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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C02F
管理番号 1076392
異議申立番号 異議2001-70244  
総通号数 42 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-07-08 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-01-22 
確定日 2003-02-19 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3067993号「廃水の生物学的脱リン方法およびその装置」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3067993号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3067993号の請求項1及び請求項2に係る発明についての出願は、平成7年12月27日になされ、平成12年5月19日に、その発明について特許の設定登録がなされ、その後、その特許について特許異議の申立てがなされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成13年9月28日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正の内容
a.特許請求の範囲の請求項1の
「【請求項1】生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、生物反応槽中の活性汚泥混合水または生物反応槽から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を生物反応槽内の被処理水に注入する各プロセスを含むことを特徴とする廃水の生物学的脱リン方法。」を
「【請求項1】生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を、前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から被処理水に注入する各プロセスを含むことを特徴とする廃水の生物学的脱リン方法。」
と訂正する。
b.特許請求の範囲の請求項2の
「【請求項2】生物反応槽と最終沈殿池を備えた活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽中の活性汚泥混合水または生物反応槽から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計と、前記リン濃度計から伝送される濃度値と前記生物反応槽の処理水の流量値とに基づいて処理を要するリン成分物量を算出して、それに対応する凝集剤所要量を算定するとともに、この所要量の凝集剤を生物反応槽内に設けた注入点から注入させる凝集剤注入量制御装置とを備えたことを特徴とする廃水の生物学的脱リン装置。」を
「【請求項2】生物反応槽と最終沈殿池を備えた活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計と、前記リン濃度計から伝送される濃度値と前記生物反応槽の処理水の流量値とに基づいて処理を要するリン成分物量を算出して、それに対応する凝集剤所要量を算定するとともに、この所要量の凝集剤を前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から注入させる凝集剤注入量制御装置とを備えたことを特徴とする廃水の生物学的脱リン装置。」
と訂正する。
c.明細書の段落【0005】の
「【課題を解決するための手段】
上記の問題は、請求項1の、生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、生物反応槽中の活性汚泥混合水または生物反応槽から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を生物反応槽内の被処理水に注入する各プロセスを含むことを特徴とする廃水の生物学的脱リン方法により解決することができる。」を
「【課題を解決するための手段】
上記の問題は、請求項1の、生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を、前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から被処理水に注入する各プロセスを含むことを特徴とする廃水の生物学的脱リン方法により解決することができる。」
と訂正する。
d.明細書の段落【0006】の
「また、請求項2の、生物反応槽と最終沈殿池を備えた活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽中の活性汚泥混合水または生物反応槽から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計と、前記リン濃度計から伝送される濃度値と前記生物反応槽の処理水の流量値とに基づいて処理を要するリン成分物量を算出して、それに対応する凝集剤所要量を算定するとともに、この所要量の凝集剤を生物反応槽内に設けた注入点から注入させる凝集剤注入量制御装置とを備えたことを特徴とする廃水の生物学的脱リン装置によっても解決することができる。」を
「また、請求項2の、生物反応槽と最終沈殿池を備えた活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計と、前記リン濃度計から伝送される濃度値と前記生物反応槽の処理水の流量値とに基づいて処理を要するリン成分物量を算出して、それに対応する凝集剤所要量を算定するとともに、この所要量の凝集剤を前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から注入させる凝集剤注入量制御装置とを備えたことを特徴とする廃水の生物学的脱リン装置によっても解決することができる。」
と訂正する。
e.明細書の段落【0016】の後段の記載
「また、注入点64の設定位置は、好ましくは、好気槽22の流出口側であるが、かならずしもそこに限定されるものではなく、さらに好気槽22あるいは生物反応槽2の上流側、例えば嫌気槽21内に設けることもできる。」
を削除する。
2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
a及びbの訂正は、特許請求の範囲の請求項1及び請求項2における活性汚泥混合水を採水する位置、凝集剤を注入する位置を、それぞれ明細書の段落【0009】及び【0016】の記載に基づいて、「後記注入点の上流側に設定された採水点」、「前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当し、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
c及びdの訂正は、前記a及びbの特許請求の範囲の訂正に伴い、発明の詳細な説明の対応する記載を整合するように訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当し、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
eの訂正は、前記a及びbにおいて「注入点」の位置を限定したことに伴い、明細書の段落【0016】の整合しなくなる記載を削除するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当し、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
2-3.訂正の適否についての結論
したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議申立てについての判断
3-1.本件発明
上記2で示したとおり、上記訂正が認められるから本件請求項1及び請求項2に係る発明(以下、それぞれ「本件第1発明」「本件第2発明」という。)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を、前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から被処理水に注入する各プロセスを含むことを特徴とする廃水の生物学的脱リン方法。
【請求項2】生物反応槽と最終沈殿池を備えた活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計と、前記リン濃度計から伝送される濃度値と前記生物反応槽の処理水の流量値とに基づいて処理を要するリン成分物量を算出して、それに対応する凝集剤所要量を算定するとともに、この所要量の凝集剤を前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から注入させる凝集剤注入量制御装置とを備えたことを特徴とする廃水の生物学的脱リン装置。」
3-2.申立て理由及び取消理由の概要
特許異議申立人は、甲第1〜4号証を提出して、本件請求項1、2に係る発明は、甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1、2に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきであると主張している。
当審で通知した取消理由も同趣旨である。
3-3.刊行物に記載された発明
当審が通知した取消理由において引用された刊行物1(「高度処理施設設計マニュアル(案)」社団法人日本下水道協会、平成6年5月25日発行、第79〜111頁、特許異議申立人が提出した甲第1号証)には、
凝集剤添加活性汚泥法に関し、
「本法のりん除去処理は、3価金属イオンが下水中の正りん酸イオンと反応して難水溶性の物質を生成する反応に基づいている。
M3++PO43-→MPO4・・・(3・1・1)
通常は中性付近で沈殿生成が可能なアルミニウム塩や鉄(III)塩が凝集剤として使用される。」(第79頁4〜7行)
「本法は生物反応タンクに凝集剤を添加して、既存の生物処理による機能にりん除去機能を付加する高度処理プロセスであり、・・・」(第79頁13〜14行)
「本法は既存の標準活性汚泥処理施設に凝集剤の添加設備を付加し、りんを除去するプロセスである。」(第80頁下から3〜2行)
と記載され、
第80頁の図3-1-1の凝集剤添加活性汚泥法の基本フローシートにおいて、最初沈殿池において最初沈殿池汚泥を除いた流入水を生物反応タンク(エアレーションタンク)に導き、その末端部で凝集剤を流入水に注入することが図示され、また、第81頁の図3-1-2の施設容量算出フローにおいて、処理水りん濃度算出は、凝集剤の種類と添加モル比の設定の後行われることが示され、さらに、
「(2)処理水のりん濃度は、溶解性全りんに対する凝集剤の添加モル比や流入水の全りん濃度等によって決まる。」(第82頁6〜7行)
「凝集剤添加量は、流入水の溶解性全りん濃度、凝集剤添加モル比および設計水量から算出する。」(第84頁17行)
「凝集剤としてアルミニウム塩、第二鉄塩を用いる場合は、凝集剤はエアレーションタンク末端に添加する。凝集剤として第一鉄塩を用いる場合は、第一鉄がエアレーションタンク末端部までにすべて第二鉄に酸化されるような適切な位置に添加する。」(第85頁16〜18行)
「(3)負荷量比例方式:本方式は、エアレーションタンクに流入するりんの負荷総量に対しあらかじめ設定した凝集剤添加モル比で添加する方式である。」(第86頁8〜9行)
と記載されている。
また、嫌気-好気活性汚泥法に関し、
「嫌気-好気活性汚泥法は生物学的りん除去プロセスであり、活性汚泥微生物によるりん過剰摂取現象を利用して下水中からりんを除去する処理方法である。」(第94頁4〜5行)
「本法は最初沈殿池、生物反応タンク(嫌気タンク・好気タンク)、最終沈殿池から構成される。
・・・・・
7)図3-2-2の中の凝集剤添加設備は、より安定的な放流水のT-P濃度を確保する必要がある場合の補完的設備である。」(第96頁下から14行〜第97頁13行)
と記載され、
第96頁の図3-2-2には、嫌気-好気活性汚泥法の基本フローシートにおいて、生物反応タンクの好気タンクの末端部で凝集剤を流入水に注入することが図示され、第98頁の図3-2-3には、施設容量算出フローが示され、さらに、
「より安定的な処理水T-P濃度を確保する必要がある場合には、補完設備として凝集剤添加設備及びろ過設備等の併用が必要である。」(第111頁2〜3行)
と記載されている。
同じく引用された刊行物2(特開平3-89993号公報、特許異議申立人が提出した甲第2号証)には、
「1.排水中の溶解性リンの除去を、化学凝集作用、または生物的作用と化学凝集作用との併用によって行う水処理プロセスにおいて、添加する凝集剤量を、リン検出器により検出された処理水リン濃度値の変化に基づいて本水処理プロセスのリン除去量の過不足予測値を算定し、リン除去量の過不足を失くすよう制御することを特徴とする排水のリン濃度制御方法。
2.リン濃度の制御法を活性汚泥法及びその各種の変法と凝集剤との併用プロセスに対して適用する場合にあって、凝集剤の注入位置を活性汚泥処理の最終段から最終固液分離装置にいたる流路内で、かつ添加した凝集剤が十分な攪拌混合を受けることができる位置とする請求項1の排水のリン濃度制御方法。」(特許請求の範囲の請求項1、2)
が記載され、また、
「〔実施例〕
容積200m3の曝気槽(1)に凝集剤(硫酸アルミニウム)注入点(2)を有し、最終沈殿槽(3)に検出点(4)及び処理水流出口(5)を備えた、排水処理システムにおいて、検出点より採取された検水を比色式のリン検出器(6)により、リンをモニターし、この濃度信号をプログラム式演算制御器(横河電機(株)製、SCMS型)(7)により凝集剤注入ポンプ(8)の注入量を凝集剤予測量を注入するようにポンプの稼働を制御するポンプ制御信号を凝集剤注入ポンプ(8)に送り、同ポンプの凝集剤貯槽(9)から制御された量の凝集剤を凝集剤注入点(2)に送り込む排水処理システム(第1図で示す)において、流入水を480m3/dで・・・の流入水(INF)を流し、流入水及び処理後の処理水(EFF)の溶解性リン(P-D)・・・を測定した(第1表参照)。」(第3頁左上欄16行〜右上欄16行)
と記載され、
第1図には、この発明の排水処理システムの工程図が示されている。
同じく引用された刊行物3(「用水廃水ハンドブック(2)」昭和49年11月30日、産業用水調査会発行、第827〜832頁、特許異議申立人が提出した甲第3号証)には、
「リンの除去」と題し、
「リン除去の一般的な方法は、下水中に薬品を添加し難溶性のリン化合物をつくり、これを沈殿除去する方法であり、このための薬品として石灰およびアルミニウム塩、鉄塩などの金属塩が用いられる。固液分離法としては、凝集沈殿あるいはマイクロフロックによる急速ろ過が考えられているが、凝集沈殿が一般的である。また薬品添加する場所としては、1次処理段階、2次処理段階(エアレーションタンクに添加する)、3次処理段階がある。」(第827頁右欄8〜16行)
「FWQAでもオルトリン酸溶液、および2次処理水で実験をおこない、最適pH値として6を得ている。2次処理水の場合の結果を図-4に示す。長内らは各種リンの単独溶液、および混合溶液で実験をおこない、最適pHは単独、混合ともpH5〜7の範囲であったと述べている。」(第830頁左欄26行〜右欄4行)
「アルミニウムイオンによるリンの除去率はAl:Pのモル比に比例する。都市下水の場合のモル比と除去率の関係について、一例を示すと表-5のようである。」(第830頁右欄12〜14行)
と記載されている。
同じく引用された刊行物4(「JIS K0102による工場排水試験方法説明会テキスト」1973年4月4日、日本規格協会発行、第129〜136頁、特許異議申立人が提出した甲第4号証)には、
工場排水中の「りん化合物」に関し、
「工場排水中のりん化合物は有機体りん、無機体りんの2つの形態に大別することができる。
・・・・・
これらのりん化合物は、溶存状態(イオン状を含む)または懸濁状態で存在している。」(第129頁3〜8行)
「2)溶存りん化合物
ろ過した検水について全りん化合物を試験する場合と同様に前処理を行なって定量する。」(第129頁下から3〜2行)
と記載されている。
3-4.当審の判断
(1)本件第1発明について、
本件第1発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1には、「生物反応タンクに凝集剤を添加して、既存の生物処理による機能にりん除去機能を付加する高度処理プロセス」(本件第1発明における「生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法」に相当)において、凝集剤添加量を、流入水の溶解性全りん濃度、設計水量(本件第1発明における「処理水の流量」に相当)等から算出し、所要量の凝集剤を、生物反応タンク(本件第1発明における「生物反応槽」に相当)の端末部(本件第1発明における「注入点」に相当)で流入水(本件第1発明における「被処理水」に相当)に注入することが示されているから、両者は、「生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、リンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を、生物反応槽内に設けた注入点から被処理水に注入する各プロセスを含む廃水の生物学的脱リン方法。」である点で一致し、リンの濃度を測定する際に、本件第1発明においては、「生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点(生物反応槽内に設けた凝集剤の注入点)の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定」するのに対し、刊行物1に記載された発明においては、流入水の溶解性全リン濃度を測定することが示唆されているだけで、活性汚泥混合水を採水する位置、採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いて測定することが示されていない点で相違する。
上記相違点について検討する。
本件第1発明は、「短時間に発生するリン濃度の変動に対応できるとともに、凝集剤注入量を必要最少量とすることができる」(本件明細書の段落【0004】)ようにするために、上記相違点に示した「生物反応槽内に設けた凝集剤の注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定」するという構成を採用したものである。
これに対し、刊行物2には、曝気槽(生物反応槽)内の凝集剤の注入点よりも下流側にある最終沈殿槽内の検出点(採水点)より検水を採取してリンの濃度を測定し、それに基づいて凝集剤の添加量を制御することが示されているだけで、生物反応槽内の凝集剤の注入点よりも上流側にリンの濃度測定用の採水点を設定することについては示唆がなく、また、刊行物3には、リン除去のために凝集剤をエアレーションタンク(生物反応槽)に添加すること、アルミニウムイオン(凝集剤)によるリンの除去率はAl:Pのモル比に比例することが示され、刊行物4には、ろ過(固液分離)した検水について全りん化合物を試験することが示されているが、いずれの刊行物にも、「生物反応槽内に設けた凝集剤の注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定」することは示されていないから、刊行物2〜4の記載を参照しても、上記相違点に示した本件第1発明の構成を当業者が容易に想到し得たとはいえない。
したがって、本件第1発明は、刊行物1〜4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
(2)本件第2発明について
本件第2発明は、本件第1発明の方法の実施に直接使用する装置の発明であるが、「生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計」を備えたものであり、生物反応槽内に設けた凝集剤の注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定する点では本件第1発明と共通するから、本件第1発明と同様な理由により刊行物1〜4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件第1及び2発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件第1及び2発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
廃水の生物学的脱リン方法およびその装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を、前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から被処理水に注入する各プロセスを含むことを特徴とする廃水の生物学的脱リン方法。
【請求項2】 生物反応槽と最終沈澱池を備えた活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計と、前記リン濃度計から伝送される濃度値と前記生物反応槽の処理水の流量値とに基づいて処理を要するリン成分物量を算出して、それに対応する凝集剤所要量を算定するとともに、この所要量の凝集剤を前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から注入させる凝集剤注入量制御装置とを備えたことを特徴とする廃水の生物学的脱リン装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃水の生物学的脱リン方法およびその装置に関するものであって、特に、生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理において、化学凝集剤を注入するための改良された方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生活廃水あるいは産業廃水からリン分を除去する方法として、生物学的脱リン作用を用いた活性汚泥処理システムが採用されているが、このシステムでは流入する廃水中のBOD(生物学的酸素要求量)濃度が低下した場合には脱リン効率が低下するなどリン除去作用が不安定になる欠点がある。その点を改善するため、生物学的脱リン方法に化学的凝集剤を併用した凝集剤添加活性汚泥法などが実用化されている。ところが、化学的凝集剤を併用するシステムでは、適量の凝集剤を添加することが、次のような理由により困難であるという問題があった。それは、まず生物学的脱リンのメカニズムが十分に解明されていないのでそれを予測しがたいこと、また処理済水のリン成分の分析値から予測しようとしても、分析操作に1時間程度要するという障害があるため、流入処理時の廃水に適量の凝集剤を添加することができないというところにある。
【0003】
この問題を解決するため、例えば特開平3-89993号に記載の方法が提案されている。この方法では、水処理システムの最終段処理槽に設けたリン検出器により検出された処理水のリン濃度値の変化の程度に基づいて処理プロセスのリン除去量の過不足予測値を算定し、添加する凝集剤量を制御することにしている。そして、その実施例(図2)のシステムによれば、曝気槽11に凝集剤(硫酸アルミニウム)の注入点12を有し、最終沈殿槽13に検出点14および処理水流出口15を備えた廃水処理システムにおいて、検出点14から採取された検出水を比色式リン検出器16により、リンをモニタし、この濃度信号をプログラム式演算制御器17に送り、演算制御器17は凝集剤予測量を算定して、それに基づき注入ポンプ18にポンプ制御信号を発して凝集剤貯槽19から制御された量の凝集剤が注入点12に送り込まれるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の脱リン方法および同装置にあっては、最終段の凝集処理後のリン濃度値の変化率を計測し、それをフィードバックして前段において注入する凝集剤量を制御し、結果、リン濃度の変動に対応しようとするものであり、変動周期の大きな長期間でみたリン濃度の変動には対応できるが、短時間に発生する変動には対応できないという問題があった。また、周期の大きな変動に基づいて凝集剤注入量を制御するため、その注入量についてやや過大な安全率を見込む必要があったので、ランニングコストが高くなるという問題もあった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、短時間に発生するリン濃度の変動に対応できるとともに、凝集剤注入量を必要最少量とすることができる廃水の生物学的脱リン方法および同装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、請求項1の、生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を、前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から被処理水に注入する各プロセスを含むことを特徴とする廃水の生物学的脱リン方法により解決することができる。
【0006】
また、請求項2の、生物反応槽と最終沈澱池を備えた活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計と、前記リン濃度計から伝送される濃度値と前記生物反応槽の処理水の流量値とに基づいて処理を要するリン成分物量を算出して、それに対応する凝集剤所要量を算定するとともに、この所要量の凝集剤を前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から注入させる凝集剤注入量制御装置とを備えたことを特徴とする廃水の生物学的脱リン装置によっても解決することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
次に、まず本発明の廃水の生物学的脱リン装置のアウトラインを示す概念図(図1)を参照して、同装置の1実施形態を説明する。
本発明は、最初沈殿池(図示せず)から廃水が流入する、嫌気槽21と好気槽22を並設した生物反応槽2と、その処理水を最終的に処理して処理水として放流する最終沈澱池3とを備えた活性汚泥処理システムにおいて、廃水の生物学的脱リン作用に化学凝集作用を付加させた脱リン装置である。そしてこの装置の特徴部分として、リン濃度計測系、流量計測系、および凝集剤注入系に区分される装置群が配設されている。
【0008】
まず、この実施形態では、凝集作用により除去すべきリンの物量を計測するためのリン濃度計測系として、好気槽22中の採水点44から活性汚泥混合水を採取し、固液分離器42に送入するポンプ43と、その活性汚泥混合水から固形物を除去する固液分離器42と、固形物が除去された液分を試料として溶解リン濃度を測定するリン濃度計41とが設けられている。そして、ここでの計測濃度値は電気信号として後記の凝集剤注入量制御装置61に伝送されるのである。
【0009】
この場合、活性汚泥混合水の採取位置である採水点44は、好気槽22の後段部分において、凝集剤を注入する後記の注入点64より上流側に設定されているが、生物学的脱リン作用がほぼ完了する部位である好気槽22の排水口1に近いところに設定するのが好ましい。また、前記採水点44と注入点64との間隔については、注入点64に注入される凝縮剤によって採水点44付近の流れが乱されてリン濃度が変動することのない程度の間隔を設けることが必要であり、また、この採水点44と注入点64との間を活性汚泥混合水が流動するに要する時間がこの装置で使用するリン濃度計41の1回当たり測定所要時間より短くならないような距離とするのが好ましい。
【0010】
本発明においては、凝集剤により除去しようとするリン成分を活性汚泥混合水から固形分を分離した液分に基づいて計測できるよう固液分離器42が設定されている。生物学的脱リン作用により処理されたリン成分は各種形態の固形物中に固定されているので、固液分離器42によってこの固形物を分離することにより、残りの未処理の溶解リン成分、すなわち凝集剤により除去しようとするリン成分のみをリン濃度計41で測定することができるのである。
【0011】
ここで固液分離器42には、限外濾過膜装置、精密濾過膜装置のような膜濾過を利用するもの、または遠心分離器を利用することができる。また、この実施形態では、固液分離器42を生物反応槽の外部に独立して設置しているが、中空糸膜からなる濾過装置を固液分離器として、生物反応槽内の被処理水に浸漬して設置することもできる。
【0012】
本発明において、採水点44から活性汚泥混合水を採取するタイミングは、廃水の予想される濃度変動に応じた時間間隔を設ける、例えば12時間以内の適宜な間隔を設けるのがよいが、リン濃度計41が単一の計測ユニットの場合には、1回当たりの計測所要時間に相当する、例えば30分〜2時間程度の採水間隔を設けるのが好ましい。なお、通常の廃水の脱リン処理において更に短時間の採水間隔を設定する必要性は少ないが、そのような場合にはリン濃度計41の計測ユニットを複数個準備して、それぞれの計測動作に時間差を設けて並行して計測させれば、採水間隔を任意の時間に設定することができる。また、リン濃度計41には、吸光光度方式または比色分析方式による濃度計などが適宜に利用することができる。
【0013】
また、上記のリン濃度からリン成分の物量を算出するための流量計測系として、生物反応槽と最終沈殿池との連絡水路に検出点52をもつ流量計51が設けられていて、この生物反応槽中を流れる処理水の時間当たり流量を測定することができる。そして、ここでの計測流量値は電気信号として後記の凝集剤注入量制御装置61に伝送されるのである。なお、前記検出点52の取付位置は、上記の位置に限定されるものではなく、化学的脱リンの対象となる廃水の流量が適正に計測できる点であればよい。
【0014】
また、凝集剤を生物反応槽に注入するための凝集剤注入系として、凝集剤を溜めておく貯溜槽63と、この貯溜槽63から凝集剤を取り出し好気槽22の流出口側に設けた注入点64から注入するポンプ62と、このポンプ62を運転制御できる凝集剤注入量制御装置61とが設けられている。この場合、凝集剤注入量制御装置61は、前記リン濃度計41からの濃度信号と前記流量計51からの流量信号に基づいて除去処理の対象となるリン物量を算出する機能、さらにそのリン物量に対応する凝集剤の所要量を算定する機能、およびこの所要量の凝集剤を所定のタイミングで注入させるようポンプ62を運転制御する機能などを備えているものである。
【0015】
ここで、凝集剤としてはアルミニウムまたは鉄系の無機質凝集剤,例えばポリ塩化アルミニウム(PAC)などが好適である。また、除去処理の対象となる時間当たりリン物量は、測定されたリン濃度値とその目標値との差に流量を乗じた値として求めることができる。また、それに対応する凝集剤の所要量は、PO4に換算したリンと凝集剤との化学等量関係が凝集剤の種類によって定まるモル比の関係にあることから、使用する凝集剤の種類と濃度が予め既知であるので、前記のリン物量が分かればそれに対応する凝集剤の所要量を知ることができる。なお、このようなリン物量の算出、および凝集剤の所要量の算定あるいは注入タイミングの設定などは凝集剤注入量制御装置61において自動的に行われるようにプログラムされているのである。
【0016】
上記のように算定された凝集剤は、好気槽22の流出口側に設けられた注入点64から所定のタイミングをもって注入されるのであるが、前記採水点44において採水されリン濃度の測定に供された被処理水が前記注入点64に流動してきた時点に上記の凝集剤が注入されるようタイミングを選択するのが好ましい。このようなタイミングは、前記流量計51により好気槽22中の処理水の流速が分かるので予測することができる。
【0017】
(実施形態2)
次に、上述の脱リン装置および図1の概念図を参考にして、本発明の請求項1の廃水の生物学的脱リン方法の1実施形態について説明する。
本発明の脱リン方法は、生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、すくなくとも、処理対象の活性汚泥混合水を固液分離する第1のステップ、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定する第2のステップ、およびリン濃度と処理水の流量とから凝集剤の所要量を算定し、それを処理対象の活性汚泥混合水に注入する第3のステップから構成されている。
【0018】
第1のステップの処理対象の活性汚泥混合水を固液分離するステップでは、図1に示すよう生物反応槽2の好気槽22に設けた採水点44から活性汚泥混合水を採取してポンプ43で固液分離器42へ送入して固形物を分離する方法でもよく、また、中空糸膜からなる濾過装置を好気槽22内の処理水に浸漬して(図示していない)直接に活性汚泥混合水を固液分離する方法でもよい。
この場合、固液分離するための装置の種類、採水位置と後記注入点との関係、あるいは採水のタイミングなどについては、前記の脱リン装置の説明がそのまま適用される。
【0019】
第2のステップの分離された液部分を用いてリンの濃度を測定するステップでは、吸光光度方式または比色分析方式によるリン濃度計41を用いて、活性汚泥混合水の液部分の溶解リン成分を測定しているので、生物学的脱リン作用により処理されて各種形態の固形物中に固定されているリン成分は除外されているから、凝集剤により除去されるべきリン成分のみをリン濃度計41で測定することができることになる。
【0020】
第3のステップのリン濃度と処理水の流量とから凝集剤の所要量を算定し、それを処理対象の活性汚泥混合水に注入するステップでは、まず第2のステップで得られたリン濃度と別途の手段により測定した処理水の流量とから、凝集剤で処理すべきリン成分の物量を算出する。次いで、リン分と凝集剤の所要量とは化学的等量関係にあることを利用して凝集剤の所要量を算定する。さらに、所定のタイミングでこの算定した量の凝集剤をポンプ62を運転して別途準備してある凝集剤貯溜槽63から注入点64を経て好気槽22の処理水に注入するなどのサブステップからなるもので、これらの演算ステップあるいは制御ステップは、前記脱リン装置における凝集剤注入量制御装置61のように自動制御装置として具体化でき、前記それぞれの説明がそのままこの場合も適用できるのである。
【0021】
(作用)
本発明の脱リン方法および同装置のいずれにおいても、流入廃水の性状の変化または生物学的脱リン作用の変化によって処理対象の廃水のリン濃度が短時間に変動する場合でも、化学凝集作用によって除去されるリン成分物量を適宜な時間間隔で算出でき、それに基づいて凝集剤の所要量を算定して、その凝集剤を前記の所定の処理対象の廃水に対して的確に注入することができるので、注入凝集剤量を必要最少量とすることができるという作用を有するのである。
【0022】
【発明の効果】
本発明の廃水の生物学的脱リン方法およびその装置は、以上に説明したように構成されているので、短時間に発生する廃水中のリン濃度の変動に対応することが可能となり、処理水質が低下することがなく、また、注入凝集剤量を必要最少量とすることができるので、ランニングコストを低減できるという優れた効果がある。よって本発明は従来の問題点を解消した廃水の生物学的脱リン方法およびその装置として、その工業的価値が極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す概念図。
【図2】従来例を示す概念図。
【符号の説明】
2 生物反応槽、3 最終沈澱池、41 リン濃度計、42 固液分離器、44 採水点、51 流量計、61 集剤注入量制御装置、64 注入点。
 
訂正の要旨 (a) 訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の「〔請求項1〕 生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、生物反応槽中の活性汚泥混合水または生物反応槽から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を生物反応槽内の被処理水に注入する各プロセスを含むことを特徴とする廃水の生物学的脱リン方法。」を特許請求の範囲の滅縮を目的として、「〔請求項1〕 生物学的脱リン作用に化学凝集作用を併用する廃水処理方法において、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離し、分離された液部分を用いてリンの濃度を測定し、そのリン濃度と処理水の流量とから算定した所要量の凝集剤を、前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から被処理水に注入する各プロセスを含むことを特徴とする廃水の生物学的脱リン方法。」と訂正する。
(b) 訂正事項b
特許請求の範囲の請求項2の「〔請求項2〕 生物反応槽と最終沈澱池を備えた活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽中の活性汚泥混合水または生物反応槽から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計と、前記リン濃度計から伝送される濃度値と前記生物反応槽の処理水の流量値とに基づいて処理を要するリン成分物量を算出して、それに対応する凝集剤所要量を算定するとともに、この所要量の凝集剤を生物反応槽内に設けた注入点から注入させる凝集剤注入量制御装置とを備えたことを特徴とする廃水の生物学的脱リン装置。」を特許請求の範囲の滅縮を目的として、「〔請求項2〕 生物反応槽と最終沈澱池を備えた活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽中の活性汚泥混合水を採取するために、後記注入点の上流側に設定された採水点から採水した活性汚泥混合水を固液分離する固液分離器と、分離された液部分のリンの濃度を測定するリン濃度計と、前記リン濃度計から伝送される濃度値と前記生物反応槽の処理水の流量値とに基づいて処理を要するリン成分物量を算出して、それに対応する凝集剤所要量を算定するとともに、この所要量の凝集剤を前記採水点の下流の生物反応槽内に設けた注入点から注入させる凝集剤注入量制御装置とを備えたことを特徴とする廃水の生物学的脱リン装置。」と訂正する。
(c) 訂正事項c
明細書の発明の詳細な説明、段落〔0005〕の記載を、上記請求項1の記載を訂正する訂正事項aに準じて、不明瞭な記載の釈明を目的として訂正明細書の通り訂正する。
(d) 訂正事項d
明細書の発明の詳細な説明、段落〔0006〕の記載を、上記請求項2の記載を訂正する訂正事項bに準じて、不明瞭な記載の釈明を目的として訂正明細書の通り訂正する。
(e) 訂正事項e
明細書の発明の詳細な説明、段落〔0016〕後段の記載「また、注入点64の設定位置は、好ましくは、好気槽22の流出口側であるが、かならずしもそこに限定されるものではなく、さらに好気槽22あるいは生物反応槽2の上流側、例えば嫌気槽21内に設けることもできる。」を、不明瞭な記載の釈明を目的として削除する。
異議決定日 2003-01-31 
出願番号 特願平7-340421
審決分類 P 1 651・ 121- YA (C02F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉水 純子  
特許庁審判長 松本 悟
特許庁審判官 唐戸 光雄
酒井 美知子
登録日 2000-05-19 
登録番号 特許第3067993号(P3067993)
権利者 日本碍子株式会社
発明の名称 廃水の生物学的脱リン方法およびその装置  
代理人 名嶋 明郎  
代理人 山本 文夫  
代理人 綿貫 達雄  
代理人 名嶋 明郎  
代理人 山本 文夫  
代理人 綿貫 達雄  
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