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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 H04N |
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管理番号 | 1076323 |
異議申立番号 | 異議2002-72192 |
総通号数 | 42 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-11-05 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-09-11 |
確定日 | 2003-03-05 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3263789号「撮像装置」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3263789号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件に係る特許第3263789号の特許請求の範囲(請求項の数4)に記載された発明は、平成4年4月8日に出願され、平成13年12月28日にその特許の設定登録がなされ、その後、特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成15年1月14日に訂正請求がなされたものである。 第2 訂正請求の適否について 1 本件訂正発明 訂正明細書の特許請求の範囲(請求項の数4)に記載された発明(以下「本件訂正発明」という。)は、次に掲げるとおりのものである。(下線が訂正部分) 【請求項1】 所望の被写体を撮像する撮像手段と、 上記撮像手段の出力を、所定の操作に応じて段階的に切り換えられる増幅率で増幅するアナログ信号処理回路と、 上記アナログ信号処理回路の出力をデイジタル信号に変換するアナログデイジタル変換回路と、 上記デイジタル信号に対してデイジタル信号処理を行うデイジタル信号処理回路と、 上記デイジタル信号の黒レベルを検出する信号レベル検出回路と、 上記デイジタル信号処理回路の出力に対してガンマ補正を行うビデオプロセス回路とを具え、 調整モード時、上記信号レベル検出回路の黒レベル検出結果に基づいて、上記アナログ信号処理回路で上記撮像手段の出力の黒レベルを自動的に粗調整した後、上記デイジタル信号処理回路は、上記信号レベル検出回路の黒レベル再検出結果に基づいて、上記デイジタル信号の黒レベルを自動的に微調整することを特徴とする撮像装置。 【請求項2】 上記段階的に切り換えられた増幅率について、上記アナログ信号処理回路において、粗調整した後、上記デイジタル信号処理回路は、ペデスタルレベル設定用の補正データの信号レベルを補正し、当該補正データに基づいて上記デイジタル信号のペデスタルレベルを所定値に設定することにより、上記ビデオ信号の黒レベルを微調整することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項3】 上記デイジタル信号処理回路は、フレア補正データを補正し、当該フレア補正データに基づいて上記デイジタル信号のフレアを補正することにより、上記ビデオ信号の黒レベルを微調整することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項4】 上記信号レベル検出回路は、偶数フイールド及び奇数フイールド毎に黒レベル検出結果を得、 上記デイジタル信号処理回路は、上記黒レベル検出結果に基づいて偶数フイールド及び奇数フイールド間で黒レベルの調整を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 2 訂正事項 訂正請求による訂正は、次に掲げる訂正事項(1)ないし(5)である。 (1) 特許請求の範囲の減縮を目的として、訂正前請求項1の「上記信号レベル検出回路の黒レベル検出結果に基づいて、」の前に、「調整モード時、」を加入する。 (2) 特許請求の範囲の減縮を目的として、訂正前請求項1の「上記デイジタル信号処理回路で」を、「上記デイジタル信号処理回路は、上記信号レベル検出回路の黒レベル再検出結果に基づいて、」と訂正する。 (3) 特許請求の範囲の減縮を目的として、訂正前請求項2の「上記デイジタル信号処理回路は、」の前に、「上記段階的に切り換えられた増幅率について、上記アナログ信号処理回路において粗調整した後、」を加入する。 (4) 明りようでない記載の釈明を目的として、本件特許明細書の段落番号【0008】を以下のとおり訂正する。(下線が訂正部分) 【0008】 【課題を解決するための手段】 かかる課題を解決するため第1の発明においては、所望の被写体を撮像する撮像手段2と、撮像手段2の出力を、所定の操作に応じて段階的に切り換えられる増幅率で増幅するアナログ信号処理回路16と、アナログ信号処理回路16の出力をデイジタル信号に変換するアナログデイジタル変換回路18と、デイジタル信号に対してデイジタル信号処理を行うデイジタル信号処理回路20と、デイジタル信号の黒レベルを検出する信号レベル検出回路54と、デイジタル信号処理回路20の出力に対してガンマ補正を行うビデオプロセス回路24とを具え、調整モード時、信号レベル検出回路54の黒レベル検出結果に基づいて、アナログ信号処理回路16で撮像手段2の出力の黒レベルを自動的に粗調整した後、デイジタル信号処理回路20、24は、信号レベル検出回路54の黒レベル再検出結果に基づいて、デイジタル信号の黒レベルを微調整する。 (5) 明りようでない記載の釈明を目的として、本件特許明細書の段落番号【0009】を以下のとおり訂正する。(下線が訂正部分) 【0009】 さらに第2の発明において、段階的に切り換えられた増幅率について、アナログ信号処理回路16において粗調整した後、デイジタル信号処理回路20、24は、ペデスタルレベル設定用の補正データDPの信号レベルを補正し、当該補正データに基づいてデイジタル信号のペデスタルレベルを所定値に設定することにより、ビデオ信号SVの黒レベルを微調整する。 3 訂正事項の適否についての結論 上記訂正事項(1)ないし(3)は、特許請求の範囲を減縮する訂正である。 上記訂正事項(4)(5)は、特許請求の範囲の訂正に伴って、不明りょうとなる記載の訂正である。 したがって、上記訂正事項(1)ないし(5)は、特許法第120条の4第2項ただし書き第1,3号に規定する特許請求の範囲の減縮、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、また、同法第120条の4第3項で準用する同法第126条第2,3項に規定する願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、上記訂正を認める。 第3 本件訂正発明と刊行物発明との対比・検討 1 刊行物 当審の取消理由で引用した刊行物1ないし4は次に掲げるものである。 刊行物1:特開平3-185975号公報(異議申立人が提出した甲第1号証) 刊行物2:特開平3-285471号公報(同甲第2号証) 刊行物3:特開平1-235485号公報(同甲第3号証) 刊行物4:特公昭56-51673号公報(同参考資料) 刊行物1ないし4には、次に掲げる(1)ないし(4)が記載されている。 (1) 刊行物1 本件訂正発明と対比してみると、刊行物1には、次に示す撮像装置が記載されている。 「所望の被写体を撮像する撮像手段と、 上記撮像手段の出力を、増幅するアナログ信号処理回路と、 上記アナログ信号処理回路の出力をデイジタル信号に変換するアナログデイジタル変換回路と、 上記デイジタル信号に対してデイジタル信号処理を行うデイジタル信号処理回路と、 上記デイジタル信号のクランプレベルを検出する信号レベル検出回路と、 上記デイジタル信号処理回路の出力に対してガンマ補正を行うビデオプロセス回路とを具え、 上記信号レベル検出回路のクランプレベル検出結果に基づいて、上記アナログ信号処理回路で上記撮像手段の出力のクランプレベルを自動的に粗調整した後、上記デイジタル信号処理回路で上記デイジタル信号のクランプレベルを自動的に微調整することを特徴とする撮像装置」 (2) 刊行物2 ビデオカメラの逆光撮影時の補正に関して、逆光撮影におけるフレアによる輝度レベル上昇を解消し、被写体の再現性を向上させること (3) 刊行物3 1フレームの静止画像を蓄積して読み出す撮像装置に関して、第1フィールドと第2フィールドでは暗電流雑音レベルが異なってしまうという問題を解決するために、フィールド毎の暗電流成分差をなくし、フリッカーの発生をなくした静止画像を得ることのできる撮像装置 (4) 刊行物4 映像信号記録装置に関し、奇数フィールド期間と偶数フィールド期間とでクランプレベルが異なるように切り換えること 2 本件訂正発明と刊行物発明との対比 本件訂正発明と刊行物1ないし4に記載された発明とを対比すると、刊行物1ないし4の発明は、本件訂正発明おける「調整モード時、信号レベル検出回路の黒レベル検出結果に基づいて、アナログ信号処理回路で撮像手段の出力の黒レベルを自動的に粗調整した後、デイジタル信号処理回路は、上記信号レベル検出回路の黒レベル再検出結果に基づいて、上記デイジタル信号の黒レベルを自動的に微調整すること」(下線は訂正部分、以下「主要な事項」という。)を具備していないし、刊行物1ないし4には、この主要な事項を示唆する記載もなされていない。 そして、本件訂正発明は、上記主要な事項により、「従来、この種の撮像装置においては、ブラツクセツト調整することにより、撮像信号の増幅率を切り換えた場合でも、黒レベルが変動しないようになされている。(段落【0003】【従来の技術】)本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易にブラツクセツト調整し得、かつブラツクセツト調整精度を向上することができる撮像装置を提案しようとするものである。(段落【0007】)という目的を達成し、「上述のように本発明によれば、信号レベル検出回路の黒レベル検出結果に基づいて、アナログ信号処理回路で撮像手段の出力の黒レベルを自動的に粗調整した後、デイジタル信号処理回路でデイジタル信号の黒レベルを自動的に微調整することにより、アナログ信号処理回路のみで黒レベルの調整を行う場合のように、黒レベルのオフセツトが増幅されることによつて黒レベル調整の精度が劣化をすることを回避することができ、これによりブラツクセツト調整の精度を向上することができる撮像装置を得ることができる。」(段落【0093】【発明の効果】)という効果を奏するものと認められる。 したがって、本件訂正発明は、刊行物1ないし4の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 第4 むすび 以上、本件訂正発明は、刊行物1ないし4の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 また、他に本件訂正発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 撮像装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 所望の被写体を撮像する撮像手段と、 上記撮像手段の出力を、所定の操作に応じて段階的に切り換えられる増幅率で増幅するアナログ信号処理回路と、 上記アナログ信号処理回路の出力をデイジタル信号に変換するアナログデイジタル変換回路と、 上記デイジタル信号に対してデイジタル信号処理を行うデイジタル信号処理回路と、 上記デイジタル信号の黒レベルを検出する信号レベル検出回路と、 上記デイジタル信号処理回路の出力に対してガンマ補正を行うビデオプロセス回路とを具え、 調整モード時、上記信号レベル検出回路の黒レベル検出結果に基づいて、上記アナログ信号処理回路で上記撮像手段の出力の黒レベルを自動的に粗調整した後、上記デイジタル信号処理回路は、上記信号レベル検出回路の黒レベル再検出結果に基づいて、上記デイジタル信号の黒レベルを自動的に微調整することを特徴とする撮像装置。 【請求項2】 上記段階的に切り換えられた増幅率について、上記アナログ信号処理回路において粗調整した後、上記デイジタル信号処理回路は、ペデスタルレベル設定用の補正データの信号レベルを補正し、当該補正データに基づいて上記デイジタル信号のペデスタルレベルを所定値に設定することにより、上記ビデオ信号の黒レベルを微調整することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項3】 上記デイジタル信号処理回路は、フレア補正データを補正し、当該フレア補正データに基づいて上記デイジタル信号のフレアを補正することにより、上記ビデオ信号の黒レベルを微調整することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項4】 上記信号レベル検出回路は、偶数フイールド及び奇数フイールド毎に黒レベル検出結果を得、 上記デイジタル信号処理回路は、上記黒レベル検出結果に基づいて偶数フイールド及び奇数フイールド間で黒レベルの調整を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【目次】 以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段(図1〜図5) 作用(図1〜図5) 実施例 (1)全体構成(図1) (2)デイジタル信号処理回路(図2) (3)ゲート信号生成回路(図3) (4)レベル検出回路(図4) (5)中央処理ユニツト(図5〜図7) (6)実施例の効果 (7)他の実施例 発明の効果 【0002】 【産業上の利用分野】 本発明は撮像装置に関し、例えばテレビジヨンカメラに適用し得る。 【0003】 【従来の技術】 従来、この種の撮像装置においては、ブラツクセツト調整することにより、撮像信号の増幅率を切り換えた場合でも、黒レベルが変動しないようになされている。 【0004】 すなわちこの種の撮像装置においては、固体撮像素子から出力される撮像信号を色信号に変換して所定レベルに増幅し、撮像画像が暗いときなど利得切り換え操作子の操作に応動してこの増幅率を切り換え得るようになされている。 【0005】 このとき撮像装置においては、予めメモリ回路に格納した補正データをアナログ信号に変換して色信号に加減算することにより、各色信号間で黒レベルが等しくなるように信号レベルを補正し、さらに利得切り換えの操作子の操作に応動してこの補正データを切り換えることにより、黒レベルが変動しないようになされている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 ところで撮像装置においては、組み立て時、各色信号の黒レベルを検出し、この検出結果に基づいて補正データをセツトするようになされている。この調整作業を簡略化し、さらには調整精度を向上することができれば、便利であり、又画質も向上し得る。 【0007】 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易にブラツクセツト調整し得、かつブラツクセツト調整精度を向上することができる撮像装置を提案しようとするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 かかる課題を解決するため第1の発明においては、所望の被写体を撮像する撮像手段2と、撮像手段2の出力を、所定の操作に応じて段階的に切り換えられる増幅率で増幅するアナログ信号処理回路16と、アナログ信号処理回路16の出力をデイジタル信号に変換するアナログデイジタル変換回路18と、デイジタル信号に対してデイジタル信号処理を行うデイジタル信号処理回路20と、デイジタル信号の黒レベルを検出する信号レベル検出回路54と、デイジタル信号処理回路20の出力に対してガンマ補正を行うビデオプロセス回路24とを具え、調整モード時、信号レベル検出回路54の黒レベル検出結果に基づいて、アナログ信号処理回路16で撮像手段2の出力の黒レベルを自動的に粗調整した後、デイジタル信号処理回路20、24は、信号レベル検出回路54の黒レベル再検出結果に基づいて、デイジタル信号の黒レベルを微調整する。 【0009】 さらに第2の発明において、段階的に切り換えられた増幅率について、アナログ信号処理回路16において粗調整した後、デイジタル信号処理回路20、24は、ペデスタルレベル設定用の補正データDPの信号レベルを補正し、当該補正データに基づいてデイジタル信号のペデスタルレベルを所定値に設定することにより、ビデオ信号SVの黒レベルを微調整する。 【0010】 さらに第3の発明において、デイジタル信号処理回路20、24は、フレア補正データDFを補正し、当該フレア補正データに基づいてデイジタル信号のフレアを補正することにより、ビデオ信号SVの黒レベルを微調整する。 【0011】 【作用】 アナログ信号処理回路16で撮像手段2の出力の黒レベルを自動的に粗調整した後、デイジタル信号処理回路20、24でデイジタル信号の黒レベルを自動的に微調整すれば、簡易かつ高い精度でブラツクセツト調整することができる。このときペデスタルレベル設定用の補正データDPの信号レベルを補正し、当該補正データに基づいてデイジタル信号のペデスタルレベルを所定値に設定し、ビデオ信号SVの黒レベルを微調整することにより、全体構成を簡略化することができる。同様にフレア補正データDFを補正し、当該フレア補正データに基づいてデイジタル信号のフレアを補正し、ビデオ信号SVの黒レベルを微調整することにより、全体構成を簡略化することができる。 【0012】 【実施例】 以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。 【0013】 (1)全体構成 図1において、1は全体として撮像装置を示し、固体撮像素子(CCD)2を駆動して所望の被写体を撮像する。 【0014】 すなわち撮像装置1は、タイミングジエネレータ(TG)4で基準信号を生成し、この基準信号で固体撮像素子2を駆動する。撮像装置1は、固体撮像素子2の前面に絞り6、ズームレンズ8を配置し、これにより固体撮像素子2の撮像面に、所望の倍率及び明るさで被写体の画像を結像する。 【0015】 このとき中央処理ユニツト(CPU)10は、ズーム位置検出回路12で撮像画像の倍率を検出し、この検出結果に基づいて絞り6の制御を切り換え、これにより倍率が変化した場合でもユーザの所望する明るさで被写体を撮像し得るようになされている。 【0016】 さらに撮像装置1は、相関二重サンプリングの手法を適用して固体撮像素子2の出力信号をサンプルホールド回路(S/H)14でサンプルホールドし、その結果得られる撮像信号S1をVAブロツク回路16に出力する。 【0017】 VAブロツク回路16は、撮像信号S1から各色信号を生成した後、所定の増幅率で増幅し、このとき各色信号の信号レベルを補正することにより、シエーデイング補正等し得るようになされ、さらに増幅率を切り換えてホワイトバランス調整、ゲインアツプ調整し得るようになされている。 【0018】 アナログデイジタル変換回路(A/D)18は、VAブロツク回路16から出力される色信号SR〜SBをデイジタル信号に変換して出力する。 【0019】 デイジタル信号処理回路20は、所定の検出回路で各色信号SR〜SBの信号レベルを検出することにより、ブラツクセツト調整用、ブラツクバランス調整用、ホワイトバランス調整用、絞り調整用、フレア補正用のデータ検出処理を実行し、必要に応じて検出結果を中央処理ユニツト10に出力する。これにより撮像装置1においては、このデータ検出結果に基づいて中央処理ユニツト10で各信号処理回路を制御することにより、ホワイトバランス調整等し得るようになされている。 【0020】 さらにデイジタル信号処理回路20は、データ検出結果に基づいて、各色信号の信号レベルを補正することにより、フレア補正すると共に、シエーデイング補正用の補正信号SHを生成し、この補正信号SHをデイジタルアナログ変換回路(D/A)22を介してVAブロツク回路16に出力する。これにより撮像装置1においては、デイジタル信号処理回路20で生成した補正信号SHを使用してシエーデイング補正する。 【0021】 ビデオプロセス回路24は、デイジタル信号処理回路20で処理された色信号を受け、ガンマ処理、ニー処理した後、ペデスタルレベルを設定する。続くエンコーダ回路26は、各色信号を輝度信号及び色差信号に変換した後、ビデオ信号に変換して出力する。 【0022】 これにより撮像装置1においては、所望の被写体を撮像してそのビデオ信号SVを出力し得るようになされている。 【0023】 (2)デイジタル信号処理回路 図2に示すように、デイジタル信号処理回路20は、テスト信号発生回路30で種々のテスト信号TSを生成してセレクタ32R、32G、32B及び34R、34G、34Bに出力するようになされ、このとき中央処理ユニツト10の出力信号に基づいてこのテスト信号を切り換える。これによりデイジタル信号処理回路20は、調整モードにおいて、必要に応じて種々のテスト信号TSを使用してVAブロツク回路16等を調整し得るようになされ、自己診断モードにおいて、全体の動作を確認し得るようになされている。 【0024】 さらにデイジタル信号処理回路20は、デイジタル信号でなる各色信号SR〜SBをクランプレベル検出回路36に与え、ここで所定のタイミングで各色信号SR〜SBの信号レベルを検出する。さらにデイジタル信号処理回路20は、この信号レベル検出結果をクランプ回路(図示せず)に出力し、これにより各色信号SR〜SBのクランプレベルを設定する。 【0025】 セレクタ32R〜32Bは、通常の動作モードにおいて、各色信号SR〜SBを選択して欠陥補正回路38に出力するのに対し、自己診断モードにおいては、所定のタイミングで接点を切り換え、これにより垂直ブランキング期間の1水平走査期間の間、色信号SR〜SBに代えてテスト信号を選択出力する。これに対して調整モードにおいて、セレクタ32R〜32Bは、中央処理ユニツト10で制御されることにより、各調整項目に応じて所定のタイミングで接点を切り換え、これにより撮像装置1においては、色信号SR〜SBに代えて各種テスト信号を出力するようになされ、簡易に各種項目を調整し得るようになされている。 【0026】 欠陥自動検出回路40は、各色信号の信号レベルを連続的にモニタすることにより、固体撮像素子2の欠陥画素を検出し、この欠陥画素の位置を所定のメモリ回路に格納する。欠陥補正回路38は、このメモリ回路の内容に従つて、欠陥画素の位置で補間演算処理を実行する。これにより欠陥補正回路38は、欠陥画素について周囲の画素から補正用の色信号を生成し、生成した色信号で欠陥画素の色信号を置き換える。これにより欠陥補正回路38は、固体撮像素子2に欠陥が発生した場合でも、画質が大幅に劣化しないようになされている。 【0027】 加算回路42R〜42Bは、フレア補正回路44から出力されるフレア補正信号を各色信号に加算し、これにより撮像画像のフレアを補正する。なおフレア補正回路44は、中央処理ユニツト10の演算結果に基づいてフレア補正信号を生成するようになされ、これにより撮像装置1においては、簡易な調整作業でフレア補正し得るようになされている。 【0028】 セレクタ46R〜46Bは、加算回路42R〜42Bの出力信号を続くビデオプロセス回路24に出力し、このとき選択信号SEL1の信号レベルが切り換わると接点を切り換えることにより、出力信号の信号レベルを0レベルに立ち下げる。これにより撮像装置1においては、調整モード等において、必要に応じてビデオプロセス回路24の入力レベルを0レベルに立ち下げ、ビデオプロセス回路24以降の回路ブロツクを簡易に調整し得るようになされている。 【0029】 ローパスフイルタ回路(LPF)48は、欠陥補正回路38から出力される色信号について、高域成分を抑圧することによりノイズ成分を除去して出力する。シエーデイング補正回路50及び52は、ローパスフイルタ回路48の出力信号に基づいて、シエーデイング補正信号SH1、SH2を作成し、この実施例の場合それぞれシエーデイング補正信号SH1及びSH2で黒レベル及び白レベルのシエーデイングを補正する。 【0030】 このときシエーデイング補正回路52は、中央処理ユニツト10の演算結果D1に基づいて、各色信号からシエーデイング補正用の補正信号SH2を作成する。これによりデイジタル信号処理回路20は、このシエーデイング補正信号SH1、SH2をVAブロツク回路16に帰還してシエーデイング補正するようになされている。 【0031】 このときシエーデイング補正回路50は、セレクタ34R〜34Bを介して補正信号SH1を出力するようになされ、セレクタ34R〜34Bは、選択信号SEL2が立ち上がると補正信号SH1に代えてテスト信号を選択出力するようになされている。これにより撮像装置1においては、必要に応じてシエーデイング補正信号SH1及びテスト信号を選択出力し、VAブロツク回路の調整作業を簡略化し得るようになされている。 【0032】 データ検出回路54は、ローパスフイルタ回路48の出力信号について、その信号レベル等を検出することにより、フレア補正、ホワイトバランス調整用のデータを検出する。このうち絞り調整用のデータについて、データ検出回路54は、欠陥検出回路38のメモリ回路に検出結果のデータを格納するようになされ、このメモリ回路の内容を中央処理ユニツト10からアクセスして簡易に絞り調整し得るようになされている。 【0033】 (3)ゲート信号生成回路 さらにデータ検出回路54は、図3に示すゲート信号生成回路68でデータ検出用のゲート信号を生成する。これによりゲート信号生成回路68は、ホワイトバランス調整モードにおいては、輝度信号ADYの信号レベルを基準にしてゲート信号GT1を出力することにより、ホワイトバランス調整領域を設定するのに対し、自己診断モード及び調整モードにおいては、テスト信号検出のタイミングを設定し得るようになされている。 【0034】 すなわちゲート信号生成回路68は、比較回路70及び72に輝度信号ADYを与え、ここで所定の比較基準PK及びLOWを基準にして比較結果を出力する。ここで比較基準PK及びLOWにおいては、動作モードに応じて中央処理ユニツト10で設定し得るようになされ、ホワイトバランス調整モードにおいては、ピークレベル検出回路(図示せず)で検出されたピークレベルを基準にして第1の比較基準PKが設定されるのに対し、この第1の比較基準PKから所定レベルだけ低いレベルが第2の比較基準LOWに設定されるようになされている。 【0035】 これにより比較回路70及び72においては、第1から第2の比較基準までの範囲で、この範囲内の輝度レベルの領域を検出し、この検出結果をレベルゲートLVGTとして出力する。かくしてゲート信号生成回路68においては、この第1及び第2の比較基準PK及びLOWを切り換えることにより、輝度信号ADYの信号レベルを基準にして種々のゲート信号LVGTを生成し得るようになされている。 【0036】 さらにゲート信号生成回路68においては、Vカウンタ74に垂直同期信号VDを与えると共に、Vカウンタ74及びHカウンタ76に水平同期信号HDを与える。Vカウンタ74は、垂直同期信号VDでカウント値をリセツトした後、水平同期信号HDを順次カウントし、これにより垂直走査方向についてラスタ走査位置を表すカウント値を出力する。これに対してHカウンタ76は、水平同期信号HDでカウント値をリセツトした後、所定のクロツク信号を順次カウントし、これにより水平走査方向についてラスタ走査位置を表すカウント値を出力する。 【0037】 比較回路78は、2つの比較基準UP及びDWNを基準にして、Vカウンタ74のカウント値がこの2つの比較基準UP及びDWNの範囲に入ると出力信号の信号レベルを立ち上げ、これにより垂直走査方向について、所定のラスタ走査位置で信号レベルが立ち上がるゲート信号を生成する。同様に比較回路80は、2つの比較基準LFT及びRGTを基準にして、Hカウンタ76のカウント値がこの2つの比較基準LFT及びRGTの範囲に入ると出力信号の信号レベルを立ち上げ、これにより水平走査方向について、所定のラスタ走査位置で信号レベルが立ち上がるゲート信号を生成する。 【0038】 これによりゲート信号生成回路68においては、撮像画像の所定領域で信号レベルが立ち上がる種々のゲート信号WHGTを生成し得るようになされている。 【0039】 ここで比較回路78及び80の比較基準UP、DWN及びLFT、RGTは、中央処理ユニツト10で設定し得るようになされ、これによりゲート信号生成回路68においては、動作モードに応じてゲート信号WHGTのタイミングを切り換え得るようになされている。 【0040】 セレクタ82は、中央処理ユニツト10から出力される制御信号ARE0〜ARE2に基づいて動作を切り換え、自己診断モード等においては、比較回路78及び80から出力されるゲート信号WHGT又はブランキング信号BLKを選択出力するのに対し、ホワイトバランス調整モードにおいては、レベルゲートLVGTを選択出力する。 【0041】 これによりゲート信号生成回路68は、例えば比較回路78及び80の比較出力を選択して、垂直ブランキング期間中の所望の1水平走査期間で信号レベルが立ち上がるゲート信号GT1を出力し得るに対し、比較回路78の比較出力を選択して映像期間の間信号レベルが立ち上がるゲート信号GT1を出力し得るようになされている。 【0042】 なおこの実施例において、ゲート信号生成回路68は、セレクタ82の選択出力をゲート回路86に与え、ここで中央処理ユニツト10から出力されるモード切り換え信号MSL0〜MSL2に応動して、この選択出力から第1及び第2のゲート信号CLR及びLCHを生成するようになされている。これによりゲート信号化成回路68においては、動作モードに応じてこのゲート信号CLR及びLCHを選択的に使用して、調整作業を簡略化すると共に、動作モード等を確認し得るようになされている。 【0043】 (4)レベル検出回路 図4に示すようにレベル検出回路90は、ゲート信号GT1を基準にして各種信号を検出するようになされ、これによりホワイトバランス調整モードにおいては、緑色色信号に対する赤色及び青色色信号の信号レベル差を検出する。すなわちレベル検出回路90は、各色信号SR〜SBをセレクタ92に与え、その選択信号をラツチ回路94を介して出力する。 【0044】 ここでセレクタ92においては、中央処理ユニツト10から出力される制御信号に基づいて接点を切り換え、これによりこの実施例においてはセレクタ92の接点を切り換えて各色信号SR〜SBの信号レベルを検出し得るようになされている。これによりセレクタ92は、ホワイトバランス調整モードにおいて、フイールド単位で接点を切り換え、赤色色信号SR及び青色色信号SBをフイールド単位で交互に選択出力するようになされている。これに対して調整モード、自己診断モードにおいては、フイールド単位で順次接点を切り換え、これにより各色信号SR〜SBを順次循環的に出力するようになされている。 【0045】 なおセレクタ92においては、この色信号SR〜SBに加えてカウンタ回路96の出力信号を入力するようになされ、これにより色信号SR〜SBに代えて3フイールド周期で立ち上がる基準信号を選択出力し得るようになされている。 ゲート回路96は、ゲート信号GT1の信号レベルが立ち上がる期間の間、セレクタ92の選択出力をラツチ回路98に出力し、これによりホワイトバランス調整モードにおいて、ホワイトバランス調整領域の色信号SR及びSBを選択出力する。 【0046】 これに対して自己診断モード、調整モードにおいて、ゲート回路96は、同様にゲート信号GT1の信号レベルが立ち上がる期間の間、ラツチ回路94の出力信号を送出し、これにより各色信号SR〜SBについて、垂直ブランキング期間中の1水平走査期間、映像期間等の信号を選択的に出力するようになされている。 【0047】 ゲート回路100は、ラツチ回路102を介して緑色色信号SGを受け、ゲート信号GT1の信号レベルが立ち上がる期間の間、この緑色色信号SGをラツチ回路104に選択出力する。 【0048】 減算回路106は、それぞれセレクタ108及び110を介してラツチ回路98及び104の出力信号を受け、その減算出力を加算回路112に出力する。これによりホワイトバランス調整モードにおいて、レベル検出回路90は、赤色色信号から緑色色信号を減算してなる第1の減算信号と、青色色信号から緑色色信号を減算してなる第2の減算信号とをフイールド周期で交互に出力するようになされている。 【0049】 これに対して調整モード及び自己選択モードにおいて、セレクタ110は、出力信号の信号レベルを0レベルに立ち下げ、これにより減算回路106の減算処理を停止制御し、例えばブラツクレベル調整用のデータを検出し得るようになされている。なおレベル検出回路90においては、ラツチ回路98の出力信号に加えて所定の減算出力をセレクタ108に入力するようになされ、これによりセレクタ108の桜点を切り換えて、この減算出力の信号レベルを検出し得るようになされている。 【0050】 加算回路112は、アンド回路114を介してラツチ回路116に出力信号を出力し、このラツチ回路116の出力信号を加算入力として帰還する。ここでアンド回路114においては、ホワイトバランス調整モードにおいて、垂直同期信号に同期してクリア信号CLRが入力されるようになされ、これにより加算回路112においては、フイールド周期でセレクタ108の出力信号を累積加算する。これによりレベル検出回路90においては、ラツチ回路116を介して、ホワイトバランス調整領域における緑色色信号に対する赤色及び青色色信号の信号レベル差がフイールド周期で累積加算されるようになされている。 【0051】 これに対して自己診断モード及び調整モードにおいては、減算回路106の減算処理が停止制御されることにより、ゲート信号GT1が立ち上がる期間の各色信号SR〜SBについて、それぞれフイールド単位で信号レベル累積加算結果が得られるようになされている。 【0052】 セレクタ118及び120は、それぞれフイールド周期で接点を切り換え、これにより続くラツチ回路122及び124に、それぞれフイールド周期でラツチ回路116の累積加算結果をラツチする。これによりレベル検出回路90においては、ホワイトバランス調整モードにおいて、ホワイトバランス調整領域における緑色色信号に対する赤色及び青色色信号の信号レベル差累積加算結果を、それぞれラツチ回路122及び124にラツチし、この累積加算結果を中央処理ユニツト10に出力する。これにより撮像装置1においては、この累積加算結果が0レベルになるように、ホワイトバランス調整する。 【0053】 これに対して調整モードにおいて、レベル検出回路90は、ゲート信号GT1が立ち上がる期間の間の各色信号について、その信号レベルの累積加算結果が順次循環的にラツチ回路122及び124に蓄積され、この実施例において撮像装置1においては、この累積加算結果に基づいて各回路ブロツクを調整する。 【0054】 なお自己診断モードにおいて、アンド回路114に入力されるクリア信号CLRは、垂直ブランキング期間に介挿されたテスト信号TSの立ち上がりと、映像期間の立ち上がりとで立ち上がるようになされ、これに対応してラツチ回路122及び124は、それぞれ各クリア信号CLRの立ち上がりのタイミングを基準した信号レベルの累積加算結果が蓄積されるようになされている。これにより撮像装置1においては、ラツチ回路122に格納された累積加算結果に基づいて、垂直ブランキング期間に介挿したテスト信号をモニタし、ラツチ回路124に格納された累積加算結果に基づいて、映像期間の信号レベルを検出し、これにより例えば絞り6を制御しながら回路ブロツクの異常を検出し得るようになされている。 【0055】 さらにこの実施例において、レベル検出回路90は、フリツプフロツプ回路(FF)126にラツチ回路98の出力信号を与え、これによりフリツプフロツプ回路126を介して、例えばホワイトバランス調整モードにおいて、ホワイトバランス調整領域の範囲で、固体撮像素子2の画素単位で信号レベルが立ち上がる検出出力を生成する。 【0056】 カウンタ130は、セレクタ128を介してフリツプフロツプ回路126の信号を受け、フイールド周期でこの出力信号をカウントすることにより、ゲート信号GT1が立ち上がる期間の間の画素数を検出する。これにより撮像装置1においては、ラツチ回路122及び124の累積加算結果をカウンタ130のカウント値で割り算して、1画素単位の信号レベルを簡易に検出し得るようになされている。 【0057】 なおこの実施例において、セレクタ128は所定の制御信号CSLに基づいて接点を切り換え、これによりレベル検出回路90は、ホワイトバランス調整モード以外の動作モードにおいて、必要に応じて種々のカウント結果を出力し得るようになされている。 【0058】 このセレクタ128の動作の切り換えに伴い、セレクタ128においては、比較回路132を介してラツチ回路98の出力信号を入力するようになされ、この比較回路132においては、中央処理ユニツト10で設定される比較基準PRKを基準にしてラツチ回路98の出力信号について比較結果を出力するようになされている。これによりレベル検出回路90においては、必要に応じて種々の基準レベルを設定し、この基準レベルを越える各色信号の画素数等を検出し得るようになされている。 【0059】 (5)中央処理ユニツト ここで中央処理ユニツト10は、撮像装置1の組み立て及びメンテナンス時、所定の治具を介して入力されるシリアルデータに基づいて動作を切り換え、これにより調整モードに切り換わる。 【0060】 この状態で中央処理ユニツト10は、続いて入力される制御データに基づいて各調整項目に応じた処理プログラムを実行し、これにより各調整項目を自動的に調整する。 【0061】 ここで図5に示すようにブラツクセツト調整において、中央処理ユニツト10は、ステツプSP1からステツプSP2に移り、絞り6をクローズした後、ステツプSP3に移る。 【0062】 ここで中央処理ユニツト10は、ゲート信号生成回路68に制御信号を出力し、これにより比較基準LFT、RGT、UP、DWNを設定すると共に、セレクタ82の接点を切り換える。これにより中央処理ユニツト10は、撮像画像の有効領域で信号レベルが立ち上がるゲート信号GT1を生成し、続いてステツプSP4に移る。 【0063】 ここで中央処理ユニツト10は、ラツチ回路122及び124にラツチされた累積加算結果を取り込んだ後、この累積加算結果をそれぞれカウンタ130のカウント値で割り算する。すなわち撮像装置1においては、絞り6が完全にクローズされていることにより、ラツチ回路122又は124の累積加算結果をカウンタ130のカウント値で割り算して、1画素単位で黒レベルを検出することができる。 【0064】 この検出結果が得られと、中央処理ユニツト10は、続くステツプSP5に移り、ここでエンコーダ26に出力する色信号の黒レベルが値20Hになるように、補正データDPを生成し、この補正データDPをシエーデイング補正回路50に出力する。ここで図6に示すように各色信号SR〜SBは、VAブロツク回路16において、加算回路132で黒レベルのシエーデイング補正信号SH1が加算された後、ゲインアンプ134で増幅され、続く乗算回路136で白レベルのシエーデング補正信号SH2が乗算される。 【0065】 さらに色信号SR〜SBは、続くアナログデイジタル変換回路18でデイジタル信号に変換された後、加算回路42R〜42Bでフレア補正信号DFが加算されてフレアが補正され、続くビデオプロセス回路24の加算回路140でペデスタルレベルが設定される。ここで中央処理ユニツト10においては、黒レベル検出結果に基づいて、シエーデング補正信号SH1の直流レベルを補正し、このシエーデング補正信号SH1を加算回路132で色信号に加算することにより、黒レベルのシエーデングを補正すると共に黒レベルを設定するようになされ、これにより簡易な構成で黒レベルを自動的に調整する。 【0066】 続いて中央処理ユニツト10は、このシエーデング補正信号SH1を補正した直流レベルをメモリ回路に格納した後、ステツプSP6に移り、ここで再びラツチ回路122及び124の累積加算結果を取り込んだ後、この累積加算結果をそれぞれカウンタ130のカウント値で割り算し、これにより1画素単位の黒レベルを検出する。 【0067】 すなわちこのようにアナログ信号形式の色信号について直流レベルを補正する場合、ノイズの影響等により、高い精度で設定することが困難な特徴がある。さらにデイジタルアナログ変換回路22を介してシエーデング補正信号SH1を出力することにより、このデイジタルアナログ変換回路22の分解能以上には、精度を向上し得ない欠点もある。 【0068】 これに対してこの実施例においては、シエーデング補正の後、ゲインアンプ134で色信号SR〜SBを増幅することにより、このゲインアンプ134の利得を大きくすると、その分黒レベルの微小なオフセツトが増幅されて出力され、後段のビデオプロセス回路24等に大きな影響を与える。さらにこのようにアナログ信号形式の色信号について直流レベルを補正する場合、一定値に収束させるまでに時間を要する欠点もある。 【0069】 このため中央処理ユニツト10においては、黒レベルの再検出結果に基づいてビデオプロセス回路24に補正データDPを出力し、これによりVAブロツク回路16で黒レベルを粗調整した後、デイジタル信号処理系で黒レベルを微調整する。このとき中央処理ユニツト10は、続くステツプSP7において、黒レベルの再検出結果に基づいてペデスタルレベル設定用の補正データDPの値を補正し、これにより加算回路140で補正データを加算して、ペデスタルレベルを所定値に設定すると共に、併せて黒レベルを所定レベルに設定する。 【0070】 これにより中央処理ユニツト10は、黒レベル検出結果に基づいて、黒レベルを自動的に調整するようになされ、このときアナログ系で粗調整した後、デイジタル系で微調整することにより、簡易かつ確実に黒レベルを調整することができ、又調整精度も向上することができる。さらにこのときガンマ補正前のペデスタルレベルの設定段階で黒レベルを微調整することにより、その分一段と調整精度を向上することができる。 【0071】 このとき中央処理ユニツト10は、偶数フイールド及び奇数フイールド毎に黒レベル検出結果を得、この黒レベル検出結果に基づいて偶数フイールド及び奇数フイールド間で補正データDPを切り換える。すなわち固体撮像素子の出力信号においては、フイールド間で黒レベルが変化する場合があり、この場合フイールド毎に黒レベルの調整を切り換える必要がある。 【0072】 ところがこの変化は、フイールド単位で繰り返されることにより、アナログ信号処理系では、完全に補正し得ない特徴がある。このため中央処理ユニツト10は、偶数フイールド及び奇数フイールド間で、黒レベル微調整用の補正データDPを切り換えることにより、フイールド間の黒レベルの変動を補正する。 【0073】 かくして中央処理ユニツト10は、補正データDPの内容及びシエーデイング補正信号の補正値をメモリ回路に格納した後、ステツプSP8に移る。ここで中央処理ユニツト10は、全ての色信号について、黒レベルを設定したか否か判断し、この場合否定結果が得られることにより、ステツプSP9に移り、チヤンネルを切り換えてステツプSP4に戻る。 【0074】 これにより中央処理ユニツト10は、ステツプSP4-SP5-SP6-SP7-SP8-SP9-SP4の処理ループを繰り返し、全ての色信号について黒レベルを補正すると、ステツプSP8において肯定結果が得られることにより、続いてステツプSP10に移る。 【0075】 ここで中央処理ユニツト10は、全ての利得について黒レベルを設定したか否か判断し、この場合否定結果が得られることにより、ステツプSP11に移り、ゲインアンプ134の利得を切り換える。すなわちこの実施例において、撮像装置1は、所定の操作子を操作することにより、通常動作状態に比して色信号の増幅率を6〔dB〕単位で2段階に切り換え得るようになされ、これにより画面全体の明るさを明るくし得るようになされている。従つて加算回路132等にオフセツト電圧がある場合、この利得の切り換えにに伴い、黒レベルも変動する。 【0076】 このためこの実施例において中央処理ユニツト10は、各利得毎に黒レベルを調整し、その内容をメモリ回路に蓄積した後、ステツプSP12に移り、この処理手順を終了し、これにより各色信号の黒レベルを補正してブラツクセツト調整する。これにより中央処理ユニツト10は、メモリ回路に格納した直流レベルに基づいて、動作状態で各利得毎にシエーデイング補正信号SH1の直流レベル及びペデスタルレベル補正用の補正データDPを補正する。これにより中央処理ユニツト10は黒レベルを補正してブラツクセツト調整するようになされ、併せて色信号のシエーデイングを補正処理及びペデスタルレベルの設定処理を実行するようになされている。 【0077】 すなわち図7に示すように、中央処理ユニツト10は、動作状態において、シエーデイング補正信号SH1の直流レベルを値BSETの分だけシフトさせ、このシフト量を黒レベル検出結果に基づいて補正し、これにより各色信号の黒レベルを粗調整する。さらに中央処理ユニツト10は、メモリ回路の内容に応じて補正データDPの値を切り換え、これにより各色信号の黒レベルを微調整し、全体としてブラツクセツト調整する。これにより撮像装置1においては、自動的にブラツクセツト調整し得、その分組み立て作業及びメンテナンス作業を簡略化することができる。 【0078】 さらにこの実施例において、中央処理ユニツト10は、水平ブランキング期間の所定のタイミングでシエーデイング補正信号SH1にテスト信号TSを介挿し、これによりVAブロツク回路16からデイジタル信号処理回路20に至までの回路ブロツクについて、動作状態をモニタする。すなわち中央処理ユニツト10は、動作状態において、所定レベルに保持されたテスト信号TSを出力するようにテスト信号発生回路30を設定し、水平ブランキング期間の所定のタイミングで、セレクタ34R〜34Bの接点をテスト信号TS側に切り換える。 【0079】 これにより中央処理ユニツト10は、水平ブランキング期間の所定のタイミングで、シエーデイング補正信号SH1の信号レベルをブランキングレベルBLKから所定の信号レベルに立ち上げ、このシエーデイング補正信号SH1を加算回路130に出力する。 【0080】 従つてVAブロツク回路16から出力される各色信号においては、映像期間の間、シエーデイング補正信号SH1に基づいてシエーデイング補正されるのに対し、テスト信号TSが介挿された期間においては、このテスト信号TSに応じた信号レベルに立ち上がる。 【0081】 この状態で中央処理ユニツト10は、データ検出回路54に制御信号を出力し、テスト信号TSの立ち上がり及び映像期間の立ち上がりに同期してクリア信号CLRの信号レベルを立ち上げ、これによりテスト信号及び映像期間の色信号についてそれぞれ信号レベルの累積加算結果を検出する。さらに中央処理ユニツト10は、この累積加算結果をそれぞれラツチ回路122及び124に格納し、このうちラツチ回路122に格納したテスト信号についての累積加算結果を取り込で信号レベルが規定値か否か判断する。 【0082】 ここでゲインアンプ134等が故障した場合、データ検出回路54に入力されるテスト信号TSにおいては、その故障の内容に応じて信号レベルが変化し、これによりテスト信号の信号レベル検出結果に基づいてVAブロツク回路16からアナログデイジタル変換回路18までの回路ブロツクについて、故障の有無を検出することができる。 【0083】 これにより中央処理ユニツト10は、信号レベルが規定値と異なる場合、ビユーフアインダ内のモニタ画面にエラーメツセージを表示し、カメラマンに警告を発生する。これにより撮像装置1においては、故障の初期段階で迅速に手当てすることができ、その分使い勝手を向上することができる。 【0084】 このときシエーデイング補正信号SH1の水平ブランキング期間に介挿してテスト信号TSをVAブロツク回路16に出力することにより、単独でテスト信号TSを帰還する場合に比して全体構成を簡略化することができる。 【0085】 (6)実施例の効果 以上の構成によれば、黒レベル検出結果に基づいて黒レベルを所定値に設定することにより、簡易な構成でブラツクセツトを自動的に調整し得、その分組み立て作業、メンテナンス作業を簡略化することができる。このときシエーデイング補正信号の信号レベルを補正して黒レベルを粗調整すると共に、ペデスタルレベルの補正データDPを補正して微調整することにより、簡易かつ高い精度で黒レベルを調整し得、これにより簡易な作業でブラツクセツト調整の精度を向上することができる。 【0086】 (7)他の実施例 なお上述の実施例においては、ペデスタルレベルを設定する補正データDPを補正して黒レベルを微調整する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、フレア補正データDFを補正して、黒レベルを微調整してもよい。すなわちフレア補正データにおいては、入射光量に応じて補正データDFの値が変化することにより、黒レベル検出結果に基づいて、この補正データDFの値をオフセツトし、これにより黒レベルを所定レベルに設定する。このようにしても、高い精度でブラツクセツト調整することができる。 【0087】 さらに上述の実施例においては、ペデスタルレベル設定用の加算回路を流用して黒レベルを微調整する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、別途専用の加算回路を設け、この加算回路の加算値を切り換えることにより、黒レベルを微調整してもよい。 【0088】 さらに上述の実施例においては、シエーデイング補正用の加算回路を流用して黒レベルを粗調整する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、別途専用の加算回路を設け、この加算回路の加算信号を切り換えることにより、黒レベルを粗調整してもよい。 【0089】 【0090】 さらに上述の実施例においては、撮像画面の有効領域で黒レベルを検出して自動的に調整する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、映像期間について黒レベルを検出して調整する場合、さらには有効領域内に所定領域を設定してこの領域内で黒レベルを検出する場合等、広く適用することができる。 【0091】 さらに上述の実施例においては、各色信号の黒レベルを所定の基準レベルに調整する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば緑色色信号を基準にしてこの黒レベルに赤色、青色色信号の黒レベルを設定することにより、ブラツクバランスを調整するようにしてもよい。 【0092】 さらに上述の実施例においては、水平ブランキング期間にテスト信号を介挿して回路ブロツクの動作をモニタする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、テスト信号を省略してモニタ動作を省略するようにしてもよい。 【0093】 【発明の効果】 上述のように本発明によれば、信号レベル検出回路の黒レベル検出結果に基づいて、アナログ信号処理回路で撮像手段の出力の黒レベルを自動的に粗調整した後、デイジタル信号処理回路でデイジタル信号の黒レベルを自動的に微調整することにより、アナログ信号処理回路のみで黒レベルの調整を行う場合のように、黒レベルのオフセツトが増幅されることによって黒レベル調整の精度が劣化することを回避することができ、これによりブラツクセツト調整の精度を向上することができる撮像装置を得ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例による撮像装置を示すブロツク図である。 【図2】 そのデイジタル信号処理回路を示すブロツク図である。 【図3】 ゲート信号生成回路を示すブロツク図である。 【図4】 レベル検出回路を示すブロツク図である。 【図5】 黒レベルの調整の説明に供するフローチヤートである。 【図6】 その説明に供するブロツク図である。 【図7】 その動作の説明に供する信号波形図である。 【符号の説明】 1……撮像装置、2……固体撮像素子、10……中央処理ユニツト、16……VAブロツク回路、20……デイジタル信号処理回路、50、52……シエーデイング補正回路、54……データ検出回路、68……ゲート信号生成回路、90……レベル検出回路。 |
訂正の要旨 |
(イ)訂正事項a 特許請求の範囲の減縮を目的として、訂正前請求項1の「上記信号レベル検出回路の黒レベル検出結果に基づいて、」の前に、「調整モード時、」を加入する。 (ロ)訂正事項b 特許請求の範囲の減縮を目的として、訂正前請求項1の「上記デイジタル信号処理回路で」を、「上記デイジタル信号処理回路は、上記信号レベル検出回路の黒レベル再検出結果に基づいて、」と訂正する。 (ハ)訂正事項c 特許請求の範囲の減縮を目的として、訂正前請求項2の「上記デイジタル信号処理回路は、」の前に、「上記段階的に切り換えられた増幅率について、上記アナログ信号処理回路において粗調整した後、」を加入する。 (ニ)訂正事項d 明りようでない記載の釈明を目的として、本件特許明細書の段落番号〔0008〕を以下の通り訂正する。 「【0008】 【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため第1の発明においては、所望の被写体を撮像する撮像手段2と、撮像手段2の出力を、所定の操作に応じて段階的に切り換えられる増幅率で増幅するアナログ信号処理回路16と、アナログ信号処理回路16の出力をデイジタル信号に変換するアナログデイジタル変換回路18と、デイジタル信号に対してデイジタル信号処理を行うデイジタル信号処理回路20と、デイジタル信号の黒レベルを検出する信号レベル検出回路54と、デイジタル信号処理回路20の出力に対してガンマ補正を行うビデオプロセス回路24とを具え、調整モード時、信号レベル検出回路54の黒レベル検出結果に基づいて、アナログ信号処理回路16で撮像手段2の出力の黒レベルを自動的に粗調整した後、デイジタル信号処理回路20、24は、信号レベル検出回路54の黒レベル再検出結果に基づいて、デイジタル信号の黒レベルを微調整する。」 (ホ)訂正事項e 明りようでない記載の釈明を目的として、本件特許明細書の段落番号〔0009〕を以下の通り訂正する。 「【0009】さらに第2の発明において、段階的に切り換えられた増幅率について、アナログ信号処理回路16において粗調整した後、デイジタル信号処理回路20、24は、ペデスタルレベル設定用の補正データDPの信号レベルを補正し、当該補正データに基づいてデイジタル信号のペデスタルレベルを所定値に設定することにより、ビデオ信号SVの黒レベルを微調整する。」 |
異議決定日 | 2003-02-17 |
出願番号 | 特願平4-116864 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(H04N)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 松永 隆志 |
特許庁審判長 |
谷川 洋 |
特許庁審判官 |
小松 正 橋本 恵一 |
登録日 | 2001-12-28 |
登録番号 | 特許第3263789号(P3263789) |
権利者 | ソニー株式会社 |
発明の名称 | 撮像装置 |
代理人 | 田辺 恵基 |
代理人 | 田辺 恵基 |