稿を読み取る読取手段と、前記読み取った原稿データを圧縮した圧縮データをTIFFファイルの形式に変換し、HTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とする変換手段と、この変換手段で変換されたデータに対して付与するファイル名を入力する入力手段と、この入力手段でファイル名を入力した後に、前記変換したファイルをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力する出力手段と、前記変換手段がオフ設定になっているときには、ファクシミリ送信モードに切り替え、前記読取手段で得た原稿データに対してファクシミリ送信を実行する手段とを備え、前記変換手段で変換したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信装置。」と訂正し、請求項2に繰り上げる。 訂正事項d 特許請求の範囲の請求項5を明りょうでない記載の釈明を目的として、 「前記読取手段で読み取られた原稿データを認識するOCR認識手段と、この認識結果に基づいてインターネットアドレスを生成する生成手段とを備えることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の画像通信装置。」と訂正し、請求項3に繰り上げる。 訂正事項e 特許請求の範囲の請求項6を特許請求の範囲の減縮を目的として、 「ファクシミリ受信する受信手段と、この受信手段が受信したファクシミリデータをTIFFファイルの形式に変換し、HTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とする変換手段と、この変換手段で変換されたデータに対して付与するファイル名を入力する入力手段と、この入力手段でファイル名を入力した後に、前記変換手段で変換したデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力する出力手段と、前記変換手段がオン設定になっていないときには、前記受信したデータに対して印刷処理を行う記録手段を備え、前記変換手段で変換したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信装置。」と訂正し、請求項4に繰り上げる。 訂正事項f 特許請求の範囲の請求項7を特許請求の範囲の減縮を目的として、 「読み取った原稿を圧縮する圧縮ステップと、圧縮したデータを記憶する記憶ステップと、TIFFファイルに変換する変換ステップと、前記TIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネット上に出力することができるデータを生成するステップと、この生成するステップで生成されたデータに対して付与するファイル名を入力するステップと、このステップでファイル名を入力した後に、生成したデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力するステップとを備え、前記生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信方法。」と訂正し、請求項5に繰り上げる。 訂正事項g 特許請求の範囲の請求項8を特許請求の範囲の減縮を目的として、 「ファクシミリデータを受信する受信ステップと、受信したデータを記憶する記憶ステップと、TIFFファイルに変換する変換ステップと、この変換するステップで変換されたデータに対して付与するファイル名を入力するステップと、このステップでファイル名を入力した後に、前記TIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネット上に出力することができるデータを生成するステップと、生成したデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力するステップとを備え、前記変換したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信方法。」と訂正し、請求項6に繰り上げる。 訂正事項h 特許請求の範囲の請求項9を特許請求の範囲の減縮を目的として、 「原稿読取手段により原稿を読み取る読取ステップと、外部回線からのデータを受信する受信ステップと、前記読取ステップによりデータを得た場合はインターネットで扱い処理可能なデータを生成し、前記受信ステップによりデータを得た場合にはデータの受信形態を維持しつつインターネットで扱い処理可能なデータを生成し、それぞれ前記データに対してTIFFファイルとして定義付けをしてこのTIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造を用いてインターネットで扱い処理可能なデータの生成処理を実行するステップと、このステップで生成されたデータに対して付与するファイル名を入力するステップと、このステップでファイル名を入力した後に、生成したデータを出力するステップとを有し、前記生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信方法。」と訂正し、請求項7に繰り上げる。 訂正事項i 特許請求の範囲の請求項10を明りょうでない記載の釈明を目的として、 「前記読取手段で読み取られた原稿データを認識するOCR認識手段と、この認識結果に基づいてインターネットアドレスを生成する生成手段とを備えることを特徴とする請求項5、7のいずれかに記載の画像通信方法。」と訂正し、請求項8に繰り上げる。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張、変更の存否 上記訂正事項a〜c、e〜hは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項d、iは、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)むすび したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項、及び第3項で準用する同第126条第2、3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3 特許異議申立について (1)本件特許に係る発明 本件特許の請求項1〜8に係る発明(以下、「本件請求項1に係る発明」、「本件請求項2に係る発明」、以下同じ、という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜8に記載されたとおりのものである(上記2(1)訂正事項a〜i参照)。 (2)申立ての理由の概要 特許異議申立人キヤノン株式会社は、甲第1号証(特開昭特開平5-347682号公報)、甲第2号証(特開平5-258026号公報)、甲第3号証(特開平7-281969号公報)、甲第4号証(特開平6-164645号公報)、甲第5号証(特開平6-214983号公報)、甲第6号証(特願平7-45847号の公開公報である特開平8-242326号公報)、参考資料1(RFC1314)、参考資料2(RFC1866)を提出し、本件請求項1〜10に係る発明は、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得た発明に該当するから、特許法第29条第2項の規定に違反し、また、請求項1、7に係る発明は、先願である甲第6号証と同一であり、特許法第29条の2の規定に違反し、更に、請求項10に係る発明は、特許法36条第4項又は第6項の規定に違反しているから、特許を取り消すべきである旨主張している。 (3)引用刊行物記載の発明 当審が通知した第1回目の取消の理由に引用した刊行物1(上記甲第1号証)には、以下の記載がある。 ア 「【0005】【課題を解決するための手段】このような問題を解決するために本発明の画像送信装置は、原稿に記載された画像を読み取り画像データに変換する光電変換部と、前記画像データを記憶する画像記憶部と、LANインタフェース部と、前記LANインタフェースの制御部と、前記画像記憶部に記憶した画像データを前記LANインターフェイス部に接続したファイル・サーバ装置に記憶可能な形式に変換するファイル変換部と、公衆回線との通信部と、前記の公衆回線との通信部を通して通信先に回線を接続するためのオートダイアル部と、前記画像記憶部に記憶された画像データを公衆回線において効率的通信を行なえる形式のデータに圧縮するための圧縮データ変換部と、送信の相手が公衆回線上かLAN上かを判定する送信先判定部と、 通信先を示す文字を入力原稿上から認識することができる文字認識部と、ユーザが原稿の読み取りの開始とその画像の記憶及び通信先を指定するための操作パネル部と、設定内容と装置の状態をユーザに知らせる表示部と、上記のシステム全体を統括するための制御部を有すことを特徴とする。」 イ 「【0006】【実施例】(1)第1の実施例 図1は本発明の一実施例を示すブロック図である。同図において1はユーザが原稿の読み取りの開始とその画像の記憶及び通信先を指定する操作パネル部、2はCCITT勧告による変復調、通信プロトコルの制御を行う公衆回線との通信部、3は全体のシステム制御を司る制御部、4は設定内容と装置の状態をユーザに知らせる表示部、5は原稿の画像を走査し読み取る光電変換部、6は送信する原稿の画像を記憶する画像記憶部、7は画像データを送信に適した形に圧縮するMH形式圧縮データ変換部、8は画像データをイメージを表現するファイル形式として広く普及したTIFF形式ファイルに変換するTIFF形式ファイル変換部、9はLANインタフェース制御部、10はLANインタフェース部、11はユーザが指定した送信先のダイヤルデータを前記公衆回線との通信部2へ送るオートダイヤル部、12はユーザが原稿に書き込んだ通信先を示す文字を認識する文字認識部、13は送信先が公衆回線上かLAN上かを判定する送信先判定部である。」 ウ 「【0007】図2は本実施例における送信原稿である。原稿上部の定位置に”送信先”とあらかじめ印刷されており、その右隣の長方形の範囲内にユーザが書き込んだ文字を文字認識部12で認識する。本実施例では文字認識部12を安価に構成するために認識できる文字種を数字とアルファベットと¥、:、/、ーの記号に限定している。 【0008】本発明の装置において、LANインタフェース上につながれたディスク装置(Dドライブ)にファイル名”BLOCK1”を送信する場合、送信先の検出、送信する原稿に記載された画像の記憶、画像の送信、送信の後処理は以下のように行われる。 【0009】ユーザは送信先番号”D:BLOCK1”と記入した原稿を光電変換部5にセットし、画像データを画像記憶部6に記憶させる。制御部3は文字認識部12により画像記憶部6の画像データを認識させ、次に文字認識部12により原稿の定められた位置にある画像データから送信先番号”D:BLOCK1”を読みとらせる。通信先判定部13はそのデータを基に送信先がLAN上か、公衆回線上かを判断する。その際の判定は、最初の文字”D”は数字ではないから通信先は公衆回線の先ではない。”D:”はLANに公開されたファイル装置のIDであり、”BLOCK”はファイル名として許可された名称であるから、送信先はLANの上のファイル装置Dにあるファイル名”BLOCK”の場所であると判定する。」 同じく当審が通知した第1回目の取消の理由に引用した刊行物2(上記甲第2号証)には、以下の記載がある。 エ 「【0002】【従来技術】現在、多くのシステムでサーバ・クライアント方式を利用して、処理を行なうことが行なわれている。サーバ・クライアント方式とは、1つの電算機上またはLAN等の通信回線を介して接続されたサーバとクライアントとが情報を交換して処理を進めるものである。例えば、エンジニアリングワークステーションEWSに利用されている。」 オ 「【0019】上記画像処理装置1a、…には、一例として、オペレーティングシステムとしてマルチユーザ、マルチタスクのOS(オペレーションシステム)であるUNIX(ATT商標)を使用している。また、通信回線2にはイーサネット(ゼロックス社商標)を使用し、TCP/IPプロトコルを使用している。」 カ 「【0019】このようにサーバクライアント方式では、アプリケーション22a(22a、…)と画像処理サーバ21aとがLAN等の通信回線2で互いに接続された複数の画像処理装置(ノード)1a、…上に存在する。このため、通信手段23aを介して情報の送受を行なう場合には、情報の送信側、受信側のいずれにおいても、まず、対象となる画像処理装置1b、…を指定する必要がある。」 キ 「【0167】画像処理サーバ21aは、アプリケーション22aからの画像転送要求コマンドを受信すると(ST141)、あらかじめアプリケーション22aによってメインメモリ5a上に設定されている画像転送ジョブに関する情報の中から画像転送元情報と画像転送先情報とを調べて、光ディスク16aからプリンタ19aへの画像転送要求であることを知り、画像転送元である光ディスク16aと、画像転送先であるプリンタ19aと、画像転送の際に画像を圧縮・伸張する画像処理部8aとを、他のアプリケーション22b、…に対して排他利用できるようそれぞれの利用権を予約確保する(ST142)。」 同じく当審が通知した第1回目の取消の理由に引用した刊行物3(上記甲第3号証)には、以下の記載がある。 ク 「【特許請求の範囲】【請求項1】コンピュータネットワークに接続し、ファクシミリ(FAX)送受信機能を集約し、該ネットワークに接続された複数の端末からアクセスしてFAX送受信機能を享受することが可能なコンピュータ端末(FAXサーバ端末)」 ケ 「【0009】12はFAX受信処理部、18は受信FAXデータを格納するためのユーザ別及びユーザ共通のメールボックスで、FAX送受信制御部11より受信したFAXデータを該制御部11により取得した送信先のクライアントの識別番号(クライアントID)を元に、18内の該クライアントIDに対応するユーザのメールボックスに受信FAXデータを格納する。一般的に、クライアントIDの取得方法として、送信側のユーザがFAXデータを送信する直前にプッシュボタン(PB)信号により入力したものを音声認識により解釈して取得する方法や、送信側からOMRシートを送信データに添付して送信したものを解釈して取得する方法等があり、ここでもこれらの方式によるものとする。該クライアントIDを取得できなかったとき、及び送信元のユーザが指定しなかったときは、ユーザ共通のメールボックスに受信したFAXデータを格納する。21は、受信したFAXデータをクライアント端末2のディスプレーに表示するFAXデータ表示処理部で、22は、受信したFAXデータを業界標準のイメージデータ形式に変換するイメージデータ変換処理部である。なお、ここで標準イメージデータ形式とは、多くの流通のイメージエディタが採用する事実上業界標準のイメージデータの形式のことを意味し、TIFF等が一般的に知られている。23は、受信したFAXデータを、印刷装置6a、或いは6bから印刷出力する受信FAXデータ印刷処理部である。32は、ビットマップデータの編集が可能なイメージエディタで、さらに編集対象のイメージデータなどをクライアント端末2のディスプレーに表示する表示機能部32a、編集対象のイメージデータの編集を行う編集機能部32b、及び編集対象や編集済みのイメージデータを、印刷装置6a、或いは6bから印刷出力することが可能な印刷機能部32c等からなる。 【0010】以上説明した各部の機能により、FAX受信処理は、次の手順で実現される。 【0011】公衆回線3からFAXデータの着信があったときは、FAX送受信制御部11にて、着信したFAXデータと送信先のクライアントIDを取得し、FAX受信処理部12で、受信FAXデータを受信先のクライアントIDに対応するユーザ別の、或いはユーザ共通のメールボックス18に格納する。ユーザは、ユーザ別メールボックス18に格納されている受信FAXデータをアクセスし、FAXデータ表示処理部21による該受信FAXデータのクライアント端末2のディスプレーへの表示や、イメージデータ変換処理部22による該受信FAXデータの標準イメージデータへの変換や、受信FAX印刷処理部23による該受信FAXデータの印刷などを行う。ユーザは、イメージデータ変換処理部22により変換したデータを、イメージエディタ32の編集機能部32bのよる編集の他に、表示機能部32aによるクライアント端末2のディスプレーへの表示や、 印刷機能部32cによる印刷などを行うこともできる。なお、イメージエディタ32により、FAX送信のための文書を作成することも可能である。」 同じく当審が通知した第1回目の取消の理由に引用した刊行物4(上記甲第4号証)には、以下の記載がある。 コ 「【0018】図において、1はISDN2に接続されたファクシミリ端末であって、1aはG4ファクシミリ端末、1bはG3およびG4ファクシミリの両方を備えたG3/G4ファクシミリ端末、1cはG3ファクシミリ端末である。3はLAN(ローカルエリアネットワーク)4に接続された通信端末のワークステーション(WS)である。5はISDN2とLAN4とを接続して、相互にデータのやり取りを行う通信装置である。」 サ 「【0022】次に、図2に示されるように、ISDNデータ通信手順制御部7で受信されたデータは、発信元の情報やデータの属性として、G3やG4ファクシミリ通信の場合は、MH(Modified Huffman)、MR(ModifiedRead) 、MMR(Modified Modified Read) などの符号化方式のコード種別やA4版あるいはB4版などのような送信紙サイズ種別があって、これらと共に、送信される電文データがTCP/IPネットワーク上でのメール配送プロトコルであるSMTP(Ssimple Mail Transfer Protocol) などの手順に従って、送信側で入力されたサブアドレスに対応する電子メールアドレスを上記したアドレス記憶部11を参照しながら読み出して、LANデータ通信手順制御部9はこの電子メールアドレスに基づいてLAN側の特定の受信者宛にデータが送信される。」 同じく当審が通知した第1回目取消の理由に引用した刊行物5(上記甲第5号証)には、以下の記載がある。 シ 「【0004】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらは、文書の要素をレイアウトベース(すなわち、ページやカラム、ブロックといった単位)で分離・抽出したものであり、人間により近い論理的な文書要素(すなわち、章・節・段落といった単位)の抽出は実現していないという問題がある。また近年CCITTやISOで標準化が進められている文書アーキテクチャODA(開放型文書体系)やマークアップ言語標準SGMLでは、文書のレイアウト要素と論理要素を明確に区別し、文書の編集/作成という観点から、むしろ論理構造に重点をおいているのが特徴である。このため、これら論理構造化文書ベースの編集・検索のアプリケーションを想定した場合、文書画像からの論理構造の抽出・認識技術が必要である。」 ス 「【0008】図1に示すように、本実施例の構成は、レクタングル生成部1、文字認識部2、ヘッダ/フッタ解析部3、仮ブロック生成部4、カラム確定部5、ブロック構築部6、節番号解析部7、表示属性解析部8、論理構造生成部9を有する。スキャナによって入力される複数ページを持つ文書画像Iiは、同一で有限の大きさをもつ2次元の白黒2値画像とし、以下に述べるような論理的特性およびレイアウト的な特性を保持する文書を表現するものとする。 【0009】図2はこれを示したもので、各ノード中の記号は、大文字3文字で構成要素名(タイプ)を表わしている。 【0010】(1)論理特性1)論理ルート下に唯一存在するパッセージは、パラグラフ、テキスト、ラスタ(図)の組み合わせからなる前段(タイトル)部と番号付き節の後段部から構成される。」 同じく当審が通知した取消の理由に引用した刊行物6(上記甲第6号証)には、以下の記載がある。 セ 「【0015】【実施例】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について、図面を参照しながら説明する。図1はイメージデータをファクシミリと同様の簡単な操作で送信可能な電子メール装置の概略ブロック図である。図1において、1はCPUであり、本装置の制御を行う。2はROMであり、プログラムが記憶される。3はRAMであり、プログラムのデータ用として使用される。4はハードディスク等の外部記憶部であり、圧縮されたイメージデータが蓄積される。5はフォーマット変換部であり、圧縮されたイメージデータを電子メールのフォーマットに変換する。6はスキャナ部であり、イメージを読み込む。7はパネル部であり、イメージの読み込み指示、電子メールの宛先入力を行う。8は圧縮・伸長部であり、読み込まれたイメージデータの圧縮または送信されてきたイメージデータの伸長を行う。9はLAN制御部であり、LAN(ローカルエリアネットワーク)と接続され、インターネットの電子メールデータの送受信を行う。 【0016】図2は本実施例におけるイメージデータを送信する際のフローを示す。まずステップS1で、原稿をスキャナ部6にセットし、パネル部7から電子メールの宛先(英数字)を入力し、スタートボタンを押す。次にステップS2で、スキャナ部6にセットした原稿がイメージデータとして入力され、ステップS3で、圧縮・伸長部8によって圧縮され、外部記憶部4に蓄積される。このとき、原稿が複数ページあれば、複数ページを一つのファイルとして外部記憶部4に蓄積される。次にステップS4で、蓄積されたイメージデータがフォーマット変換部5によって、電子メールのフォーマットに変換され、外部記憶部4に蓄積される。そしてステップS5で、フォーマット変換されたイメージデータがLAN制御部9によって電子メールとして宛先に送信される。 【0017】図3にイメージデータの電子メールフォーマットへの変換方法を示す。スキャナ部6から読み込まれ、圧縮・伸長部8で圧縮されたイメージデータは、バイナリイメージデータ21であり、このままではインターネットの電子メールとして送信することはできない。インターネットの電子メールは、7bit の文字コードしか伝送手順上許していない。そこで、このバイナリイメージデータを7bit の文字コードに変換してテキストコード化イメージデータ22を作成する。その後、このデータに少なくとも宛先、発信元、データの形式、文字コードへの変換方式の入ったヘッダ23を付加する。 【0018】文字コードへの変換方式およびヘッダのフォーマットは、MIME(MultipurposeInternet Mail Extensions)と呼ばれるインターネットの電子メールの標準に従う。したがって、MIMEをサポートした電子メールのプログラムをインストールしている端末であれば、本装置からイメージデータを電子メールとして送信することができる。」 ソ 「【0025】図7は本実施例における文字コードデータを印刷する際のフローを示す。まずステップS21で、LAN制御部9により、受信した電子メールが文字コードデータかイメージデータかを、データのヘッダ部のデータの形式を解析することにより判別する。MIMEでは、データの形式はContent-Type: の後に記述され、イメージデータであればimage/tiffと記され、文字コードデータであればtext/plainと記される。次にステップS22で、受信した文字コードデータを圧縮・伸長部8で伸長して外部記憶部4に蓄積した後、フォント部12でイメージデータに展開し、ステップS23で、展開したイメージデータを印刷する。なお、文字コードデータを送信する場合は、通常の電子メールと同様にして行う。」 同じく当審が通知した第1回目、及び第2回目の取消の理由に引用した参考文献1(RFC1314)には、インターネットにおいて画像を交換するためのファイルフォーマットに関し、スキャナ、ファクシミリ等により発生するイメージをMMR、MH等により圧縮してTIFFファイルとし、インターネットを介し、FTP、SMTP、RPC等の方法によりファイル交換すること(Abstract(1頁)、Introduction(2〜3頁)、Relationship to Fax(4〜5頁)参照 )が記載されている。 同じく当審が通知した第1回目の取消の理由に引用した参考文献2(RFC1866)には、HTMLはSGMLの1つのアプリケーションであること、同時に、画像ファイルを組み込むことについて記載されている。 (4) 対比・判断 ア 本件請求項1に係る発明について 本件請求項1に係る発明と刊行物1〜5、参考文献1、2に記載された発明とを対比すると、 刊行物1に記載された発明は、光電変換部5で読み取った原稿データをTIFF形式変換部8によりTIFF形式のファイルに変換し、このファイルをLAN上の装置(ファイルサーバ)に出力する制御部3を備えた画像送信装置を開示するにすぎず、本件請求項1に係る発明の要件である「前記読み取ったデータをTIFFで定義してHTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネットで扱い処理可能なデータを生成し、外部回線からのデータであるときには、前記受信したデータを圧縮処理済状態を維持しつつTIFFで定義してHTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネットで扱い処理可能なデータを生成するデータ生成手段」について、開示も示唆もしない。 刊行物2に記載された発明は、スキャナ18で原稿を読み取って得た画像データを圧縮してからLAN(通信回線2)上に出力すること、TCP/IPプロトコルで画像データを転送するためにLAN上に出力できる形態に生成すること、そして、TCP/IPプロトコルを使ったLANに接続されたコンピュータ端末、又は記録媒体に出力するようにした画像処理装置を開示するにすぎず、本件請求項1に係る発明の構成要件である前記「データ生成手段」について、開示も示唆もしない。 刊行物3に記載された発明は、回線を介して画像を受信し、受信した画像をTIFF形式に変換し、変換した画像をLAN上の他の端末に転送するファクシミリサーバシステムを開示するにすぎず、本件請求項1に係る発明の要件である前記「データ生成手段」について、開示も示唆もしない。 刊行物4に記載された発明は、FAX受信した画像データを、TCP/IPネットワーク上でのメール配送プロトコルSMTPの手順にしたがって、受信者宛に送信する通信装置を開示するにすぎず、本件請求項1に係る発明の要件である前記「データ生成手段」について、開示も示唆もしない。 刊行物5に記載された発明は、スキャナから入力された画像を、論理的特性及びレイアウト的な特性を保持する、SGMLで定義される文書に変換する、文書画像の論理構造化文書への変換方法および装置を開示するにすぎず、本件請求項1に係る発明の要件である前記「データ生成手段」について、開示も示唆もしない。 参考文献1は、スキャナ、ファクシミリ等により発生するイメージをMMR、MH等により圧縮してTIFFファイルとし、インターネットを介し、FTP、SMTP、RPC等の方法によりファイル交換する技術を開示するにすぎず、本件請求項1に係る発明の要件である前記「データ生成手段」について、開示も示唆もしない。 参考文献2は、HTMLはSGMLの1つのアプリケーションであり、同時に、画像ファイルを組み込む技術を開示するにすぎず、本件請求項1に係る発明の要件である前記「データ生成手段」について、開示も示唆もしない。 また、刊行物1〜5、参考文献1、2に記載された発明をどのように組み合わせても、前記「データ生成手段」を得ることはできない。 本件請求項1に係る発明は、前記手段により、「インターネット上へデータを簡単に出力することができる」という明細書記載の顕著な効果を奏するものである。 したがって、本件請求項1に係る発明は、刊行物1〜5、又は参考資料文献1、2に記載された発明であるとも、刊行物1〜5、及び参考文献1、2に記載された発明から当業者が容易に発明することができたものとも認められないから、特許法第29条第1項第3号、又は同条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。 イ 本件請求項2に係る発明について 本件請求項2に係る発明と刊行物1〜5に記載された発明、及び参考文献1、2に記載された発明とを対比すると、刊行物1〜5、及び参考文献1、2は、前記(4)アに示したとおりの発明を開示するにすぎず、そのいずれも、本件請求項2に係る発明の要件である「前記読み取った原稿データを圧縮した圧縮データをTIFFファイルの形式に変換し、HTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とする変換手段」、及び「前記変換手段がオフ設定になっているときには、ファクシミリ送信モードに切り替え、前記読取手段で得た原稿データに対してファクシミリ送信を実行する手段」について開示も示唆もしない。 また、刊行物1〜5、参考文献1、2に記載された発明をどのように組み合わせても、前記各手段を得ることはできない。 そして、本件請求項2に係る発明は、前記各手段により、前記(4)アで述べたとおりの顕著な効果を奏するものである。 したがって、本件請求項2に係る発明は、刊行物1〜5、又は参考文献1、2に記載された発明であるとも、刊行物1〜5、及び参考文献1、2に記載された発明から当業者が容易に発明することができたものとも認められないから、特許法第29条第1項3号、又は同条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。 ウ 本件請求項3に係る発明について 本件請求項3に係る発明は、本件請求項1、2のいずれかに記載の画像通信方法の構成を全て含むものであるから、前記ア、イで述べた理由により、特許法第29条第1項3号、又は同条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。 エ 本件請求項4に係る発明について 本件請求項4に係る発明と刊行物1〜5に記載された発明、及び参考文献1、2に記載された発明とを対比すると、刊行物1〜5、及び参考文献1、2は、前記(4)アに示したとおりの発明を開示するにすぎず、そのいずれも、本件請求項4に係る発明の要件である「受信手段が受信したファクシミリデータをTIFFファイルの形式に変換し、HTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とする変換手段」と、「前記変換手段がオン設定になっていないときには、前記受信したデータに対して印刷処理を行う記録手段」について開示も示唆もしない。 また、刊行物1〜5、参考文献1、2に記載された発明をどのように組み合わせても、前記各手段を得ることはできない。 そして、本件請求項4に係る発明は、前記各手段により、前記(4)アで述べたとおりの顕著な効果を奏するものである。 したがって、本件請求項4に係る発明は、刊行物1〜5、又は参考資料文献1、2に記載された発明であるとも、刊行物1〜5、及び参考文献1、2に記載された発明から当業者が容易に発明することができたものとも認められないから、特許法第29条第1項3号、又は同条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。 オ 本件請求項5に係る発明について 本件請求項5に係る発明と刊行物1〜5に記載された発明、及び参考文献1、2に記載された発明とを対比すると、刊行物1〜5、及び参考文献1、2は、前記(4)アに示したとおりの発明を開示するにすぎず、そのいずれも、本件請求項5に係る発明の要件である「前記TIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネット上に出力することができるデータを生成するステップ」について開示も示唆もしない。 また、刊行物1〜5、参考文献1、2に記載された発明をどのように組み合わせても、前記ステップを得ることはできない。 また、本件請求項5に係る発明と刊行物6(上記甲第6号証)に記載された先願発明とを対比すると、刊行物6に記載された先願発明は、イメージスキャナにより読み取った画像データを圧縮し、圧縮した画像をMIMEのフォーマットに変換し、メールとしてインターネット上に出力できる形式に生成し、変換した画像をインターネットを介して相手先の端末にメールとして送信するファクシミリ型電子メール装置を開示するにすぎず、本件請求項5に係る発明の要件である前記ステップについて、開示も示唆もしない。 そして、本件請求項5に係る発明は、前記ステップにより、前記(4)アで述べたとおりの顕著な効果を奏するものである。 したがって、本件請求項5に係る発明は、刊行物1〜5、又は参考文献1、2に記載された発明であるとも、刊行物1〜5、及び参考文献1、2に記載された発明から当業者が容易に発明することができたものとも、また刊行物6に記載された先願発明と同一であるとも認められないから、特許法第29条第1項3号、又は同条第2項、又は同法第29条の2の規定に違反してなされたものとすることはできない。 カ 本件請求項6に係る発明について 本件請求項6に係る発明と刊行物1〜5に記載された発明、及び参考文献1、2に記載された発明とを対比すると、刊行物1〜5、及び参考文献1、2は、前記(4)アに示したとおりの発明を開示するにすぎず、そのいずれも、本件請求項6に係る発明の要件である「前記TIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネット上に出力することができるデータを生成するステップ」について開示も示唆もしない。 また、刊行物1〜5、参考文献1、2に記載された発明をどのように組み合わせても、前記ステップを得ることはできない。 そして、本件請求項6に係る発明は、前記ステップにより、前記(4)アで述べたとおりの顕著な効果を奏するものである。 したがって、本件請求項6に係る発明は、刊行物1〜5、又は参考文献1、2に記載された発明であるとも、刊行物1〜5、及び参考文献1、2に記載された発明から当業者が容易に発明することができたものとも認められないから、特許法第29条第1項3号、又は同条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。 キ 本件請求項7に係る発明について 本件請求項7に係る発明と刊行物1〜5に記載された発明、及び参考文献1、2に記載された発明とを対比すると、刊行物1〜5、及び参考文献1、2は、前記(4)アに示したとおりの発明を開示するにすぎず、そのいずれも、本件請求項7に係る発明の要件である「前記読取ステップによりデータを得た場合はインターネットで扱い処理可能なデータを生成し、前記受信ステップによりデータを得た場合にはデータの受信形態を維持しつつインターネットで扱い処理可能なデータを生成し、それぞれ前記データに対してTIFFファイルとして定義付けをしてこのTIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造を用いてインターネットで扱い処理可能なデータの生成処理を実行するステップ」について開示も示唆もしない。 また、刊行物1〜5、参考文献1、2に記載された発明をどのように組み合わせても、前記ステップを得ることはできない。 そして、本件請求項7に係る発明は、前記ステップにより、前記(4)アで述べたとおりの顕著な効果を奏するものである。 したがって、本件請求項7に係る発明は、刊行物1〜5、又は参考文献1、2に記載された発明であるとも、刊行物1〜5、及び参考文献1、2に記載された発明から当業者が容易に発明することができたものとも認められないから、特許法第29条第1項3号、又は同条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。 ク 本件請求項8に係る発明について 本件請求項8に係る発明は、本件請求項5、7のいずれかに記載の画像通信方法の構成を全て含むものであるから、前記オ、キで述べた理由により、特許法第29条第1項3号、又は同条第2項の規定に違反してなされたものとすることはできない。 また、本件請求項8(旧請求項10)の記載不備は、前記訂正で当該請求項における末尾の記載「画像通信装置」を「画像通信方法」に訂正したことにより解消したので、特許法第36条第4項又は第6項の規定に違反してなされたものとすることもできない。 (6)異議申立人の主張 特許異議申立人は、「甲第5号証(特開平6-214983号公報)には、段落0008に記載されているように、スキャナから入力された画像を、論理的特性およびレイアウト的な特性を保持する文書とすることが示されている。この論理特性として、同証段落0010に記載されているようにラスタ(図)を含んでおり、これは画像であることは明らかである。また同証における論理構造、レイアウト構造には、段落0004に記載のように、SGMLで定義されるものである。周知の通り、HTMLはSGMLのサブセット(HTMLはSGMLの一種)であり、甲第5号証のSGMLをHTMLとすることに何ら障害とはなり得ない。先に示したように、甲第2号証では、画像をインターネットに出力できる形式に変換して出力することについて記載がある。HTMLもTCP/IPネットワークにおけるHTTPプロトコルで転送されるものであるので、インターネットに出力するできるようにするため、甲第1号証、甲第2号証における転送するファイルがHTMLを用いることに何ら障害にはなり得ない。」と主張している。 しかしながら、インターネットにおいて、HTML文書記述構造とすることは、一般に人間がプログラムすることにより行うものであり、本件各請求項記載の発明のように、読取手段で読み取った画像、あるいは受信手段で受信した画像を(自動的に)HTMLに変換するものは、刊行物2(甲第2号証)を初めとして、前記各刊行物、及び参考文献のいずれにもその記載がない。 刊行物5(甲第5号証)に記載された発明は、スキャナから入力された画像をSGMLで定義される構造化文書に変換するものであるから、一応、読み取った画像を(自動的に)構造化文書に変換するものといえるが、この変換後の文書は、SGML構造化文書であり、インターネット上で閲覧可能なデータであるHTML文書記述構造ではない点で、本件各発明とは本質的に異なる。 HTMLはSGMLのサブセットであることは参考文献2の記載から明かであるが、本件各発明は、読取手段で読み取った画像、あるいは受信手段で受信した画像を(自動的に)HTML文書記述構造に変換し、インターネットで扱い処理可能なデータを生成することにより、インターネット上へデータを簡単に出力することができるという刊行物5に記載された発明からは予測することができない格別の効果を得ることができるから、HTMLはSGMLのサブセットであるという理由から直ちに、読取手段で読み取った画像、あるいは受信手段で受信した画像を(自動的に)HTML文書記述構造に変換することが当業者に容易であるということはできない。 また、刊行物2(甲第2号証)に記載されたものは、通信プロトコルとしてTCP/IPプロトコルを用いるものではあるが、通信の相手先は、LAN上の端末となっており、インターネットに接続される端末ではないから、刊行物2に記載された発明を考慮に入れても、読取手段で読み取った画像、あるいは受信手段で受信した画像を(自動的に)HTML文書記述構造に変換することが当業者に容易であるということはできない。 したがって、異議申立人の前記主張を採用することはできない。 (5) むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1〜8に係る発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1〜8に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 画像通信装置、および画像通信方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 原稿を読み取る読取手段と、外部回線からのデータを受信する受信手段と、受信データが前記読取手段からのデータか、外部回線からのデータかを認識するデータ種認識手段と、このデータ種認識手段による認識の結果、読取手段からのデータであるときに、前記読み取ったデータをTIFFで定義してHTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネットで扱い処理可能なデータを生成し、外部回線からのデータであるときには、前記受信したデータを圧縮処理済状態を維持しつつTIFFで定義してHTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネットで扱い処理可能なデータを生成するデータ生成手段と、このデータ生成手段で生成したデータに対して付与するファイル名を入力する入力手段と、この入力手段でファイル名を入力した後に、前記生成手段で生成されたデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力する出力手段とを備え、前記生成手段で生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信装置。 【請求項2】 原稿を読み取る読取手段と、前記読み取った原稿データを圧縮した圧縮データをTIFFファイルの形式に変換し、HTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とする変換手段と、この変換手段で変換されたデータに対して付与するファイル名を入力する入力手段と、この入力手段でファイル名を入力した後に、前記変換したファイルをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力する出力手段と、前記変換手段がオフ設定になっているときには、ファクシミリ送信モードに切り替え、前記読取手段で得た原稿データに対してファクシミリ送信を実行する手段とを備え、前記変換手段で変換したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信装置。 【請求項3】 前記読取手段で読み取られた原稿データを認識するOCR認識手段と、この認識結果に基づいてインターネットアドレスを生成する生成手段とを備えることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の画像通信装置。 【請求項4】 ファクシミリ受信する受信手段と、この受信手段が受信したファクシミリデータをTIFFファイルの形式に変換し、HTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とする変換手段と、この変換手段で変換されたデータに対して付与するファイル名を入力する入力手段と、この入力手段でファイル名を入力した後に、前記変換手段で変換したデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力する出力手段と、前記変換手段がオン設定になっていないときには、前記受信したデータに対して印刷処理を行う記録手段を備え、前記変換で変換したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信装置。 【請求項5】 読み取った原稿を圧縮する圧縮ステップと、圧縮したデータを記憶する記憶ステップと、TIFFファイルに変換する変換ステップと、前記TIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネット上に出力することができるデータを生成するステップと、この生成するステップで生成されたデータに対して付与するファイル名を入力するステップと、このステップでファイル名を入力した後に、生成したデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力するステップとを備え、前記生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信方法。 【請求項6】 ファクシミリデータを受信する受信ステップと、受信したデータを記憶する記憶ステップと、TIFFファイルに変換する変換ステップと、この変換するステップで変換されたデータに対して付与するファイル名を入力するステップと、このステップでファイル名を入力した後に、前記TIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネット上に出力することができるデータを生成するステップと、生成したデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力するステップとを備え、前記変換したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信方法。 【請求項7】 原稿読取手段により原稿を読み取る読取ステップと、外部回線からのデータを受信する受信ステップと、前記読取ステップによりデータを得た場合はインターネットで扱い処理可能なデータを生成し、前記受信ステップによりデータを得た場合にはデータの受信形態を維持しつつインターネットで扱い処理可能なデータを生成し、それぞれ前記データに対してTIFFファイルとして定義付けをしてこのTIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造を用いてインターネットで扱い処理可能なデータの生成処理を実行するステップと、このステップで生成されたデータに対して付与するファイル名を入力するステップと、このステップでファイル名を入力した後に、生成したデータを出力するステップとを有し、前記生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信方法。 【請求項8】 前記読取手段で読み取られた原稿データを認識するOCR認識手段と、この認識結果に基づいてインターネットアドレスを生成する生成手段とを備えることを特徴とする請求項5、7のいずれかに記載の画像通信方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は画像通信装置、特にイメージデータをインターネットを通して通信相手先へ送信することが可能な画像通信装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、ファクシミリ装置を始めとする各種画像通信装置の利用分野の拡大にはめざましいものがある。このファクシミリ装置は、原稿を走査してイメージデータを読み取り、このイメージデータを圧縮(MH/MR/MMR符号化)し、また変/復調装置(モデム)および回線制御(網制御)装置の作用により電話回線等にデータを出力し、相手と通信を行なう装置である。受信信号の伸張時には変/復調装置でデータを伸長し記録部の作用により画像は可視画像となる。 【0003】一方、近年になってインターネットが急速に普及し始めており、ファクシミリ装置とインターネットとの親和性への課題が提起され始めている。何故なら、ファクシミリ装置は一般化しており、ファクシミリ装置がインターネットに接続することが容易であることが望ましい。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来において、インターネットとファクシミリ装置との間のデータフォーマット等については何等関連性を見出だすことはできていないのが現状である。何故なら、インターネットでのWWW(World Wide Web)でのデータ記述(HTML:Hyper Text Markup Language)はプレーンテキストであり、ファクシミリ装置のビット情報の世界とは異質なものだからである。さらに、インターネットのWWWでは上位通信プロトコルにはHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、下位通信プロトコルにはTCP/IPが用いら れているから、このインターネットに接続するには、ファクシミリ装置にブラウザーソフトとして、モザイク(Mosaic)或いはネットスケープ(Netcape)等の流通ソフトを実装する必要がある。しかし、ファクシミリ装置に前記のようなソフトウェア等を実装することは価格などの点から見ても現実的には困難である。また、ファクシミリ装置をインターネットに接続させるといった要望を実現するためにはOS(オペレーティングシステム)を含め検討すると、ファクシミリ装置というよりはパーソナルコンピュータの範疇に入ってしまう。 【0005】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な構成で、画像読取手段によって読み取られたイメージデータをインターネット上で情報として高度に扱えるように変換或いは加工することができ、しかも前記変換、加工したイメージデータをインターネットに接続されたデータ処理用の端末装置に送付することのできる画像通信装置およびこれを用いた通信システムを提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、画像データの圧縮情報とデータとを送信データとして生成するデータ生成手段と、このデータ生成手段により生成されたデータをインターネット上に出力する出力手段という構成を備える。この構成により、インターネット上へこれらデータを出力することでき、インターネットを利用した画像通信を行うことができる。 【0007】また本発明は、前記のような構成を有する画像通信装置をインターネット接続処理のために動作するデータ処理用の端末装置に接続しイメージデータを端末装置に転送するだけでインターネット上に送り込むことができる画像通信システムを要旨とするものである。これらの機能に使用される画像通信装置としてファクシミリ装置を使用する場合は、このファクシミリ装置はクラスF(G3ファクシミリのフォーマット規約等がある)を実装規格としていればよい。なお、端末装置にはパーソナルコンピュータやワークステーション等が用いられる。また、かかるシステムにおいて、画像通信装置から端末装置へのデータの出力、または画像通信装置による端末装置からのデータの入力は双方向並列インタフェースを採用している。また、この双方向インタフェース以外に、標準的なR232-Cインタフェースも装備している。また端末装置には、オプションとしてネットワークに接続可能なLAN接続部も考慮しており、端末装置へのデータ転送をネットワーク経由で実現可能にすることもできる。オプション機能のためには物理的なボードとネットワーク上で必要な通信プロトコル/アプリケーションソフトが必要である。 【0008】本発明においては、前記構成により、イメージデータのインターネットを通しての通信に際して、データ記述、通信プロトコル、およびアドレス形態が異なるインターネットに対して、画像通信装置内の記述形態生成手段が、ファクシミリのデータ(イメージデータ)をインターネットのデータ記述(HTML)に変換或いは付加する。この画像通信装置でHTMLに変換、付加されたデータは標準化された双方向並列インタフェース(Bidirecional Parallel Peripheral Interface)により端末装置であるパーソナルコンピュータに転送され、その後インターネットへ出力される。 【0009】パーソナルコンピュータ用の双方向並列インタフェースに関する規格は、IEEE1284に準拠している。また、インターネット上で扱われている記述言語としては、HTML以外にもVRML、Hotjava等の記述言語がある。なお、本発明においては上位通信プロトコルはHTTPを前提としているものとする。 【0010】本発明は、画像読取手段で読み取られたイメージデータを、HTMLデータ記述に適合するように、ファクシミリ装置内部でHTML文書構造体のひな型を自動的に作成し、原稿情報部分のイメージデータをGIF(グラフィカル・イメージ・ファイル)としてHTMLで記述して扱う場合と、TIFF(Tag ImageFile Format)を定義する場合の両方を実現している。TIFFでは装置間の データ互換性を保つためデータに関する属性情報定義がなされている。TIFFではタグ名、数値によって情報が定義される(例:タグでは主走査数・副走査 数・モノクロ………の定義等がある)。したがって、画像通信装置で読み取られたイメージデータは処理選択指定により、HTML文書記述でGIFファイルとして扱う場合と、HTML文書記述でTIFFファイルとして扱う場合の両方、或いはいずれかを指定することができる。両者の差異は、GIFファイルは単純なイメージデータで、TIFFファイルはファクシミリ装置によりデータ圧縮(MH、MR等)の処理などを施した場合のデータで、定義情報(例:主走査 数、副走査数、圧縮方法など)を付加し、装置間のデータの互換性を保つように付加情報を含んだ形で生成される。 【0011】インターネット上でのWWWの場合では、データ記述はHTMLで記述するのでファクシミリ装置などの画像通信装置は、イメージデータとHTMLで記述されるイメージ情報タグ<img src==/XXXXX.gif>あるいは、<img src==/XXXXX.tif f>でビットデータファイル、あるいは圧縮等の処理済みデータなのかを記述する。HTML記述に関しては、イメージ情報を記述する程度なので、HTMLのひな型で自動的に生成可能である。前述した作用でファクシミリ装置は原稿をインターネット上のWWWで扱えるデータに変換可能となり、ファクシミリ装置で簡単に手書き文書をインターネットデータとして提供可能にする。また、ファクシミリ装置では、前記作用によりHTMLで記述されたテキストデータはファクシミリ装置の内部メモリに格納されている。 【0012】次に、ファクシミリ装置は、そのメモリ上のデータを双方向並列インタフェースを経由してパーソナルコンピュータ等のメモリに転送する。インタフェースはIEEE1248に準拠している。パーソナルコンピュータ等は前記の作用で生成されたドキュメントファイルをインターネットへ出力するか、WWWサーバに格納しクライアントからの検索に対応する。HTML文書構造体で記述されたドキュメントファイル(データファイル)は、端末装置に装備されているビューアによってドキュメントファイルをディスプレーで表示することが可能である。したがって、クライアントでは個々に装備しているHTMLビューアでファクシミリ装置で生成された情報をディスプレー上に表示する。本発明でのビューアはHTML文書構造体でのGIFまたはTIFFでの定義情報を解釈できるビューアソフトも必要となる。現状でのインターネット上のクライアントに実装するビューアとしてはモザイク/ネットスケープ等がHTMLビューア(ブラウザーソフト)として標準的である。 【0013】本願では比較的簡易にデータ(インターネットデータ)を生成でき、出力形態をフロッピーディスクとすればインタフェースも省略することができることになり、誰でも容易にHTML記述された文書データを作ることができ、パーソナルコンピュータなどでファイルを選択するだけでインターネットにデータを出力することができる。さらに、TIFFファイルとして処理し定義されたドキュメントファイルは端末装置間のデータ互換性を保つことができるように属性情報が付加されており、別機器でのデータとして利用できる。 【0014】 【発明の実施の形態】 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】 【0019】 【0020】 【0021】 【0022】 【0023】(実施の形態1)以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像通信装置の一例として用いられるHTML記述機能付きのファクシミリ装置を示すブロック図である。図1において、符号1は画像通信装置の一事例であるファクシミリ装置の本体、2はファクシミリ装置1に接続される通信回線でありこの実施の形態においてはPSTNが接続されている。3はファクシミリのイメージデータをHTML記述に適合するように変換するHTML変換部、4はファクシミリ装置1をLAN4aに接続するためのLANユニット部、5はファクシミリ装置1がパーソナルコンピュータ等の外部の端末装置との間でデータ入力・データ出力をするための通信制御手段としてのインタフェース、6はファクシミリ装置1において生成されたデータをフロッピーディスクに書き込むフロッピーディスクドライブユニット、7はファクシミリ装置1がパーソナルコンピュータ等との間でデータ入力・データ出力をするために前記インタフェース5とは別に設けられたインタフェース、8はパーソナルコンピュータ等の間のデータ通信用に構築された通信ネットワークであるイーサネット、9はイーサネット8に接続されるとともにファクシミリ装置1との間でデータの送受信を行なうパーソナルコンピュータ、10はパーソナルコンピュータ9に接続される通信回線でありこの実施の形態においてはPSTNが接続されている。 【0024】また、11はパーソナルコンピュータ9がファクシミリ装置1との間でデータ入力・データ出力をするためのインタフェース、12はパーソナルコンピュータ9をLAN12aに接続するためのLANユニット部、13はパーソナルコンピュータ9が他の端末装置との間でデータ入力・データ出力をするために設けられたインタフェース、14はイーサネット8上に接続されてインターネットとの接続が可能なサーバ、15はインターネットサーバ14に接続されたISDN/PSTN専用線、16はファクシミリ装置1において種々の操作の選択指定が行なわれるデータ入力手段としての操作パネル、17は指定されたデータの圧縮/変換等の処理を実行する画像処理部、18は原稿を読み取って画像データを生成する画像読取部、19は画像読取部18において読み取り入力されたイメージ データを一時的に格納する画像メモリ、20は画像メモリ19に格納されたイメージデータをハードコピーとして出力する画像記録部である。 【0025】この実施の形態において、LANユニット部4および12にはそれぞれ、LAN関連のネットワークソフトウェアが実装されている。本実施の形態においては各種インタフェースが用いられTいるが、これらのインタフェースは、ファクシミリ装置1が接続されたそれぞれの回線や通信線との間における通信制御手段としての機能を有している。インタフェース5および11には双方向並列データインタフェースが使用されファクシミリ装置1とパーソナルコンピュータ9との間で直接データの送受信が行なわれるようになっている。インタフェース7および13はシリアルデータの入出インタフェースであり、RS232-Cが使用可能である。イーサネット8には、たとえばイーサネット規格の10BASE-Tが使用される。またこの実施の形態において、インターネットサーバ14に接続されたISDN/PSTN専用線としては、インターネットブロバダーとの接続のために例えばISDN回線が使用される。 【0026】図2はファクシミリ装置1の画像読取部18で読み取った後のデータのファイル形態を説明している。この図に示すように画像読取部18から読み取り入力された生画像のイメージデータは、2値化されたデータから成るビットマップイメージであり、このままファイルとしてデータ生成されてイメージファイル21になる。また前記ビットマップイメージが画像処理部17において、MH/MR/MMR等の方式で圧縮処理を施されると圧縮データに変換されこの圧縮された形でファイルとしてデータ生成されると圧縮ファイル22になる。前記イメージファイルおよび圧縮ファイルは画像メモリ19に格納される。 【0027】図3はファクシミリ装置1のHTML変換部3において生成された生成データファイルについて説明している。この生成データは、圧縮等のデータの処理が施された場合のデータであり、HTML記述データの中にはその処理内容を定義した情報がTIFFで示されている。前記データ処理の方法についてはアプリケーションに依存するが、文書等のイメージ処理ではMH/MR/MMRなどがあり、また静止画などではJPEG、動画などではMPEGが使用される。図3において、23はイメージファイル21をTIFFで定義したものをHTML文書記述に適合するようにテキスト化したHTML文書記述構造である。24は前記イメージファイル21或いは圧縮ファイル22をTIFFで定義して生成されたTIFF定義ファイルを図示的に表現したものであり、ファイル長、圧縮/非圧縮の表示情報、解像度情報等のデータが格納された指標情報領域24aと、実際のデータであるイメージファイル或いは圧縮ファイルが格納されたファイル領域24bとから構成されている。 【0028】図4はファクシミリ装置1のHTML変換部3において生成された図3とは別の生成データファイルについて説明している。この生成データは、圧縮等のデータの処理が施されない場合のデータであり、GIFで定義されたイメージファイルが付加されている。図4において、25はイメージファイル21をGIFで定義したものをHTML文書記述に適合するようにテキスト化したHTML文書記述構造体である。26は前記GIFで定義したイメージファイルを図示的に表現したものである。 【0029】図5は合成データファイル概念図であり、HTML記述でファクシミリのイメージファイル21がどのように表現されるかを説明するのものである。この図においてはTIFFで定義した合成データファイル27が図示されている。この合成データファイル27は、HTML文書記述構造体23と、TIFF定義ファイル24とが合成されて成る。 【0030】図6は合成データファイル概念図であり、HTML記述でファクシミリのイメージファイル21がどのように表現されるかを説明するのものである。この図においてはGIFで定義した合成データファイル28が図示されている。この合成データファイル28は、HTML文書記述構造体25と、GIFで定義したイメージファイル26とが合成されて成る。 【0031】かかる構成を有するファクシミリ装置或いはこのファクシミリ装置とパーソナルコンピュータTにより構成された通信システムの動作について説明する。図7および図8は前記実施の形態に係るファクシミリ装置1による原稿読み取りからファクシミリ送信、またはインターネット上へデータを送出するための出力動作を説明するフロー図である。このファクシミリ装置1が操作されるに当たってまず処理ステップ(以下単にステップという)ST1において、操作パネル16からの指示入力によりHTML変換部3をオン動作するか(インターネット通信)或いはオフ動作にするか(通常のファクシミリ送信)の選択設定処理が行なわれる。この選択設定処理では、読み取られたイメージデータを圧縮処理するか非圧縮のまま送信データにするかの設定も行なわれる。次にステップST2においてHTML変換部3がオン設定であるかオフ設定であるかのチェックが行なわれ、オフ設定であれば、通常のファクシミリ送信が選択されているからファクシミリの相手先電話番号の設定(または入力受付)が行なわれ、ステップST4の処理に移行する。 【0032】一方、ステップST2においてHTML変換部3がオン設定であると判断された場合は、インターネット通信が選択されているから、ファクシミリの相手先電話番号の設定を行なうことなくステップST4の処理に移行する。ステップST4においては、画像読取部18に送信原稿がセットされ、操作パネル16上のスタートボタン(スイッチ)がオン動作せしめられる。これにより原稿の読み取りが行なわれ、読み取られたイメージデータは画像メモリ19に格納される。この原稿読み取り動作において、読み取られたイメージデータを圧縮処理する設定になっているときは画像処理部17においてデータ圧縮、或いは変換処理が行なわれる。データ圧縮、或いは変換処理の方式としては、MH/MR/MMR/JPEG等の方式が採用される。この原稿読み取り動作の実行中、ステップST5において原稿の読み取りが終了したか否かをチェックし、終了していなければ終了するまでチェック動作が繰り返される一方、原稿読み取りが終了していれば、ステップST6において再度HTML変換部3がオン設定であるかオフ設定であるかのチェックが行なわれる。そして、HTML変換部3がオフ設定であれば、ファクシミリ装置1がファクシミリ送信モードに切り替えられてファクシミリ通信の相手先電話番号の発呼動作が開始され、次にステップST8において相手側ファクシミリの確認処理やモデムトレーニングなどの処理動作が行なわれた後、ステップST9においてファクシミリ送信が実行され、イメージデータが送信されるとともに、イメージデータの送信が終了すると、一定の確認処理を経て送信動作を終了する。 【0033】一方、ステップST6においてHTML変換部3がオン設定であると判断された場合は、ステップST10においてHTML変換部3が起動せしめられ、次いでステップST11においてHTML記述のためのヘッダー情報が前記HTML変換部3によって生成される。これにより、先に図3および図4を参照して説明したHTML文書記述構造体23、25が生成される。この場合において、ヘッダー情報を生成するためにひな型テーブルをファクシミリ装置1内に設けておき、このひな型テーブルを参照してヘッダー情報の生成処理を行なうようにしてもよい。次に、ステップST12においてHTML記述のためのヘッダー情報の生成が完了したか否かをチェックし、完了していなければこのチェック処理を繰り返し行なう一方、生成動作が完了していると判断された場合はステップST13においてHTMLフォーマットの生成処理を完了するとともに、このHTMLフォーマットにファクシミリ情報を組み込む。これによって、先に図5および図6を参照して説明したHTML文書記述構造体23、25とTIFFまたはGIFで定義されたイメージファイル24、26とを合成して成る合成データファイル27、28が生成される。これによりデータはHTML記述に適合した文書記述でテキスト化され、圧縮/非圧縮等のデータはファイル形式で画像メモリ19に格納される。 【0034】次にステップST14においてファイル管理が行なわれファイル名付与処理等が行なわれる。ファイル名の付与は操作パネル16からファイル名称を入力することによって行なわれる。次に、ステップST15において出力形態の設定処理として、インタフェース5の指定およびその動作設定が行なわれる。ステップST16においては、このインタフェース5の指定およびその動作設定が行なわれたか否かをチェックし、これらの指定または動作設定が行なわれていれば、ステップST17において、共に双方向並列データインタフェースであるインタフェース5とインタフェース11を使ってHTML記述形式の送信データがファクシミリ装置1からパーソナルコンピュータ9へ転送される。パーソナルコンピュータ9へ転送された送信データはインターネット上へ送出される。このインターネットへの接続に関しては、パーソナルコンピュータ9に実装されているインターネット接続ソフトによって行なわれる。このインターネット接続ソフトであるブラウザーについてはモザイクやネットスケープがある。これらのソフト ウェアの作用によって生成されたデータはWWWサーバデータとして、またクライアント側から検索データとして利用され、ブラウザーソフトウェアで画面上で見ることができる。 【0035】また、ステップST16においてインタフェース5の指定およびその動作設定が行なわれていないと判断された場合は、ステップST18においてHTML記述形式のデータを外部記憶媒体に蓄積すべくフロッピーディスク指定を行なったか否かをチェックし、フロッピーディスク指定が行なわれていなければステップST16のチェック処理に戻る一方、フロッピーディスク指定が行なわれていると判断された場合は、ステップST19においてフロッピーディスクドライブユニットが動作せしめられ、フロッピーディスクへのデータ書き込みが行なわれる。 【0036】(実施の形態2)前記説明ではファクシミリ装置1で原稿を読み取って得られたイメージデータをインターネット上へ送出するという本発明の第1の実施の形態について説明したが、次にファクシミリ装置1で原稿を読み取らず、電話回線等の通信回線を通して得られたデータをHTML文書記述構造に変換してインターネット上へ送出するという本発明の第2の実施の形態について説明する。 【0037】図9および図10は本発明の第2の実施の形態に係るファクシミリ装置1によりデータ(イメージデータ等)を受信し、その受信データを別の相手先へファクシミリ送信し、またはインターネット上へデータを送出するための動作を説明するフロー図である。この動作においては、まずステップST21においてファクシミリの自動受信動作が行なわれる。ファクシミリ受信動作に際して、電話回線上のデータはアナログ信号であるから、ファクシミリ装置1においては変/復調器(モデム)によってディジタル信号に復調されデータが再生される。そして、受信データは画像メモリ19に格納される。受信データは、通常、圧縮処理されているデータであり、このような圧縮データのときは圧縮されたデータのままで画像メモリ19に格納される。また圧縮方式としては、先の第1の実施の形態において述べたのと同様MH/MR/MMR/JPEG等の方式がある。受信データは送信側で元々データ圧縮されているので、受信側では伸長(復号化)せずに圧縮状態のままで画像メモリ19に格納すれば、前記第1の実施の形態におけるような原稿を読み取った後イメージデータを圧縮処理する動作を省略することができる。 【0038】次にステップST22において、操作パネル16からの指示入力によりHTML変換部3をオン動作するか(インターネット通信)或いはオフ動作にするか(通常のファクシミリ送信)の選択設定処理が行なわれる。この選択設定処理では、受信されたイメージデータを圧縮処理するか非圧縮の状態で送信データにするかの設定も行なわれる。次にステップST23において、操作パネル16上のスタートボタン(スイッチ)がオン動作せしめられる。次に、ステップST24において再度HTML変換部3がオン設定であるか否かのチェックが行なわれる。そして、HTML変換部3がオン設定でなければ、この受信データはインターネット上へ送出されるものではないと認識されて、ファクシミリ受信動作の残りの処理を行なう。そのために、ステップST25において画像処理部17が起動せしめられ、画像メモリ19に格納されている受信データが読み出されでデータ伸長処理が行なわれる。次いで、ステップST26において画像記録部20が起動せしめられ、受信データがハードコピーの形で出力されることにより、一連のファクシミリ受信動作が終了する。 【0039】他方、ステップST24においてHTML変換部3がオン設定であると判断された場合は、この受信データはインターネット上へ送出されるものであると認識されて、インターネット通信動作が行なわれる。そのために、ステップST27においてHTML変換部3が起動せしめられ、次いでステップST28においてHTML記述のためのヘッダー情報が前記HTML変換部3によって生成される。この場合において、ヘッダー情報を生成するためにひな型テーブルをファクシミリ装置1内に設けておき、このひな型テーブルを参照してヘッダー情報の生成処理を行なうようにしてもよい。送信されるデータはTIFFとしての情報の定義付けがなされ、図3に示すようなHTML文書記述構造体23が生成される。TIFF情報としては線密度、圧縮方法、頁数等の情報が定義され付加される。次に、ステップST29においてHTML記述のためのヘッダー情報の生成が完了したか否かをチェックし、完了していなければこのチェック処理を繰り返し行なう一方、生成動作が完了していると判断された場合はステップST30においてHTMLフォーマットの生成処理を完了するとともに、このHTMLフォーマットにファクシミリ情報すなわち前記受信データを組み込む。これによって、図5に示すようなHTML文書記述構造体23とTIFFで定義されたイメージファイル24とを合成して成る合成データファイル27が生成される。これによりデータはHTML記述に適合した文書記述でテキスト化され、圧縮された送信データはファイル形式で画像メモリ19に格納される。 【0040】次にステップST31においてファイル管理が行なわれファイル名付与処理等が行なわれる。ファイル名の付与は操作パネル16からファイル名称を入力することによって行なわれる。次に、ステップST32において出力形態の設定処理として、インタフェース5の指定およびその動作設定が行なわれる。ステップST33においては、このインタフェース5の指定およびその動作設定が行なわれたか否かをチェックし、これらの指定または動作設定が行なわれていれば、ステップST34において、共に双方向並列データインタフェースであるインタフェース5とインタフェース11を使ってHTML記述形式の送信データがファクシミリ装置1からパーソナルコンピュータ9へ転送される。パーソナルコン ピュータ9へ転送された送信データはインターネット上へ送出される。このインターネットへの接続に関しては、パーソナルコンピュータ9に実装されているインターネット接続ソフトによって行なわれる。このインターネット接続ソフトであるブラウザーについてはモザイクやネットスケープがある。これらのソフトウェアの作用によって生成されたデータはWWWサーバデータとして、またクライアント側から検索データとして利用され、ブラウザーソフトウェアで画面上で見ることができる。 【0041】また、ステップST33においてインタフェース5の指定およびその動作設定が行なわれていないと判断された場合は、ステップST35においてHTML記述形式のデータを外部記憶媒体に蓄積すべくフロッピーディスク指定を行なったか否かをチェックし、フロッピーディスク指定が行なわれていなければステップST33のチェック処理に戻る一方、フロッピーディスク指定が行なわれていると判断された場合は、ステップST35においてフロッピーディスクドライブユニットが動作せしめられ、フロッピーディスクへのデータ書き込みが行なわれる。 【0042】このように、本発明の第2の実施の形態によれば遠隔地のファクシミリ装置からの受信データも本発明のファクシミリ装置1によってデータ処理され、本発明の送信データとしてインターネット通信に使用可能となる。しかも、前記遠隔地のファクシミリ装置からの受信データも本発明で実現されたのと同様な処理を施すことを可能にしたことによって、パーソナルコンピュータ等に直接接続するインタフェースを備えていないファクシミリ装置(単機能型)からのデータもインターネット上に送信することができる。さらに、本発明のファクシミリ装置1においては、このファクシミリ装置1とパーソナルコンピュータ9とを双方向並列データインタフェース5、11によって接続しているから、このファクシミリ装置1をパーソナルコンピュータ9のプリンタとして活用することができる。したがって、インターネットを通してパーソナルコンピュータ9へ伝送されてきた受信データを、一旦パーソナルコンピュータ9においてモザイク、或いはネットスケープといったインターネット接続ソフトで画面表示し、必要な情報のみファクシミリ装置1を用いてプリントアウトするという操作も可能である。 【0043】また、この第2の実施の形態の変形例として、ファクシミリ装置1の中にデータ種を認識する手段であるデータ種認識部29(図1参照)を設け、このデータ種認識部29によって送信すべきデータが画像読取部18から読み取り入力されたデータか、または電話回線2を通して受信された他のファクシミリ装置からの受信データかを認識させるゆにすることもできる。そして、このデータ種認識部29による認識の結果、送信すべきデータが画像読取部18からのデータであるときには、前記第1の実施の形態において説明したように、そのデータにインターネットで扱い処理可能なデータ記述形態を付加し、パーソナルコンピュータ9を経由してインターネットへ出力する。また一方、送信すべきデータが電話回線2からのファクシミリ受信データであるときには、この第2の実施の形態において説明しているように、そのデータの受信形態を設定可能なデータ記述形態を付加し、このデータをパーソナルコンピュータ9を経由してインターネットへ出力することができる。 【0044】また、この場合において、インターネットの相手先アドレスを、ファクシミリ受信データから認識し、この認識結果に基づきインターネットへ自動的に出力するようにしてもよい。 【0045】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図11は本発明の第3の実施の形態に係るHTML記述機能付きのファクシミリ装置を示すブロック図である。図1において、符号30は本実施の形態に係るファクシミリ装置の本体である。このファクシミリ装置30は、基本的には前記第1および第2の実施の形態で用いられたファクシミリ装置1と同様な構成を有しており、操作パネル16、画像処理部17、画像読取部18、画像メモリ19、記録部20等のファクシミリ通信に必要な各種機能部を有している上、本発明において特徴的なHTML変換部3を備え、また双方向並列データインタフェース5、11によりパーソナルコンピュータ9に接続されている。またパーソナルコンピュータ9は通信回線10を介してインターネットに接続されている。このような構成に加えて、さらに本実施の形態に係るファクシミリ装置30は、OCRシートを読み取ってその指示内容を認識(OCR認識)するOCR部31と、OCR部31における認識結果に基づいてインターネット通信用のアドレスを生成するインターネットアドレス生成部32とを備えている。 【0046】かかる構成により本実施の形態のファクシミリ装置30は、送信したい文書の原稿の上にインターネット通信の相手先アドレス等の必要事項を記載したOCRシートをセットして画像読取部18に読み取らせると、読み取りデータの中からOCR部31がOCR情報を認識し、その認識結果をインターネットアドレス生成部32へ送付する。インターネットアドレス生成部32はこのOCR情報に基づいてインターネット通信用の相手先アドレスを生成する。 【0047】また一方、このファクシミリ装置30において、HTML変換部3がオン設定である場合は、HTML変換部3が起動せしめられ、次いでHTML記述のためのヘッダー情報が前記HTML変換部3によって生成される。これにより、先に図3および図4を参照して説明したHTML文書記述構造体23、25が生成される。次に、HTML記述のためのヘッダー情報の生成が完了すると、HTMLフォーマットの生成処理を完了するとともに、このHTMLフォーマットにファクシミリ情報および前記インターネットアドレス生成部32において生成されたインターネットの相手先アドレス情報を組み込む。これによって、先に図5および図6を参照して説明したHTML文書記述構造体23、25とTIFFまたはGIFで定義されたイメージファイル24、26とを合成して成る合成データファイル27、28が生成され、このHTML記述に適合した文書はパーソナルコンピュータ9へ転送され、さらにインターネット上に送出される。 【0048】このように本実施の形態においては、ファクシミリの特徴を活かしOCRシートを使用してインターネットへ接続する方法も採用することができ、通信頻度の高いインターネット通信の相手先のアドレスはあらかじめOCR化しておくことにより、インターネット通信操作を迅速に行なえ、その都度キー操作で相手先アドレスを入力するというような無駄な手間を省くことができる。 【0049】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、インターネットで扱い処理可能なデータを生成することにより、インターネット上へデータを簡単に出力することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による画像通信装置の第1の実施の形態としてのファクシミリ装置を示すブロック図 【図2】前記実施の形態のファクシミリ装置で原稿を読み取った後のデータのファイル形態の一例を示すフォーマット図 【図3】前記実施の形態のファクシミリ装置のHTML変換部で生成されTIFFで定義されたデータファイル形態の一例を示すフォーマット図 【図4】前記実施の形態のファクシミリ装置のHTML変換部で生成されGIFで定義されたデータファイル形態の一例を示すフォーマット図 【図5】前記実施の形態のファクシミリ装置のHTML変換部で生成されTIFFで定義されたデータファイル形態と送信されるイメージデータとの合成データファイルの一例を示すフォーマット図 【図6】前記実施の形態のファクシミリ装置のHTML変換部で生成されGIFで定義されたデータファイルと送信されるイメージデータとの合成データファイル形態の一例を示すフォーマット図 【図7】前記実施の形態のファクシミリ装置において原稿を読み取ってインターネットへ送出する動作の前半部分を説明するフロー図 【図8】前記実施の形態のファクシミリ装置において原稿を読み取ってインターネットへ送出する動作の後半部分を説明するフロー図 【図9】本発明の第2の実施の形態においてファクシミリ受信したデータをインターネットへ送出する動作の前半部分を説明するフロー図 【図10】本発明の第2の実施の形態においてファクシミリ受信したデータをインターネットへ送出する動作の後半部分を説明するフロー図 【図11】本発明による画像通信装置の第3の実施の形態としてのファクシミリ装置を示すブロック図 【符号の説明】 1、30 ファクシミリ装置 2 通信回線(電話回線) 3 HTML変換部 4、12 LANユニット部 5、11 双方向並列データインタフェース 6 フロッピーディスクドライブユニット 7、13 シリアルデータ入出力インタフェース 8 イーサネット 9 パーソナルコンピュータ 10 、15通信回線 14 サーバ 16 操作パネル 17 画像処理部 18 画像読取部 19 画像メモリ 20 画像記録部 29 データ種識別部 31 OCR部31 32 インターネットアドレス生成部 |
訂正の要旨 |
訂正事項 a.特許請求の範囲の請求項1、2を特許請求の範囲の減縮を目的として削除する訂正を致します。 b.特許請求の範囲の請求項3を特許請求の範囲の減縮を目的として以下のとおり訂正致します。 原稿を読み取る読取手段と、外部回線からのデータを受信する受信手段と、受信データが前記読取手段からのデータか、外部回線からのデータかを認識するデータ種認識手段と、このデータ種認識手段による認識の結果、読取手段からのデータであるときに、前記読み取ったデータをTIFFで定義してHTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネットで扱い処理可能なデータを生成し、外部回線からのデータであるときには、前記受信したデータを圧縮処理済状態を維持しつつTIFFで定義してHTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネットで扱い処理可能なデータを生成するデータ生成手段と、このデータ生成手段で生成したデータに対して付与するファイル名を入力する入力手段と、この入力手段でファイル名を入力した後に、前記生成手段で生成されたデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力する出力手段とを備え、前記生成手段で生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信装置。 c.特許請求の範囲の請求項4を特許請求の範囲の減縮を目的として以下のとおり訂正致します。 原稿を読み取る読取手段と、前記読み取った原稿データを圧縮した圧縮データをTIFFファイルの形式に変換し、HTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とする変換手段と、この変換手段で変換されたデータに対して付与するファイル名を入力する入力手段と、この入力手段でファイル名を入力した後に、前記変換したファイルをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力する出力手段と、前記変換手段がオフ設定になっているときには、ファクシミリ送信モードに切り替え、前記読取手段で得た原稿データに対してファクシミリ送信を実行する手段とを備え、前記変換手段で変換したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信装置。 d.特許請求の範囲の請求項5を明りょうでない記載の釈明を目的として以下の通り訂正致します。 前記読取手段で読み取られた原稿データを認識するOCR認識手段と、この認識結果に基づいてインターネットアドレスを生成する生成手段とを備えることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の画像通信装置。 e.特許請求の範囲の請求項6を特許請求の範囲の減縮を目的として以下のとおり訂正致します。 ファクシミリ受信する受信手段と、この受信手段が受信したファクシミリデータをTIFFファイルの形式に変換し、HTML文書記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とする変換手段と、この変換手段で変換されたデータに対して付与するファイル名を入力する入力手段と、この入力手段でファイル名を入力した後に、前記変換手段で変換したデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力する出力手段と、前記変換手段がオン設定になっていないときには、前記受信したデータに対して印刷処理を行う記録手段を備え、前記変換手段で変換したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であること特徴とする画像通信装置。 f.特許請求の範囲の請求項7を特許請求の範囲の減縮を目的として以下のとおり訂正致します。 読み取った原稿を圧縮する圧縮ステップと、圧縮したデータを記憶する記憶ステップと、TIFFファイルに変換する変換ステップと、前記TIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネット上に出力することができるデータを生成するステップと、この生成するステップで生成されたデータに対して付与するファイル名を入力するステップと、このステップでファイル名を入力した後に、生成したデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力するステップとを備え、前記生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信方法。 g.特許請求の範囲の請求項8を特許請求の範囲の減縮を目的として以下のとおり訂正致します。 ファクシミリデータを受信する受信ステップと、受信したデータを記憶する記憶ステップと、TIFFファイルに変換する変換ステップと、この変換するステップで変換されたデータに対して付与するファイル名を入力するステップと、このステップでファイル名を入力した後に、前記TIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造とすることにより、インターネット上に出力することができるデータを生成するステップと、生成したデータをインターネットに接続されているコンピュータ端末、または記録媒体に出力するステップとを備え、前記生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信方法。 h.特許請求の範囲の請求項9を特許請求の範囲の減縮を目的として以下のとおり訂正致します。 原稿読取手段により原稿を読み取る読取ステップと、外部回線からのデータを受信する受信ステップと、前記読取ステップによりデータを得た場合はインターネットで扱い処理可能なデータを生成し、前記受信ステップによりデータを得た場合にはデータの受信形態を維持しつつインターネットで扱い処理可能なデータを生成し、それぞれ前記データに対してTIFFファイルとして定義付けをしてこのTIFFファイルに対してHTML構造記述に適合するようテキスト化したHTML文書記述構造を用いてインターネットで扱い処理可能なデータの生成処理を実行するステップと、このステップで生成されたデータに対して付与するファイル名を入力するステップと、このステップでファイル名を入力した後に、生成したデータを出力するステップとを有し、前記生成したデータは、インターネットを介してブラウザで閲覧可能であることを特徴とする画像通信方法。 i.特許請求の範囲の請求項10を明りょうでない記載の減縮を目的として以下のとおり訂正致します。 前記読取手段で読み取られた原稿データを認識するOCR認識手段と、この認識結果に基づいてインターネットアドレスを生成する生成手段とを備えることを特徴とする請求項5、7のいずれかに記載の画像通信方法。 |
異議決定日 | 2003-01-31 |
出願番号 | 特願平7-325429 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(H04N)
P 1 651・ 537- YA (H04N) |
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
東 次男 |
特許庁審判官 |
佐藤 聡史 江頭 信彦 |
登録日 | 2001-03-16 |
登録番号 | 特許第3169815号(P3169815) |
権利者 | 松下電送システム株式会社 |
発明の名称 | 画像通信装置、および画像通信方法 |
代理人 | 高柳 司郎 |
代理人 | 坂口 智康 |
代理人 | 岩橋 文雄 |
代理人 | 木村 秀二 |
代理人 | 大塚 康徳 |
代理人 | 大塚 康弘 |
代理人 | 内藤 浩樹 |
代理人 | 坂口 智康 |
代理人 | 内藤 浩樹 |
代理人 | 岩橋 文雄 |