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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F02M
管理番号 1077357
審判番号 不服2001-11490  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-07-05 
確定日 2003-05-22 
事件の表示 平成 5年特許願第231251号「内燃機関の吸気装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 3月28日出願公開、特開平 7- 83132]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯及び本願発明
本願は、平成5年9月17日の出願であって、その請求項1〜5に係る発明は、平成13年1月29日付けで提出された手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜5に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明は、次のとおりである。
「【請求項1】
コレクタ部の壁面の一部と独立吸気管部の管壁の一部とが一つの投影面の中で重なり合う部分を持つように形成され、前記コレクタ部の入り口部から前記独立吸気管部の出口までの空気通路の全長がこれらを直列に接続したときより短いスパンの中に屈曲した状態で形成されており、かつモータで駆動されるスロットル弁で前記コレクタへの吸入空気量が調整されるように構成され、さらに前記スロットル弁の入口までの間もしくは当該スロットル弁の出口と前記コレクタまでの間に屈曲通路を有し、その結果前記コレクタに至るまでの空気通路に屈曲通路を有し、前記コレクタの入口から独立吸気管出口までの空気流路に別の屈曲通路を有し、前記モータで駆動されるスロットル弁がこれら複数の屈曲した空気通路を流れる空気量を調整可能に装着されている内燃機関の吸気装置。」(以下、「本願発明」という。)

2.刊行物記載の発明
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用され、本願発明の出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開昭61-96167号公報(以下、「刊行物」という。)には、次の事項が記載されている。
a.「本発明は、吸気マニホールドと、該吸気マニホールドに接続する吸気デストリビュータと、該吸気デストリビュータから延びて個々のシリンダに至る分枝吸気管とを備える吸気管装置であって、分枝吸気管が90°以上の湾曲をなして延びており、吸気マニホールドが分枝吸気管に囲まれた空間内に配置されると共に、分枝吸気管(3a)-(3h)と一体ユニットを形成しており、該一体ユニットが少なくとも1個の端部フランジを備え、該端部フランジを始端として分枝吸気管が延びており、また吸気デストリビュータが直接または中間フランジを介して端部フランジに固定されると共に、その一方の端でスロットバルブ部分を通じて吸気マニホールドと連通していることを特徴とする多シリンダ内燃機関用吸気管装置を提供する。
作用
上記構成においては、分枝吸気管が90°以上、特に150°以上の湾曲をなして延びることにより、僅かな所要空間で既に分枝吸気管の極めて大きい長さが生じる。」(第2頁右下欄第20行〜第3頁左上欄第20行)
b.「スロットルバルブ部分(16)の中には各シリンダ列(A)(B)用のスロットルバルブ(16a)が配置されている。」(第4頁左下欄第20行〜右上欄第2行)
c.第1,2図の記載から、「吸気デストリビュータ2の壁面の一部と分枝吸気管3a〜3hの管壁の一部とが一つの投影面の中で重なり合う部分を持つように形成されている」ことが看取できる。
d.第1,2図の記載から、「吸気デストリビュータの入り口部から分枝吸気管3a〜3hの出口までの空気通路の全長がこれらを直列に接続したときより短いスパンの中に屈曲した状態で組み付けられる」ことが看取できる。
e.第1,2図の記載から、「スロットルバルブ16aの入口までの間、スロットルバルブ16aの出口と吸気デストリビュータ2までの間、及び吸気デストリビュータ2の入口から分枝吸気管3a〜3h出口までの空気流路に、それぞれ屈曲通路を有している」ことが看取できる。
なお、上記c〜eについては、請求人自身が、平成13年10月11日付けの、審判請求書の請求の理由を補正対象とする手続補正書の第4頁第20〜28行で「引用例1(特開昭61-96167号)・・・には、本願第1発明の構成の一部が記載されております。
つまり、「コレクタ部の壁面の一部と独立吸気管部の管壁の一部とが一つの投影面の中で重なり合う部分を持つようにまた、コレクタ部の入り口部から独立吸気管部の出口までの空気通路の全長がこれらを直列に接続したときより短いスパンの中に屈曲した状態で組み付けられる」という構成、及び「コレクタの入口までに屈曲通路を有し、コレクタの入口から独立吸気管の出口までの間に別の屈曲通路を有する」という構成が記載されております。」と認めているところである。
これらの記載事項a〜e及び第1、2図の記載によれば、刊行物には次の発明が記載されているものと認められる。
「吸気デストリビュータ2の壁面の一部と分枝吸気管3a〜3hの管壁の一部とが一つの投影面の中で重なり合う部分を持つように形成され、前記吸気デストリビュータ2の入り口部から前記分枝吸気管3a〜3hの出口までの空気通路の全長がこれらを直列に接続したときより短いスパンの中に屈曲した状態で形成されており、かつスロットルバルブ16aを有していて、さらに前記スロットルバルブ16aの入口までの間及び当該スロットルバルブ16aの出口と前記吸気デストリビュータ2までの間に屈曲通路を有し、その結果前記吸気デストリビュータ2に至るまでの空気通路に屈曲通路を有し、前記吸気デストリビュータ2の入口から分枝吸気管3a〜3h出口までの空気流路に別の屈曲通路を有している内燃機関用吸気管装置」(以下、「刊行物記載の発明」という。)

3.対比・判断
本願発明と、刊行物記載の発明とを対比すると、後者(刊行物記載の発明)の「吸気デストリビュータ2」は、その機能・作用からみて前者(本願発明)の「コレクタ部」又は「コレクタ」に相当し、以下同様にして、後者の「分枝吸気管3a〜3h」は前者の「独立吸気管部」又は「独立吸気管」に、後者の「スロットルバルブ16a」は前者の「スロットル弁」に、後者の「内燃機関用吸気管装置」は前者の「内燃機関の吸気装置」に、それぞれ相当する。
してみると、両者の一致点、相違点は、次のとおりとなる。
〈一致点〉「コレクタ部の壁面の一部と独立吸気管部の管壁の一部とが一つの投影面の中で重なり合う部分を持つように形成され、前記コレクタ部の入り口部から前記独立吸気管部の出口までの空気通路の全長がこれらを直列に接続したときより短いスパンの中に屈曲した状態で形成されており、かつスロットル弁を有していて、さらに前記スロットル弁の入口までの間及び当該スロットル弁の出口と前記コレクタまでの間の少なくとも一方に屈曲通路を有し、その結果前記コレクタに至るまでの空気通路に屈曲通路を有し、前記コレクタの入口から独立吸気管出口までの空気流路に別の屈曲通路を有している内燃機関の吸気装置。」
〈相違点1〉
スロットル弁が、本願発明では、モータで駆動され、コレクタへの吸入空気量が調整されるように構成されているのに対し、刊行物記載の発明では、その点が明らかでない点。
〈相違点2〉
スロットル弁が、本願発明では、複数の屈曲した空気通路を流れる空気量を調節可能に装着されているのに対し、刊行物記載の発明では、その点が明らかでない点。
〈相違点3〉
本願発明は、スロットル弁の入口までの間もしくはスロットル弁の出口とコレクタまでの間に屈曲通路を有するのに対し、刊行物記載の発明では、スロットル弁の入口までの間及びスロットル弁の出口とコレクタまでの間に屈曲通路を有する点。
上記相違点について検討する。
・〈相違点1〉、〈相違点2〉について
内燃機関の吸気装置において、スロットル弁が吸入空気量を調整するためのものであることは技術常識である。そして、スロットル弁の駆動をモータにより行うことは、周知技術である(例えば、原査定の拒絶の理由において周知例として示された、特開平3-81532号公報、特開平4-36060号公報を参照。)。
してみると、上記〈相違点1〉に係る本願発明の構成は、刊行物記載の発明におけるスロットル弁の駆動に、単に、上記周知技術を適用したにすぎないものである。そして、その結果、〈相違点2〉のように、刊行物記載の発明のスロットル弁が、複数の屈曲した空気通路を流れる空気量を調節可能になることは、当業者にとって明らかである。
してみると、上記〈相違点1〉、〈相違点2〉に係る本願発明の構成は、刊行物記載の発明におけるスロットル弁の駆動に、上記周知技術を適用することにより、当業者が容易になし得たものである。
・〈相違点3〉について
屈曲通路を、スロットル弁の入口までの間もしくはスロットル弁の出口とコレクタまでの間の一方のみに有するとした点は、格別な技術的意義は認められないので、この点は、スロットル弁上流側の部品(例えば、エアクリーナ等)や下流側のコレクタとの位置や向きの関係に応じて、当業者が適宜になし得る事項である。
してみると、上記〈相違点3〉に係る本願発明の構成は、刊行物記載の発明から、当業者が容易になし得たものである。
また、本願発明が奏する作用効果も、刊行物記載の発明及び上記周知技術から、当業者が予測し得る程度のものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物記載の発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-03-20 
結審通知日 2003-03-25 
審決日 2003-04-08 
出願番号 特願平5-231251
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F02M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中野 宏和  
特許庁審判長 舟木 進
特許庁審判官 清田 栄章
鈴木 充
発明の名称 内燃機関の吸気装置  
代理人 作田 康夫  
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