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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C09K
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  C09K
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C09K
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  C09K
管理番号 1077880
異議申立番号 異議1999-70702  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1991-05-07 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-03-01 
確定日 2003-03-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2790673号「アルミン酸塩蛍光体」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2790673号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第2790673号の請求項1に係る発明は、平成1年9月20日に特許出願され、平成10年6月12日にその特許権の設定登録がなされ、その後、特許異議申立人株式会社 東芝より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年9月13日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
ア.訂正明細書の請求項1に係る発明
訂正明細書の請求項1に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「(1)一般式
(Ba1-x-yEuxMIIy)O・a(Mg1-p-qMnpZnq)O・bAl2O3で表され、MIIはSr及びCaのうち少なくとも一種の元素を表し、式中a,b,x,y,p,qは
a+3≦b≦4a+(3/2)
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)
0.01≦x≦0.25
0≦y≦0.1
0.01≦x+y≦0.35
0.005≦(ap/x)≦0.2
0≦q≦0.05
0<p+q≦0.3
の範囲にあることを特徴とするユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体。」(以下、「訂正発明」という。)

イ.訂正の内容
訂正請求は、本件特許明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであって、その訂正の内容は次の(a)〜(i)のとおりである。
(a)特許請求の範囲の請求項1に、
「式中a,b,x,y,p,qは
a+3≦b≦4a+(3/2),
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3),
0<x≦0.4,
0≦y≦0.4,
0<x+y≦0.4
0.001<(ap/x)≦0.2
0≦q≦0.3
0<p+q≦0.3
の範囲にある」とあるのを、
「式中a,b,x,y,p,qは
a+3≦b≦4a+(3/2)
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)
0.01≦x≦0.25
0≦y≦0.1
0.01≦x+y≦0.35
0.005≦(ap/x)≦0.2
0≦q≦0.05
0<p+q≦0.3
の範囲にある」と訂正する。
(b)明細書第3頁第20行〜第4頁第7行(特許公報第3欄第23〜29行)に、「本発明は、2価のユーロピウム及び2価のマンガン付活のアルミン酸塩蛍光体において、上記の欠点を解消し、515nm付近の緑色発光を殆ど示さず、450nm付近にピークを持つ高効率の青色蛍光体で、ランプ点灯中の発光色の変化の小さな蛍光体を提供しようとするものであり、3波長域発光形蛍光ランプの青色蛍光体に適したものである。」とあるのを、「本発明は、2価のユーロピウム及び2価のマンガン付活のアルミン酸塩蛍光体において、上記の欠点を解消し、青緑色の発光を抑制して青色に発光する高効率の青色蛍光体であって、ランプ点灯中の発光色の変化の小さな蛍光体を提供しよとするものであり、3波長域発光形蛍光ランプの青色蛍光体に適したものである。」と訂正する。
(c)明細書第4頁第8行〜第5頁第7行(特許公報第3欄第30〜49行)に、
「(課題を解決するための手段)
本発明は、一般式
(Ba1-x-yEuxMIIy)O・a(Mg1-p-qMnpZnq)O・bAl2O3で表され、MIIはSr及びCaのうち少なくとも一種の元素を表し、式中a,b,x,y,p,qは
a+3≦b≦4a+(3/2)、
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)、
0<x≦0.4、
0≦y≦0.4、
0<x+y≦0.4
0.001<(ap/x)≦0.2
0≦q≦0.3
0<p+q≦0.3
の範囲にあることを特徴とするユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体である。なお、上記式中、0.005≦(ap/x)≦0.2、0.01≦x≦0.25、0≦y≦0.1並びに、0≦q≦0.05であることが好ましい。さらに、0.01≦(ap/x)≦0.1であることがより好ましい。」とあるのを、
「(課題を解決するための手段)
本発明は、一般式
(Ba1-x-yEuxMIIy)O・a(Mg1-p-qMnpZnq)O・bAl2O3で表され、MIIはSr及びCaのうち少なくとも一種の元素を表し、式中a,b,x,y,p,qは
a+3≦b≦4a+(3/2)
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)
0.01≦x≦0.25
0≦y≦0.1
0.01≦x+y≦0.35
0.005≦(ap/x)≦0.2
0≦q≦0.05
0<p+q≦0.3
の範囲にあることを特徴とするユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体である。なお、上記式中、0.01≦(ap/x)≦0.1であることがより好ましい。」と訂正する。
(d)明細書第6頁第18行〜第7頁第9行(特許公報第4欄第26〜35行)に、
「(作用)
従来のユーロピウムとマンガンを付活剤として配合するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体は、ユーロピウムによる450nm付近のピークよりもマンガンによる515nm付近のピークの方が主に発光し、全体として青緑色に発光するが、本発明者等は、MnOの配合量をMn/Eu比として一定値以下に抑えることにより、515nm付近における発光を実質的に抑制することができ、450nm付近にのみピークを有する青色の発光を示すもので、かつ、発光色の変化の極めて少ない蛍光体を見いだしたのである。」とあるのを、
「(作用)
従来のユーロピウムとマンガンを付活剤として配合するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体は、ユーロピウムによる450nm付近のピークよりもマンガンによる515nm付近のピークの方が主に発光し、全体として青緑色に発光するが、本発明者等は、MnOの配合量をMn/Eu比として一定値以下に抑え、かつEuの配合量も一定値以下に抑えることにより、青緑色の発光を抑制して青色に発光する蛍光体で、かつ、発光色の変化の極めて少ない蛍光体を見出したのである。」と訂正する。
(e)明細書第8頁第12〜17行(特許公報第5欄第5〜9行)に、「本発明は、このようにユーロピウム及びマンガンで付活したアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体ではあるが、515nm付近で実質的なピークを示さず、450nm付近でのみピークを示す青色蛍光体であって、発光色の変化が極めて小さな蛍光体を提供しようとするものである。」とあるのを、「本発明は、このようにユーロピウム及びマンガンで付活したアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体ではあるが、青緑色の発光を抑制して青色に発光する青色蛍光体であって、発光色の変化が極めて小さな蛍光体を提供しようとするものである。」と訂正する。
(f)明細書第9頁第18行〜第10頁第1行(特許公報第5欄第28〜31行)に、「下限値については、0.001を下廻ると、Mnによる発光色の変化量を小さく抑える効果が現れず、好ましくは0.005以上、さらに好ましくは0.01以上とするとよい。」とあるのを、「下限値については、0.005を下廻ると、Mnによる発光色の変化量を小さく抑える効果が現れず、好ましくは0.01以上とするとよい。」と訂正する。
(g)明細書第16頁(特許公報第5頁)の表中、比較例3の「使用前発光色y」の値として「0.032」とあるのを、「0.326」と訂正する。
(h)明細書第17頁第1〜9行(特許公報第9欄第38〜45行)に、
「(発明の効果)
本発明は、上記の構成を採用することにより、254nmの紫外線励起で高い発光を示し、発光スペクトルについては、515nm付近の発光を実質的に抑え、450nm付近でのみ発光するもので、特に、発光色の変化が極めて小さな青色蛍光体を得ることができ、色ずれのない3波長域発光形蛍光ランプを提供するのに大きく寄与するものである。」とあるのを、
「(発明の効果)
本発明は、上記の構成を採用することにより、254nmの紫外線励起で高い発光を示し、青緑色の発光を抑制して青色に発光する青色蛍光体で、特に、発光色の変化が極めて小さな青色蛍光体を得ることができ、色ずれのない3波長域発光形蛍光ランプを提供するのに大きく寄与するものである。」と訂正する。
(i)明細書第17頁第14行(特許公報第10欄第41行)に「実施例12」とあるのを、「実施例3」と訂正する。

ウ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項(a)は、一般式で表されるアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体の元素比率を示す各係数の数値範囲をより狭い範囲に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当するものである。
また、訂正事項(b)は、本発明のアルミン酸塩蛍光体が、従来のユーロピウム及びマンガン付活のアルミン酸塩蛍光体の「緑色が主の発光で、青緑色に発色する」という欠点を解消し、青色蛍光体として使用できることを目的とするものであるが、甲第1号証として提出された刊行物の記載からすると、必ずしも「515nm付近の緑色発光を殆ど示さない」といえない場合もあることから、青色発光性分として用いることのできる青色蛍光体の発光色の説明として、不明りょうとなる波長による記載に代えて、「青緑色の発光を抑制して青色に発光する」と記載するものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当するものである。さらに、訂正事項(d)、(e)、(h)も、実施例3において製造されたアルミン酸塩蛍光体は、「515nm付近で実質的なピークを示さず、450nm付近でのみピークを示す」といえるものではあるが、甲第1号証の記載からすると、必ずしも同様に「515nm付近で実質的なピークを示さず、450nm付近でのみピークを示す」といえない場合もあることから、青色蛍光体の発光色について不明りょうとなる波長による記載に代えて、「青緑色の発光を抑制して青色に発光する」と記載するものであり、明りょうでない記載の釈明に該当するものである。
訂正事項(c)、(f)は、訂正された特許請求の範囲に発明の詳細な説明の記載を整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当するものである。
訂正事項(g)は、もとの「y」の値を採用すると、比較例3の蛍光体の発光色が明細書記載の「青緑色」ではないことになることから、もとの数値が誤記と認められるので、誤記の訂正を目的とするものである。また、訂正事項(i)は、明細書の他の個所の記載からみて、誤記の訂正に該当するものである。
そして、上記訂正事項(a)において限定された元素比率の数値範囲は、特許明細書第5頁第4〜6行(特許公報第3欄第46〜47行)に記載されるものであり、訂正事項(c)、(f)は、訂正事項(a)により訂正された内容と整合させるものであり、訂正事項(g)は、訂正後の数値に基づく発光色がCIE色度図を参照すれば「青緑色」であって、明細書記載の当該蛍光体の発光色と一致するものであり、また、訂正事項(i)は、単なる誤記の訂正であるから、いずれも新規事項を追加するものではなく、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
さらに、訂正事項(b)、(d)、(e)、(h)は、本件発明のアルミン酸塩蛍光体の発光に関して、波長による記載から見かけの色合いによる記載に代えたものであるが、訂正前に「515nm付近で実質的なピークを示さず、450nm付近でのみピークを示す」旨が記載されているものの、実施例3の蛍光体の発光スペクトル(第2図)をみれば、主ピークは450nm付近にあるが、515nm付近に隠れたピークも見て取ることができ、「450nm付近で『のみ』ピークを示す」とは、あくまで515nm付近のピ-クに比べて450nm付近のピークが大きいことを述べているにすぎないといえるので、「515nm付近で実質的なピークを示さず、450nm付近でのみピークを示す」旨の記載を、「青緑色の発光を抑制して青色に発光する」と代えたとしてもなんら新規事項を追加するものではない。また、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

エ.独立特許要件の判断
(1)特許法第36条第3項及び第4項について
当審で通知した取消しの理由は、訂正前の明細書の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載は次の点で不備であるというものであり、取消理由通知で引用した特許異議申立書の記載内容を参酌すれば、その内容は実質的に次のとおりである。(なお、以下の取消理由における「本件特許発明」は、訂正前の請求項1に係る発明を、「本件明細書」は、訂正前の明細書を意味する。)
(a)本件特許発明のユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体は、「MnO配合量をMn/Eu比(ap/x)として一定量以下に抑えることにより、515nm付近における発光を実質的に抑制することができ、450nm付近にのみピークを有する青色の発光を示すもので、かつ、発光色の変化の極めて少ない蛍光体を見いだした」ものであるが、本件明細書の発明の詳細な説明には、「ap/x=0.04」の実施例3の蛍光体の発光スペクトルが第2図に示され、「Mnによる515nm付近の発光ピークが実質的に抑制され、Euによる450nm付近の発光ピークのみを示す」ことが記載されているのみであり、本件特許発明の構成要件「0.001<(ap/x)≦0.2」の数値限定の根拠が不明瞭である。したがって、本件明細書において、発明の詳細な説明は本件特許発明の効果が確認できる程度に記載されているとは認められず、あるいは特許請求の範囲には特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみが記載されているとは認められない。
(b)特許異議申立人の提出した甲第1号証[照明学会誌、第82巻第8A号、第573〜579頁(平成10年)]の第3図、第4図には、ユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体のEu濃度、Mn濃度を変化させた場合の発光スペクトルが示されており、それによれば、Mn/Eu比(ap/x)が0.05〜0.20及び0.10〜0.20の蛍光体は515nm付近にも発光ピークが存在することが示されている。このことは、「515nm付近の発光ピークを実質的に抑制し、Euによる450nm付近の発光ピークのみとする」という本件特許発明の効果が得られないことを示すものである。したがって、本件特許の請求項1は、発明の詳細な説明に記載した発明の構成に欠くことができない事項を記載しているとはいえない。さらに、本件特許発明が「515nm付近の発光ピークを有するEu及びMn付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体」を含むものであるとすれば、本件明細書の発明の詳細な説明には、その発明を当業者が容易に実施することができる程度に、その発明の目的、構成及び効果が記載されているとはいえないものである。

上記の(a)、(b)について検討する。
(a)について
訂正明細書によれば、訂正発明は、従来のユーロピウム及びマンガン付活のアルミン酸塩蛍光体が、マンガン付活による緑色が主の発光で、青緑色に発色するという欠点を解消し、青緑色の発光を抑制して青色に発光する高効率の青色蛍光体であって、ランプ点灯中の発光色の変化の小さな蛍光体を提供しようとするものであり、3波長域発光型蛍光ランプの青色蛍光体として適したものである旨(訂正明細書第2頁11〜21行)が記載されている。
また、ユーロピウムとマンガンに比について、「Mn/Eu(ap/x)を、0.2以下とすることにより、515nmの発光ピークを抑えることができ、・・・また、下限値については、0.005を下廻ると、Mnによる発光色の変化量を小さく抑える効果が現れず」と記載され、実施例1〜19において、 Mn/Eu(ap/x)が0.005〜0.2の範囲にある蛍光体について、その発光色、発光色の変化量が示されている。そして、Mn/Eu(ap/x)が0の比較例1、2と比べると、実施例1〜19のものは発光色の変化量が小さいこと、2.0の青緑色の比較例と比べると実施例1〜19のものは、CIE色度図を参照すれば青色の領域にあることから、515nm付近の発光ピークが抑えられていることが認められる。
したがって、上記訂正明細書の発明の詳細な説明は、訂正発明の効果を確認することができる程度に記載されており、また、請求項1におけるMn/Eu(ap/x)の数値の特定は、特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項であるといえる。
(b)について
上記のように、訂正発明は、青色に発光する高効率の青色蛍光体であって、ランプ点灯中の発光色の変化の小さな蛍光体を提供しようとするものであるから、甲第1号証の記載において、訂正発明で特定されるMn/Eu(ap/x)の数値の範囲内で515nm付近に発光ピークがみられるとしても、実施例1〜19の記載からして訂正発明の蛍光体の発光色は青色であり、発光色の変化が小さいことが認められるので、発明の目的は達成されているというべきであり、Mn/Eu(ap/x)の数値の特定により所期の効果を奏しているといえるものである。そうしてみると、訂正明細書の請求項1には、特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項が記載され、発明の詳細な説明には、その発明を当業者が容易に実施することができる程度に、その発明の目的、構成及び効果が記載されているといえるのである。

したがって、訂正明細書の記載が不備であるとすることはできない。

(2)特許法第29条第1項第3号及び第2項について
特許異議申立人は上申書を提出して、本件明細書の訂正が認められるとした場合においても、訂正発明は、刊行物1に記載された発明であるか、刊行物1〜3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであると主張しているのでこの点について検討する。
(ア)提出された刊行物1〜3には、それぞれ次の事項が記載されている。
(a)刊行物1(特開昭64-6086号公報)
刊行物1には、三波長域発光蛍光ランプおいて青色蛍光体として機能するアルミン酸塩蛍光体からなる第1群蛍光体として、「一般式 a(M,Eu,Mn)O・bAl2O3(但しMはZn、Mg、Ca、Sr、Ba、Li、Rb、Csからなる群から選定する一種以上で、かつa>0、b>0)で表わされる2価のEuならびにMn付活アルミン酸塩蛍光体」(特許請求の範囲)が記載されている。そして、実施例において第1群蛍光体として、
「(Ba0.9Eu0.1Mg2.5Mn0.01)O・10Al2O3 」(第4頁右上欄第1行)が記載されている。
(b)刊行物2(Journal of Luminescence 17(1978)、pp.121-133)
刊行物2は、「β-アルミナ形結晶構造を有するEu付活アルミン酸塩蛍光体」に関する論文であり、「BaMgAl10O17:Eu2+およびSrMgAl10O17:Eu2+を調製するにあたって、過剰のAl2O3を用いても量子効率に悪影響を及ぼさない」(第130頁第20〜22行)こと、および、「BaMg2Al16O27で示されるEu付活アルミン酸塩蛍光体は、実はBaMgAl10O17と過剰の1モルのMgAl2O4および2モルのAl2O3とからなる」(第130頁第32〜33行)ことが記載されている。
(c)刊行物3(特開昭56-86982号公報)
刊行物3には、「主発光波長が450〜480nmの青色領域に発光を有する第1の蛍光体・・・として
Ba1-x-ySrxMgpAlqO1+p+3/2q:Euy2+(ここで、0<x≦0.1、・・・)の組成式で表わされる蛍光体を用いたことを特徴とする蛍光ランプ。」(特許請求の範囲)が記載されている。

(イ)対比・判断
刊行物1の実施例に記載されている蛍光体(以下、「引用蛍光体」という。)を訂正発明の一般式の形で書き直すと、
「(Ba0.9Eu0.1)O・2.51(Mg0.996Mn0.004)O・10Al2O3 」
となり、この組成式から、訂正発明で規定する各係数(a,b,x,y,p,q)は、それぞれ、a=2.51,b=10,x=0.1,y=0,p=0.004,q=0である。
ここで得られたa=2.51から訂正発明の関係式によりbを求めると、第1式[a+3≦b≦4a+(3/2)]から「5.51≦b≦11.54」と、第2式[(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)]から「4.86≦b≦8.73」となり、引例蛍光体におけるb=10は、第1式を満たすが、第2式は満たさない。
すなわち、引例蛍光体は、訂正発明の蛍光体に比べてAl2O3が過剰であり、その存在量が相違する。したがって、訂正発明は、刊行物1に記載された発明ではない。
また、刊行物2には、Eu付活アルミン酸塩蛍光体において「過剰のAl2O3を用いても量子効率に悪影響を及ぼさない」と記載されるが、Eu及びMn付活アルミン酸塩蛍光体についての記載ではなく、また、刊行物1には引例蛍光体のアルミナ成分が過剰であるとの記載ないし示唆もないことから、当業者といえども、刊行物1及び2の記載から、引例蛍光体のアルミナ成分を減らして、訂正発明のEu及びMn付活アルミン酸蛍光体を導き出すことは容易に想到し得るものではない。
そして、訂正発明のアルミン酸塩蛍光体は、化合物の各係数の数値を特定の範囲内のものとすることにより、「発色光の変化が極めて小さな青色蛍光体を得る」ことができるという、刊行物1及び2に記載の発明から予測できない顕著な効果を奏するものである。
なお、刊行物3には、ストロンチウムを含むEu付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体を用いる蛍光ランプに関するものであるが、Eu及びMn付活アルミン酸塩蛍光体についてなにも記載されていない。
したがって、訂正発明は、刊行物1に記載された発明であるとも、刊行物1〜3の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることできたとされるものでもない。

オ.むすび
以上のとおり、訂正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
(1)本件発明
前述のように、本件訂正は適法なものであるので、本件請求項1に係る発明は、前記2.ア.に記載された、訂正明細書の請求項1に記載されたとおりのものである。(以下、「本件発明」という。)

(2)申立ての理由の概要
特許異議申立人株式会社 東芝は、訂正前の請求項1の発明に係る特許は、その明細書が特許法第36条第3項及び第4項に規定する要件を満たしていない出願に対してなされたものであり、取り消されるべき旨主張している。

(3)判断
特許異議申立人が、訂正前の明細書が不備であるとする主張の根拠は、前記2.エ.(1)(a)及び(b)のとおりである。
しかし、前記2.エ.(1)において検討したとおり、訂正明細書の記載を不備であるとすることはできないので、本件発明に対する申立人の特許を取り消すべき旨の主張は妥当なものとすることができない。

4.むすび
以上のとおりであるから、当審での取消理由、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14第の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
アルミン酸塩蛍光体
(57)【特許請求の範囲】
(1)一般式
(Ba1-x-yEuxMIIy)O・a(Mg1-p-qMnpZnq)O・bAl2O3で表され、MIIはSr及びCaのうち少なくとも一種の元素を表し、式中a,b,x,y,p,qは
a+3≦b≦4a+(3/2)
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)
0.01≦x≦0.25
0≦y≦0.1
0.01≦x+y≦0.35
0.005≦(ap/x)≦0.2
0≦q≦0.05
0<p+q≦0.3
の範囲にあることを特徴とするユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体。
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、2価のユーロピウム及び2価のマンガンで付活したアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体に関し、特に、この蛍光体は、3波長域発光形蛍光ランプに適したものである。
(従来の技術)
近年、一般照明用蛍光ランプの分野において、3波長域発光形蛍光ランプが開発され、実用に供されている。このランプに使用される蛍光体は、比較的狭帯域の発光スペクトル分布を有する青色、緑色、赤色の3種の発光蛍光体を適当な割合で混合したものであり、高効率、高演色性を実現したものである。
この3波長域発光形蛍光ランプは、各々の蛍光体についてランプ点灯中の光出力の低下及び発光色の変化が大きいと、蛍光体の間で光出力及び発光色のバランスを崩して、色ずれ現象を起こすことが知られている。
この蛍光ランプ用の青色蛍光体として、2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体〔(Ba,Eu)O・2MgO・8Al2O3〕(特公昭52-22836号公報参照)は、その発光効率の高さからしばしば用いられてきたが、発光色の変化が大きいという欠点があった。また、その他の2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体としては、〔(Ba3-a-bEuaMIb)O3・xMIIO・yAl2O3〕但し、MIはSr,Ca,Pb等、MIIはMg又はZn(特開昭61-258891号公報参照)、〔(Ba1-a-bMgaEub)O・xMIIO2・yAl2O3〕但し、MIIはTi,Zr,Hf等(特開平1-96283号公報参照)も知られているが、同様の欠点がある。さらに、2価のユーロピウム及び2価のマンガンで付活したアルミン酸塩蛍光体(特公昭52-22836号公報参照)も知られているが、これはマンガン付活による緑色が主の発光で、青緑色に発光する蛍光体であって、3波長域発光形蛍光ランプの青色発光成分として用いることができないものであった。
(発明が解決しようとする課題)
本発明は、2価のユーロピウム及び2価のマンガン付活のアルミン酸塩蛍光体において、上記の欠点を解消し、青緑色の発光を抑制して青色に発光する高効率の青色蛍光体であって、ランプ点灯中の発光色の変化の小さな蛍光体を提供しよとするものであり、3波長域発光形蛍光ランプの青色蛍光体に適したものである。
(課題を解決するための手段)
本発明は、一般式
(Ba1-x-yEuxMIIy)O・a(Mg1-p-qMnpZnq)O・Al2O3で表され、MIIはSr及びCaのうち少なくとも一種の元素を表し、式中a,b,x,y,p,qは
a+3≦b≦4a+(3/2)
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)
0.01≦x≦0.25
0≦y≦0.1
0.01≦x+y≦0.35
0.005≦(ap/x)≦0.2
0≦q≦0.05
0<p+q≦0.3
の範囲にあることを特徴とするユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体である。
なお、上記式中、0.01≦(ap/x)≦0.1であることが好ましい。
本発明の蛍光体は、次のように合成することができる。
蛍光体原料として、(1)酸化バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム等のバリウム化合物、(2)酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、(3)酸化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム等のストロンチウム化合物、(4)酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム化合物、(5)酸化亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等の亜鉛化合物、(6)酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、(7)酸化ユーロピウム、フッ化ユーロピウム等のユーロピウム化合物、(8)酸化マンガン、水酸化マンガン、炭酸マンガン等のマンガン化合物、を所定量秤量し、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム等のフラックスを配合し、原料混合物を十分に混合する。この混合物をルツボ等の耐熱容器に充填して、1200〜1500℃で2〜5時間焼成する。得られた焼成物を粉砕混合し、再び耐熱容器に充填し、弱還元性雰囲気で1200〜1500℃で2〜5時間焼成する。この焼成物を粉砕、水洗、乾燥、篩を行い、本発明の青色発光のアルミン酸塩蛍光体を得ることができる。
(作用)
従来のユーロピウムとマンガンを付活剤として配合するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体は、ユーロピウムによる450nm付近のピークよりもマンガンによる515nm付近のピークの方が主に発光し、全体として青緑色に発光するが、本発明者等は、MnOの配合量をMn/Eu比として一定値以下に抑え、かつEuの配合量も一定値以下に抑えることにより、青緑色の発光を抑制して青色に発光する蛍光体で、かつ、発光色の変化の極めて少ない蛍光体を見出したのである。
因に、第3図は、マンガンを配合しない別表の比較例2に示した従来の蛍光体の発光スペクトルであって、蛍光体の組成は
(Ba0.9Eu0.1)O・2.0MgO・8Al2O3
と表記され、450nm付近にのみピークを有する青色蛍光体である。
これに対して、第4図は、マグネシウムの一部をマンガンで置換し、ユーロピウム及びマンガンで付活した従来の蛍光体(別表の比較例3)の発光スペクトルであって、蛍光体の組成は
(Ba0.9Eu0.1)O・(Mg1.8Mn0.2)O2.0・8.0Al2O3と表記され、450nm付近のピークの外に515nm付近に大きなピークを示す青緑色蛍光体である。
一方、第2図は、マグネシウムの一部をマンガンで置換し、ユーロピウム及びマンガンで付活した蛍光体であるが、本発明の範囲にMnOの配合量を抑制した蛍光体(別表の実施例3)の蛍光スペクトルであって、その蛍光体の組成は
(Ba0.9Eu0.1)O・(Mg1.996Mn0.004)O2・6Al2O3
と表記される。この発光スペクトルは、515nm付近に実質的なピークを有していないことが分かる。
本発明は、このようにユーロピウム及びマンガンで付活したアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体ではあるが、青緑色の発光を抑制して青色に発光する青色蛍光体であって、発光色の変化が極めて小さな蛍光体を提供しようとするものである。
第1図は、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体の三元状態図である。
酸化物Aは、(Ba1-x-yEuxMIIy)Oと示すことができ、バリウムの一部を付活剤のユーロピウムと、ストロンチウム又はカルシウムを指すMIIとにより置換することができるが、酸化物Aのうち少なくとも60mol%以上をBaOとすることが、発光色を維持するために必要である。また、酸化物Aのうち3mol%以上をEuOとすることが、発光輝度を確保するために必要であり、25mol%を越えると発光輝度の向上を望むことができず、経済的見地から好ましくない。
酸化物Bは、(Mg1-P-qMnpZnq)Oと示すことができ、マグネシウムの一部をマンガンと亜鉛で置換することができるが、酸化物Bのうち少なくとも70mol%以上をMgOとすることが、発光輝度を確保する上で必要である。また、マンガンとユーロピウムのグラムアトム比Mn/Eu(ap/x)を、0.2以下とすることにより、515nmの発光ピークを抑えることができ、好ましくは0.1以下とすることがよい。また、下限値については、0.005を下廻ると、Mnによる発光色の変化量を小さく抑える効果が現れず、好ましくは0.01以上とするとよい。
酸化物Cは、Al2O3であり、酸化物Aを1molとするときの、酸化物Bのモル数をa、酸化物Cのモル数をbとし、次の関係
a+3≦b≦4a+(3/2)
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)
を保持することが、発光色の色ずれ現象を防止するために重要なことである。
第1図の三元状態図に、本発明の範囲と実施例、比較例を実1〜実18、比1〜比3として併記し、かつ、それらの蛍光体の使用前の紫外線励起の発光色及び使用1000時間後の紫外線励起の発光色を別表に示した。
(実施例1)
BaCO3 0.90 mol
MgO 0.996mol
Eu2O3 0.05 mol
MnO2 0.004mol
Al2O3 5.0 mol
AlF3 0.02 mol
上記原料を十分に混合し、空気中において1350℃で3時間焼成した。得られた焼成物を粉砕後、弱還元性雰囲気において1350℃で3時間焼成し、粉砕、水洗、乾燥、篩後蛍光体を得た。この蛍光体の組成は、
(Ba0.90Eu0.10)O・(Mg0.996Mn0.004)O・5.0Al2O3で、Mn/Euは0.04であり、第1図の三元状態図中に実1と示したものである。
この蛍光体をガラスバルブ内面に塗布し、FSL64T6ランプを作製し、1000時間使用した後、ランプから剥がし、使用前の蛍光体と併せて、254nmの紫外線励起下で発光させ、発光色を測定したところ、使用前の蛍光体は、x=0.146,y=0.084であるのに対して、使用後の蛍光体は、x’= 0.148,y’=0.086であって、発光色の変化は、Δx=0.002,Δy=0.002と極めて小さな値であった。
(実施例2)
BaCO3 0.90 mol
MgO 1.496mol
Eu2O3 0.05 mol
MnO2 0.004mol
Al2O3 5.5 mol
AlF3 0.01 mol
上記原料を用い、実施例1と同様の条件で蛍光体を作製した。得られた蛍光体の組成は、
(Ba0.9Eu0.1)O・(Mg1.496Mn0.004)O1.5・5.5Al2O3で、Mn/Euは0.04であり、第1図の三元状態図中に実2と示したものである。
この蛍光体を実施例1と同様に発光色の測定を行ったところ、使用前の蛍光体は、x=0.146,y=0.082であるのに対して、使用後の蛍光体は、 x’=0.148,y’=0.084であって、発光色の変化は、Δx=0.002,Δy=0.002と極めて小さな値であった。
(実施例3)
BaCO3 0.90 mol
MgO 1.996mol
Eu2O3 0.05 mol
MnO2 0.004mol
Al2O3 6.0 mol
AlF3 0.02 mol
上記原料を用い、実施例1と同様の条件で蛍光体を作製した。得られた蛍光体の組成は、
(Ba0.9Eu0.1)O・(Mg1.996Mn0.004)O2・6Al2O3で、Mn/Euは0.04であり、第1図の三元状態図中に実3と示したものである。
この蛍光体を実施例1と同様に発光色の測定を行ったところ、使用前の蛍光体は、x=0.146,y=0.079であるのに対して、使用後の蛍光体は、 x’=0.146,y’=0.081であって、発光色の変化は、Δx=0.000,Δy=0.002と極めて小さな値であった。
(実施例4〜19)
上記実施例と同様の条件の下に別表の組成の蛍光体を作製した。第1図の三元状態図中の実4〜実19の符号は、それぞれの実施例に対応し、その実施例で得た蛍光体の組成を示している。
これらの蛍光体について、上記実施例と同様に発光色を測定し、その結果を別表に併記した。別表から明らかなように、いずれの実施例の蛍光体も発光色の変化が小さく、上記の置換した蛍光体についても、置換以前の蛍光体と同様な結果を得ており、これらの蛍光体は、3波長域発光形蛍光ランプに有効な青色蛍光体であることが分かる。
(比較例1〜3)
上記実施例と同様の条件の下に別表の組成の蛍光体を作製した。第1図の三元状態図中の比1〜比3の符号は、それぞれの比較例に対応し、その比較例で得た蛍光体の組成を示している。
これらの蛍光体についても、上記実施例と同様に発光色を測定し、その結果を別表に併記した。
比較例1及び2の蛍光体は、その組成を
(Ba0.9Eu0.1)O・1.5MgO・5.5Al2O3、及び、
(Ba0.9Eu0.1)O・2.0MgO・8.0Al2O3
と表記されるMnを含有しない従来の蛍光体であり、発光スペクトルは第3図のように450nm付近にピークを有するが、別表から明らかなように、発光色の変化が比較例大きく、3波長域発光形蛍光ランプに用いるときには、色ずれが予想されるものである。
比較例3の蛍光体は、その組成を
(Ba0.9Eu0.1)O・(Mg1.8Mn0.2)O2.0・8.0Al2O3
と表記されるEu及びMnで付活した従来の蛍光体であり、発光スペクトルは第4図に示すように450nmよりもむしろ515nm付近に大きなピークを有する青緑色蛍光体であって、3波長域発光形蛍光ランプに用いることができないものである。

(発明の効果)
本発明は、上記の構成を採用することにより、254nmの紫外線励起で高い発光を示し、青緑色の発光を抑制して青色に発光する青色蛍光体で、特に、発光色の変化が極めて小さな青色蛍光体を得ることができ、色ずれのない3波長域発光形蛍光ランプを提供するのに大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は(Ba1-x-yEuxMIIy)Oを酸化物A、(Mg1-p-qMnpZnq)Oを酸化物B、Al2O3を酸化物Cとして表記した三元状態図であり、第2図は実施例3の蛍光体の発光スペクトルを示したグラフ、第3図並びに第4図は比較例2並びに比較例3の蛍光体の発光スペクトルをそれぞれ示したグラフである。
【図面】




 
訂正の要旨 ▲1▼本件特許明細書の特許請求の範囲を以下のとおりに訂正します。
「特許請求の範囲
(1)一般式
(Ba1-x-yEuxMIIy)O・a(Mg1-p-qMnpZnq)O・Al2O3
で表され、MIIはSr及びCaのうち少なくとも一種の元素を表し、式中a,b,x,y,p,qは
a+3≦b≦4a+(3/2),
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)
0.01≦x≦0.25
0≦y≦0.1
0.01≦x+y≦0.35
0.005≦(ap/x)≦0.2
0≦q≦0.05
0<p+q≦0.3
の範囲にあることを特徴とするユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体。」
▲2▼本件特許明細書第3頁第20行〜第4頁第7行の「本発明は・・・適したものである。」を以下のとおりに訂正します。
「本発明は、2価のユーロピウム及び2価のマンガン付活のアルミン酸塩蛍光体において、上記の欠点を解消し、青緑色の発光を抑制して青色に発光する高効率の青色蛍光体であって、ランプ点灯中の発光色の変化の小さな蛍光体を提供しようとするものであり、3波長域発光形蛍光ランプの青色蛍光体に適したものである。」
▲3▼本件特許明細書第4頁第8行〜第5頁第7行の「(課題を解決するための手段)本発明は・・・より好ましい。」を以下のとおりに訂正します。
「(課題を解決するための手段)
本発明は、一般式
(Ba1-x-yEuxMIIy)O・a(Mg1-p-qMnpZnq)O・Al2O3
で表され、MIIはSr及びCaのうち少なくとも一種の元素を表し、式中a,b,x,y,p,qは
a+3≦b≦4a+(3/2),
(7/3)a-1≦b≦(11/9)a+(17/3)
0.01≦x≦0.25
0≦y≦0.1
0.01≦x+y≦0.35
0.005≦(ap/x)≦0.2
0≦q≦0.05
0<p+q≦0.3
の範囲にあることを特徴とするユーロピウム及びマンガン付活アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体である。
なお、上記式中、0.01≦(ap/x)≦0.1であることがより好ましい。」
▲4▼本件特許明細書第6頁第18行〜第7頁第9行の「(作用)従来の、・・・見出したのである。」を以下のとおりに訂正します。
「(作用)
従来のユーロピウムとマンガンを付活剤として配合するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体は、ユーロピウムによる450nm付近のピークよりもマンガンによる515nm付近のピークの方が主に発光し、全体として青緑色に発光するが、本発明者等は、MnOの配合量をMn/Eu比として一定値以下に抑え、かつEuの配合量も一定値以下に抑えることにより、青緑色の発光を抑制して青色に発光する蛍光体で、かつ、発光色の変化の極めて少ない蛍光体を見出したのである。」
▲5▼本件特許明細書第8頁第12〜17行の「本発明は・・・である。」を以下のとおりに訂正します。
「本発明は、このようにユーロピウム及びマンガンで付活したアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体ではあるが、青緑色の発光を抑制して青色に発光する青色蛍光体であって、発光色の変化が極めて小さな蛍光体を提供しようとするものである。」
▲6▼本件特許明細書第9頁第18行〜第10頁第1行の「下限値については・・・とするとよい。」を以下のとおりに訂正します。
「下限値については、0.005を下廻ると、Mnによる発光色の変化量を小さく抑える効果が現れない。好ましくは0.01以上とするとよい。」
▲7▼本件特許明細書第16頁の表中、比較例3の「使用前発光色『y』」値を「0.032」から「0.326」に訂正します。
▲8▼本件特許明細書第17頁第1〜9行の「(発明の効果)本発明は・・・である。」を以下のとおりに訂正します。
「(発明の効果)
本発明は、上記の構成を採用することにより、254nmの紫外線励起で高い発光を示し、青緑色の発光を抑制して青色に発光する青色蛍光体で、特に、発光色の変化が極めて小さな青色蛍光体を得ることができ、色ずれのない3波長域発光形蛍光ランプを提供するのに大きく寄与するものである。」
▲9▼本件特許明細書第17頁第14行の「実施例12」を「実施例3」に訂正します(「4.図面の簡単な説明」の欄)。
異議決定日 2003-02-25 
出願番号 特願平1-241915
審決分類 P 1 651・ 534- YA (C09K)
P 1 651・ 531- YA (C09K)
P 1 651・ 113- YA (C09K)
P 1 651・ 121- YA (C09K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 柳 和子  
特許庁審判長 板橋 一隆
特許庁審判官 西川 和子
後藤 圭次
登録日 1998-06-12 
登録番号 特許第2790673号(P2790673)
権利者 化成オプトニクス株式会社
発明の名称 アルミン酸塩蛍光体  
代理人 萩原 亮一  
代理人 安西 篤夫  
代理人 安西 篤夫  
代理人 内田 明  
代理人 須山 佐一  
代理人 内田 明  
代理人 萩原 亮一  
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